1708.2012年1月16日(月) ホルムズ海峡海上封鎖が心配だ。

 いま世界的に不安定な財政問題から信用不安が俎上に上がっているが、政治的、外交的にも問題が山積している。

 イランの核開発に対する国連決議にも拘わらず、イランが核開発を進めたことに対して、アメリカが経済制裁を強め、それに同調してEU諸国もイランに対する経済制裁を課し、イランの原油購入を控えることを決めた。アメリカはわが国に対しても、イランから原油を購入することを控えるよう圧力をかけてきた。日本政府は提案を受け入れ、他のアラブ湾岸諸国から購入する意向を示した。

 問題は、あちらがダメならこちらからと簡単にはいかないことだ。政府は早速サウジ・アラビア政府と貿易交渉を始めた。ところが、それよりもっと深刻なのは、イラン政府が他国の原油を積んだタンカーが通るホルムズ海峡を封鎖すると発表したことである。これでは折角他の湾岸諸国から石油を仕入れてもそれを日本まで運んで来ることができない。喉元を押さえられたのでは、話にならない。更なる問題は、アメリカがもしイランが海峡を封鎖したら武力を行使すると述べたことである。

 しかし、イランにとってもホルムズ海峡封鎖によってタンカーの航行を止めることは自らの首を絞めることにつながり、自国経済にとっても苦しく痛し痒しである。ましてや自国の原油を輸出できないことになれば、外貨がまったく手に入らなくなる。結果的に徐々にボディ・ブローが効いてイラン経済にも悪影響を与えるようになる。

 日経朝刊「私の履歴書」に現在トニー・ブレア元英首相が執筆している。今朝はこんなことを書いている。在任中の1999年アメリカで「国際共同体の原則」として、「独裁体制を打倒する介入は、われわれに直接の脅威がない場合でも正当化できる」と提唱したという。ブレアは、コソボ紛争で民族浄化の名の下にセルビアが民間人の虐殺を行っている事実を見逃すのは道徳の問題と考えた。これがNATO軍による空爆となり、その後地上軍の投入も検討したことによってセルビア軍はコソボから撤退した。この強硬策がブレアの「力の対決」のバックボーンになっているようだ。

 いまブレアのイギリス人的セオリーに従えば、イランのホルムズ海峡封鎖に対抗して武力行使も辞さないという論理が生まれてくるのもむべなるかなと思う。それは安易に戦争を呼び、石油は高騰し、景気が一層悪くなるという悪循環を生むことになる。ブレア流「力と力の対決」構想は、今日の現実社会で果たして世界平和に貢献できるだろうか。

 昨日のヨーロッパ国債の格下げに伴うユーロの信用不安により、今日ユーロ相場が急落した。円に対するユーロは11年ぶりの安値となった。イタリア国債の2段階格下げに合わせるように、昨日イタリアの豪華大型客船が座礁して多数の死傷者を出したが、船長がイの一番にトンズラしたというからこのイタリア人船長は何を考えているのか。まったくスカッとしたニュースが聞かれない。

2012年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com