2295.2013年8月25日(日) 街づくりとネーミングにもう少し配慮を

 日経新聞夕刊の「あすへの話題」というコラムに各界の著名人がエッセイを綴っているが、数日前「子孫に美観を」と題して藤崎一郎・前駐米大使がなるほどと相づちを打つような洒脱な文を書いていた。外交官らしく長い海外勤務から戻ると日本の誇れる美点に感心するのだそうだ。それはダジャレのようだが「アカセキレイ」と呼んでいるそうで、「安全」「確実」「清潔」「規律」「礼節」等、それぞれの頭文字をつけたモットーだそうだ。日本人の誇るべき資質と性格を表しているのだが、果たして最近はどうだろうか。

 「安全」は福島第一原発事故以来、有名無実化した。「規律」に至っては国を代表する国会議員の日頃の行動を注意して見てみれば、望む方が無理だということは明らかである。「礼節」なぞは、最近の若者の無作法な言動や無軌道な行動を考えると風前の灯である。

 藤崎氏は街の景観についても独自の考えを持っているようだ。画一的ではなく、個性的な街づくりを提唱し街づくりには一定の調和が必要だと提言している。流石に優秀な外交官だけあって、都市を世界的な美的視点から見ている。

 さて、寡聞にして存じ上げなかったが、民俗学者の谷川健一氏が昨日92歳で亡くなられた。氏は「風土記日本」や「日本残酷物語」などを手がけた後、柳田国男、折口信夫らの民族学を独自に発展させた「谷川民俗学」を打ち立てたとされていた。

 1981年に「日本地名研究所」を設立したのは、市町村合併などで失われゆく由緒ある地名が消滅していくことに危機感を感じて警鐘を鳴らすためだった。実際近年の地名変更には、歴史、伝統、文化などへの配慮がなされず、簡単であれば佳しとする傾向が見える。例えば、地名にカナ文字を安易に使用するのもいかがかと思うし、合併自治体の新名称でも双方に折り合いをつけたような、それぞれの旧名を1字ずつ採用して意味不明の都市になったり、まったくセンスも工夫も見られない。

 「さいたま市」は、どうして「埼玉市」ではダメだったのか。「何でも合併」時代にひとつになった市町村名には炊飯物が多い。例えば、平成15年6町村が合併して誕生した「南アルプス市」は、南アルプス山麓の市だから宣伝上そう名づけたのだろうが、南アルプスとは通称赤石山脈と呼ぶ連峰で山梨県韮崎市西部から静岡県島田市北部まで連なる大動脈を指していることを考えれば、現在の南アルプス市が全南アルプスを領有しているが如き名称の付け方には、文句のひとつも言いたくなる。平成16年に生まれた長野県「東御市」の場合は、「北御牧村」と「東部町」からただ1文字いただいただけの新市名である。更に神経を疑いたくなるのは、平成18年にできた茨城県「小美玉市」のケースで、市名が中々決まらず最後に合併する「小川町」「美野里町」「玉里町」のその最初の文字を取ってくっつけただけという無神経、かつ軽薄ぶりである。

 民間会社でも次元の低い例はある。つい最近東武鉄道の由緒のある駅名「業平橋」を「東京スカイツリー前」に変更した例などは史上最悪の駅名変更であろう。さぞや在原業平も泉下で嘆いていることだろう。

 わが国の場合、近年名前をつけることに関しては、自治体名にせよ、都市名、人名にせよ、無意味でセンスが感じられなくなったような気がする。名前だけならまだましだと無理に言い聞かせるとするか。

 果たして谷川氏は泉下でどう思っているだろうか。

2013年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2294.2013年8月24日(土) 原発事故処理の対応と難しさ

 いま東電福島第1原発の高濃度放射能汚染水漏れが猶予ならぬ事態に立ち至っている。漏れたのは、原子炉の冷却の過程で出た高濃度の汚染水である。ほとんど地下にしみ込んだとされていたが、先日はそれが海水へ流れ込んだというニュースがあったばかりである。

