国土交通省と東京都が国会議事堂周辺の道路標識をローマ字から英語標識に改めるという。こんなことは当たり前の話で、ローマ字表示は日本人には必要性がなく、外国人にとっても、ないよりましだが、読めても意味は理解できるものではない。そのため外国人から苦情が寄せられていたという。今頃になって何を今更という気がしないでもないが、まあ本来の目的が達せられると思うので、英語標識をさっさと実施した方が良いだろう。
「国会前」が「Kokkai」から「The National Diet」へ、「総理官邸前」が「Sorikantei」から「Prime Minister’s Office」へ変わるそうだから分りやすくなることは間違いない。
以前に地下鉄「国会議事堂前」駅のローマ字表記「Kokkaigijidomae」をフランス語で発音すると「コッケイジジドモー」と聞こえて、まさに実態をずばり言い当てていると思ってエッセイに書いたことがあるが、その点で地下鉄も駅名表示に少し気を遣ってはどうだろうか。
ついては、目下熱戦を繰り返している夏の高校野球の出場校は今や私立校が圧倒するようになった。所謂スポーツ重点高校の進出である。昨日準々決勝に出場した8校のうち、公立校は徳島県立鳴門高校だけだったが、その鳴門も敗れ準決勝に駒を進めたベスト4はすべて私立校だけになった。そこで興味を引かれたのは、ベスト4に進んだそれら私立高校はユニフォームの校名が日大山形高を除き、漢字で書かれていることである。アメリカから輸入されたスポーツのユニフォームに、なぜチーム名をデザイン的にも洒落た英語にしないで日本語で表記するようになったのだろうか。また、どうして近年出場する高校は漢字表記の学校が増えたのだろうか。そこには学校側の何らかの思惑でもあるのだろうか。学校当局も何か考えたのだろうが、柔道着のような武道ならともかく、どう見ても野球のユニフォームには、英語名の方がセンスが良いと感じられるのではないだろうか。
因みに母校湘南高が昭和24年に全国優勝した時に対戦した相手校は、決勝戦の相手校・県立岐阜高まですべて公立高校だったし、相手校のユニフォームの校名はすべてローマ字で書かれていた。
さて、内戦状態のシリアのアレッポでジャーナリストの山本美香さんが亡くなってから今日でちょうど1年になる。昨日が国連人道デーというから皮肉なものである。山本さんのパートナーでもあったジャーナリスト佐藤和孝氏が民放テレビで現地から実況生中継で現状を伝えていたが、一向に内戦が止む気配がないようだ。膠着状態になったアサド大統領派と反アサド派の対立は益々エスカレートして、今日化学兵器使用の事実関係を調査するため国連調査団がシリアへ入った。一方、エジプトでは暫定政府に反対するイスラム同胞団指導者のバディウ団長が身柄を拘束された。今やエジプトの騒乱が頂点に達しつつある中で、シリアの事態も一向に愁眉が開けない。
かつてエジプトがナセル大統領時代には一時この両国がアラブ連合共和国というひとつの国家となって、アラブ諸国の中で強烈なリーダーシップを握っていたが、それも今や昔となってしまった。アラブの宗主国であり、強大な国家だったエジプトとシリアの国内紛争が一日も早く解決し中東情勢が安定することを願わずにはいられない。