2174.2013年4月26日(金) トルコについて目からウロコ

 今日のJAPAN NOW観光情報協会主催の観光立国セミナーでは「トルコと日本」と題して、日本トルコ民間交流協会会長・石本寛治氏が豊富な資料を添えて話された。石本氏はかつてトルコに滞在され、帰国後も度々トルコを訪れては文化交流に力を尽くされ、トルコ外相から功労賞、駐トルコ日本大使より在外公館賞、日本の外務省より外務大臣賞等を授与され、両国の友好、親善、そして文化交流に多大の貢献をされた。

 親日的といわれるトルコではあるが、ちょっと意外だったのは、①ヨーグルトとチューリップがトルコ原産であり、②人口の95%がイスラム教徒でありながらイスラム教を国教とは定めず、飲酒も禁じられていないことであり、③女性の参政権が1934年に定められ、その点では1945年に法制化された日本やフランスより遥かに先進国であることだった。

 ヨーグルトについては、考えてもいなかった。というのは、中学生の頃父が勤めていた明治乳業が生産販売し、父からブルガリアの特産品であると聞いていたことや、1979年ブルガリアのプロブディフを訪れた時、宿泊ホテルの朝食のテーブル上に多種のブルガリア製ヨーグルトが提供されて流石に本場はすごいと感心し、その折現地の人々からも自分たちで作る家庭ヨーグルトの美味しさについても散々聞かされていたからである。

 講演が終わってから石本氏に喫茶店でブルガリア人のトルコ人に対する、あまり好意的ではない感情について話したところ、初めて聴いたように受け取られたようだった。実は、ブルガリアの教育委員会の方々から、その昔オスマン・トルコ軍によってブルガリアが侵略された時、これを救ってくれたのがロシア軍で、以来ブルガリアでは親ロシア・反トルコが定着していると伺った。それを聴いたのは、まだ東西分裂の時代でブルガリアがソ連の衛星国だったせいもあるが、ブルガリア人のトルコに対する感情はあまり良くなかった。この点について石本氏はトルコ国内にも多くのブルガリア人がいるが、あまりそういう話は聞かないということだった。中にいると分る話と案外分らないことがあるものである。

 さて、今日小中陽太郎さんから、平賀源内に関して雑誌「百味」5月号に書かれた軽妙洒脱な文章のコピーをメールで送っていただいた。嬉しいことにその中に私の野球好きに関して次のように紹介してくれている。

 「さて両国駅である。行事が終わって、両国駅の駅舎内の居酒屋花の舞にうちそろってでかけた。入るなり世界遺産すべてを訪れたことで知られる近藤節夫氏が『おっと』と声をあげた。近藤氏は、少年時代、内房に住んでいて、後楽園に野球を見にくるのが何よりの楽しみ、総武線は両国駅が終点だった。ここで乗り換えて水道橋に行った、となつかしそう、それも道理で、ここがその駅舎であった」。

 確かに内房の安房勝山町(現鋸南町)から毎年後楽園までプロ野球を観戦に出かけることを楽しみにしていたが、「世界遺産をすべて訪れた」との表現は誤解で少々戸惑った。世界遺産962ヶ所のうち、訪れたのはまだ166ヶ所にしか過ぎない。一生賭けても不可能でちょっと面映い。友人たちには訂正をお願いしてメール送信した。

2013年4月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2173.2013年4月25日(木) 日本政府「核の不使用」に署名せず、なぜだ?

 10年前の今日大都市市街地再開発のさきがけとして、また文化の発信地としての「六本木ヒルズ」がオープンした。8年前にはJR西日本福知山線脱線事故により107名が亡くなった。そして1992年の今日「10代のカリスマ」と呼ばれたロック歌手、尾崎豊が26歳の若さで急逝し、今日の今日「大利根月夜」や「かえり船」のヒット曲を歌った懐かしの歌手、田端義夫さんが94歳で亡くなった。それぞれエポックメーキングなでき事に感慨を持つ人も多いことだろう。