 原子力規制委員会はこの事態を重大視して国際原子力事象評価尺度(INES)で8段階の上から5番目の「レベル3」(重大な異常事象)に相当すると発表した。その報告に基づいて昨日規制委は、福島第一原発に立ち入り調査をした。あまりにも東電の報告が変更に次ぐ変更で変わりやすく信用できないと自ら調査に乗り出したのである。その前段階として、19日に東電から少なくとも120㍑の汚染水が漏れているとの報告を受け、それは「レベル1」(逸脱)に当ると暫定的に判定していた。しかし、その報告の翌日にはタンクから漏れた量が早々300㌧に修正された。これを受けて規制委が評価を見直したものである。INESの評価尺度では、福島第一原発やチェルノブイリ原発事故が最上位の「レベル7」と評価されたのを筆頭に、過去の原発事故がランクづけされている。

 福島第1原発は現在廃炉への道を急いでいるが、一向にゴールが見えない。問題山積でこのままいつまでも排出される放射能を処理できず、この危険な状態が続くようだと国民の間にも嫌悪と諦め、そして失望感が生まれてくるのではないかと心配される。

 政府は原子力を国のエネルギー政策の根幹として捉えてその高い技術力を買いかぶり、海外諸国へ原発の売り込みを図っているが、頭のハエを追えずに他国で商売しようとはあまりにも商業道徳に悖るのではないだろうか。そのため、政府の対応にはことさら福島原発事故を過小評価しようとの腹の内が透けて見える。

 現時点では原発中止は考えていないようで、虎視眈々とその再稼動のチャンスを狙っているようだが、福島原発の処理が思うに任せず、収束までにどのくらいの時間がかかるのか見当もつかないようだ。そのうえこの杜撰な東電の処理作業に対して、海外メディアから日本が収束に向けて真剣に取り組んでいないと非難される有様である。 

 こんな最中に22日付朝日夕刊にチェルノブイリ原発の事故処理に関する記事が掲載されていた。事故を起こした4号炉が、高い放射線量に阻まれ手がつけられず、コンクリートで覆った石棺も崩壊して放射能が飛び散らないよう、さらに巨大なシェルターの建設が進められている。ところが、この4号炉が相変わらず強い放射能を放って近づけない。その廃炉作業のメドは立っていないという。1~3号炉については2064年までに廃炉作業を終える予定だという。気の遠くなるような話ではないか。問題は、事故当時建設中だった5、6号炉がそのままに残されていて、事故直後に放射能に汚染された瓦礫や機器が運び込まれ、廃墟のままになっている。このまま放置すると倒壊する危険性があるようだが、撤去のメドはまだ立っていないそうだ。つまり、現状は放射能が放出されるまま放ったらかしにするようである。どうにも厄介で無責任なことになっている。事故処理作業は勇断を持って急いで進めなければならない。

 将来事故の危険性のある原発の新設は、各国ともここらで中止するという勇気を持てないものだろうか。

2013年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2293.2013年8月23日(金) 教育制度は拙速に変更すべきではない。

 東京都教育委員会が現在12年の「6・3・3年制」カリキュラムを「4・4・4年制」に区切った新制度に変更したうえで導入を検討している。早ければ2017年度に都立小中高一貫校の開校を目指すという。それにしても随分拙速ではないか。ことはわが国の教育の根幹に関わることである。日本の教育制度がさらに複線化して益々複雑になるということでもある。

 少なくともわが国には、文部行政を預かる中央官庁として文部科学省が「君臨」する。にも拘わらず、首都とは言え、1地方自治体である東京都の地方行政の理念と制度が、それだって都民から同意を得ていないまま国を差し置いて先行実施されようとしている。

 これまでも時代に合った教育行政と制度について、政府の教育再生実行会議を始め、有識者会議などがしばしば提言してきた。しかし、新カリキュラムは義務教育とその後の教育を跨いで改革しようという以上、義務教育を超えた教育期間にかかる税金の使い方の問題も派生するので、もっと時間をかけて広範に国民的見地から検討されるべきではないか。東京都の制度改革はあまりにも拙速に過ぎる。

