2094.2013年2月5日(火) 暴力問題に対する全日本柔道連盟のお粗末な対応

 先週末公になった柔道日本女子代表チームの監督とコーチによる暴力事件は、思いがけない形で燻り出した。日本オリンピック委員会(JOC)へ暴力を告発していた女子代表チームの代理人である弁護士が、昨日会見でひとりの前監督の責任だけに帰して問題解決が図られるのは選手たちの真意ではないとして、全日本柔道連盟(全柔連)指導陣の一新を含めて全柔連の体質改善を求めていると述べた。

 昨日までの一連の経緯を注視すると、女子チーム選手は自分たちの鬱積した不満は暴力行為のみならず、暴力を蔓延らせる役員及び指導陣と連盟内の組織自体にあると指摘し、真摯に問題解決のための対応を求めたのである。選手の名前は明かされていないが、ここまで選手が具体的に踏み込んで追及するというのはよほどのことである。それは以前から全柔連に訴えても聞き入れてもらえず、やむを得ずJOCにアピールしたが、そのJOCはそのアピールをそのまま全柔連に委ねるという不誠実な対応に、選手たちの鬱憤した不満が爆発したのではないか。それにしても、JOCと全柔連の対応は甘いし、こういう事態に陥った深刻な状況と自分たちの「井の中の蛙」的思考経路が世間の常識とかけ離れたほど時代錯誤的であることに気付いていないことは、何とも情けない。

 ことは日本のトップクラスの選手たちが、我慢の限界として集団で代表監督を告発し、組織を批判する前代未聞の非常事態にあるという事実である。このところ頻発している中高生に対する体罰事件のような、断片的な発生ではなく、日本を代表する選手が打って一丸となって声を上げているのである。

 国際柔道連盟も、暴力は嘉納治五郎師範の精神に悖るものだと厳しく批判している。

 全柔連から離れたある元選手は、女子チームには男子指導者には逆らえない空気があると言い、それは連盟内部に女子理事者が1人もいないことも影響していると述べている。実際国際柔道連盟のルールでは、理事の20%は女子であるべきと決められているが、日本の全柔連の理事は30名全員が男子だということも事件の背景にあると言えるのではないか。

 今日全柔連は臨時理事会を召集して、吉村和郎・強化本部担当理事と徳野和彦コーチの辞任を発表したが、外部委員を含む強化委員会を来月開催するというが、そんなのんびりしている場合だろうか。

 下村博文・文科相もスポーツ界最大の危機と捉えていると発言した。にも拘わらず、全柔連はもちろん、JOCの動きと対応はあまりにものろい。マネージメントが分らず、職責も職分も理解できず、ただ組織内で胡坐を掻き、威張りちらし、権威を振りかざしていたこれまでのツケで、大きな組織がまったく機能していない。こんな非効率で非民主的な団体が、アマチュアリズムを主張し、金メダル至上主義を口にすること自体おこがましいのではないか。全柔連は今こそ人心を一新して出直しを図るべきであろう。

2013年2月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2093.2013年2月4日(月) 12代目市川団十郎逝く。

 昨日は節分、今日は立春である。その節分に成田山新勝寺で中村屋の中村勘九郎、七之助兄弟が豆まきをやったことについて昨日のブログに書いたところ、昨夜になって成田屋の市川団十郎が肺炎のため急死したことを今日ニュースで知った。享年66歳というから随分早い。

 3ヶ月前に中村勘三郎が57歳の若さで亡くなったばかりだが、勘三郎に次いで今また団十郎が亡くなったことは、揃って歌舞伎界の大黒柱だっただけにあまりにもあっけなく、歌舞伎界のみならず、わが国の伝統芸能文化の面でも極めて惜しいことである。

 学生時代に団十郎の父・11代目団十郎(当時海老蔵)、8代目松本幸四郎(初代白鸚)、2代目尾上松緑ら3兄弟の舞台を観たことがある。懐かしく思い出される。

 昨年亡くなった勘三郎の場合は、跡取りの勘九郎と七之助が割合しっかりしているように見受けられるが、団十郎はその後を継ぐ海老蔵が社会人としてあまりにも未熟で頼りない。3年前に六本木でチンピラがらみの暴力事件を引き起こして父団十郎がその尻拭いをやったくらい素行が悪く、かねてより私生活面でもとかくの噂があった。今後果たして芸の道だけではなく、人間的にも一回り大きくなって歌舞伎界を背負っていける役者になれるのかどうか些か不安が残る。