 しかし、何といっても今日最もショッキングなニュースは、2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けてジュネーブで開かれている準備委員会で、昨日核兵器の非人道性をアピールした共同声明に、何と日本政府が署名しなかったことである。なぜだろう? 日本はこれまで核については、被爆体験や非核3原則もあり、核拒絶反応が強かった。それが、何かおかしい。

 これまで日本は核開発に対して常に断固として反対の立場を取ってきた。それが世界で唯一、かつ初めて原爆被爆国となった日本の良心であり、世界各国に対する責任だった。世界もこうした日本の立場を理解し支持してくれた。それが今突如として、なぜこういう世界の良心に逆行する立場に立ったのか。田上富久・長崎市長と松井一実・広島市長は事前に現地入りしてジュネーブ軍縮会議日本政府代表部を訪れ、天野万利・特命全権大使に対して日本政府の賛同を要望していた。それが見事に裏切られ、被爆者から怒りの声が上がっている。日本政府代表部の前では核兵器廃絶を求めるNGOなどが抗議のデモを行っている。日本がなぜ署名しないのかと抗議する市民もいた。各界からも納得できないの声が上がっている。土山秀夫・元長崎大学長は、日本は世界の国々から核兵器廃絶の意思がないとみなされると危惧している。

 ではなぜ、日本政府は世界、また日本国内の反対を承知のうえで核声明に署名しなかったのか。その理由がまったく分らない。政府は「『核兵器の非合法化』を求める内容が米国の核抑止力に依存する政策と合わない」として賛同しなかったと言っている。つまり共同声明に署名することは、アメリカの核の傘の考えと矛盾するということのようだ。国際平和や人類の破滅より日米安保を重く考えているのである。

 最近右傾化発言がエスカレートしている安倍一家の番頭、菅義偉・官房長官は「わが国を取り巻く厳しい安全保障の状況を考えたときにふさわしい表現かどうか、慎重に検討した結果、賛同を見送った」とよく分らない言い回しで述べた。本音を言えば、日本の核保有の可能性は100%ないとは言えないぞと世界の核保有国に対して言っているのだ。この辺の事情は国民にはまったく説明せず、自民党議員だけで決定している。これは国民不在の最たるものではないか。一部の右翼系国会議員だけで判断する前にもう少し分りやすい情報公開と説明を、政府のスポークスマンが行うべきではないのか。このままでは国の安全に関して、ごく少数の自民党内の自称実力派?議員だけで国を危険な方向に誘導してしまうのではないかとの危惧を抱かざるを得ない。

2013年4月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2172.2013年4月24日(水) 話題の村上春樹を読む。

 先日買い求めた話題の村上春樹著「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」という一風変わったタイトルの書を読み終えた。村上氏の書を読むのは初めてだったが、他の作家の書とは確かにタイトル、舞台設定、話の運び方、意外性等々の点でやはり異質だと思った。ただ、ストーリー性自体は思わぬ展開で興味深く、一気に読みきった。初版発売後1週間内に百万部も発行されたそうだ。話題になるわけである。願わくは、村上氏に今年のノーベル文学賞を獲ってもらいたいものである。

 タイトルの始めに「色彩を持たない多崎つくる」とあるが、親しかった高校の異性グループ仲間(男=赤松、青海、女=白根、黒埜)や、大学後輩の灰田、灰田の父の知人・緑川らが名前に色があるのとは異なり、主人公・多崎つくる自身の名前には色がついていないという単純なことからそのような形容詞がついただけのことだった。尤も実際には、主人公・多崎は他のバイプレイヤーたちと違ってアクの強さがなく、強烈な個性が感じられないということでもある。

 また、タイトルの終わりの部分、「彼の巡礼の年」とは、白根や多崎が好きな名曲で、しばしば彼らが聴いていたフランツ・リスト作曲の「巡礼の年(ル・マル・デュ・ペイ、‘le Mal du Pays’)」を意味している。一般的に「巡礼の年」とはかけ離れた「ホームシック」と訳されているようで、You tubeでAnna Ivanovaのピアノ演奏を聴いてみたが初めて聴いたメランコリックで静かな曲だった。

 あれっと思ったのは、多崎が自由が丘に住み、新宿の鉄道会社に勤務していることである。おかしなことにこれは現役時代の私と極めて似た境遇ではないか。面白い話の展開だったので、いずれまた他の村上ものを読んでみようと思っている。