 この東京都の動きに対して下村博文・文科相は「時代が変化し、こどもの発達段階も違う。東京都の取り組みは参考のひとつになる」と傍観者のようなコメントを述べている。まるで他人事なのである。自ら自分の所管事項に手をつけようとしない。文科省担当者も「自治体が地域ニーズに応じて柔軟な教育課程を作ることは多様な人材育成につながる」と歓迎しているようなコメントを述べている。上司が上司なら部下も部下である。これでは文科省の主体性がまったく発揮されないし、自ら国の文部行政をリードしていく気構えが感じられない。文科省の存在意義がないのではないかと疑われても弁解の余地があるまい。

 本質的な点について言及するなら、カリキュラムの改革のような大仕事は、一地方自治体だけに任せるべき事柄ではないように思う。例えば、「4・4・4年制」に組み替える根拠も示されておらず、何のためにカリキュラムを変更するのか、その意図がはっきりしない。単に国民に対して最初の4年間は基礎学力を身につける期間であると一方的に言われても、すんなり受け入れる気にはなるまい。現在の6年間ではなぜいけないのか、という肝心な点がまったく説明されていない。少なくとも戦前日本がドイツから採り入れ、今もドイツで根付いている教育制度を参考に採り入れた「グラン・シューレ」という4年制基礎学校制度や、アメリカ・オクラホマ州の生徒の発育を考慮した4年制小学校の制度を、参考にして4年制を採り入れるという事情を分りやすく説明するというのなら理解できる。しかし、ただ闇雲に語呂合わせと考えたのではあるまいが、そう受け取られかねない「4・4・4年制」への変更は到底納得できるものではない。先ず以って国民に充分説明、啓発し、国民の理解を得るべきが先決である。

 そうでなくても、最近の政治家の言動は危なっかしくて信頼できないというのが、一国民としての率直な感想である。政治家の「無責任」「無思慮」ぶりが、端無くも教育制度の変更の過程で表れたとでも申すべきか。

2013年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2292.2013年8月22日(木) イチロー選手日米通算4000本ヒットを放つ。

 大リーグ・NYヤンキースのイチロー選手が日米通算4000本安打を打った。大したものである。一部のアメリカ人ファンの中には、暗に日米の実力の差を考えて、日本で打った安打をあまり評価しようとしない向きもある。だが、誰が何と言おうともイチローの力はそんな偏屈な考え方を吹き飛ばすくらい抜きん出たものだ。イチローは日本で9年間活躍した後にアメリカへ渡ったが、日本では試合数がアメリカより少ないせいもあって年間200本の安打を打ったのはたった1度きりである。それに比べて、アメリカでは今年13年目を迎えたが、最初の年から10年連続で200本以上を打っていることから考えても、単に数字を比較するだけでは公平とは言えないと思う。

 イチローが今日までに打ったヒットは日本で1278本、アメリカで2722本である。イチローの両国における活躍年数とヒット数を考えると、最早アメリカでの成績だけを評価すること自体ナンセンスに思えてくる。

 アメリカ人選手で4000本を超えるヒットを打った選手は、ピート・ローズとタイ・カップの2人だけで、その2人もイチローの39歳より年長になって大台に達したので、イチローは彼らを追い抜いて最多ヒット記録の可能性もあると思う。それだけイチローの記録は、人一倍優れた大記録だということが言えるのではないだろうか。

 蛇足ながら、猛烈なヘッドスライディングで知られたピート・ローズは引退してからビジネスで晩節を汚したが、フィラデルフィア・フィリーズに在籍していたころ、彼をフィラデルフィア・スタジアムで観たことがある。すでに下り坂だったが、流石にスター選手らしくバッターボックスに入ると「ピー!ピー!」と物凄い嬌声が上がったことを思い出す。このローズ氏はイチローの実力を評価しながらも、アメリカ以外で打ったヒットは問題外と考えているようだ。自分の記録が塗り替えられることを恐れるご当人の言い分に、ちょっと人間としての器の小ささを感じて失望させられる。