 それにしても歌舞伎界の大御所2人が若くして脂の乗ったところで相次いで世を去るとは、歌舞伎界にとっては痛恨の極みであり、大きな試練となるであろう。4月には新装なった新歌舞伎座で顔見世興行が行われる予定だったが、その矢先の歌舞伎界にとっては水を差されなければ良いがなぁと願っている。

 12代目市川団十郎のご冥福を心よりお祈りしたい。

2013年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2092.2013年2月3日(日) 中国の大気汚染に脅かされる日本の空

 今日は節分で各地では広く豆まきが行われたようだ。成田山新勝寺では、歌舞伎の「成田屋」ではなく「中村屋」の中村勘九郎と七之助兄弟や、今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主役を演じている綾瀬はるかがお立ち台からにこやかに豆をまいていた。節分の豆まきも季節の風物詩であり、見るとはなしに見ていると、日本古来の伝統的行事もこれはこれで中々味のあるものだと思う。

 さて、今わが国と中国との間では難しい問題を抱えていて、前途は楽観を許されない。それはほとんど政治的、かつ外交的な問題であるが、最近大きく報じられているのは、中国国内の酷い大気汚染である。中国国内だけに納まっていれば、取り立てて騒ぐ問題でもなかったが、風と気流に乗って越境し日本へも汚染された空気が運ばれ、日本の上空も中国の汚染された大気で汚される心配が生じてきたことである。特に地勢的な関係で、九州方面には汚染された空気がやってきて、測定値がPM2.5以上のときは極力外出を控えるよう警告が出されている。

 最近テレビ画面で観たところ、北京市内では、淀んだ灰色のスモッグが充満して遠方が見難い常態である。実際市内を走る車は普段よりスピードを落として安全運転を心がけているようだった。日本人学校などでは休校にしたり、生徒が教室の外へ出ないように気をつけているというから気遣いも大変のようだ。北京では、1月にPM2.5が300を超えた日が15日以上あり、相当深刻な状態だという。これから黄砂のシーズンに入り、毎年中国大陸から黄色い砂が運ばれて先が見えない状態となるが、同じように汚染された大気が九州を中心に襲ってきたら、相当の大気汚染患者が生まれるのではないかと気がかりである。

 被害を受けている日本人の立場からすると好い加減にして欲しいところだが、現状では止めてくれというわけにもいくまい。せめて、中国の人たちにお国も大変だが、無関係のわが国ではお国の吐き出す排気ガスのために迷惑を蒙っている人が大勢いるということを知ってもらいたいものである。尤も情報管理が徹底して都合の悪い情報は国民に一切知らせようとしない中国政府のことであるから、それは淡い希望かも知れない。

 しかし、これから黄砂の時期を迎えるに当って汚れた空気が中国から日本へ大量に流れてきたら、このまま放っておくわけにもいかないだろう。

2013年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2091.2013年2月2日(土) 気分は昔のままの小学校クラス会

 政府税制調査会会長を長らく務めた加藤寛先生が亡くなられた。先生は私の学生時代からスマートで颯爽としていた。私が三田の学生当時はまだ助教授だったが、計画経済の分野で切れ者として知られていた。近代経済学では若手助教授として、大熊一郎、北原勇両助教授と並んで三羽烏と呼ばれていた。その後教授になられてからは、政府税制調査会で活躍され税の直間比率の是正などに力を注がれ、業績としては消費税率を3%から5%へアップしたり、国鉄の民営化に尽力された。学生時代に受講することはなかったが、友人との間でもよく話題になる先生だった。

 一昨年マル経の飯田鼎ゼミ教授が亡くなられたが、今また近経学者だった加藤先生が帰らぬ人となられた。来月大学卒業50年になるが、思い出が少しずつ消えていくような気がしてならない。時の流れとして致し方ないことではあるが、やはり感傷的にならざるを得ない。