 昨夕は妻と外食したが、その際「紀伊国屋書店」に立ち寄り、小説を3冊まとめ買いしたところだ。今年の本屋大賞を受賞した百田尚樹著「海賊と呼ばれた男」(上)(下)と岸恵子著「わりなき恋」である。20日には渡部富哉著「白鳥事件 偽りの冤罪」も購入したところだ。「白鳥事件・・・」を除けば、いずれも今まであまり読んだことのないタイプの小説で興味深そうなストーリーなので楽しみにしている。

 さて、一昨日まだお会いしたことがないトラック島故アイザワ大酋長の娘さんのナンシーさんにメールで近日訪問することと、訪問目的をメール送信と手紙を添付したところ、今日丁重な返事をいただいた。すでにフリッツ駐日大使から私の訪問について知らされ、会えることを楽しみにしていると書かれていたので、まずは必要な情報がいただけそうである。早く消防車引渡し式の日時が決定されることによって、一日も早く私も旅行日程をフィックスしたいと考えている。

2013年4月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2171.2013年4月23日(火) 靖国神社参拝で不穏な空気

 安倍政権への支持率が70%を超えるという俄か人気に些か好い気になり過ぎたのか、春季例大祭が行われている靖国神社への閣僚参拝が中国と韓国で大きな問題になりつつある。今日まで3日間行われた例大祭初日の一昨日、以前から過激な右翼的言動で物議を醸し、昨年は竹島へ近寄ろうと韓国まで出かけたが追い返された新藤義孝・総務相が私人の資格と断ったうえで靖国参拝の口火を切った。すると昨日は麻生太郎・副総理と古屋圭司・国家公安委員長は堂々公人として参拝し、安倍総理は「真榊」を奉納した。安倍総理は「参拝は信教の自由。政府が立ち入る問題ではない」と各閣僚の判断に委ねるとしたが、毎年繰り返される問題だけに、せめて考えや方針だけでも未熟な閣僚たちに伝えておいても良かったのではないか。脇が甘かったと言われても弁解の余地はない。

 案の定、今朝の朝日社説で「靖国問題 なぜ火種をまくのか」と安倍内閣の甘さを追及している。「近隣諸国との関係改善が必要な時に、安倍政権はいったい何をしているのか」と手厳しく非難している。 

 仮に閣僚の靖国参拝の事柄の是非は別にしても、日中、日韓間の国交関係が険悪な現在、敢えて火に油を注ぐような閣僚個人のパフォーマンスは必要だったのだろうか。その空気を読めない国会議員たちの行動には国家を代表する公人としての資格や資質が問われかねない。予想通り中韓両国から手ごわい反発がぶつけられている。

 今の閣僚には、世の常識を知る感覚が麻痺しているとしか言いようがない。こんな非常識な言動しか取れないようでは、とても政治を任せるわけには行かない。外交問題になること自体がおかしいと述べた高石早苗・自民党政調会長のような無神経な発言まで出てくる。どういう育ち方をして、どんな教育を受けるとこういう馬鹿な発言が出てくるのか、直接聞いてみたいものだ。

 挑戦的な北朝鮮の態度に対して、日中韓3国間で対応を協議するために話し合いを始める矢先に、韓国外相が急遽訪日を中止した。日本からも中国へ向かおうとしていた高村正彦・自民党副総裁が中国高官との会談のお膳立てをしてもらえず、訪中を取り止めるという事態も発生した。

 何とも非常識で下手糞な外交交渉ではないだろうか。こんなことで北朝鮮に対して包囲作戦を取りながら、説得工作ができるのだろうか。

 そこへまた、今日はノーテンキな超党派国会議員168人が揃って靖国神社へ参拝した。これが一層火に油を注いでいる。政治評論家の後藤謙次氏はこれには呆れ果て、外交音痴とまで批判していた。中国も韓国もテレビで厳しく日本を批判した。また尖閣諸島領海へ8隻の中国海洋監視船が侵入した。8隻も領海侵犯をしたのは初めてのことである。事態は益々不穏な方向へ向かっている。政府はこの落としどころをどうしようというのか。いくら愚かな国会議員でも、少しはまともな国民の不安と心配にきちんと応えるべきである。