 国内では夏の名物、高校野球決勝戦が今日行われた。群馬県代表校・前橋育英高と宮崎県代表校・延岡学園高の戦いとなったが、接戦の末4-3で前橋育英高が初出場・初優勝を飾った。

 さて、6月にトラック島のホテルでお会いしたスキューバ・ダイヴィングを趣味とする渋谷の歯科医熊谷光剛・道代ご夫妻の親切に甘えて、トラック周辺海底の写真を見せてもらいに夕刻クリニックにお邪魔した。DVDを預かってきたが、ちょっと見せてもらったところ素晴らしい写真が沢山あったので、じっくり見てみようと楽しみにしている。このうち何枚かを今執筆中のドキュメントに使わせてもらいたいと考えている。

2013年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2291.2013年8月21日(水) 「風流無譚」とテロ事件を想う。

 60年安保闘争の年に「楢山節考」の作者・深沢七郎の「風流無譚」が「中央公論」12月号に掲載された。翌61年2月にその内容に憤慨した右翼の少年が嶋中鵬二・中央公論社長宅を訪れ、留守だった嶋中社長に代わり応対に出た夫人を傷つけ、お手伝いさんを殺害して世間を恐怖のドン底に陥れた。「風流夢譚」の内容があまりにも過激で、右翼を怒らせたことがその原因だった。確かに天皇や皇太子が無残に殺害される過激なストーリーは、その内容があまりにも不穏であるとして作品は長らく物議を醸した。著者の深沢は一時世間から姿を隠し、中央公論社は謝罪文を発表し、編集長が宮内庁に謝罪する有様だった。

 一方で、言論の自由の擁護や、書き過ぎについて甲論乙駁の議論が戦わされた。吉本隆明や武田泰淳らは、深沢作品を擁護した。その後死傷者が出たことに深いショックを受けた深沢は、記者会見で涙を流し、「風流無譚」の書籍化を封印したと伝えられた。実際同書がその後世に出ることはなかった。ところが、最近になって当時の中央公論編集部次長の子息が同書の電子書籍版を発行した。著作権継承者が了解したからだという。しかし、深沢本人はどんな気持ちでいるだろうか。そして、それが結構販売数を伸ばしているという。これはあくまで電子書籍化ということで、通常の書籍としては現状では出版されない。

 昨日の朝日夕刊に取り上げられていたこの関連記事を読み、何とも感慨深いものがあった。エポックメークな年に起きたこのテロ事件は、もちろん私自身よく憶えている。この事件の直後に長野県ラジオ局の街頭録音でこの事件に対する意見を尋ねられて応えた経験があるからである。ちょうど中央アルプス宝剣岳から下山した後に国鉄駒ヶ根?駅前でインタビューされ、内容はおぼろげながら、テロリストの少年と右翼の行動を非難したような記憶がある。安保騒動の後で日本中に反権力の空気と名残があり、まだまだ学生たちは社会改革へ気持ちが向かっていた。こういう動きを警戒した右翼勢力がいろいろな形で民主化運動を妨害し、反動化していた時代である。

 こんな野蛮なことは決して許されることではないが、半世紀以上も経過すると懐かしいような気もするから不思議なものである。

2013年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2290.2013年8月20日(火) 英語表示を分りやすく

 国土交通省と東京都が国会議事堂周辺の道路標識をローマ字から英語標識に改めるという。こんなことは当たり前の話で、ローマ字表示は日本人には必要性がなく、外国人にとっても、ないよりましだが、読めても意味は理解できるものではない。そのため外国人から苦情が寄せられていたという。今頃になって何を今更という気がしないでもないが、まあ本来の目的が達せられると思うので、英語標識をさっさと実施した方が良いだろう。

 「国会前」が「Kokkai」から「The National Diet」へ、「総理官邸前」が「Sorikantei」から「Prime Minister’s Office」へ変わるそうだから分りやすくなることは間違いない。

