1711.2012年1月19日(木) プロ野球チームの経営について井上智治・楽天オーナー代行の話を聴く。

 普段それほどの活動をやっているわけではないが、顧問の末席を汚している「ふるさとテレビ」の月例セミナーがいつも通り憲政記念館で開かれた。今日のスピーカーは井上智治氏でビジネス・コンサルタントの傍ら、プロ野球の東北楽天イーグルスのオーナー代行も務めておられる。楽天を離れては、日本野球機構副会長とパ・リーグの理事長も兼任しておられる。日本興業銀行に勤めていた当時のオーナー・三木谷浩史会長兼社長とは、そのころから親しくビジネス・コンサルティングを一緒にやっていたという。きっと三木谷氏の信頼が厚いのだろう。

 野球界では素人である井上氏が、どうやって新興チームの土台を固めて球団経営を黒字に導くことができたのか、という点に大いに興味があり聴講した。

 井上氏はプロ野球界の内情とその常識にまで踏み込んで話され、目から鱗の話もあり、興味溢れる内容だった。プロ野球機構の問題点と、経営努力を怠ってきた過去の野球界、日米で違うビジネスモデルについて興味のある話がたっぷり聴けた。日米球界の経営モデルで最も異なるのは、アメリカがリーグ全体の発展と繁栄に目が注がれ、経営的に苦しい球団に対して連盟が支援するのに反して、日本のプロチームは自分たちさえ潤えば良しとして球団同士の間にあまり助け合いとか、協調性のない風潮があることである。

 最も刺激的な話は、日本のチームにはチームオペレーションは当然考えられているが、ビジネスオペレーションと球場オペレーションの発想がまったくないと言われたことだ。その点で井上氏は楽天を当初からその2つのオペレーションを取り込んでトータル・オペレーションを推進してきたと話された。従来読売巨人軍が圧倒的に好営業成績を残してきたが、それでも巨人軍にはチームとしての営業活動、つまりトータル・オペレーションなぞ考えられていなかった。球場オペレーションでは、それは㈱東京ドームに抑えられていたからだと説明された。

 それにしても、昨年12月の評論家・田原総一朗氏のような社会問題とか政治、外交問題ばかりでなく、こういうスポーツの経営に関わるテーマは気楽に聴けて、興味も深まるものだと実感した。

 今日プロ野球日本ハム・ファイターズのエース・ダルビッシュ有投手の、MLBテキサス・レンジャーズへの入団が決定した。彼の投手としての実績は人後に落ちることはないが、驚くのは今日合意に達した高額な契約金である。日本人選手として過去最高額というその金額は、6年契約で何と6000万$、日本円にして約46億円というからびっくりである。偶々井上氏のMLBの話を聴いたせいもあるが、こんな不景気でもうまくやりさえすればプロ野球は儲かるのだ。

 さて、民主党の行政改革調査会は現在の102独法を65法人に減らし、17の特別会計を11特会にする統廃合案をまとめた。果たしてどれだけ実際に実行することができるか。今俎上に上がっている議員定数削減でも試案としては、小選挙区5減、比例区80議席削減が数日前決まったが、これだって早くも野党の駆け引きによって実際実行されるのかどうか怪しいものである。民主党のアイディアと計画はいつも計画倒れに終る。政権政党としてその実行力には疑問符を付けざるを得ない。

2012年1月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com