2013年4月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2170.2013年4月22日(月) アメリカ移民社会の暗部が露呈

 ボストンで爆破事件を起こした犯人兄弟のうち、弟が逃走中だったが、昨日身柄を拘束された。市内住宅地帯に非常警戒線が敷かれ、住民は外出を禁じられていたために、犯人逮捕の報を聞いた住民は歓喜して喝采していた。

 今回の事件では、今まであまり表に出なかった移民、或いは異民問題が端無くも露呈される結果となった。兄弟は家族とともに10年ほど前チェチェン共和国からボストンに移住してきた。26歳の死んだ兄は大学に進学しながらボクシングのアメリカ代表としてオリンピックに出場することを夢見ていた。しかし、家庭が豊かではなく大学を中退してからアメリカ人に疎外感を強く抱いて行ったようで、親しい友人がいなくて徐々に孤立して行ったようだ。次第に母国に多かったイスラム教徒の影響のせいか、イスラム教にのめり込んで行ったらしい。

 一方、19歳の弟は成績優秀で奨学金を得て医科大学に通学していたという。そんな兄弟がなぜ見ず知らずの人を殺害するような卑劣な行動に走ったのか、現在捜査当局が調べているところだ。

 アメリカは9.11同時多発テロ以来、テロへの警戒心が強くなり外国人の入国に対して水際で警戒を厳しくしている。だが、今回明らかになったのは2人がイスラム社会のチェチェンから来たとは言え、テロリストとなったのはアメリカ社会の中で成長し、教育を受け、アメリカ人との接触の中で心がイスラム化して過激派となった、いわゆるアメリカ育ちのテロリストである。今話題となっている‘HOME GROWN TERRORISM’である。

 2人のうち、兄は妻子がいる身でありながら、アメリカ社会に溶けこもうとせず、イスラム教がキリスト教より優れているとか、アメリカ社会の悪口を言ってはアメリカから気持ちが離れイスラム教に傾倒して行ったようだ。アメリカにいた一家は流浪の旅の末バラバラになり、両親は生まれ故郷のキリギスに戻って生活していた。もちろん例外はあるにせよ、またある面では止むを得ないとは言え、外国からの移民や外国人の気持ちを腐らせる生活環境、人種差別的言動、固有の文化や伝統に対する排他的な行為、等々が残念ながら現代アメリカ社会の中に育まれつつあるということになるのだろうか。

2013年4月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2169.2013年4月21日(日) 沖縄の「主権回復の日」は何のために?

 今年もゴールデンウィーク(GW)が近づいてきたが、ミクロネシア連邦トラック島(現チューク島)旅行の予定がまだ決まらない。というより決められない。藤沢市が島に寄贈した消防車はすでに現地に到着したそうだが、引渡し式の日時が未だ確定しないので、渡航予定が立てられない。仮にGW中に式典を挙行するようだと、フライトが混み合ってシートが取れないのではないかと些か気になっている。

 さて、そのGW冒頭の28日に、サンフランシスコ講和条約発効61年を記念して那覇市内で政府主催の「主権回復の日」記念式典が行われる予定である。しかし、事前に記念式典開催を打診された沖縄県は猛烈に反発している。沖縄の言い分はごもっともで、4月28日は沖縄にとって、奄美群島、小笠原諸島とともに日本から切り離され、米軍統治下に置かれた「屈辱の日」であると、県議会野党を中心に「4.28政府式典に抗議する沖縄大会」を開催することにしている。県民感情を考慮して仲井真知事は式典を欠席し、代理に副知事を出席させるという。

 なぜ過去何年間に亘って政府主催の行事が行われなかったのに、今年61年目という半端な年に、敢えて地元の反対を押し切ってでも政府の思いを強引にやり遂げようとするのだろうか。そこには安倍政権の日米関係の修復と固い絆を強めようとの一方的な願いがあるからに違いない。だが、それならそれでもう少し時間をかけて、沖縄の反発を招かず、日本人の誰もが納得できるような催しを考えられなかったのだろうか。それでなくても、政府、並びに日本国民は戦後一貫して沖縄に負担を強いてきた。

