1712.2012年1月20日(金) ある名門企業の落日

 昨日まで連続して35日間も続いていた乾燥注意報が、一転して雪の朝となった。今年の初雪である。自宅庭園の松ノ木に積もる風雅な雪景色にしばらく見とれていたが、やはり松に雪は日本的情緒を窺がわせて中々絵になる。それにしても外は寒い。旭川郊外の江丹別では、今冬初めて氷点下30℃を下回り-30.3℃を記録した。夕方になって漸く雪は止んだ。

 さて、昨年12月に経営不安が噂され本欄に取り上げた、アメリカの映像機器大手のイーストマン・コダック社が、ついに連邦破産法の適用をニューヨーク連邦地裁に申請した。フィルム・メーカーとして130年の歴史を誇った名門企業も、時代の波についていけなかったというより、需要が減ったフィルム写真に固執して、デジタル・カメラを開発した会社であるにも拘らず、その優位性を生かしきれなかった。経営者に経営判断の誤りがあったと考えざるを得ない。

 この点について、ライバル会社の富士フィルム・古森重隆社長は、「時代が流れる中でコア・ビジネスを失ったとき、乗り越えることに成功した会社と、乗り越えられなかった会社がある。当社は事業を多角化することで乗り越えてきた」と勝者の自信か、勝因を冷静に語っていた。トーマス・エジソンがコダックのフィルムを使って映画撮影用カメラを発明した歴史がある。また、アポロ11号の月面着陸でもコダックのカメラが使われたそうだ。これほどの名誉はなかろう。その意味でも同社の破綻は惜しまれてならない。私自身、初期の海外旅行の頃は写真が鮮明に写るとの言葉を信じてコダクロームを使ったものだ。

 コダックが左前になったのに対して、2009年に経営破綻したGMが一躍復活を遂げた。しかも昨年の自動車世界販売で首位に返り咲いたのだ。その煽りで昨年トップの地位にあったトヨタが首位から3位にまで滑り落ち、2位にはVWが入った。4位が日産・ルノーで、5位が韓国の「現代」である。優勝劣敗が厳しくなり、油断すると一瞬の間にその地位を取って代わられる。日本のメーカー企業にとっては、一挙に円高、震災、タイの洪水とマイナス材料に襲われ、市場で勝ち抜くのは厳しかったと思う。

 しかし、デトロイトで開かれている自動車ショーでは主役はドイツと韓国の車だったという。「THE CAR OF THE YEAR」には、韓国の「現代」車が選ばれ、次点はVWだった。日本車は最終候補にさえ入らなかったそうだ。世界市場では、不運を嘆いても誰も味方をしてくれない。結局品質を高め、価格を低く抑え、マーケッティング・リサーチをしっかりやって消費者のニーズに応えられる商品を生産しないと市場は受け入れてくれないということである。

 大相撲初場所で大関把瑠都が今日13日目で初優勝を遂げた。これまで大相撲界では横綱白鵬の独壇場と言われるほど横綱が圧倒的な強さを誇っていたが、その白鵬がもうひとりの大関琴欧州に敗れて残り2日を余して優勝が決定した。あまりにも強すぎた白鵬が13日目にして3敗を喫した突然の異変は、これから相撲界の勢力図がどうなるのか別の意味で興味津々である。惜しむらくは、モンゴル出身の白鵬、エストニアの把瑠都、ブルガリアの琴欧州と、いずれも外国人力士であることだ。国技の相撲であるだけに余計日本人力士の奮起が望まれるところである。

2012年1月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1711.2012年1月19日(木) プロ野球チームの経営について井上智治・楽天オーナー代行の話を聴く。

 普段それほどの活動をやっているわけではないが、顧問の末席を汚している「ふるさとテレビ」の月例セミナーがいつも通り憲政記念館で開かれた。今日のスピーカーは井上智治氏でビジネス・コンサルタントの傍ら、プロ野球の東北楽天イーグルスのオーナー代行も務めておられる。楽天を離れては、日本野球機構副会長とパ・リーグの理事長も兼任しておられる。日本興業銀行に勤めていた当時のオーナー・三木谷浩史会長兼社長とは、そのころから親しくビジネス・コンサルティングを一緒にやっていたという。きっと三木谷氏の信頼が厚いのだろう。