 今日は恒例の幕張小学校(千葉市)のクラス会が、いつも通り錦糸町の寿司店で行われた。今年は男4人、女4人の元クラスメートが出席したが、最近は大体このくらいの参加者である。男性は幕張から離れて暮らしている者が多いが、女性は今も幕張周辺に住んでいる人が多い。今では小学生当時とは周囲の環境もがらりと変わり、遠浅の海も埋め立てられて、近くには東京ディズニーランドやマリーン・スタジアム、国際コンベンション・センターなどの新しい施設ができて、潮干狩りを楽しんだ往時の海岸の面影はまったく失われたようだ。JR幕張駅前で酒屋を営んでいる合間さんは、両親はもちろん祖父も幕張小学校を卒業したというから驚きである。卒業して60年以上が経ち、すでに鬼籍に入った同級生も10人を降らない。その中でそれぞれ個人的な事情があることを考えれば、まあこれだけ参加できるということは佳しと納得すべきかも知れない。今日まで友人たちはそれぞれに異なった道を歩んできたので、いろいろな体験談などの話を聞くのも興味がある。野球の上手かった川上征二郎君が、中学、高校、大学まで野球を続け、大学2年で野球部を退部したことは初めて知った。3年先輩には、プロ野球・東映フライヤーズのエースとして活躍した土橋正幸投手がいたが、川上君がその事実を知らなかったとは意外だった。

 この仲間と一緒にまた海外旅行をしようとの提案もあった。だが、現状では私が世話役を務めるのは難しいと申し訳ないと思いつつ辞退させてもらった。いつまでも子ども時代の無邪気な気持ちを持ち続けていきたいと思っている。解散後まだ早いのでどこかで二次会をしようと、話題の東京駅ステーションホテル内の喫茶室に寄ったところ、土曜日の夕方であるにも拘わらず、幸い比較的空いていて幾分高価なコーヒーをいただきながらゆっくり話をすることができて良かった。案内して一応顔が立った。

2013年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2090.2013年2月1日(金) 日本柔道界の無軌道と恥

 早いもので、あっという間に1月が終わり如月を迎えてしまった。先月はたった一日しかアルコールを飲まなかった、わが人生でも珍しい新年の正月となった。年々こういう傾向になって、酒とは縁が薄くなっていくのだろうか。酒量は減り、飲む機会も減り、浮世の楽しみとも決別していくことにならなければいいが。これも糖尿病とか、痔などの健康面を考えれば、致し方ないというべきかも知れない。

 さて、一昨日公になった女子柔道日本代表チーム監督による暴力事件の結果、今日正式に園田隆二監督が辞任することになった。この辞任決定に至るまでの経緯もあまり釈然とするものではない。園田監督が昨日辞意を匂わせ、今日になって全日本柔道連盟へ辞任伺いを提出し、これを全柔連が受理したというものである。この動きを見る限り、監督の本音としては辞めたくない気持ちと、全柔連の強化本部人事をいじりたくない気持ちを窺い知ることができる。どうもすっきりしない。関係者にはことの本質が分っていないようだ。後任監督問題を含めて、全柔連は今後どう事態を解決しようというのだろうか。

 柔道界には、今日もうひとつ不名誉なでき事があった。昨年女子暴行事件で訴えられた元オリンピック金メダリスト指導者が、今日東京地裁の一審判決で懲役5年の実刑判決を受けたことである。これは私的な間柄の中で行われたことだが、指導者が師弟関係を悪用して女子選手を屈辱的に強姦し、その後に言い訳ばかり述べて罪を認めようとしなかった極めて不誠実な行為である。この判決に対して、無罪を主張していた指導者は即時控訴の手続きに入ったそうだが、何とも破廉恥な行為で恥の上塗りである。

 どうも柔道界には、外からは窺い知ることのできない密室的な支配構造があるような気がする。狭い柔道ムラの中だけで競技を行っている世界のように思う。柔道界には外部の空気に触れて、辛酸を舐めた人が少ないのではないか。他の世界から中途で入ってくる人も少ないようだ。外部と切磋琢磨する場がない。結局は井の中の蛙ということではないだろうか。

 全日本柔道連盟には果たして自浄能力があるのか。どんな再建策を講じるのか。毅然とした対応をしなければ、世間から「ワザアリ」ならぬ「イッポン!」を取られてしまうだろう。

2013年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2089.2013年1月31日(木) 今度は日本代表チーム内でパワハラ

 このところ教育現場の体罰問題が綻びるように後から後から明かされてくる。大きく報道された、一昨年の大津市の中学生いじめ自殺事件に関しては、今日第三者委員会から最終調査報告書が大津市長に提出された。報告書では、いじめが直接的な要因だったとはっきり断定した。更に学校と教育委員会の責任も問うた。回収された生徒へのアンケート調査用紙でも学校内で自死した生徒に対するいじめ行為があったことは明らかで、多くの同級生が目撃し、担任教師にもその様子が伝えられた。にも拘わらず学校側はそのままいじめ行為を放置していた。生徒の父親が学校に見殺しにされたと嘆くのも無理はない。

