近畿地方を襲った台風12号の猛威には圧倒される。最初はゆっくりしたペースで日本本土に上陸したが、このゆっくりしたペースが曲者だったようだ。降雨量が普通の台風とは違って多く、地盤の弱い地区や、堤防が脆い地区では土砂崩壊や洪水が押し寄せ多数の犠牲者を出している。今日現在で31名の死者が判明した。これらの地区が復旧するのは、まだ遠い先になるのだろう。今年は自然災害に襲われる地域が多く、地震・津波災害にやられた東北地方、台風・洪水にやられた近畿地方、等々に起きた被害に鑑みて新たな防災対策を含め災害対策も待ったなしである。
こんな時に船出した野田政権は目の前に溜った多くの課題を可及的速やかに対処しなければならない。事態の深刻さを承知した野田総理は、臨時閣議で大雨被害 の情報収集を強化する一方で、人名救助と行方不明者の救出に全力を尽くすことを強調した。野田政権にとって救いとなるのは、政権発足時の支持率が60%を超えていることである。20%を切るような政権末期の鳩山内閣や菅内閣のような不人気でないことにほっとする。実行力は未知数ではあるが、前向きな姿勢だけは伝わったようだ。野田総理にとって内外に難題を抱えて大変な時ではあるが、指導力を発揮して難問に果敢に挑戦してもらいたい。
さて、相澤酋長に関するドキュメントの内容で、佐々木信也さんに確認したい点があったので、電話で尋ねてみた。昭和24年 夏の甲子園で母校湘南高校が初出場、初優勝の快挙を成し遂げたが、佐々木さんはその時1年生だった。その後高校卒業までの戦績を聞いてみたかった。2度目 の甲子園は3年生になった、翌々年の選抜大会で主将だった。「トップバッターでセカンドでしたか?」と大学、プロを通じて定番のポジションに関する質問 に、「いや、三番でショートでした」との回答だった。佐々木さんには悪いが、三番とは意外だった。チャンスメーカーではなく、一発勝負を決める役割を期待 されていたのだ。守りもセカンドでなく、ショートだったとは更に意外だった。それにしても常識とはかけ離れた球歴があったわけで、面白いと思った。
佐々木さんからは相澤さんが湘南OBである確認がとれたかどうかと尋ねられたが、確証がなく確認できないので、こればかりははっきり応えられない。小林泉著「南の島の日本人」では、相澤さんを湘南OBと結論づけていたが、本ドキュメントでは私は詮索しないということにしている。拙文を読んだ方がどう受け取られるか。
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1576.2011年9月4日(日) 記録的な豪雨をもたらした台風12号
いよいよリビアのカダフィ政権も末期症状を露呈したのか、最後のあがきを取材しようと世界中のメディアが注目している。昨日のTBS「報道特集」に続いて 今日はNHK・BSで外国メディアのドキュメント「リビア市民蜂起の真実」が、カダフィ政権の罪のない市民の虐待と殺戮行為を暴いていた。いずこの独裁政 権もその体制維持のためには、一般人からの密告やリンチなどの陰湿な残虐行為が常習化しているようだが、リビアで反政府軍が力を得たきっかけとして、弟を 殺害された市民運動のリーダーの弁護士が今年2月に逮捕されたことが大きな原因となった。これに対して非合法的に逮捕され殺害された遺族グループが共鳴し 反政府運動に火をつけたと詳しく報道していた。日本の新聞ではあまり残酷なシーンは報道されないが、ベンガジ市内のアブ・サリム刑務所では1200人が処刑されたという。荒れ果てた刑務所内も映し出された。
カダフィ政権が姿を消し廃墟となった政府軍建物の跡から、密告の証拠書類が見つかり、密告者はそれが露見すれば自分の身が危ういと秘密警察署を襲い証拠 書類を消滅させようとする。反政府運動を代表する国民評議会アブドル・ジャリル議長は、密告の証拠書類の公開は報復の連鎖を招くとしてその公開を拒否して いる。われわれの感覚ではとても考えられない異常な事態が起きていた。
それでも着々とカダフィは追い詰められている。遺族グループが火をつけた運動が政府側を弾劾し、追い詰めて民主化の動きを広げていけばリビアにもいずれ明るい未来が訪れることを期待したい。