 野球界では素人である井上氏が、どうやって新興チームの土台を固めて球団経営を黒字に導くことができたのか、という点に大いに興味があり聴講した。

 井上氏はプロ野球界の内情とその常識にまで踏み込んで話され、目から鱗の話もあり、興味溢れる内容だった。プロ野球機構の問題点と、経営努力を怠ってきた過去の野球界、日米で違うビジネスモデルについて興味のある話がたっぷり聴けた。日米球界の経営モデルで最も異なるのは、アメリカがリーグ全体の発展と繁栄に目が注がれ、経営的に苦しい球団に対して連盟が支援するのに反して、日本のプロチームは自分たちさえ潤えば良しとして球団同士の間にあまり助け合いとか、協調性のない風潮があることである。

 最も刺激的な話は、日本のチームにはチームオペレーションは当然考えられているが、ビジネスオペレーションと球場オペレーションの発想がまったくないと言われたことだ。その点で井上氏は楽天を当初からその2つのオペレーションを取り込んでトータル・オペレーションを推進してきたと話された。従来読売巨人軍が圧倒的に好営業成績を残してきたが、それでも巨人軍にはチームとしての営業活動、つまりトータル・オペレーションなぞ考えられていなかった。球場オペレーションでは、それは㈱東京ドームに抑えられていたからだと説明された。

 それにしても、昨年12月の評論家・田原総一朗氏のような社会問題とか政治、外交問題ばかりでなく、こういうスポーツの経営に関わるテーマは気楽に聴けて、興味も深まるものだと実感した。

 今日プロ野球日本ハム・ファイターズのエース・ダルビッシュ有投手の、MLBテキサス・レンジャーズへの入団が決定した。彼の投手としての実績は人後に落ちることはないが、驚くのは今日合意に達した高額な契約金である。日本人選手として過去最高額というその金額は、6年契約で何と6000万$、日本円にして約46億円というからびっくりである。偶々井上氏のMLBの話を聴いたせいもあるが、こんな不景気でもうまくやりさえすればプロ野球は儲かるのだ。

 さて、民主党の行政改革調査会は現在の102独法を65法人に減らし、17の特別会計を11特会にする統廃合案をまとめた。果たしてどれだけ実際に実行することができるか。今俎上に上がっている議員定数削減でも試案としては、小選挙区5減、比例区80議席削減が数日前決まったが、これだって早くも野党の駆け引きによって実際実行されるのかどうか怪しいものである。民主党のアイディアと計画はいつも計画倒れに終る。政権政党としてその実行力には疑問符を付けざるを得ない。

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1710.2012年1月18日(水) 東大、秋入学に全面移行か?

 今朝の日経と朝日夕刊の一面トップは、いずれも東大の秋入学への移行記事である。話は前々から出ていたし、早稲田大商学部で実際に一時期実施していたので、それほど驚くほどのことではないが、テレビでも取り上げるほど話題を集めたのはなぜだろうか。

 われわれの感覚では、教育期間というのは桜の時期である4月に入学し、3月に卒業するタームが馴染んでいる。どうして現在の入学時期を敢えて半年も遅らせるのかと言えば、今のままでは日本の大学がグローバルな競争に勝てなくなるからだという。世界の大学の入学期はほとんど9月である。どうしても日本人の学生で欧米への留学を希望する者にとっては、他の秋入学国からやってくる学生より不利であることは間違いない。事実東大自体が世界大学ランクで年々その番付を落としている。その点に危機感を持った東大が、春入学を廃止し、国際標準である秋入学への全面移行を求める中間報告をまとめた。

 さて、こうなると東大の結論はそれで良しとして、東大だけが突出する大学の制度で、制度自体が今後機能するのか。学生を受け入れる企業の立場もいろいろ思惑があってそれぞれの考えがあるようだ。年間春と秋の2度も就職試験を行うのは、企業にとっても負担であるに違いない。ただ、海外への留学生で優秀な学生を採用できると評価する声もある。私が心配するのは、東大だけがこの制度移行で良いのかどうか。下級学校の六三三制度をこのままにして良いのだろうか。また、東大生だけが、4.5年~5年も在学することになり他大学生より1年遅れることになるが、その点はどうなのか。

