1842.2012年5月29日(火) シリア国内の混迷がヨルダンへ及ぶことはないか。

 来週から中東へ出かける。その中東・アフリカの中で質的には状況はやや異なるが、世界の注目を集めるような社会情勢の変容と混乱がある。

 そのひとつはエジプトの大統領選挙である。エジプトでは、昨春「プラハの春」ならぬ」「ラブの春」として30年間君臨したムバラク政権が倒れ、早い時期に民主国家の誕生が期待されたが、1年以上を経過して未だ民主的政治機構と統治が確立されていない。その最大の課題であるポスト・ムバラクのリーダーがまだ決まらないからである。先週漸く大統領選挙が実施されたが、過半数を制した候補者が見当たらず、上位二人による決戦投票が来月半ばに実施されることになった。

 第1回の投票で1位となったのが、穏健派イスラム団体ムスリム同砲団が推すムハンマド・ムルシ氏で、2位がアフマド・シャフィーク氏である。このシャフィーク氏というのが中々の曲者で、実は失脚した晩年のムバラク政権下で首相を務めていた。本来ならムバラク氏同様に追放処分を受けて当然の人物であると思う。今更どの面下げてと言いたいような御仁である。しかも元空軍司令官でもあった、れっきとした軍幹部である。ムルシ氏とシャフィーク氏の差は僅差であり、イスラム宗派と軍部との勢力争いに発展することもあり得る。

 仮に正当な国民の総選挙によって選ばれた大統領ということになっても、かたやイスラム教国家としての力が強まるか、こなた似非軍事政権になるかという民主化とはかけ離れた政権になりそうである。期待した民主国家への道は極めて厳しいものと言わざるを得ない。あれほどムバラクはもう堪えきれない、我慢の限界であるとばかり、一旦は民主化運動の流れの中で悪名高き独裁者を追放しても、とどのつまりは宗教指導者か、ムバラク継承者の軍人になってしまうのではあまりにも寂しい。早晩周辺国にもその影響は及んでくるのではないだろうか。

 国民の半数以上が新しい国を背負う政治家に期待しないというのだから、国家再建は道遠しである。実際第1回選挙の投票率は46.2%で半分の50%にも満たない。いろいろな要因はあるだろうが、まだ民主国家、また国民としての精神が成熟していないということだろうか。これでは新政権が発足しても早晩新たなトラブルが起きそうな気がする。

 もうひとつの懸念材料は、旅行先ヨルダンの北隣シリアの国内情勢が益々流動的になり、一層危険な様相を帯びてきたことである。

 27日にホウラで起きた100人以上の住民虐殺事件を憂慮して、即時首都ダマスカス入りしたアナン前国連事務総長はアサド大統領と会い、一時的停戦などの調停案を守るよう強く説得する。これまでシリアの立場を擁護していたロシアと中国の中でもロシアは、虐殺に関与したのは政府側との西欧側の言い分に若干譲歩する姿勢を示した。しかし、シリア国内に利権を持ち、シリア内の体制が代ることを危惧するロシアと中国は、基本的には相変わらずアサド政権を支持する考えを崩していない。他国がシリアに物申すのは、内政干渉だとの主張を繰り返している。これまで散々他国への内政干渉を行ってきた両国がよくそんなことを言えるものだ。イスラム教内宗派の対立もあって西隣国レバノンにも火種が燻んできた。これからシリア内の対立がレバノンへ波及しないよう望んでいる。

 まかり間違っても旅行先ヨルダンへ火の粉が飛んでこないことを祈るや切である。

2012年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1841.2012年5月28日(月) 原発事故の消えない不安

 福島原発事故に対する検証と再発防止に関する調査がいろいろな形で進められている。すでに「福島原発事故独立検証委員会」なる民間の調査・検証報告書が出され、私もその分厚い調査書を入手し、ぱらぱらと目を通した。一部には民間事故調と言えども、必ずしも公平ではないとの意見も聞かれる。