 昨年は顧問教師による体罰を苦にした大阪市立桜宮高校バスケットボール部主将の生々しい自殺事件、とその後の高校入試中止に伴う一連の非教育的行為が世間の注目を浴びた。

 体罰事件はその後駅伝の豊川工高、レスリングの網野高、水球の津田学園高らスポーツ強豪高校の運動部から、公立中学校の部活に至るまでこのまま放っておくと不祥事の表面化は野火の如く広がりそうだ。

 そこへ昨日、こともあろうに全日本女子柔道チームの監督、及びコーチがオリンピック・メダリストを含む15人の代表女子選手から暴力、暴言行為を行ったとして告発されたのである。女子チームの園田隆二監督は世界選手権の優勝経験もあり、ロンドン・オリンピックの監督も務め、実績は充分である。暴力行為は許されるものではないと認識しているようだが、監督自身の発言を聞いているとオリンピック金メダル至上主義のプレッシャーがあったと責任逃れのような考えが窺え、心から反省しているようには見受けられない。これを受けた全日本柔道連盟のお粗末な対応には、まったく統治者意識が欠如している。これだけの問題を引き起こしていながら、あまりにも安易に監督続投を決めている。こんな暴力監督の下では、恐怖感が先立って選手もやる気が起こらないのではないか。更に女子選手から手紙を受け取り、訪問まで受けて事情を説明された日本オリンピック委員会(JOC)の対応も、問題の解決を全柔連に委ねる無責任ぶりで腰が引けている。今日の新聞を読むとメディアは挙って園田監督と全柔連に対して厳しい対応を迫っている。

 今日午後開かれた園田監督の記者会見で園田氏は代表監督辞任を匂わせたが、全柔連は相変わらず煮え切らない。これでは柔道界全体が暴力を容認しているように誤解されるのではないだろうか。

 流石に下村博文・文科相は竹田恒和・JOC委員長を呼び出し、柔道界の暴力問題について苦言を呈した。ザッケローニ・サッカー日本代表監督がイタリアではスポーツ・チーム内の暴力は考えられないと、普段エキサイトし勝ちなラテン人種らしからぬコメントを述べていた。

 あのラテン国ブラジルでは、監督が暴力を振るえば逆に監督が選手から暴力でやり返されるということも言われている。日本では相も変わらず一方的に上から下へ暴力を押し付けるのだろうか。国際柔道連盟もこのまま看過できないとして、次回の理事会でこの暴力問題を取り上げる方針だという。えらいことになってきた。

 はてさて、このままでは納まるまい。監督は辞任し、連盟は新しい体制となって出直すしかないのではないかと思う。

2013年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2088.2013年1月30日(水) 安岡章太郎さん黄泉の国へ

 今朝新聞を見てびっくりした。作家の安岡章太郎さんが亡くなられたからである。最近安岡さんの消息をあまり聞かないと思っていたら、体調が悪かったようだ。享年92歳である。

 安岡さんの本は格別多く読んでいるわけではないが、それでも「アメリカ感情旅行」は面白かった。安岡さんがアメリカへ留学していた頃の経験や感想を歯に衣着せず書かれた書物で、ちょうど黒人差別問題でアメリカ社会が大きく揺れていた時代のドキュメント作品である。

 かつて「アメリカ感情旅行」を読んで間もなくして、バンコック出張があり成田空港で安岡さんとたまたま一緒にチェックイン・カウンターで並んでいて、しばらく立ち話をしたことがある。その著書を読んだその感想をお話したところお礼を言われ、アメリカについていろいろお話をしたが、とても感じの良い方で爽やかな印象を抱いたことが思い出される。何とも言えず寂しい気がしている。

 さて、政府は昨日臨時閣議で2013年度一般会計予算を決定した。総額92.6兆円で過去最大である。この財源は税収が43兆円であり、残るは国債発行で賄う。いつまで経っても借金に頼る体質は変わらない。歳出のうち目立って増えたのは、対前年度比7千億円増の公共投資で5.3兆円に上がる。実現できなかった民主党のマニフェスト「コンクリートから人へ」が、今朝の朝日トップ記事の見出しで皮肉たっぷりに「人からコンクリートへ」と書かれている。案の定今日海江田万里・民主党代表が安倍首相の経済政策について「族議員が跳梁跋扈する利益誘導政治、弱肉強食社会を生む新自由主義的な経済政策などが復活している」と厳しく追及している。