 どうも理解できないのは、こんな大事なことを実行しようというのに文部科学省の顔が一向に見えないことだ。仮に大学入学時期を半年ずらすだけに留まらない。日本の会計年度というのは、毎年4月に始まり翌年3月に終る。すべてのスケジュールがこの会計年度を基準に実行されている。そうだとするなら、学制のみならず企業の会計年度も含めて、国の会計年度も移行することを検討すべきではないだろうか。現在の状態を見ると、東大だけに宿題を課して文科省は対岸の火災視である。これだけの大きなテーマを扱うのに、国がまったく関与していないのは少々無責任ではないだろうか。この先どんな結論が出るのだろうか。

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1709.2012年1月17日(火) 阪神・淡路大震災から17年

 今日は阪神・淡路大震災が発生してからちょうど17年目に当たる。中心地の神戸では、鎮魂を祈る慰霊行事を始めとしていろいろな催しが行われた。昨年の東日本大震災と連携した取り組みも行われたようだ。各テレビ局でもいろいろ趣向を凝らした取り上げ方で、震災に立ち向かうための現実的な試みや心がまえを紹介していた。

 その震災の影響で原発事故を引き起こした東京電力が今日、震災後火力発電に注力したために経費が膨れ上がったので32年ぶりに値上げを申請すると、無神経な発表をした。昨年西沢社長が近々値上げをしたいと思っているが、電力会社にはその権利があると臆面もなく不遜な発言をして、各界から広く顰蹙を買い、経産省からも苦言を呈せられた。手厳しい反発に懲りたのか、今日の西沢社長は意外に神妙な態度で会見に応じていた。

 しかし、はっきり言うと東電の社員は元々高い給与をもらっている。少しでもその高給を削りコストを減らすという発想は生まれてこないものか。今課題となっている消費増税に対しても、政治家も公務員も自ら身を削ることを求められている。実際今度ばかりは、国会議員数の削減と公務員給与削減を実施せざるを得ないだろう。ひとつの案として、国会議員数は小選挙区で5名、比例代表区で80名の削減が検討されているようだ。公務員給与の引き下げも、昨年は見送られたが、今年こそはそう甘い汁を吸うわけにはいくまい。

 それに引き比べ、民間会社とは言え、役所と同じように経営が安定して高い碌を食んでいる国策会社の東電社員から、身を削るというような話が聞かれないのは片手落ちではないか。企業年金に手をつけるという話も聞かない。自分たちの権益だけは、断固として守ろうとする。やはり半官半民の会社は楽なものである。普段からこんな調子だから、簡単にやりやすい値上げに頼る。取りあえず電力使用量の多い企業の電気料金を17%程度値上げするという。この根拠もはっきりしない。そして一般家庭用電気料金も、値上げしようという腹積もりのようだ。

 重大な原発事故を引き起こしたという責任を負う東電は、まず自ら自分たちにかかるコストの削減を行うべきであり、その後に値上げするならその科学的にして数字的な算出根拠もしかと明示すべきであろう。一方的な値上げは到底容認できない。

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1708.2012年1月16日(月) ホルムズ海峡海上封鎖が心配だ。

 いま世界的に不安定な財政問題から信用不安が俎上に上がっているが、政治的、外交的にも問題が山積している。

 イランの核開発に対する国連決議にも拘わらず、イランが核開発を進めたことに対して、アメリカが経済制裁を強め、それに同調してEU諸国もイランに対する経済制裁を課し、イランの原油購入を控えることを決めた。アメリカはわが国に対しても、イランから原油を購入することを控えるよう圧力をかけてきた。日本政府は提案を受け入れ、他のアラブ湾岸諸国から購入する意向を示した。

 問題は、あちらがダメならこちらからと簡単にはいかないことだ。政府は早速サウジ・アラビア政府と貿易交渉を始めた。ところが、それよりもっと深刻なのは、イラン政府が他国の原油を積んだタンカーが通るホルムズ海峡を封鎖すると発表したことである。これでは折角他の湾岸諸国から石油を仕入れてもそれを日本まで運んで来ることができない。喉元を押さえられたのでは、話にならない。更なる問題は、アメリカがもしイランが海峡を封鎖したら武力を行使すると述べたことである。

 しかし、イランにとってもホルムズ海峡封鎖によってタンカーの航行を止めることは自らの首を絞めることにつながり、自国経済にとっても苦しく痛し痒しである。ましてや自国の原油を輸出できないことになれば、外貨がまったく手に入らなくなる。結果的に徐々にボディ・ブローが効いてイラン経済にも悪影響を与えるようになる。

