1705.2012年1月13日(金) 野田改造内閣発足

 野田改造内閣が発足した。改造の大きな目玉は、前幹事長の岡田卓也氏を副総理として迎えたことだろう。消費税増税論者の岡田氏が持論を通して正面から増税を国民に訴えるようだ。こうなると増税反対の小沢一郎氏との対立も再び起きてくるのではないだろうか。

 政権発足以来4ヶ月が経過した時点で、先月問責決議された二人の閣僚もこの機に退任することになった。そのひとり、一川保夫・防衛大臣は就任時のノー天気な発言に加えて、その後も沖縄県民を怒らせる無責任な言動で顰蹙を買っていたが、退任確実になった3日ほど前にモンゴルへ公務出張している。当然安保問題の打ち合わせのために、モンゴル国防省と会談をしている。まもなく辞める大臣が、防衛問題について政府間で外交交渉するという話はあまり聞いたことがない。神経を疑いたくなるような非常識なパフォーマンスを仲間内の誰一人として取り止めるよう忠告したり、諌める人物がいないことが情けない。これはモンゴル政府に対しても礼を欠くことになるのではないか。民間企業なら絶対あり得ない。事柄も費用もまったく無駄にするわけだが、この問題について当人はもとより、出張命令を発令した野田首相は何を考えているのか。野田首相の本当の気持ちはどうなのか。はっきり国民に説明すべきだと思う。

 野田総理以下18閣僚の第2次野田内閣の中にも、最早私より年長者は1歳年上の前田武志・国交相だけになってしまった。若い閣僚の中でも私の見るところでは、玄葉光一郎・外相、安住淳・財務相、小宮山洋子・厚労相があまり実績を上げる活躍をしたようには見えない。彼らの力量と実績が気になって、交替もあり得るとみていたが、留任だった。もうひとふん張りしてもらわないと、次の改造では離任ということも考えられる。

 さて、今夕の日経紙に興味深い予測が載っている。イギリスの大手銀行HSBCが発表したもので、それによると2050年の世界経済規模ランクは、国内総生産(GDP)で中国がアメリカを抜いて世界一になると予測している。この他にもわが日本がインドに追い抜かれて第4位に落ちている。この判定は、ややアジア諸国を高く評価しがちで、フィリピン、インドネシアがベスト20に入っている一方で、ヨーロッパの中で堅実な北欧や、小なりとも1人当たりGDPの高いルクセンブルグや、ニュージーランドが20位以内にも入っていない。どこまで信用して良いのか分らないが、こういう見方や判断基準も世界のプロの中にもあるのだと考えると面白いものだと思う。

 最近民主化の兆しが見えてきたビルマで、今日収監されていた受刑者651人が釈放された。その中にかつて当時のトップ、タン・シュェ氏と力関係でつばぜり合いを演じていた、元首相キン・ニュン氏が含まれていた。ビルマをよく訪れていた20年前ごろには、ビルマでネ・ウィン大統領の後継者と目されていた一人だった。いつの間にか失脚して自宅軟禁処分だったようだが、そのキン・ニュン氏も今日解放となった。久しぶりに見るキン・ニュン氏の笑顔である。

 これでビルマの民主化に拍車がかかるかというとそう楽観はできない。1988年の反政府デモで中核となって活動した学生グループのリーダーが解放されたのは可としても、財政的に苦しいビルマ政府が欧米先進国の経済封鎖を解いてもらう条件のひとつである全政治犯の釈放ということから、万止むを得ず取った一時的な措置のような気がしてならない。依然として民主化運動に関わった活動家500~1500人が今なお収監されているという。早く民主化されたビルマを見てみたいものである。

2012年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com