ここ数日前からゆっくり北上してきた台風12号 が、のろいスピードで四国から関西を襲い日本海へ抜けたが、近畿地方に記録的な豪雨をもたらし、多くの被害を与えた。意外なことに台風通過地点より若干外 れた紀伊半島に大きな被害を与えた。特に、和歌山、奈良、三重で多くの犠牲者を出した。全国で今晩24名の死者が報告されている。
こういう自然災害の惨状を見るにつけ、日本の立地は災害に襲われる地質、国土、地形になっているとつくづく思う。地震や津波ばかりでなく、毎年やってくる 台風も巨大なもので多大な被害をもたらしている。こんな脆弱な地盤では原発事故に対する不安感から、今後建設反対の声が上がってくるのも当然であろう。
今日細野豪志・原発担当相が福島第一原発で汚染された瓦礫の処理施設は福島県外で行うと公表した。 先日辞任直前の菅首相が福島県を訪れ、佐藤雄平知事に福島原発から排出された原子力放射性廃棄物は福島県内で処理して欲しいと前触れも無くお願いしたとこ ろ、知事が怒り一喝された。細野大臣はその辺りの福島県民の気持ちを斟酌して、国全体で負担するのが国の配慮であるとの発言をした。それはそうだろう。
ただ、福島県以外の自治体がどれだけ福島原発から排出される放射能汚染廃棄物を引き取ってくれるだろうか。また新たな問題を提起することになるのではないだろうか。
1575.9月3日(土) カダフィ大佐の行方分らず、リビア情勢はどうなるか。
TBSの報道特集でリビア情勢について、現地からの中継を交えて金平正紀特派員がリビア各地の様子を伝えていた。10日前ごろ反政府軍が首都トリポリを制圧したと発表されたが、主役のカダフィ大佐の行方が掴めず、その後の成り行きが注目されていた。
今日の番組を見たところでは、国内のいずこかに姿を隠しているカダフィが政府軍や支援者をたきつけて降伏拒否、徹底抵抗を叫んでいる。しかし、都市の荒廃 した状態を見ると、カダフィ側がほぼ国内を制圧した反政府軍に対して巻き返すことは至難に思える。カダフィ城陥落は最早時間の問題だろう。
一昨日9月1日は、リビア革命から42年に当たるが、今や追われる立場に追い込まれたカダフィ大佐を思うと、つくづく「奢れる者は久しからず」を感じる。
国民評議会がカダフィ大佐へ降伏を求めているが、カダフィには受け入れる意思が見られず、このままではカダフィの潜伏先を見つけて攻撃するシナリオが浮か んでくる。カダフィの長男と三男は降伏を受け入れ、条件を話し合おうとしているが、カダフィと二男が頑強に抵抗し、絶対降伏しないと死を辞さない覚悟であ る。こうなると行き着くところまで行くことになるだろう。
テレビ画面を観ると市街地は瓦礫の山と化し、人々はカダフィから解放されて自由を喜んでいるが、これからの国の再生を考えると気の遠くなるような話である。反政府軍の後ろ盾になって、空爆を繰り返して支援したNATO軍とEU諸国の責任も重いと思う。いずれにせよ、国会も憲法もない国を民主国家として軌道に乗せるのは、並大抵ではない。
それにしても埋蔵量ではアフリカ第一と言われる石油資源に目が眩んで、カダフィ大佐のご機嫌ばかり取っていた中国やロシアは、ここでポスト・カダフィにどう決着をつけるつもりだろうか。
さて、漸く相澤トラック島大酋長のドキュメントを仕上げたので、原稿をコピーして森喜朗元総理事務 所とジョン・フリッツ・ミクロネシア大使宛へ郵送した。これが推敲されて返送されれば最終原稿にまとめたい。そんな折今夕知研・八木哲郎会長から「冒険ダ ン吉」漫画シリーズがアマゾンで買えると連絡があった。件のドキュメントに一部「冒険ダン吉」に触れる箇所があり、相澤酋長のリリー夫人も冒険ダン吉と云 われる森小弁の孫だということでもあり、「冒険ダン吉」の漫画再刊版を複写でドキュメントに添えたらどうかとのアドバイスだった。面白いと思うので、もし 漫画が入手出来れば考えてみたい。
1574.2011年9月2日(金) 野田内閣発足す。