 日経朝刊「私の履歴書」に現在トニー・ブレア元英首相が執筆している。今朝はこんなことを書いている。在任中の1999年アメリカで「国際共同体の原則」として、「独裁体制を打倒する介入は、われわれに直接の脅威がない場合でも正当化できる」と提唱したという。ブレアは、コソボ紛争で民族浄化の名の下にセルビアが民間人の虐殺を行っている事実を見逃すのは道徳の問題と考えた。これがNATO軍による空爆となり、その後地上軍の投入も検討したことによってセルビア軍はコソボから撤退した。この強硬策がブレアの「力の対決」のバックボーンになっているようだ。

 いまブレアのイギリス人的セオリーに従えば、イランのホルムズ海峡封鎖に対抗して武力行使も辞さないという論理が生まれてくるのもむべなるかなと思う。それは安易に戦争を呼び、石油は高騰し、景気が一層悪くなるという悪循環を生むことになる。ブレア流「力と力の対決」構想は、今日の現実社会で果たして世界平和に貢献できるだろうか。

 昨日のヨーロッパ国債の格下げに伴うユーロの信用不安により、今日ユーロ相場が急落した。円に対するユーロは11年ぶりの安値となった。イタリア国債の2段階格下げに合わせるように、昨日イタリアの豪華大型客船が座礁して多数の死傷者を出したが、船長がイの一番にトンズラしたというからこのイタリア人船長は何を考えているのか。まったくスカッとしたニュースが聞かれない。

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1707.2012年1月15日(日) 世界のリーダーを選ぶ選挙の1年

 今日は父の命日である。10年前に93歳で亡くなった。割合母が早く逝ったので、父は20年近く鵠沼の広い屋敷にひとりで生活していた。会社を退いてからは静かな鵠沼の地に馴染み、湘南地方の環境が気に入って自由気ままな生活を送り、近所に所帯を持っていた弟や妹がいろいろ世話をやいてくれていたとは言え、やはりやもめ暮らしは寂しかったに違いない。

 生前あまり親孝行らしいことはしてやれなかったが、それでも私の旅行の話を熱心に聞いてくれた。一度は私の企画したヒット商品・ツアーにひとりで参加したが、生憎旅行先で体調を崩し、途中でひとりJALに面倒をみてもらいながら帰国したことがあった。もっと親孝行をしてあげられれば良かったと思っているが、すでに後の祭りである。来月初めに弟夫婦、妹夫婦とわれわれ夫婦で七里ガ浜の鎌倉プリンスホテルで食事をともにすることになっているが、何の不安もなくのんびり暮らしていた鵠沼時代の生活について話題が尽きないことと思う。

 さて、今年は世界リーダー国のトップの選挙、或いは選挙なしの交替が行われる。交替が決まっているのは、中国の国家主席が胡錦濤氏から習近平氏への政権移譲であるが、昨日台湾のトップを決める、総統選挙が行われ接戦を制して現職の馬英九国民党主席が、対立候補である民進党の蔡長廷氏を破り再選された。結局対中関係改善への支持が強かったということだ。今回の総統選挙では、早くから中国との付き合い方、つまり中台関係にどう取り組むかが大きな争点だった。深まりつつある中国との関係の中で、馬氏がこれまでの安定した中台関係の過程で経済が発展したことを訴えたのに対して、蔡候補は台湾独立志向を明確に打ち出していた。結局現状の中台関係が生み出す経済的なメリットが高く評価され、馬総統を再選することになった。中国政府はほっとしているようだが、意外にもアメリカ政府も「この数年の両岸関係改善の素晴らしい取り組みが続くことを期待する」との声明を出した。中台関係にさしあたって緊張感が生まれないことを期待してのことであろう。

 これから3月のロシア大統領選、5月のフランス大統領選、8月の韓国大統領選、そして11月のアメリカ大統領選へと続く。その都度世界の株式相場、ひいては景気が左右されることもあり得る。どうやら落ち着かない一年になりそうである。

2012年1月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1706.2012年1月14日(土) ベオグラードで演奏される慶応義塾塾歌

