2088.2013年1月30日(水) 安岡章太郎さん黄泉の国へ

 今朝新聞を見てびっくりした。作家の安岡章太郎さんが亡くなられたからである。最近安岡さんの消息をあまり聞かないと思っていたら、体調が悪かったようだ。享年92歳である。

 安岡さんの本は格別多く読んでいるわけではないが、それでも「アメリカ感情旅行」は面白かった。安岡さんがアメリカへ留学していた頃の経験や感想を歯に衣着せず書かれた書物で、ちょうど黒人差別問題でアメリカ社会が大きく揺れていた時代のドキュメント作品である。

 かつて「アメリカ感情旅行」を読んで間もなくして、バンコック出張があり成田空港で安岡さんとたまたま一緒にチェックイン・カウンターで並んでいて、しばらく立ち話をしたことがある。その著書を読んだその感想をお話したところお礼を言われ、アメリカについていろいろお話をしたが、とても感じの良い方で爽やかな印象を抱いたことが思い出される。何とも言えず寂しい気がしている。

 さて、政府は昨日臨時閣議で2013年度一般会計予算を決定した。総額92.6兆円で過去最大である。この財源は税収が43兆円であり、残るは国債発行で賄う。いつまで経っても借金に頼る体質は変わらない。歳出のうち目立って増えたのは、対前年度比7千億円増の公共投資で5.3兆円に上がる。実現できなかった民主党のマニフェスト「コンクリートから人へ」が、今朝の朝日トップ記事の見出しで皮肉たっぷりに「人からコンクリートへ」と書かれている。案の定今日海江田万里・民主党代表が安倍首相の経済政策について「族議員が跳梁跋扈する利益誘導政治、弱肉強食社会を生む新自由主義的な経済政策などが復活している」と厳しく追及している。

 これから厳しい国の財布でどうやって財政再建をしようというのか、一番気がかりな点である。その点についてアベノミクスは何の答えも示していない。

2013年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com