今日野田内閣が発足した。これまでの内閣と違い、顔馴染みの閣僚が少ない。ノーサイドといい党内融和を図ったせいで小沢グループから二人が入閣した。ざっと閣僚名簿を見て若返ったなぁと思う。平均年齢が58.3歳だというから今までで一番若い内閣だ。私より年長者は前田武志・国土交通相の73歳 だけだ。若いだけに旧来の慣習に捉われず、思い切って行動してくれるだろう。ただ、能力的にどうかという心配は残る。当面取り組むべきは、震災復興、円高 対策、景気対策、外交だろう。この中で財務大臣に起用された安住淳氏と、外務大臣に起用された玄葉光一郎氏、経済産業大臣に起用された鉢呂吉雄氏らの力量 が一番気にかかる。
さて、先月27日 の本ブログに「三菱重工社長は何を血迷ったか」と題して、三菱重工と日立製作所の合併問題が沙汰止みになったらしい問題で、三菱重工大宮社長の対応を非難 した。大宮社長は日立との経営統合の話はないし、今後もそれはないと朝日新聞記者に応えた。先月上旬日経新聞に大きくスクープされたことにはそれまでまっ たく反応していなかった。どうもおかしいし、社長の対応にも納得いかなかったが、「選択」9月号に「三菱重工『呑みこみ』失敗の責任」との記事で、日立の 中西宏明社長を厳しく批判している。合併話は実際にあったらしいのにである。
事実はどうだったのか。トップ間でも話が進んで成立へ向っていた合併話が頓挫したのは、「選択」誌によると統合新会社を主導するはずの中西日立社長の責任 であると指摘する関係者が多いらしい。日経に情報が漏れた段階で中西社長が自宅前で午後に正式に発表すると語ったことが予断を持たせたと、三菱グループ各 社のトップを激怒させたという。やはり企業規模の点で、日立の遥かに後塵を拝する三菱重工が日立に呑みこまれると危惧した、プライドの高い三菱紳士にとっ ては日立社長の態度は許せないと見られたのだ。これに日立が一気に合意へと動いたことが余計三菱の神経を逆撫でしたようだ。中西社長としては、合意に近づ いたと見て、新聞に書かせることで三菱重工を追い込むつもりだったと「選択」誌は穿った見方をしている。
政治が政局やら駆け引きばかりで、本流が動かないことが多いが、どうしてどうして経済界の大物の間では政治を上回る駆け引きや騙し合い、落とし穴への誘導が平然と行われている。
1573.9月1日(木) 公開講座の講師を務める。
「防災の日」に当たり朝から自宅上空をヘリコプターが旋回したりホバリングしていて少々煩い。震災を予想した交通訓練が都内各地で幅広く行われていた。こ れでは煩いのも仕様がないか。東北大震災発生の折都内で車の利用者が多過ぎて車が動けなくなり、交通渋滞を引き起こしたことが大きな問題となり、地震発生 の際には車の利用を控えるようしきりに啓蒙している。本番でうまく周知徹底し狙い通りうまく実行することが出来るだろうか。
さて、今日は講師登録しているNPO「シニア大楽」から依頼されて公開講座の講師として「世界遺産の楽しみ方」のタイトルで講演した。30人そこそこと考えていた受講者が、今日は百人ほどもいて盛況だった。パワーポイントのスライド作成にはじっくり時間をかけて自信作を造り上げたが、45分 の持ち時間ではやや足りず、最後は打ち切ってしまったことに少々悔いが残った。それでも整体、整骨の講義をされ評判の良かった青樹和夫氏が、講義が面白く て誰も眠るような人はいなかったと言ってくれたり、藤井事務局長から大変面白かったとお褒めいただいた。まあそれで今日のところは善しとするか。
それにしても今日の公開講座は前宣伝が効いたせいか、参加費を支払って台風接近の中をこれだけ大勢の中高年の方々が参加されるというのは、時間的にも経済 的にも余裕のある人が多いせいもあるが、生涯学習に前向きな気持ちが強いことと、第二の人生を楽しもうとの気持ちが強い人が多いからだろう。少子高齢化の 時代に定年後の人生を何とか充実させたいという思いを抱いた人が年々増えていることは喜ぶべきことだろう。
11月 の交通短期大学での講義までしばらく講義・講演の機会がないので、いま取り掛かっているトラック島の相澤進大酋長に関するドキュメントをもう一度見直して みようと思っている。それには駐日ミクロネシア大使館のジョン・フリッツ大使の話をもう少し膨らませて、相澤酋長と森喜朗元総理の交流、相澤酋長と佐々木 信也さんとの関係、相澤酋長と甥に当たるジョン・フリッツ大使の親密な関係、さらには日系人と日本の歴史的関係等々についてもう少し掘り下げて書いてみよ うと考えている。
明日から改めてドキュメントに再挑戦だ。
