2286.2013年8月16日(金) 評価されない安倍首相のスピーチ

 昨日行われた全国戦没者追悼式における安倍首相の式辞の評判が良くない。特に、アジア諸国に侵略し現地で相当な被害を与えたことをまったく反省しなかったことが評価されない点である。先の戦争は日本の侵略戦争であったという事実は受け入れなければならないし、歴代の首相は毎年加害者責任について触れ、アジアの人々に迷惑をかけたと深く反省し、哀悼の意を表明してきた。だが、昨日の安倍スピーチではこのことについて一切触れなかった。これに対して当然のように中国と韓国が失望し反発している。

 アメリカも日本と中韓両国が険悪な関係になることを憂慮している。ことさら中韓を刺激する言動を日本がしないことを望んでいる。だが、日本の言動はアメリカが望むものではない。近年右寄りになりつつある自民党の政治家には、日本が外国からどう思われているかという点にまったく配慮がなされていない。自民党政治家の権威主義的な自己主張には、とても付いていく気になれない。先の参議院選挙では自民党の圧勝に終わったが、早くも今や国民と自民党との間に大きな乖離現象が生まれていると思う。反省もなく、自らの言動にインテリジェンスが感じられないような政治家では、所詮先が見えている。

 さて、エジプト国内の混乱も益々エスカレートしている。危なっかしい事態になっている。暫定政府は1ヶ月間の「非常事態」を宣言したが、すでに死者は638人に達している。国連も安保理事会を召集し、暫定政府とモルシ前大統領支持派に自重を促している。欧米諸国は暫定政府に対して経済制裁を含めて厳しい対応を突きつけている。双方に妥協の姿勢が見られないだけに、いつ事態は解決するのか予測できない。懸念されるのはシリアと同じように内戦状態となることである。何とか最悪の事態だけにはならないよう願っている。

2013年8月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com