 以前に地下鉄「国会議事堂前」駅のローマ字表記「Kokkaigijidomae」をフランス語で発音すると「コッケイジジドモー」と聞こえて、まさに実態をずばり言い当てていると思ってエッセイに書いたことがあるが、その点で地下鉄も駅名表示に少し気を遣ってはどうだろうか。

 ついては、目下熱戦を繰り返している夏の高校野球の出場校は今や私立校が圧倒するようになった。所謂スポーツ重点高校の進出である。昨日準々決勝に出場した8校のうち、公立校は徳島県立鳴門高校だけだったが、その鳴門も敗れ準決勝に駒を進めたベスト4はすべて私立校だけになった。そこで興味を引かれたのは、ベスト4に進んだそれら私立高校はユニフォームの校名が日大山形高を除き、漢字で書かれていることである。アメリカから輸入されたスポーツのユニフォームに、なぜチーム名をデザイン的にも洒落た英語にしないで日本語で表記するようになったのだろうか。また、どうして近年出場する高校は漢字表記の学校が増えたのだろうか。そこには学校側の何らかの思惑でもあるのだろうか。学校当局も何か考えたのだろうが、柔道着のような武道ならともかく、どう見ても野球のユニフォームには、英語名の方がセンスが良いと感じられるのではないだろうか。

 因みに母校湘南高が昭和24年に全国優勝した時に対戦した相手校は、決勝戦の相手校・県立岐阜高まですべて公立高校だったし、相手校のユニフォームの校名はすべてローマ字で書かれていた。

 さて、内戦状態のシリアのアレッポでジャーナリストの山本美香さんが亡くなってから今日でちょうど1年になる。昨日が国連人道デーというから皮肉なものである。山本さんのパートナーでもあったジャーナリスト佐藤和孝氏が民放テレビで現地から実況生中継で現状を伝えていたが、一向に内戦が止む気配がないようだ。膠着状態になったアサド大統領派と反アサド派の対立は益々エスカレートして、今日化学兵器使用の事実関係を調査するため国連調査団がシリアへ入った。一方、エジプトでは暫定政府に反対するイスラム同胞団指導者のバディウ団長が身柄を拘束された。今やエジプトの騒乱が頂点に達しつつある中で、シリアの事態も一向に愁眉が開けない。

 かつてエジプトがナセル大統領時代には一時この両国がアラブ連合共和国というひとつの国家となって、アラブ諸国の中で強烈なリーダーシップを握っていたが、それも今や昔となってしまった。アラブの宗主国であり、強大な国家だったエジプトとシリアの国内紛争が一日も早く解決し中東情勢が安定することを願わずにはいられない。

2013年8月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2289.2013年8月19日(月) インドも高齢化時代

 北海道南部で大雨があったうえに、東北、北陸方面でも雲行きが怪しいが、四国を中心に太平洋沿岸ではまったく雨が降らず、取水制限も一段階引き上げることになったようだ。日本では北と南でまったく気象条件が違うが、海外でも異常気象現象は起きている。今日ベオグラードの山崎さんからもらったメールによるとセルビアでも今年は昨年に続いて旱魃だそうで、とうもろこしが枯れてしまったという。地球温暖化が一年また一年と進んでいるようだ。

 暑いところと言えば、暑いインドではこんな話題が持ち上がっている。途上国でも成長著しいインドでも近年少子高齢化が進んでいる。そのインドは人口が増え続け、1928年には中国を抜いて人口世界一となる。そのインドで1930年には高齢者人口が全人口の8.2%となり、高齢化に拍車がかかる。以前から問題になっている日本の高齢化は30年には30.7%になっているので、インドのそれは大して気にかけるほどのこともないように思われがちだが、インド自体の経済力と、インド人の高齢者に対する考え方が厳しい。

 ヒンドゥー教国のインドでは、夫を亡くした女性を不吉な存在と見做す伝統がある。そのうえ、経済的に苦しいため子どもが親の面倒をみようとしないという。こうして、老婆が路頭に迷うことになる。救済措置として避難所を設けているようだが、前記の2つの理由が大きく、長生きしても絶望的な余生を送るようになるらしい。人口の増大は経済発展のための推進力と言われるが、ケースバイケースか。インドのみならず世界中の高齢者にとっては益々厳しい世の中になりつつある。