1568.2011年8月31日(水) 小田実さんのドキュメント番組に映っている。
今朝9:30からNHK・BSプ レミアム3で小田実さんに関するドキュメントが再放映された。名作選ハイビジョン特集に採り上げられた「小田実 遺す言葉」という1時間半の番組だった。小田さんが亡くなった4年前の暮に一部放映されたものとそれほど変わっていない。改めてじっくり観ようと思ったと ころ冒頭箇所に何と私の姿が映っているのが見えた。8月4日葬儀を終えた後、青山葬儀場から青山一丁目まで行われたデモ行進に参加した際ビデオに撮られた ものである。
デモの前から3列目辺りで集団になって‘We shall overcome!’ を歌いながら歩いている記事と写真は、葬儀の翌日付朝日朝刊社会面に載り、その直後にゼミの池田博充くんや、その後須藤甚一郎さんらから指摘された時と同 じものだ。テレビ取材班がわれわれについてきていたが、まさか実際に撮られて敬愛していた小田さんの名作の冒頭に載るとは思っても見なかった。全体の構成 としても、小田さんの活動がよく反映されて懐かしい感じがした。欲を言えば、もう少し「ベ平連」やベトナム反戦運動に焦点を当てて欲しかった。私も若かり しころに小田さんと小田さんの行動に随分影響を受けたが、あれほど自説を主張し正論を押し通す行動的な人は今後出てこないのではないか。
番組の終わりに作家高橋源一郎氏が何点か感想を述べていたが、もし小田さんが今生きていたら東日本大震災や福島 原発事故についてどんなコメントを述べたか聞きたかったと言っていた。まったく同感である。私も小田実さんがどんなことを発信するのか伺いたかったという のが本音である。改めて小田さんを懐かしく思い出している。
さて、野田新首相は本格的に船出する前に、党人事と内閣閣僚の選定に余念がない。取りあえず幹事長に輿水東・民主党参議院議員会長、政調会長に代表を 争った前原誠司・前外相、国対委員長に平野博文・元官房長官を党三役に指名した。ノーサイドとか、融和優先と言われたが、問題は完全に小沢の子分である輿 水氏が幹事長に就任することによって、反小沢の議員がどういう反応を示すか、注目される。
昨 日の演説といい、その後の例え話といい、野田氏の評判は予想以上に良いようだ。しかし、総理たるもの時間が経てば実績で評価されるのだ。総理に就任した以 上しっかり頑張って誇れる実績を示して欲しい。そうでないと何だか元の自民党政権に戻ってしまうような気がして仕方がない。
1567.2011年8月30日(火) オペラのアリアを堪能
菅内閣が総辞職して、昨日民主党代表に選出された野田佳彦氏が今日衆議院本会議で首相に指名された。昨日から演説の巧さが話題になっている。流石に松下政 経塾出身だと打って変わった評価をされ、今まで没個性的であまりぱっとしなかった野田氏の評価が、こうも変わるものかと思う。これから党人事や閣僚を決定 するわけだが、小沢グループとの軋轢もあり、果たして野田氏が望むようにノーサイドとなるか。
今日コンサート観賞のためサントリーホールに行った。妻はこれまでに何度も来たことがあるが、私にとっては初めてである。先日ゼミの友人からもうオープンして30年(実際には25年) になるのにまだ行ったことがないのかと軽蔑されたほどである。2階席の後の方だったが、あまりにも大きく立派なホール、加えて素晴らしいオペラ歌手のアリ アをたっぷり堪能した。負け惜しみのようだが、後の方がむしろ声の通りが良いように思う。東北大震災被災地の子どもたちのためにと銘打ったチャリティーコ ンサートで、オペラ歌手のオンパレードと言っても良いほどの豪華な顔ぶれだった。
オーケストラは各オーケストラで主旨に賛同したプレイヤーが個々に加わった特別オーケストラだという。指揮は大友直人と渡辺一正。ソプラノの幸田浩子、松 本美和子、メゾソプラノの林美智子、郡愛子、ソプラニスタの岡本知高、「千の風になって」のテノールの秋川雅史らだったが、声量があり流石と感じたのは、 最後に「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」を歌ったテノールの福井敬だった。正に圧巻だった。生でアリアを聴くことの楽しみを改めて知ったくらい の感動だった。他にも日本オペラ界の長老であるバリトンの栗林義信が78歳の高齢であるにも拘わらず、伸びのある声で「仮面舞踏会」の「おまえこそ心を汚すもの」を朗々と歌ったのにしばし聞き惚れた。