 これから厳しい国の財布でどうやって財政再建をしようというのか、一番気がかりな点である。その点についてアベノミクスは何の答えも示していない。

2013年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2087.2013年1月29日(火) 政府は原発問題をどう考えているのか。

 日本原子力発電敦賀原発について原子力規制委員会は、昨日同原発2号機の直下を走る断層について活断層である可能性が高いとする報告書案を了承した。これが最終決定ではないが、敦賀原発の再稼動は極めて難しくなった。

 昨日召集された通常国会で安倍首相は所信表明演説を行った。評論家諸氏がコメントしているように、経済再生を力説し、その半面微妙な問題について語ることを避けた無難な内容だった。それらは大きく分けて経済、震災復興、外交・安全保障、教育の4つの分野に集約される。首相は党内で合意を得ていないTPPと原発問題に関しては触れることを回避した。

 今わが国にとって原発問題は喫緊の課題である。その重要課題を取り上げることなくして危機突破内閣としては責任逃れと言われても抗弁できまい。下手をして火ダルマになることから逃げようとしたのだろうか。

 先日も原発容認派の友人と議論になったが、今もって原発の根本的な問題は解決されていない。放射能を撒き散らす恐れの極めて高い、こんな危険なエネルギー源をどうして断念するという発想が生まれないのか不思議ですらある。しかも、排出される「核のゴミ」とされる使用済み核燃料の処分方法がまったく解決されず、依然として世界中で「核のゴミ」問題が宙ぶらりんの状態なのである。

 震災前の2011年2月NHK・BS放送でBSドキュメントのシリーズ「放射性核廃棄物はどこへ」の一環として、「地下深く永遠に-核廃棄物」が放映された。これは2010年に国際環境映画祭でグランプリを受賞した秀作である。ほんの1時間足らずの短編であるが、エネルギーを必要とするわれわれ現代人に多くの問題を示唆し考えさせ、同時に核を使用することの是非を問いかけているものだ。

 この作品が一昨年7月に再放送された時私は初めて鑑賞し、昨日改めてビデオを観てみた。フィンランドのオルキルオト島の地下400mにある「オンカロ」と称せられる洞窟内に、高レベル使用済み燃料を埋み込める計画を映像化したものである。これは「10万年後の安全」としてドキュメンタリー映画でも映像化された。これも同じ頃渋谷の映画館で観た。

 その最終処分計画の建設許可が実際に申請され、順調に行けば来年6月に建設を始め、2020年に操業を開始するという記事が、今月24日の朝日朝刊に紹介された。これは排出された核のゴミを処理するための世界で初めての施設である。一応10万年間は持ちこたえられるという前提の下に作られたものである。現在世界中に排出された使用済み核燃料は、少なくとも25万トンと言われている。このオンカロで処分されるのは9千トンである。まだまだ処分問題は緒についたばかりで、解決したわけではない。今後核のゴミの処理について、国際的にどういう対応をして解決していくのか、今も長期的な展望は見られない。

 問題のひとつである、出口の問題は現状ではオンカロのような処分方法がやっと実用化されようと考えられたが、その一方で入り口の原発稼動問題と切り離すことができない放射能漏れの危険については、解決策は原発を稼動させないことであることは分っていながら、これが廃絶に向けて一向に前進しない。

 偶々昨日の海外ニュースで知ったことであるが、ブルガリアの原発計画が福島原発事故以降ストップしている。ブルガリア政府はこれを機会に原発計画中止を提案したが、賛成派議員が猛反対して大きな問題となった。その結果国民投票を行ったところ、賛成派が60%を占めたが、投票率が21%台と低くこの国民投票は無効となったそうだ。いずこの国でも原発計画については悩み、できることなら別のエネルギー開発を行いたいとしながら、原発中止にまでは踏み切れない。

 日本ではどうするのか。原発が「トイレのないマンション」と揶揄されるように、核のゴミは溜まる一方である。私個人としては絶えず放射能漏れの心配をしなければならない危険な原発は、次世代のためにも断固中止しなければならないと考えている。どちらにせよ、政府もできるだけ早く展望と国の方針を打ち出すべきであろう。