 今日自民党の社会保障に関する部会で70歳以上の高齢者の医療費負担を来年から現在の1割から2割にする案について話し合いがなされていたようだが、若い議員がどれだけ真剣に取り組んでいるのか甚だ疑問である。彼らから懸念されたとされる1割負担から2割負担への増額の背景には、消費税が増税されるのに、さらに医療費の負担増とすることに疑問を呈したそうだが、そのこと自体本筋から外れてはいないだろうか。

 私自身は最近まで3割負担だった。必要経費増が認められたせいか、幸い今月から1割になった。これが11月から2割にアップする。これに対して懸念することがそもそもおかしい。

 社会保障費の増大に対して、その皺寄せを高齢者の医療費増額に転化するのは筋違いではないか。それより高速道路や橋梁など強靭化計画と称する新規工事を取り止めることの方が納得できると思う。ともかく政治家の議論は、本筋を外れていると感じることが最近特に多い。

 今日政策シンクタンク「構想日本」に対して、先日本欄で触れた国民による国会議員の評価(通信簿)の方法を提案されるよう要望したところである。

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2288.2013年8月18日(日) タックス・ヘーブンを見逃して良いのか。

 午後4時31分鹿児島で櫻島が突然噴火した。この30年来最大の規模だという。噴煙は5000m上空まで達した。鹿児島市内はまだ日没前であるにも拘らず、車はヘッドライトを点灯して走行している。

 考えてみると、どうも天候だけではなく、全体的に異常を感じさせる最近の気象状況である。昨日から北海道南部にも大雨が降り、JR北海道の特急列車が立ち往生している有様である。東北地方ではここ数日来断続的に地震が発生している。再び大きな震災を予感させるような日本列島である。

 さて、今晩もドキュメンタリー番組を観ていて考えさせられた。NHK「急増!新富裕層の実態」と題するドキュメントで、複雑な気持ちがした。端的に言えば、稼いだお金を税金に取られたくないので、にわか成金どもが税金の安い国へ脱出するストーリーだ。納税者としては古今東西同じ心理だと思うが、あまり納得できる話だとは思えない。

 高額納税者には多額の税金をかけるのは、どこの国も同じ考え方だが、高額納税者の心理につけ込んで少しでも税金の負担から逃れようとする成金どもに甘い言葉で誘って、彼らを自国へ呼び込むような税制を考える国がある。タックス・へーブンと呼ばれる国々である。

 その中でプエルト・リコの場合、株式売買益には無税で、法人税も5%程度の低率で勧誘する。プエルト・リコのように貧しい国にとってはそれでも大いなる税収というのだろうが、高額納税者に逃げられるアメリカなど富裕国にとっては耐え難いことだろう。

 一番問題なのは、このまま税収が減れば国の社会資本というか、道路や橋、トンネル、港湾施設など公共のインフラや公共サービスの一環である警察、消防、教育などの原資をどうするのかということである。納税者がいなくなったら、公共サービスが充分行われなくなるのは当然である。その仕組みを根本から破壊する、こういう行為が果たして許されるのか、国際的なレベルで考えるべきことだと思う。漸くOECDでも検討を始めたようだが・・・。

 これはタックス・ヘーブンと言われる税金天国に限らず、日本人企業家や投資家が、企業家育成をうたい文句にシンガポールなどへ脱出して行っている税金逃れのやり方にも言えることである。確かに税の公平負担ということについては、国もしっかり考えてもらわなければいけないが、それにしても自己防衛的にただ逃避するというのでは、問題は解決しない。一種の脱税行為に近いと言わざるを得ない。日本にいて日本人として日本社会のために少しでも尽くそうという気がないとすれば、いずれ日本社会は崩壊すると思うと空恐ろしくなる。

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2287.2013年8月17日(土) 印象的なテレビ・ドラマと新聞記事