 問題は、式典に天皇・皇后両陛下のご臨席を仰ぐとしている政府の方針に対して、専門家のみならず地元からも皇室の政治利用ではないかと疑問の声が出ていることである。これだけ沖縄で反対の声が上がっている中を天皇・皇后両陛下に出席してもらう行為は、皇室の政治利用と受け取られるばかりでなく、下手をすると皇室への不信感、反感を招きかねない。両陛下と宮内庁も出席すべきかどうか頭を悩ませることになるのではないか。

 ところが、一昨日の定例記者会見で菅義偉・官房長官はノーテンキな見解を披瀝した。「『主権回復の日』式典に天皇・皇后両陛下が出席することに対し、政治利用という指摘があることについて『奄美、小笠原、沖縄も含めた日本の未来を切り開くという決意を新たにする式典であり、天皇・皇后両陛下のご臨席を賜るということは、ある意味では自然なことだ』」と述べたのである。官房長官には、天皇は国が主催するものならいかなる行事でも出席されるという意味ではないということがまったく分っていない。こんなに地元で反対の声がある中を強引に式典を執り行い、その渦中へ両陛下にお出ましいただくことが果たして象徴である天皇の国璽行為を行うことに当るのかどうか疑問だらけである。それにしてもわが日本国のスポークスマンである内閣官房長官が、よくもこんなことをぬけぬけと言えたものだとその浅はかな言い方には呆れかえるばかりである。

 国璽行為であるにも関わらず、現時点では都道府県知事は19人しか式典に出席しないそうである。また、専門家の間でも、沖縄問題に詳しい高橋哲哉・東大教授は「政府は、沖縄が新型輸送機MV22オスプレイの配備撤回を求めても無視し、米軍の占領状態をそのままにしながら『主権回復』を祝おうとしている」と批判的である。

 式典まで残り1週間となったが、まだまだ一悶着ありそうである。

2013年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2168.2013年4月20日(土) 白鳥事件とゾルゲ事件、伊藤律について聴く。

 白雲なびく駿河台の明治大学リバティタワーで現代史研究会、社会運動史研究会などが主宰する「白鳥事件 偽りの冤罪」発刊記念講演会が開催されと、主催者から案内をいただいたので興味を持って出かけてみた。1時から5時近くまで4人の濃密な講義を拝聴した。白鳥事件といえば、60年以上も前の事件で、今では知っている人も数少なくなったのではないか。

 4人の講師は、作家の宮崎学氏、本出版書の著者・渡部富哉氏、映画監督・篠田正浩氏、共産党員・伊藤律の子息・淳氏が普通では聞けない話を分りやすく話してくれた。それぞれ興味深い内容だったが、特に渡部氏は日本共産党員として白鳥事件の渦中にいた人物だけに、ディテールを事実に基づいて1時間に亘って一気に話された。渡部氏は白鳥事件は冤罪ではなく、ウソだときっぱり言い放った。それが本書の帯文に「白鳥事件=冤罪説を徹底的に批判!」と主張された所以である。かつて自分が所属していた日本共産党に対してよほど腹に据えかねていたようだ。松本清張著「日本の黒い霧」にも事実誤認があるとして、内容もさることながら、当時の日本共産党の白鳥事件への関わり方と誤った事実認識について厳しく批判していた。「冤罪は組織が最後に逃げ込む砦」とか、「個人はすべて組織のせいにせよ」とか、「完全黙秘は組織を守ることにならない。完全否認せよ」などは自身の体験上悟った信念だろう。

 映画監督の篠田氏は氏独自の視点から持論を展開された。これまでの人生の節目節目で戦争があり、特に氏が生まれた1931年には満州事変が勃発し、その後日本は大東亜戦争への道を駆け上っていった。そんな大変動の時代に幼少期を過ごしたことが、その後歴史認識や人生を考えるうえで少なからず影響を与えたという。ゾルゲと尾崎秀実に関心を抱いたのは、ゾルゲの日本の情勢分析が当時の日本人の誰にも見られなかったほど正確で的を射たものだったことであり、同郷の尾崎の書く論評も抜きん出て優れたものだったからである。特に尾崎は西園寺公一との昵懇な間柄だったが故に西園寺から得た戦争勃発危険情報をゾルゲにまで伝えていた。しかし、折角得た戦争を回避する貴重な情報が軍部上層部まで伝わっていなかったことが、戦争に突っ込んで行った原因だと論じた。

