菅内閣が総辞職して、昨日民主党代表に選出された野田佳彦氏が今日衆議院本会議で首相に指名された。昨日から演説の巧さが話題になっている。流石に松下政 経塾出身だと打って変わった評価をされ、今まで没個性的であまりぱっとしなかった野田氏の評価が、こうも変わるものかと思う。これから党人事や閣僚を決定 するわけだが、小沢グループとの軋轢もあり、果たして野田氏が望むようにノーサイドとなるか。
今日コンサート観賞のためサントリーホールに行った。妻はこれまでに何度も来たことがあるが、私にとっては初めてである。先日ゼミの友人からもうオープンして30年(実際には25年) になるのにまだ行ったことがないのかと軽蔑されたほどである。2階席の後の方だったが、あまりにも大きく立派なホール、加えて素晴らしいオペラ歌手のアリ アをたっぷり堪能した。負け惜しみのようだが、後の方がむしろ声の通りが良いように思う。東北大震災被災地の子どもたちのためにと銘打ったチャリティーコ ンサートで、オペラ歌手のオンパレードと言っても良いほどの豪華な顔ぶれだった。
オーケストラは各オーケストラで主旨に賛同したプレイヤーが個々に加わった特別オーケストラだという。指揮は大友直人と渡辺一正。ソプラノの幸田浩子、松 本美和子、メゾソプラノの林美智子、郡愛子、ソプラニスタの岡本知高、「千の風になって」のテノールの秋川雅史らだったが、声量があり流石と感じたのは、 最後に「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」を歌ったテノールの福井敬だった。正に圧巻だった。生でアリアを聴くことの楽しみを改めて知ったくらい の感動だった。他にも日本オペラ界の長老であるバリトンの栗林義信が78歳の高齢であるにも拘わらず、伸びのある声で「仮面舞踏会」の「おまえこそ心を汚すもの」を朗々と歌ったのにしばし聞き惚れた。
それに引き換え、秋川雅史や若手の藤沢ノリマサや、ミュージカル俳優の岡幸二郎は上手に歌っていたが、声量不足で私のように後方で聴いていると声が充分届かず、素人の感想で恐縮だが、福井敬にはとても歯が立たないほど力量に差があるように思えた。
音楽会にあまり足を運ぶ方ではない私でも、クラシック音楽を聴くことには興味がある。お陰で今日は3時間に亘ってオペラの楽しさを充分味わうことが出来た。
旅行、スポーツ、美術等々何でもそうだが、やはり生で本物に接するのがいい。