2090.2013年2月1日(金) 日本柔道界の無軌道と恥

 早いもので、あっという間に1月が終わり如月を迎えてしまった。先月はたった一日しかアルコールを飲まなかった、わが人生でも珍しい新年の正月となった。年々こういう傾向になって、酒とは縁が薄くなっていくのだろうか。酒量は減り、飲む機会も減り、浮世の楽しみとも決別していくことにならなければいいが。これも糖尿病とか、痔などの健康面を考えれば、致し方ないというべきかも知れない。

 さて、一昨日公になった女子柔道日本代表チーム監督による暴力事件の結果、今日正式に園田隆二監督が辞任することになった。この辞任決定に至るまでの経緯もあまり釈然とするものではない。園田監督が昨日辞意を匂わせ、今日になって全日本柔道連盟へ辞任伺いを提出し、これを全柔連が受理したというものである。この動きを見る限り、監督の本音としては辞めたくない気持ちと、全柔連の強化本部人事をいじりたくない気持ちを窺い知ることができる。どうもすっきりしない。関係者にはことの本質が分っていないようだ。後任監督問題を含めて、全柔連は今後どう事態を解決しようというのだろうか。

 柔道界には、今日もうひとつ不名誉なでき事があった。昨年女子暴行事件で訴えられた元オリンピック金メダリスト指導者が、今日東京地裁の一審判決で懲役5年の実刑判決を受けたことである。これは私的な間柄の中で行われたことだが、指導者が師弟関係を悪用して女子選手を屈辱的に強姦し、その後に言い訳ばかり述べて罪を認めようとしなかった極めて不誠実な行為である。この判決に対して、無罪を主張していた指導者は即時控訴の手続きに入ったそうだが、何とも破廉恥な行為で恥の上塗りである。

 どうも柔道界には、外からは窺い知ることのできない密室的な支配構造があるような気がする。狭い柔道ムラの中だけで競技を行っている世界のように思う。柔道界には外部の空気に触れて、辛酸を舐めた人が少ないのではないか。他の世界から中途で入ってくる人も少ないようだ。外部と切磋琢磨する場がない。結局は井の中の蛙ということではないだろうか。

 全日本柔道連盟には果たして自浄能力があるのか。どんな再建策を講じるのか。毅然とした対応をしなければ、世間から「ワザアリ」ならぬ「イッポン!」を取られてしまうだろう。

2013年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com