 また、篠田氏が早大陸上部時代に親しかった東大陸上部の先輩から聞いた話として、その当時ヨーロッパに駐在していた商社マンから「日本の商社は昭和16年ドイツが対ソ戦に敗れたことを知っていたとの情報」を聞いた事実があるにも拘わらず、大日本帝国軍上層部が知らなかったという情報、諜報活動の未熟さと不備が、結局日本を戦争に向かわせた原因でもあると話された。 

 伊藤律は1980年67歳の時27年ぶりに中国から帰国した。日本共産党から「反党的反国民的裏切者」としてスパイ扱いされ、共産党から除名という不名誉な扱いをされ、前記松本清張著書の中でも不名誉な表記をされたことに対して、子息・淳氏が出版社・文藝春秋を訴えたがすでに松本死して止む無く和解し、一昨日出版総局長名で同書に追加文章を挿入することを了承したと語られた。その書状コピーもいただいた。 

 比較的難解な話が多く、相当これらの問題に関心と予備知識がないと付いていけないと思う。つまり白鳥事件、ゾルゲ事件、そして伊藤律スパイ事件についてきちんと理解していないと理解が難しい。そのせいもあって、今日の会場には500名以上の聴講者がおられたが、ほとんど中年以上の人だった。

 昨日朝日朝刊東京版に篠田氏の今日の講演について主旨とテーマについて紹介記事があったので、それを目当てに来られた人もいたようだ。先日山崎洋さんから篠田氏にお会いしたらよろしく伝えて欲しいと言付かっていたが、話しかける機会がなく、私の名刺に彼からのメッセージを書いて手渡したところ、目で合図してくれた。

 久しぶりに根を詰めて聞いていたので、少々疲れた。

 さて、今日も世界的に大きなニュースが2つあった。ひとつは、ボストン爆破事件で逃走中の犯人が逮捕されたことである。もうひとつは、中国四川省でM7の大地震があり、124人が死亡し、3千人以上が負傷したという。2008年に近郊でM8の地震があり、死者・行方不明者8万余人もの多くの犠牲者を生んだが、アジアにはどこにも同じような危険の可能性が内包されている。

 正確無比で知られるマヤ暦では、2012年が地球滅亡の年と予言されていたが、実際には2012年に何の異変もなかった。しかし、その予言には閏日が外されていたことが判明し再計算したところ、改めて2015年が地球破滅・人類滅亡と予言し直された。古代エジプト歴でも2015年が地球滅亡の年とされている。さらに、現在世界の核保有国が所有する核弾道弾は2万発で、これは地球を7つも破壊する威力があるという。自然の力であれ、人為的なものであれ、遅かれ早かれ、いよいよ地球最後の日が迫って来ているのだろうか。

2013年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2167.2013年4月19日(金) 騒がしくなった文化の街・学園都市ボストン

 アメリカ国内に凶悪な事件の連鎖ではないかと思える雰囲気がある。その初っ端に起きたボストン・マラソン爆発事件については、幼い子どもを含む3人の死者が出たことについて、オバマ大統領が犯人に対して強い口調で非難し、追悼式に夫妻揃って出席した。2人の容疑者については写真、動画が公表されていたが、銃撃戦の末身柄を拘束したところ、まもなく1人が死亡し、もう1人が逃走したというニュースが流れてきた。

 昨日はテキサス州の肥料工場が爆発し、今日現在まだ鎮火しておらず、死者14名、重軽傷者160人と報道されている。そこへ、今度はボストン市郊外のマサチューセッツ工科大学(MIT)内で警官が殺害された。マラソンで爆破テロを起こした犯人が国際的に有名なMITで新たなテロを仕掛けようと忍び込んだところを発見され、逆に警官を銃殺したとの見方がある。マラソンゴール地点、MIT、そして警官隊と撃ち合ったウォータータウン住宅街などボストン市内で発生した一連の事件は住民を恐怖に陥れながら広がりを見せている。

