2168.2013年4月20日(土) 白鳥事件とゾルゲ事件、伊藤律について聴く。

 白雲なびく駿河台の明治大学リバティタワーで現代史研究会、社会運動史研究会などが主宰する「白鳥事件 偽りの冤罪」発刊記念講演会が開催されと、主催者から案内をいただいたので興味を持って出かけてみた。1時から5時近くまで4人の濃密な講義を拝聴した。白鳥事件といえば、60年以上も前の事件で、今では知っている人も数少なくなったのではないか。

 4人の講師は、作家の宮崎学氏、本出版書の著者・渡部富哉氏、映画監督・篠田正浩氏、共産党員・伊藤律の子息・淳氏が普通では聞けない話を分りやすく話してくれた。それぞれ興味深い内容だったが、特に渡部氏は日本共産党員として白鳥事件の渦中にいた人物だけに、ディテールを事実に基づいて1時間に亘って一気に話された。渡部氏は白鳥事件は冤罪ではなく、ウソだときっぱり言い放った。それが本書の帯文に「白鳥事件=冤罪説を徹底的に批判!」と主張された所以である。かつて自分が所属していた日本共産党に対してよほど腹に据えかねていたようだ。松本清張著「日本の黒い霧」にも事実誤認があるとして、内容もさることながら、当時の日本共産党の白鳥事件への関わり方と誤った事実認識について厳しく批判していた。「冤罪は組織が最後に逃げ込む砦」とか、「個人はすべて組織のせいにせよ」とか、「完全黙秘は組織を守ることにならない。完全否認せよ」などは自身の体験上悟った信念だろう。

 映画監督の篠田氏は氏独自の視点から持論を展開された。これまでの人生の節目節目で戦争があり、特に氏が生まれた1931年には満州事変が勃発し、その後日本は大東亜戦争への道を駆け上っていった。そんな大変動の時代に幼少期を過ごしたことが、その後歴史認識や人生を考えるうえで少なからず影響を与えたという。ゾルゲと尾崎秀実に関心を抱いたのは、ゾルゲの日本の情勢分析が当時の日本人の誰にも見られなかったほど正確で的を射たものだったことであり、同郷の尾崎の書く論評も抜きん出て優れたものだったからである。特に尾崎は西園寺公一との昵懇な間柄だったが故に西園寺から得た戦争勃発危険情報をゾルゲにまで伝えていた。しかし、折角得た戦争を回避する貴重な情報が軍部上層部まで伝わっていなかったことが、戦争に突っ込んで行った原因だと論じた。

 また、篠田氏が早大陸上部時代に親しかった東大陸上部の先輩から聞いた話として、その当時ヨーロッパに駐在していた商社マンから「日本の商社は昭和16年ドイツが対ソ戦に敗れたことを知っていたとの情報」を聞いた事実があるにも拘わらず、大日本帝国軍上層部が知らなかったという情報、諜報活動の未熟さと不備が、結局日本を戦争に向かわせた原因でもあると話された。 

 伊藤律は1980年67歳の時27年ぶりに中国から帰国した。日本共産党から「反党的反国民的裏切者」としてスパイ扱いされ、共産党から除名という不名誉な扱いをされ、前記松本清張著書の中でも不名誉な表記をされたことに対して、子息・淳氏が出版社・文藝春秋を訴えたがすでに松本死して止む無く和解し、一昨日出版総局長名で同書に追加文章を挿入することを了承したと語られた。その書状コピーもいただいた。 

 比較的難解な話が多く、相当これらの問題に関心と予備知識がないと付いていけないと思う。つまり白鳥事件、ゾルゲ事件、そして伊藤律スパイ事件についてきちんと理解していないと理解が難しい。そのせいもあって、今日の会場には500名以上の聴講者がおられたが、ほとんど中年以上の人だった。

 昨日朝日朝刊東京版に篠田氏の今日の講演について主旨とテーマについて紹介記事があったので、それを目当てに来られた人もいたようだ。先日山崎洋さんから篠田氏にお会いしたらよろしく伝えて欲しいと言付かっていたが、話しかける機会がなく、私の名刺に彼からのメッセージを書いて手渡したところ、目で合図してくれた。

 久しぶりに根を詰めて聞いていたので、少々疲れた。

 さて、今日も世界的に大きなニュースが2つあった。ひとつは、ボストン爆破事件で逃走中の犯人が逮捕されたことである。もうひとつは、中国四川省でM7の大地震があり、124人が死亡し、3千人以上が負傷したという。2008年に近郊でM8の地震があり、死者・行方不明者8万余人もの多くの犠牲者を生んだが、アジアにはどこにも同じような危険の可能性が内包されている。

 正確無比で知られるマヤ暦では、2012年が地球滅亡の年と予言されていたが、実際には2012年に何の異変もなかった。しかし、その予言には閏日が外されていたことが判明し再計算したところ、改めて2015年が地球破滅・人類滅亡と予言し直された。古代エジプト歴でも2015年が地球滅亡の年とされている。さらに、現在世界の核保有国が所有する核弾道弾は2万発で、これは地球を7つも破壊する威力があるという。自然の力であれ、人為的なものであれ、遅かれ早かれ、いよいよ地球最後の日が迫って来ているのだろうか。

2013年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com