 昨日は妻の義姉が入選した絵画展が六本木の国立新美術館で開かれていたので、妻と鑑賞に出かけたが、屋外は暑くて少々参った。

 このところ日本中を暑くしていた40℃を超える温度はなくなったが、それでも暑い。いつもの習慣となっている駒沢公園へのウォーキングについては、最近はやや涼しくなる6時過ぎに出かけるようにしている。今日も6時過ぎに出かけたが、やはり樹木の多い散歩道は涼しい。

 ところが、エジプトは暑いを通り越して今燃え上がっている。一昨日暫定政府が軍と組んでデモ隊を強制排除した。これに抗議する抗議行動が各地で治安部隊と衝突した。これで益々両者の対立がエスカレートしている。死者は800人を超えた。解決の見通しはまったく立っていない。

 今日テレビと夕刊で興味深いドラマと情報に接した。ひとつはNHKスペシャル「緒方貞子・戦争が終わらないこの世界で」と題するドキュメント・ドラマである。国連難民高等弁務官として活躍した緒方氏の行動と実績はある程度承知していたが、芯の強い行動力には改めて感動すら憶えた。特に緒方氏がまだ若かったころに知ったのが、日中戦争に日本を突っ込ませたのは、軍部の「内向き志向」だと断じたことである。それは今もどこでもあり得ることであり、政治家が陥りやすい落とし穴でもある。今日本がこのまま政治家の内向き志向が進めば、再び日中戦争へ踏み込む恐れがある。さらに緒方氏はできる限り現場を歩いて難民の声を聞くようにしているという。ひとりの本物外交官の視点と良識が多くの人を救うものだということをこのドラマで知らされた。

 もうひとつは、朝日夕刊一面の半分に紹介された、チューク(旧トラック)諸島周辺海底に沈んだままの艦船についての記事と写真である。「連合艦隊司令部の拠点 海底に艦船80隻」と書かれている。今ちょうどこのチューク島のドキュメントを書いているところで、近日海底の写真をスキューバダイヴィングを趣味にしている歯科医から借りることになっている。どうもタイミングが良すぎて何とも生々しい印象を受けるが、これはこれで良いドキュメントを書こうという気にさせてくれる。

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2286.2013年8月16日(金) 評価されない安倍首相のスピーチ

 昨日行われた全国戦没者追悼式における安倍首相の式辞の評判が良くない。特に、アジア諸国に侵略し現地で相当な被害を与えたことをまったく反省しなかったことが評価されない点である。先の戦争は日本の侵略戦争であったという事実は受け入れなければならないし、歴代の首相は毎年加害者責任について触れ、アジアの人々に迷惑をかけたと深く反省し、哀悼の意を表明してきた。だが、昨日の安倍スピーチではこのことについて一切触れなかった。これに対して当然のように中国と韓国が失望し反発している。

 アメリカも日本と中韓両国が険悪な関係になることを憂慮している。ことさら中韓を刺激する言動を日本がしないことを望んでいる。だが、日本の言動はアメリカが望むものではない。近年右寄りになりつつある自民党の政治家には、日本が外国からどう思われているかという点にまったく配慮がなされていない。自民党政治家の権威主義的な自己主張には、とても付いていく気になれない。先の参議院選挙では自民党の圧勝に終わったが、早くも今や国民と自民党との間に大きな乖離現象が生まれていると思う。反省もなく、自らの言動にインテリジェンスが感じられないような政治家では、所詮先が見えている。

 さて、エジプト国内の混乱も益々エスカレートしている。危なっかしい事態になっている。暫定政府は1ヶ月間の「非常事態」を宣言したが、すでに死者は638人に達している。国連も安保理事会を召集し、暫定政府とモルシ前大統領支持派に自重を促している。欧米諸国は暫定政府に対して経済制裁を含めて厳しい対応を突きつけている。双方に妥協の姿勢が見られないだけに、いつ事態は解決するのか予測できない。懸念されるのはシリアと同じように内戦状態となることである。何とか最悪の事態だけにはならないよう願っている。

2013年8月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com