 しかし、このように物騒な事件が頻発するのは、アメリカ社会の矛盾と暗部が吹き出したからで、今に始まったことではない。

 折も折、昨日オバマ大統領が精魂を傾けた武器規制強化のための法案が、アメリカ上院で否決された。政権第2期の最重要課題として同法案の成立を目指していた大統領は「ワシントンは大いに恥ずべき日だ」と反対した議員らを強く非難した。理念や危険野放しよりも、利己的な欲が勝ったというところだろうか。こんな拳銃による死傷事件が発生した日に銃規制法案が否決されるとは、何とも皮肉なものである。銃社会をコントロールすることは、いかにアメリカ民主義国家といえども思うようにはならないものなのだろうか。

 オバマ大統領は失望の色を隠せず、今後とも銃社会を失くすために努力すると語ったが、今回否決された法案には同じ民主党内から裏切り者が出たことが大きなショックだったようで、それだけアメリカ国内の銃社会構造は複雑で根深いものがあると言えるだろう。

 この間北朝鮮による強硬な挑戦的行為はつんぼ桟敷に置かれていた。しかし、北朝鮮は国際社会の厳しい反発と非難に対して、対話に向け条件を出してきた。それは、国連制裁決議の撤回と米韓合同軍事演習の中止である。後者はともかく前者はとても受け入れられる筈もなく、日本はアメリカとともにこれを断固拒否すると公表した。これで北朝鮮の選択肢はさらに狭まった。

 今ボストン市内を逃走中の犯人はチェチェン人兄弟の弟で、兄は死亡したそうだが、写真も公開され、遅かれ早かれ逮捕されることになるだろう。北朝鮮だって振り上げた拳の下ろしようがなくなったように思えるが、どうだろうか。

2013年4月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2166.2013年4月18日(木) ビルマ人権活動家との懇談会に出席して

 些か拍子抜けしてしまった。昨日このブログに浅田次郎著「黒書院の六兵衛」の主人公・的矢六兵衛の殿中における無礼な行動は本当なのかどうか疑わしいと書き、近いうちに作者の浅田氏に会ったら尋ねてみようと気楽に記した。ところが、昨日の今日、思いがけずその浅田氏に会ってしまったのである。

 早速あの連載小説は面白かったが、あれは本当の話ですかと浅田氏に不躾に尋ねてみた。「いやぁ、あれはウソ、ウソですよ。だって小説ですもの」と浅田氏に笑いながら軽くいなされてしまった。まぁ小説だから浅田氏の言う通り、ストーリー通り真に受ける方がおかしいのだろうが、それでももう少し信じ込んでいる読者の気持ちも斟酌して作家としての思いも込め、フィクションであれ、ノンフィクションであれ、少しはたぶらかせてもらった方が良かったというのが勝手な言い分である。

 実は、今日兜町の日本ペンクラブ本部で「ミャンマーの作家・人権活動家マ・ティーダ博士との懇談会」があり、話を聴いてみたいと思い、参加を申し込んでいた。実は、これにペンクラブ会長として浅田氏が出席され、挨拶されたのである。出席者は円卓テーブルに座りマ・ティーダ博士を含めて23名だった。主宰したのはペン獄中作家・人権委員会で、委員長はペンクラブ常務理事で、直木賞作家でもある西木正明さんである。西木さんには先日元鎌倉市長の竹内謙氏からお誘いを受け入会することになった「鎌倉学会」について聞いてみた。西木さんは話を聞いていないということだった。早大探検部時代の同じ山仲間として親しい竹内氏が、鎌倉市とは直接関係ない西木さんには遠慮して連絡しなかったのかも知れない。

 さて、今日の懇談会のゲストである、マ・ティーダ博士は外科医でありながら作家として活動し、ビルマの民主化のために闘い、1993年不幸にして投獄されたが、現在47歳の働き盛りである。ビルマの民主化運動の経緯について自身の獄中体験を含めて話をされたが、投獄された理由は4つあるという。①治安を乱した、②非合法組織との接触、③無断印刷物発行、④同印刷物配布である。この4つの合わせ技で20年の刑だそうだが、それでも6年で出所することができたと仰っていた。