 ベオグラードに住む友人の山崎洋さんから大きな封筒に入った手紙をもらった。封筒の中に手紙とセルビアの日本語観光パンフレットが入っていた。日本人バイオリニストとしてセルビアで活動している豊嶋めぐみさんと東江(アガリエ)貴子さんのピアノ伴奏によるコンサートが、いよいよ3月14日にベオグラードで開かれるとの連絡だった。「海ゆかば」の作曲家・信時潔が好きな豊嶋さんへのリクエスト曲として、信時が作曲した慶応塾歌を演奏してくれることになったとの知らせで、私にもぜひベオグラードへ来て聴いて欲しいとの内容だった。信時潔の曲を各地で演奏している豊嶋さんに山崎さんが、塾歌をベオグラードでも演奏してくれるよう個人的に頼んでいたものだ。

 山崎さんにはゼミの友人でアマチュア・チェリストの赤松晋さんから塾歌のテープと楽譜を提供してもらい送ったところだ。3年前に信時が生涯を終えた東京・国分寺で、豊嶋さんの演奏を聴いたが、その時は「海ゆかば」をしんみり聴くことができた。だが、残念ながら塾歌を聴くことはできなかった。「海ゆかば」については、慰霊祭などでこれまでにも度々聴いている。やや重苦しい感じがするが、中々良い旋律で心に訴える素晴らしい曲だと思う。尤も詩は大伴家持というのだから、聴いていてしみじみ心に響くのも当然だろう。だが、大東亜戦争への協力の歌と誤解されることもあり、一部地域では演奏を断られることもあるという。

 手紙によれば、塾歌は良い曲だそうだが、芸術性の点ではやや問題があるように書かれていた。是非来いと言われても、一寸準備が間に合わないし、現在痔の治療中でもある。彼はセルビアの世界遺産・ストゥデニツァ修道院とソポチャニ修道院を案内してくれると言うが、今回出かけるのは難しいと思う。

 シューマン、モーツァルト、バッハの名曲と並んで「海ゆかば」と塾歌が演奏されるようで近くなら何が何でも駆けつけるところだが、一寸今回ばかりは現地へ行くのは諦めざるを得ない。

 さて、今日はけたたましかったり、慌しかったり、メディアからのニュースは目まぐるしい一日だった。11日に広島刑務所から脱走した服役中の中国人殺人未遂犯が昨日広島市内で捕まった。凶悪犯で狭い広島市内を逃げ回っていたので、メディアが過剰なまでに反応して大騒ぎだった。逮捕されてやれやれである。刑務所が工事中だったとは言え、その監視体制はお粗末としか言いようがない。加えて直前に監督官庁の法務大臣が、この件ではなく内閣改造で辞めることになったが、これは偶然だろうか。

 国際的には、アメリカの格付け会社、S&P社がフランスなどヨーロッパ9カ国国債の格付けを引き下げた。一瞬まさかと思った。これまでフランスの財政はあまり不安視されていなかったと思う。それが、ここへ来て一転危うくなった。フランスとともにオーストリア国債も引き下げられた。危険水域にあるイタリア、スペイン、ポルトガルは2段階の引き下げである。この影響は、外貨稼ぎのドル箱であるアテネのアクロポリスの閉鎖で見学できなかったり、ローマのコロッセオの壁が崩れたり、観光面でも様々な弊害が現れている。この状態が更に進むとユーロ圏の分裂へ発展しかねない。

 一体いつになったら、この世界経済不況の状態から脱出することができるのだろうか。暗澹たる思いである。

2012年1月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1705.2012年1月13日(金) 野田改造内閣発足

 野田改造内閣が発足した。改造の大きな目玉は、前幹事長の岡田卓也氏を副総理として迎えたことだろう。消費税増税論者の岡田氏が持論を通して正面から増税を国民に訴えるようだ。こうなると増税反対の小沢一郎氏との対立も再び起きてくるのではないだろうか。

 政権発足以来4ヶ月が経過した時点で、先月問責決議された二人の閣僚もこの機に退任することになった。そのひとり、一川保夫・防衛大臣は就任時のノー天気な発言に加えて、その後も沖縄県民を怒らせる無責任な言動で顰蹙を買っていたが、退任確実になった3日ほど前にモンゴルへ公務出張している。当然安保問題の打ち合わせのために、モンゴル国防省と会談をしている。まもなく辞める大臣が、防衛問題について政府間で外交交渉するという話はあまり聞いたことがない。神経を疑いたくなるような非常識なパフォーマンスを仲間内の誰一人として取り止めるよう忠告したり、諌める人物がいないことが情けない。これはモンゴル政府に対しても礼を欠くことになるのではないか。民間企業なら絶対あり得ない。事柄も費用もまったく無駄にするわけだが、この問題について当人はもとより、出張命令を発令した野田首相は何を考えているのか。野田首相の本当の気持ちはどうなのか。はっきり国民に説明すべきだと思う。