2013年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2086.2013年1月28日(月) 歴史を変える事態を放任している文科省

 現代社会になっても歴史的事実、史実が完全には解明されていないことは言うまでもない。だが、それが長い間学校で学んだ史実に疑問を呈する事態になるとちょっと厄介である。噂には聞いていたが、鎌倉幕府が開かれた年号がこれまで信じられていた1192年ではないとなると、戸惑いを感じるとともに、なぜだと疑問を抱き確認してみたくなる。

 今日から朝日夕刊に「歴史のズレ」というシリーズ物連載が始まった。それによると鎌倉幕府開府は、本来源頼朝が軍事・行政官である守護、地頭を各地に置くことを朝廷から許され、実質的に支配を始めた1185年だそうだ。では、これまで受験勉強中語呂合わせして必死に暗記した「イイクニ創ろう鎌倉幕府」だった1192年は何だったのか。それは頼朝が朝廷から武士の最高位である征夷大将軍に任じられた年である。これも充分根拠があるので、どちらかを一方的に決め付けるのではなく、多くの歴史専門家が検証し充分議論を戦わせてどちらかに決定すべきだろう。敢えて社会を混乱に陥れてまでも開府年号を変えて通史を変更する必要があるだろうか。

 私にとってもっと意外だったのは、幕府という概念自体が、その当時はなく、江戸後期になって生まれた言葉だったということである。「鎌倉幕府」という言葉が初めて使われたのは明治になってからだというのも意外だった。従って鎌倉時代に頼朝に仕えた武士たちには、自分たちが「幕府」の構成員であるとの認識はなかったそうである。

 今鎌倉幕府がわが国最初の武家政権だという通説にも異論が出ている。本郷和人・東大教授は平清盛が後白河法皇を幽閉し、福原で政治、軍事権を握った1179年こそが、最初の武家政権「平家幕府」が開かれた年だと論じているのである。

 一番困るのは、疑問は疑問として中途半端なまま一方的にどちらかが正しいという結論を出され、新しくなった史実を教えられた生徒たちが、一方ではそうではないと思っている昔の歴史を学んだ大人たちとの間で、真偽はどちらか迷わされることである。歴史教科書の中には、すでに新説の記載で走り出しているものもある。つまり、鎌倉幕府の開府が1185年と記載されて教えられているのである。問題は2つの説を充分検証もしないで、それぞれが自説にこそ正しい根拠があると主張することによって、不信感の中で誤解と困惑が拡散することである。

 それにしてもわが国の歴史上の史実が変わるかもしれないこんな重要な事態に、文科省はなぜ何も発言しないのだろうか。

2013年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2085.2013年1月27日(日) 2013年度税制改正大綱を決定

 自民党と公明党は24日、2013年度税制改正大綱を決定した。安倍政権が掲げるデフレ脱却と景気浮揚を側面から支えるために、企業に設備投資や雇用拡大などを促す減税制度に重点を置くほかに、一般には来年4月の消費税率8%への引き上げに備えて住宅や自動車の購入のための負担を軽減しようとの狙いがある。

 消費増税については、併せて軽減税率の導入も検討されていたが、これが複雑過ぎて産業界の意見も多種多様であり、集約することがとても時間的に間に合わないとして、先延ばしされることになった。ただ、こういう救済措置は主旨として理解はできるが、制度を複雑にする一方である。その見返りに低所得層に現金給付を行う方針である。

 これならそれほど難しいことはないとして採用されるようだ。実際1997年に3%から5%へ増税された際にも「臨時特別給付金」の名目で65歳以上の低所得者に1人あたり1万円を支給した前例がある。

 今回の税制改正大綱で低所得者層に含まれない一般人には、どれだけの優遇、恩恵をしてくれるのかというと、住宅ローン減税と住宅の省エネ改修工事費の控除額、自動車取得税、孫への教育資金の非課税、株式・投信への小額投資非課税などで中々分り難いうえに、それなりの資産を有している人がその恩恵に与れるようだ。こうして、税制度はますます難しく一般の人々には分り難くなって面倒くさいと関心を持たれなくなってしまうのではないだろうか。

 税金の仕組みはあまり複雑にしない方が良いのではないかと思う。さもないと税金の本旨が理解されなくなり、支払う義務について誤解を呼び、支払うことの義務感が薄くなるのではないかと心配である。その意味で果たして今度の税制改正大綱はどんなものだろうか。

2013年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com