今日は節分で各地では広く豆まきが行われたようだ。成田山新勝寺では、歌舞伎の「成田屋」ではなく「中村屋」の中村勘九郎と七之助兄弟や、今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主役を演じている綾瀬はるかがお立ち台からにこやかに豆をまいていた。節分の豆まきも季節の風物詩であり、見るとはなしに見ていると、日本古来の伝統的行事もこれはこれで中々味のあるものだと思う。
さて、今わが国と中国との間では難しい問題を抱えていて、前途は楽観を許されない。それはほとんど政治的、かつ外交的な問題であるが、最近大きく報じられているのは、中国国内の酷い大気汚染である。中国国内だけに納まっていれば、取り立てて騒ぐ問題でもなかったが、風と気流に乗って越境し日本へも汚染された空気が運ばれ、日本の上空も中国の汚染された大気で汚される心配が生じてきたことである。特に地勢的な関係で、九州方面には汚染された空気がやってきて、測定値がPM2.5以上のときは極力外出を控えるよう警告が出されている。
最近テレビ画面で観たところ、北京市内では、淀んだ灰色のスモッグが充満して遠方が見難い常態である。実際市内を走る車は普段よりスピードを落として安全運転を心がけているようだった。日本人学校などでは休校にしたり、生徒が教室の外へ出ないように気をつけているというから気遣いも大変のようだ。北京では、1月にPM2.5が300を超えた日が15日以上あり、相当深刻な状態だという。これから黄砂のシーズンに入り、毎年中国大陸から黄色い砂が運ばれて先が見えない状態となるが、同じように汚染された大気が九州を中心に襲ってきたら、相当の大気汚染患者が生まれるのではないかと気がかりである。
被害を受けている日本人の立場からすると好い加減にして欲しいところだが、現状では止めてくれというわけにもいくまい。せめて、中国の人たちにお国も大変だが、無関係のわが国ではお国の吐き出す排気ガスのために迷惑を蒙っている人が大勢いるということを知ってもらいたいものである。尤も情報管理が徹底して都合の悪い情報は国民に一切知らせようとしない中国政府のことであるから、それは淡い希望かも知れない。
しかし、これから黄砂の時期を迎えるに当って汚れた空気が中国から日本へ大量に流れてきたら、このまま放っておくわけにもいかないだろう。