 昨日国会事故調査委員会が開かれ、事故当時官房長官だった枝野幸男・経済産業相を参考人として出席した。枝野氏はメルトダウンの公表や住民への避難指示のあり方について反省の意を表明したが、人命にかかわる緊急事態発生について、原子力の専門家ではない政府がどの程度イニシアチブを取って情報発信と管理をすべきかという点で難問を突きつけられたように思う。

 今回特に問題になったのは、東京電力が水素爆発を察知して全面撤退を言ったのか言わなかったのかという点と、当時の菅首相がヘリで現場に乗り込み、東電の指揮系統を無視して現場で口出ししたことが妥当だったのかどうかという点である。

 結局水素爆発は起きた。だが、全員避難するまでのことではなかったと簡単に結論付けられては困るのだ。もし、仮に放射性物質が漏れて住民が全員避難という事態が現実に起きたら、周辺地区のみならず、日本全体はどうなっただろう。原子力には想定外の事態が予想されるではないか。こんな危険なものを再び稼動させようとする神経は人間の知恵とは遥かにかけ離れたものである。

 一昨日ペンクラブの懇親パーティ開催に先立って、先般チェルノブイリを訪れ、事故後26年も経過して今も引き摺る悲惨な現状を見て、ペンクラブ環境委員長・中村敦夫氏が悲惨を通り越して人類の破滅との話をした。今日も国会事故調では菅前首相を参考人招致して、当時の状況を聞きただしていた。原因究明は大事だが、一番大事なことはこんな危険なエネルギー源はもう止めるより他ないのではないか。

2012年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1840.2012年5月27日(日) 日本人登山家、世界の8000m高峰14座を征服

 このところ天気が不安定だったが、今日漸く爽やかな五月晴れに恵まれた。競馬の日本ダービーを始め、プロ野球、サッカーJリーグ、バレーボールの五輪最終予選等々いくつかのスポーツ・ビッグイベントが行われた。

 そんな中で昨夜吉報がもたらされた。世界で14座ある8000m峰の全山完登を目指していた登山家・竹内洋岳さんが最後に残った第7位の高峰・ダウラギリ1峰(8167m)を征服した。イタリアの登山家として世界的に有名なラインホルト・メスナーが初めて成功してから、世界で30名近い登山家が達成しているが、41歳の竹内さんは日本人として初めてである。

 私も若い頃にヒマラヤに憧れたが、海外渡航は自由にならず、とても手の届かない夢と思っていた。それが今ではその気になれば可能性があり、羨ましい限りである。かつて登山に夢中だった私自身にとっては、8000mはおろか、列車でチベット国内で海抜5000mを越えたり、スイス・アルプスを他力で登ったくらいである。強いて自慢できるのは、日本の3000m超高峰13峰のうち、9峰を登ったことぐらいだろうか。

 さて、数日前カナダで2020年の五輪開催地の最終候補地の絞込みを行った。幸い前回に続いて手を上げていた東京は、ライバル・イスタンブールとマドリードとともに最終選考に残った。落選したのは、バクー(アゼルバイジャン)とドーハ(カタール)である。最終決定は来年9月だそうだが、これから熾烈な指名までのロングランを通して、イスタンブールやマドリードに対して東京に勝ち目はあるだろうか。

 オリンピックを開催することには、確かにいくつかの大きなメリットがある。かつては、財政負担が重く余裕のある大国でなければ中々開催地として名乗りを上げることはなかったが、ロスアンゼルス大会から開催自体が総合的に捉えれば、営業面ではペイすると考えられるようになり、その他にも国威発揚に繋がり、更に世界に存在感を訴える良い機会となるなど諸々のメリットが見直され、資金にゆとりのある国は挙って開催の希望をアピールしている。2016年リオ・デ・ジャネイロ大会決定の際は、東京は最終審査で落ちた。その最大の敗因は、国民の中に五輪を開催しようとの熱意と盛り上がりに欠けたことが響いた。その反省の上に立って東京五輪を開催したいという国論をどう盛り上げていくかということが、開催地として認証されるための課題である。