それに引き換え、秋川雅史や若手の藤沢ノリマサや、ミュージカル俳優の岡幸二郎は上手に歌っていたが、声量不足で私のように後方で聴いていると声が充分届かず、素人の感想で恐縮だが、福井敬にはとても歯が立たないほど力量に差があるように思えた。
音楽会にあまり足を運ぶ方ではない私でも、クラシック音楽を聴くことには興味がある。お陰で今日は3時間に亘ってオペラの楽しさを充分味わうことが出来た。
旅行、スポーツ、美術等々何でもそうだが、やはり生で本物に接するのがいい。
1566.2011年8月29日(月) 民主党新代表に野田佳彦財務大臣
民主党代表選挙の結果、新しい代表に野田佳彦財務大臣が選出された。1回目の投票では、決選投票の相手・海江田万里経済産業大臣の3分の2しか獲得できなかったが、決戦では他に立候補した3人の獲得票の7、8割ほどを浚って逆転し、215対177で決着をつけ、民主党代表に就任することになった。明日の衆議院本会議で総理大臣に指名される予定である。
菅政権のやり方を反省して党内をまとめ、震災復興、円高対策、経済回復、円滑な外交、等々へ踏み出してくれれば結構であるが、発足早々早くも暗雲が垂れ込める懸念がある。
最大の懸念材料は小沢グループへの対応である。その他にいくつかの問題がある。第1に自民党との大連合を打ち出していたことである。第2にA級戦犯は戦争 犯罪人ではないとする歴史観である。第3に経産大臣として官僚の言いなりで自身の発信が弱かったことである。国のトップとしてリーダーというには些か線が 細い。当面小沢グループに対する処遇をどうするのか、はっきり見定めたいと思う。
さて、今夜は久しぶりに「知的生産の技術研究会」の八木哲郎会長に誘われて久恒啓一理事長と京王線調布駅前で会食した。八木さんは知研の創設者であり、会 を今日まで発展させた功労者である。近年会員数が漸減し、1年4回発行の機関紙「知研フォーラム」の取材、編集、発行、送付まで中々手が回りかね、業務一 切をほとんど奥様の助けを得ながら80歳に喃々とする齢でやっておられる。頭が下がる思いである。八木さんからいくつか相談も受けた。
現在の雑誌スタイルの機関紙発行方法を電子書籍化することに対しては、僭越だったが異を唱え極力いままで通りのスタイルを貫いてほしいとお願いし、会長、 理事長に納得してもらった。編集に関しては推敲や校正の面で私も出来るかぎりお手伝いすることをお約束した。時間さえ取れれば雑誌の編集は好きな仕事なの で、お手伝いしたいと考えている。いま取り掛かっている相澤進トラック島酋長のドキュメントについては期待してもらっているようなので、あと数日精魂を傾 けてまとめたいと思う。
久恒理事長は多摩大学教授としての活動が、最近日経によってハーバート大サンデル教授風に「日本の白熱教授22人」の1人として推薦され、益々脂が乗ってきた感じである。
久恒理事長から最近発行された著書「人生の道を拓く言葉130」をいただき、表紙裏に図解と署名を加えていただいた。その著書の中に右翼の巨魁と言われた頭山満の言葉があるが、それが中々良い。
「人間は魂さえ磨いて居ればよい。ほかに何も考えることはいらん。国も人も魂じゃ。魂の無い国、魂の無い人は国でも人でもない」。
なるほど! この言葉を野田新代表に呈上したい。
1565.2011年8月28日(日) 嫌な予感、民主党代表選の舞台裏
昨日民主党代表選への出馬者が決定した。2人調整のうえ辞退して5人が代表の座、言い換えれば総理大臣を目指すことになった。菅首相が辞任を発表した時から外国通信社の次期首相選出レースの評判は頗る芳しくない。確かにこの2年間で3人では、短くても4年に1人 の外国人の感覚からすると変幻万化のペースにとてもついていけないという感じに捉われるだろう。この短期首相というのが、震災復興を急ぎ経済成長のスピー ドを落とさずに、腰を落ち着かせて経済回復と震災対策を進めるためにはマイナスと受け取られ、「ムーディーズ」格付け会社が日本の評価を1ランク下げた理 由のひとつである。
