良いこと、悪いこと、ぱっとしないことを取り混ぜて、この一両日は慌しかったり、いらだったり、気持ちもアップダウンした。
幼児の残虐な殺人事件が福岡と千葉で2件、事故米販売が解決しない中で中国製の乳製品にメラニンが含有されていることが発覚した。大相撲では横綱・朝青龍が連敗して5勝4敗となり、プロ野球では巨人が阪神と並んでついに首位に立った。
そこで今日の自民党総裁選挙だが、予想通り麻生太郎氏が他の4候補者を圧倒して1回の投票で決まった。また、これで世襲議員が総理大臣になる。何代続けばこの「世襲病」という伝染病を根絶するウィールスが開発されるのだろうか。その麻生氏は選ばれた後の就任演説で、130年前の今日22日に祖父・吉田茂が生まれ、吉田茂は66歳で総理大臣になったという家系の自慢話をしていた。やはり、常に政治家だった親や祖父を意識し、七光りとする政治家であることがはっきりした。この失言の多い、マンガ好きで軽い麻生氏が難問山積の国の舵取り役として、果たしてやっていけるのか心配である。景気対策優先と言いながら、経済政策に関して麻生氏の自説・持論はあまり聞いたことがない。外交にせよ、防衛にせよ、利己的なアメリカの対日政策に対してどうやって日本の立場や言い分を通すことができるのだろうか。苦労知らずのお坊ちゃん育ちだけに、相手にすぐ丸め込まれるような懸念がある。
さて、唐突に舛添要一厚生労働大臣が後期高齢者健康保険制度の洗い直しを仄めかした。この4月から施行され、散々悪評を買った保険制度だが、政府は欠陥を少しでも修正しながら、信頼を得られる制度、また財政的にも継続できる安定した制度として、育てて行きたいと言ったように記憶している。年寄りいじめとか、老人は早く死ねということか、とまで言われた新制度である。それが、舌の根も乾かない間に、目の前の総選挙対策として①後期高齢者として区別しない、②天引きしない、③年齢による区別はしない、の3点を骨子として新医療制度としてまとめようとしている。
高齢者にとって制度が改善されるので、反対するということではないが、後期高齢者医療制度は、少子高齢化に伴って高齢者の医療費が保険制度を財政的に窮地に追い込むので、受益者負担の考え方を採り入れ抜本的に変えたばかりであった。それがスタートして1年も経過しない内に、制度自体の見直しをやるというのだから、知恵を絞り、時間をかけて法律を作ったのは何のためだったのだろうか。間違いだと分れば、改善、改革するに如くはないというが、これでは金と時間の「無駄」オンパレードではないのか。しかも選挙が目の前にちらついて、負けると予想される政権政党としては、健全財政とか受益者負担の哲学なんかよりも、目の前の一票が欲しくなったのだ。
国の方針はいつも揺らいでばかりいる。まったく国家としての哲学が見られない。