 やや気がかりなのは、当初開催希望だったローマが昨今の国内財政事情の悪化から、あっさり立候補を取り下げたことである。今、スペインも厳しい経済不況の渦中にあり、予断を許さない。日本だって、国債の格付け低下であまり自慢できる状況にはない。今や、スポーツだって国の台所事情に大きく左右されるようになった。

 どこを向いてもあまり明るい話題がない。だからこそ、世界をあっと言わせる慶事には心からおめでとうと言ってあげたい。それが、昨日成し遂げられた竹内さんの世界の8000m超高峰の完登である。快哉を叫びたい。

2012年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1839.2012年5月26日(土) フルブライト60周年記念シンポジウム

 先日フルブライト一期生である山本澄子さんから、今日千駄ヶ谷の津田塾大学津田ホールで開催される「日米フルブライト交流プログラム60周年記念公開シンポジウム」の基調講演に、高校先輩のノーベル賞受賞者・根岸英一博士が話されるから聴講されてはどうかとご案内をいただいた。

 いつもながら根岸博士は難解な化学について壺を押さえて話され、とりわけ難しい有機化合物についてパワーポイントを使って分かりやすく説明された。尤もそれでも理解というにはほど遠い。

 昨年11月の母校創立90周年記念式典でもお聞きした「世界でノーベル賞受賞は1千万人に一人の確率なので難しいように思われるが、10の7乗分の1の競争、つまり10人のセレクションに7回勝ち抜けば達成できる」とのお話を丁寧に説明された。小中高の学校教育で10番以内に入っていれば3回は勝ち上がったことになるとして、かつて住んでいた神奈川県大和市と湘南高校の教育と教育環境が後年自信を得たきっかけになったと話された。帝人に入社した時、当時の大屋晋三社長から「若者よ!海外へ出よ!」と励まされたことが、外へ目を向ける大きなキッカケになったと大屋社長に感謝していた。

 人生における根岸流幸せの意味についても話された。そのための4つの要件として、①健康、②家庭、③職業(自分が得た以上のものを仕事を通じて社会へ還元する)、④趣味、等々を挙げ自分の体験から具体的に説かれた。今日の講演の中で、意外に思ったのは「二酸化炭素はリサイクルできる」との話だった。専門家の中でもまだ首を傾げる人が多い中で、自信を持って断言しておられた。

 その後のシンポジウムでは、パネリストに根岸博士と駐日アメリカ大使館ディビッドソン広報・文化交流担当公使に交って3人の日米の若者が加わり、石澤靖治・学習院大学学長の司会進行により「若者は発言する。あなたはどう考える?」というテーマで話し合われた。今日出席された若者は積極的に発言し、自論を発信しているが、一般的に近年日本の若者が内向きとなり、海外へも行かなくなっている現状とその傾向に対して、いくつかの意見が出された。デェビッドソン公使も日本人留学生が減少気味と憂慮され、アメリカの大学への留学生を増やすことがひとつの役割だとも述べておられた。昨年3月に初めて根岸博士と話し合った時にも、博士は若い頃海外へ行くべきだとしきりに強調され、私と妙に気持ちが通じ合った。現代は少子高齢化社会が進み、損得勘定も強くなって自分に利がないと取り組もうとしないといい、同時に若者たちが何となく忙しくなっている現状は、若者だけの責任に帰すわけにはいかないとの話も出た。

 昨晩ペン懇親会の後東京會舘を出ようとして、60年記念パーティから帰ってこられた山本さんにお会いしたら、パーティには天皇・皇后両陛下もご臨席されたと話されたが、根岸博士も10年ごとの記念式典に毎度両陛下が出席されると感激して話しておられた。

 今日フルブライト交流基金の創設者である故ウィリアム・フルブライト・元上院議員(1905~95)夫人が会場で紹介された。世界でも珍しいほど多彩な人材を輩出し、世に文化的貢献と福音をもたらした事業は他に類を見ないと思う。その成功の秘密のほんの一面だが、今日のシンポジウムを通して垣間見ることができたように思う。

