2093.2013年2月4日(月) 12代目市川団十郎逝く。

 昨日は節分、今日は立春である。その節分に成田山新勝寺で中村屋の中村勘九郎、七之助兄弟が豆まきをやったことについて昨日のブログに書いたところ、昨夜になって成田屋の市川団十郎が肺炎のため急死したことを今日ニュースで知った。享年66歳というから随分早い。

 3ヶ月前に中村勘三郎が57歳の若さで亡くなったばかりだが、勘三郎に次いで今また団十郎が亡くなったことは、揃って歌舞伎界の大黒柱だっただけにあまりにもあっけなく、歌舞伎界のみならず、わが国の伝統芸能文化の面でも極めて惜しいことである。

 学生時代に団十郎の父・11代目団十郎(当時海老蔵)、8代目松本幸四郎(初代白鸚)、2代目尾上松緑ら3兄弟の舞台を観たことがある。懐かしく思い出される。

 昨年亡くなった勘三郎の場合は、跡取りの勘九郎と七之助が割合しっかりしているように見受けられるが、団十郎はその後を継ぐ海老蔵が社会人としてあまりにも未熟で頼りない。3年前に六本木でチンピラがらみの暴力事件を引き起こして父団十郎がその尻拭いをやったくらい素行が悪く、かねてより私生活面でもとかくの噂があった。今後果たして芸の道だけではなく、人間的にも一回り大きくなって歌舞伎界を背負っていける役者になれるのかどうか些か不安が残る。

 それにしても歌舞伎界の大御所2人が若くして脂の乗ったところで相次いで世を去るとは、歌舞伎界にとっては痛恨の極みであり、大きな試練となるであろう。4月には新装なった新歌舞伎座で顔見世興行が行われる予定だったが、その矢先の歌舞伎界にとっては水を差されなければ良いがなぁと願っている。

 12代目市川団十郎のご冥福を心よりお祈りしたい。

2013年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com