しかし、昨日正式立候補して明日投票とはあまりにも短兵急ではないか。たった足掛け3日である。これでは政策を訴える時間がない。結局政策アピールより数 合わせになってきた。多数派工作に成功した方が勝ちだ。こうなると小沢一郎グループの票をいただけることになった、海江田経産相が断然有利になった。た だ、相変わらずヤクザまがいの裏取引があるようで、小沢氏が言っていることにはすべて同意することを求められていることは言わずもがなである。最も気がか りなのは、海江田氏が代表に選出された場合、現在党員資格停止処分を受けている小沢氏の処分を解除するのではないかということである。民主党員の中にも処 分解除をはっきり発言する人がいる。しかし、これをやっては国民から総すかんを食うだろう。それでも総理になりたい一心で、敢えて小沢氏の処分を解除する なら、海江田氏の政治生命は終ると考えた方が良いだろう。
その他にも小沢氏の考えに沿ってマニフェストの見直しは行わないことを求められている。
それにしても日本のトップである総理大臣を決めるのに、たった2日間の準備期間しかなく、しかも国民には投票権がなく、制度上認められているからとは言え、あまりお利口さんでない民主党議員だけで決定するのは理不尽であるし釈然としない。
明日の選挙の結果はどうなるか。内輪喧嘩、そして党内分裂に発展しなければ良いが。震災復興が遅々として進まない中で、いま内々の論理でトップを決めることにうつつを抜かしている場合だろうか。
1564.2011年8月27日(土) 三菱重工社長は何を血迷ったか。
今月4日の本ブログに日立と三菱重工の合併話に仰天した感想を書いた。実際びっくりしたからで、序にそれまで私にとって予想外の企業合併例として三菱銀行 と東京銀行の合併、八幡製鉄と富士製鉄の合併を挙げたくらい衝撃的なインパクトがあった。事実その日の日経朝刊ではこの合併をトップ記事として紙面の70%を割いて報道し、スーパービッグニュース扱いだった。
ところが、これに関連してあれっと思えるような記事が今朝の朝日に掲載されている。三菱重工の大宮英明社長が朝日記者のインタビューに応じて回答した内容 である。社長は4日の各紙に報じられた合併記事に関して「そのような事実はない。今後その予定もない」とにべもない。そんなことはないだろうとつい詰問し たくなる。あれだけ詳しく報じられた割には平然として、さも心外だと言わんばかりの顔をして「日立との経営統合はない」と断言している。代表取締役が公式 にそう言うなら、そうなのかも知れない。だが、どうしてこういう不可解な事態になってしまったのか。若干ニュアンスの違いはあるが、「相性は悪くない」 「協力できるところとやらないと勝てない」「そういう機会は否定するものではない。GEやアレバとあるかも知れない」等々の発言から察すると可能性がゼロ とは思えないが、まるではた迷惑なような受け取り方のようだ。
それにしても件のニュースが流れてからすでに3週間以上が経過した。この期に及んで全面否定であるかの如き発言をされるのは少々無責任ではないかと思う。 ことは社内ばかりでなく、株主の利益へも及んでくる。可能性がないならなぜ記事が流れた時点で直ぐ行動を起し断固否定しなかったのだろうか。
大三菱ともあろうものが、日立に呑みこまれるようなコメントがお気に召さなかったのだろうか。確かに三菱重工と言えば財閥系の超大型企業でジェット機まで製造している大企業であるが、それでも企業規模から見ると日立の従業員数36万人に比べて、7万人と数において五分の一程度である。
ともかく自社の命運を賭けたような神経を尖らせなければならない報道をしばらく放っておいて、気に食わないから事実無根みたいな発言を社長がするようでは 老舗三菱の名が泣こうというものである。大株主からクレイムがつくのは明白である。お育ちの良いはずの三菱としては、原発設備で日立のライバル社であるGEやアレバとの合併可能の捨て台詞に至っては、三菱の品性を疑われても仕方があるまい。
大三菱辺りの社長でも案外無責任、非常識、認識不足、甘い状況判断、配慮のなさ等々、案外大した人物ではないと分る。
それにしても気をつけるべきは、トップたる者の言動と品格である。