2012年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1838.2012年5月25日(金) 国際ペン東京大会の決算報告について

 今日本年度日本ペンクラブ総会が開かれた。定例の議案審議の他に、昨年浅田次郎会長が約束した一昨年の国際ペン東京大会の経理処理の不明瞭さの説明と質疑を行った。東京大会は経理処理が杜撰で大欠損を計上し、昨年から上を下への大騒ぎの末に、調査委員会が設置され聞き取り調査を続けて先日漸く報告書が提出された。その報告書概要版は事前に各会員へ郵送されたが、一読して大組織の経理としてはいかにもお粗末だったとの印象が拭いきれない。はっきり言ってあまりにも酷い。一部に内輪の組織だから穏便に済ませようとの気持ちがあるようで、最終的な結論として、関係者が他人任せにしてチェックを怠り、事務局長と局長代理に一任した形になってしまった。

 調査委員会は、三好徹委員長、よく存じ上げている理事・小中陽太郎さんと同じく大原雄さん、ほかにこれも知り合いの藤川鉄馬さんと鈴木康之氏で構成されている。

 すべての議事が終わった後、調査委員会が作成した報告書概要版を下敷きに浅田会長が説明した。会長は虚心坦懐に①体制の不備、②財務委員会のような組織を作って財政に明るい人を参加させるべきだった、③不足金分に対して個人的に戻入を検討、④責任者、関係者に懲罰を課すこと、などを率直に述べた。これに須藤甚一郎さんらが責任問題などについて質問した。藤川さんは、郵送された報告書概要版では細部が分からないので、詳細版をインターネットで覗けるよう、提案しろと私に求めたが、須藤さんがまとめて要望を伝えてくれたので、いずれ近い内にはっきりするだろう。

 言い方は良くないが、印象的には執行部が敗北宣言した感じである。浅田会長自ら弁済するような気持ちを述べていた。この発言によって、執行部に対する先鋭的な質問は無くなったように思う。いたたまれなかったのか、会員席におられた阿刀田高前会長が立ち上がり、大会開催に努力された関係者を評価され感謝の気持ちを述べ、同時に自分が最高責任者なので、何がしかの費用を弁済することを涙ながらに訴えて同情を買っていた。

 大会は間違いなく大成功で、開催に協力した関係者に悪意はない。ただ、大会開催に関する知識があまりにも不足し、担当理事の許可を得ることなくスタッフが独断で処理したことが、大欠損を生み出す結果となり致命的だった。

 大体結論は出たが、最終的にはまだ問題は片付いていない。しかし、折角の善意が列記したようなお粗末な対応によって台無しになったことはいくら反省しても反省しきれない。二度とこういう不始末は繰り返して欲しくない。小中さんらの解明のための努力は報われたと言えるかも知れないが、どうも後味の悪さはいつまでも残りそうだ。

 せめてペンクラブは金の不始末で内輪揉めしているような噂だけは流されないよう、心して行動したいものだ。

2012年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1837.2012年5月24日(木) 野田政権は対応遅く、決められず。なぜだ?

 昨日の本ブログで取り上げた数土文夫・NHK経営委員長の東京電力社外取締役就任問題について今日数土氏は、NHK経営委員長を辞任し東電社外役員に推されれば受諾すると語った。本人としてはどちらにも魅力があったのだろうが、これだけ兼職に批判が出てくると当然両方引き受けるというわけには行かなくなった。東電の方により魅力があるとすると、このままNHK経営委員長を務めていたならば、やはり東電へのエコヒイキ報道が予想されると勘ぐらざるを得ない。まあ、これで思い切って東電に奉仕することができるから本人にとってはすっきりしたのかも知れない。