 野田総理以下18閣僚の第2次野田内閣の中にも、最早私より年長者は1歳年上の前田武志・国交相だけになってしまった。若い閣僚の中でも私の見るところでは、玄葉光一郎・外相、安住淳・財務相、小宮山洋子・厚労相があまり実績を上げる活躍をしたようには見えない。彼らの力量と実績が気になって、交替もあり得るとみていたが、留任だった。もうひとふん張りしてもらわないと、次の改造では離任ということも考えられる。

 さて、今夕の日経紙に興味深い予測が載っている。イギリスの大手銀行HSBCが発表したもので、それによると2050年の世界経済規模ランクは、国内総生産(GDP)で中国がアメリカを抜いて世界一になると予測している。この他にもわが日本がインドに追い抜かれて第4位に落ちている。この判定は、ややアジア諸国を高く評価しがちで、フィリピン、インドネシアがベスト20に入っている一方で、ヨーロッパの中で堅実な北欧や、小なりとも1人当たりGDPの高いルクセンブルグや、ニュージーランドが20位以内にも入っていない。どこまで信用して良いのか分らないが、こういう見方や判断基準も世界のプロの中にもあるのだと考えると面白いものだと思う。

 最近民主化の兆しが見えてきたビルマで、今日収監されていた受刑者651人が釈放された。その中にかつて当時のトップ、タン・シュェ氏と力関係でつばぜり合いを演じていた、元首相キン・ニュン氏が含まれていた。ビルマをよく訪れていた20年前ごろには、ビルマでネ・ウィン大統領の後継者と目されていた一人だった。いつの間にか失脚して自宅軟禁処分だったようだが、そのキン・ニュン氏も今日解放となった。久しぶりに見るキン・ニュン氏の笑顔である。

 これでビルマの民主化に拍車がかかるかというとそう楽観はできない。1988年の反政府デモで中核となって活動した学生グループのリーダーが解放されたのは可としても、財政的に苦しいビルマ政府が欧米先進国の経済封鎖を解いてもらう条件のひとつである全政治犯の釈放ということから、万止むを得ず取った一時的な措置のような気がしてならない。依然として民主化運動に関わった活動家500~1500人が今なお収監されているという。早く民主化されたビルマを見てみたいものである。

2012年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1704.2012年1月12日(木) 日本とアメリカの政治的土壌の違い

 今秋のアメリカ大統領選挙に向け、3日共和党アイオワ州党員集会でロムニー前マサチューセッツ州知事が勝利を収めた。10日にはニューハンプシャー州で予備選挙が行われ、ここでもロムニー氏が勝ち次期大統領へ向けて順調な滑り出しをしたように思える。

 ところで、今日池上彰氏のテレビ解説で知ったことであるが、アメリカ独立以来歴代44人の大統領の内、J.F.ケネディのカトリックを除き、他の43人は悉くプロテスタントだという。アメリカ大統領と言えば宗派的にはこれまでプロテスタントだったのである。それがロムニー氏に限ってはモルモン教徒である。ケネディの場合は、アイルランド系移民の血を継いでいたので、カトリックと聞いても理解できる。それが全アメリカ国民の僅か1.7%しかいないモルモン教だとすると、ロムニー氏は宗教的立場から言えば、ほとんど大統領の目がないとも言える。果たしてロムニー氏は、世評を覆すことができるだろうか。

 アメリカのモルモン教と言えば、ストイックなほど堅実な生活を送り、酒もタバコもコーヒーのような刺激物も嗜まないことで知られるし、収入の内1割を所属する教会に寄付する。布教のためにかかる経費はすべて自己負担である。ユタ州ソルトレイク・シティにあるモルモン教本部を2度ばかり見学したことがあるが、信者が誇る「モルモン教ここに誕生」の記念碑‘THIS IS THE PLACE.’MEMORIALを本部サイト内で確認したことがある。ある意味で極めて真面目で奉仕的な考え方で、それを忠実に守っているのは相当真摯な性格だと思う。