 博士のスピーチの後でイの一番に手を挙げて質問した。テレビでアウンサンスーチーさんが、憲法を改正したいと話していたが、改正のためには全国会議員の3/4以上の賛成が必要で、悪いことにはその国会議員の1/4が軍人である以上憲法改正は難しいのではないかと尋ねた。博士の答えは、確かに憲法改正は難しいが、その前2015年に実施される大統領選挙でアウンサンスーチーさんを大統領にさせたいと意欲的に語った。いずれも難しい課題であるが、それでも憲法改正より大統領になる可能性の方がやや多そうだ。ただ、彼女も現在68歳であり、仮に大統領になっても70歳を超えている。その後に山積する課題をクリアするのは、相手が民主化運動を弾圧してきた軍人だけにかなり厳しいのではないかと思う。

 来日中のアウンサンスーチーさんは今日安倍首相と会談した際、日本の支援を得つつ、自分も努力していきたいと述べ、同時に日本の若者にビルマへの関心を持って欲しいとも訴えた。

 マ・ティーダ博士が女性とは顔を見るまで気がつかなかったが、よく考えてみれば「マ」で始まるビルマ人の名前だから、少しでもビルマを知っている者なら女性だと気がつきそうなものだ。彼女は腰が低くて優しく、とても感じの良い女性で、私の質問にも丁寧に分りやすく応えてくれた。私がビルマへ度々行ったことがあると話したので、気安く話をしてくれ、名刺を交換して‘Selling Tours’誌1980年5月号に私が寄稿したビルマに関するエッセイ(日本語)のコピーを差し上げた。

 今日の懇談会に参加して、マ・ティーダ博士のように地道にビルマの民主化運動に取り組む姿に感銘を受けた。

2013年4月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2165.2013年4月17日(水) ‘的矢六兵衛’江戸城を去る。

 毎朝楽しみに読んでいた日経新聞の連載小説「黒書院六兵衛」が今日最終回となった。話の設定と進み方が奇抜で、謎を含んだような話の展開が読者を飽きさせない。この先どうなるのかと毎朝興味を持って読んでいた。その点では六兵衛の下城に合わせてストーリーが幕引きとなるのはちょっと寂しい気がする。

 日経の連載小説は大体面白く及第点をあげられると思っている。今回浅田次郎氏の時代物が、舞台が江戸城内の奥座敷で、時代物によくあるチャンバラや、人殺しがまったくないというのも珍しい。死人が1人も出ない時代小説も極めて稀だと思う。

 惹きこまれるように読んだ六兵衛の言動は、座したまま終始語らず動かずで、誰に対しても口を開くことなく、またほとんど殿中に閉じこもったままで動かず、あまりにも現実離れしているように感じた。330回の連載中ストーリーでは10ヶ月間も城内に引き篭もりっ放しで、僅かにほんの一部主人公六兵衛の屋敷周辺の挿話があるくらいである。

 それより何より徳川時代が終末近く明治への移行直前期であるにせよ、まだ徳川の権威が城内で完全に失墜したわけでもあるまいに、城内にいる武士の誰もが得体の知れない武士・的矢六兵衛にまったく手を出さなかったり、狼藉者に近い城内侵入行為を止められなかった筋書きは本当に真実だったのだろうか。俄かには信じがたい。今度浅田氏にお会いした時にそっとその辺りを聞いてみたい。

 さて、昨日イラン・パキスタン国境でM7.8の地震があったところだが、今日は東京でも午前中から何度か地震があった。震源地は三宅島でM5.2だそうだが、夜になって東北地方でも何度か地震が発生した。これは東日本大震災の余震である。先日の淡路地震と言い、今日の断続的な三宅島地震や東北地方の地震と言い、日本列島全体が活動期に入り天から揺さぶられているようで心中あまり穏やかではない。この際、危険な原発はもう絶対止めるべきだと思う。

2013年4月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com