 それに比べると、残念ながら日本の一部の政治家の中には、不真面目で、人を欺いてまでしても利便を得ようとする悪辣な政治家が多いのには毎度のことながらうんざりである。

 直近では、一昨日、昨日と2日間政治資金規正法違反の罪で強制起訴された小沢一郎・民主党元代表に対する裁判である。細かいことは省略するが、この小沢氏の感覚は国民の普通の常識とはまったくかけ離れたものである。これまでの裁判の過程、憶測、小沢氏周辺の発言、偽証罪による立件などから推して、私にはどうも小沢氏がウソ八百を並べているのは間違いないように思えて仕方がない。天下国家以外は関心がないとの不遜な言動には、まず自らの襟を正せと言いたい。小沢氏にこれ以上天下国家を論じられては、迷惑を蒙るのは国民である。さっさと政界を去るべきが、現在小沢氏ができる唯一のことではないのだろうか。資金力に任せて名うての実力派弁護士を雇い入れ、守りを固めるのは立場上理解できないこともない。

 しかし、例えば弁護士というのは正義を主張し、世の不正を暴き、無実の罪を負わされた気の毒な人々に救いの手を差し伸べる人道的行為が原点であった筈だ。その意味では、悪のお先棒を担ごうとする同根の弁護士があぶく銭に血迷い、悪の道を突き進む小沢氏を手助けしようとする行為は、どうも正義という観点から納得できない。

 一部にせよ小沢氏のような政治家が生まれる日本の政治的風土は宗教観がないからだけではないように思える。その点では、アメリカの大統領の方が、日本の政治家より遥かにクリーンですっきりしているように思う。

2012年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1703.2012年1月11日(水) 梅棹忠夫先生の教えに学ぶ。

 一昨年7月「知的生産の技術研究会」特別顧問だった梅棹忠夫先生が亡くなられた。先生と直接お話したことはないが、長年同研究会の活動に参加してきて、先生の遺徳というか、業績に触れて、時代の一歩先を歩まれ、われわれに現代社会で学ぶべき基本を教えていただいたと感じている。昨年大災害をもたらした東日本大震災と、その後の原発事故についても梅棹先生はある程度予感していたのではないかと思える節が、先生の言動の中に窺がえる。先生は文明の進化は脅威とも成り得るとまで仰っていた。

 今月2日に放映されたNHK・教育テレビ「暗黒のかなたの光明~文明学者梅棹忠夫がみた未来~」でこんな言葉が紹介された。

 

 「文明はすすみます

 これはブレーキをかけても

 なかなかとまりません

 どんどんとすすんでゆく

 

  いままで文明というものは

 人間が自然を征服して

 ひとつの独自の世界を

 地球上に構築しえたとおもっていた

 

 ところがそれはまったくの

 まちがいであったということです

 じつはわれわれは文明を

 すすめることによって

 自分の墓穴をほっていたんだ

 

 文明というものは

 まさにそういう自分自身の存在の基礎を

 ほりくずすことによって

 成立しているような

 まことに矛盾にみちたものなんだ」

 

 これは梅棹先生が今から40年以上も前の1970年に書いた「未来社会と生きがい」の中のメッセージというか、感想といおうか、冷徹な分析の一節である。先生は東日本大震災も福島原発事故も先刻お見通しで、人類のうぬぼれを戒め、謙虚に生きることをこの至言の中に匂わせていた。

 探検家としてもフィールドワークにひとつの学問的分野を切り開いた先生はこうも言っておられた。「自分の足で歩き、自分の目で見て、その経験から自由に考えを発展させることができる」と。象牙の塔に籠ることなく、実践的に自然の中を歩き、人間は自然界とともに生きるべきだと主張された先生の真骨頂が窺がえる。

 僭越であるが、正に私自身も実際に山を歩き、海外をひとりで行動し、自分なりの行動力学のようなものを会得したと思っている。「まずひとりで行動せよ!そして考えよ!」、そして「若い時にこそ収穫の多い途上国へ一人旅して、五感で現場に漂う生の空気と臨場感をつかんでほしい」と後輩たちに常々語っているのも、今どきの若者がフィールドへ出て身体で自然に触れることや、海外へポジティブに出かけようとしない消極的な姿勢を心配しているからである。

 梅棹先生は亡くなられたが、今もその思想は脈々と生き、新鮮さを保っている。

2012年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com