 さて、そんな役員人事問題のいざこざを尻目に、その東電自体は益々問題がこじれて複雑になってきた。これは関西電力関連だが、福井県敦賀市の核燃料再処理工場「もんじゅ」の再稼動を迫る声が高まり、同じ福井県の大飯原発の再稼動について、しびれを切らした西川一誠・福井県知事が政府の対応の遅さをなじるありさまで、いずれにせよ真っ向勝負する前に国内に対立を生み、原発再開に向けて結論はこじれそうな雲行きとなってきた。

 この間橋下徹・大阪市長の本音が見え隠れする「夏の電力不足の一時期に再稼動」の発言をしながら、普段は原発再稼動反対のポーズを取って揺さぶりをかけ、西川知事からそのご都合主義を非難されるドラマもあった。

 西川知事がしびれを切らすまでもなく、野田政権の行動は遅いし、問題の解決を先延ばしするばかりである。今では野田首相は、野党・自民党と小沢民主党元代表を二股にかけていると噂される有様である。その小沢氏は今日支援者の前で、消費増税には最初から反対で考えを変える気はないので、話し合っても平行線だろうと他人事のようなことを喋っている。野田首相は民主党内をまとめられず、自民党との間にも条件面でネゴできず、「フィッチ」も増税法案が成立しないのではないか憂慮している。仮にそうなれば格付けをもう1段階下げる可能性にも示唆した。

 どうも国内では上の組織がもたもたして、それが徐々に下の方に影響が及んでくるのが心配である。

2012年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1836.2012年5月23日(水) 日本は本当に劣化したのか。

 いま国会会期中に「政治生命を賭けて」消費増税法案の成立を図ると強調していた野田佳彦首相は、消費税値上げに反対している民主党元代表・小沢一郎氏との会合のお膳立てを小沢派の輿石幹事長に依頼し、小沢氏もこれを受け入れ、近々野田・小沢会談が行われることになった。

 さて、世間が注目するその会談は直ぐさま行われるのかと思いきや、のんびりしていて来週だという。この緊急事態下になぜ直ぐ話し合いをしようとしないのか。

 原発問題は一向に進展せず、最高裁から違憲の指摘があった選挙制度改革はやる気なく、税と社会保障の一体改革はストップしたまま財政再建はまったく進まず、内閣の番頭役・藤村修官房長官がこんなに物を決めなくていいんでしょうかとつい愚痴を漏らしたそうだが、あまりにも酷い。野田政権は本当に何も決めることができない。政治の機能不全を地で行っている状態である。

 ついに欧米第三の格付け会社「フィッチ・レーティングス」は、日本国債の1段階引き下げを発表した。これで日本の格付けは韓国より2段階、中国やサウジアラビア、チリより1段階下に位置づけられることになった。この格付け自体は、必ずしも経済の実態を表しているわけではないが、実際に韓国や中国を旅してみて、どう見ても日本がこれらの国に劣るようには見えないものの、贔屓目ながらこの格下げにはちょっと首を傾げたくなる。これでは日本人としてのプライドが傷つくことになりはしないだろうか。

 日本の長期低落傾向を露呈した、その原因はとりもなおさず、先進諸国の中で最悪とされる日本の債務残高である。あまりにも多すぎる。しかし、大分前から問題になっている国の借金を減らすとのお題目だけは、時の政府が毎度約束するが、ほとんど実行された試しがない。あまりにも緩慢な財政再建への日本政府の対応に切迫感が足りないとフィッチは見てとった。いつものことながら、官僚と政治家、特に国会議員は地道な問題解決への取り組みに消極的で、自分にとって都合の良い事案にしか取り組もうとしないからだ。

 もう少しスピード感を持って真剣に国政に取り組まないなら、改めて言ってやりたい。国会議員は税金ドロボーと言われても反論のしようがあるまい。

 さて、先日東京電力の社外取締役のひとりに数土文夫・NHK経営委員長が内定した。ところが、その直後から公共放送のトップが、現在マス・メディアの厳しい取材対象となっている東電の経営陣に加わることは、報道の公正さが損なわれることになるのではないかと批判が相次ぎ、数土氏は受諾を表明してはいない。

 しかし、数土氏の昨日の記者会見の質疑を聞いていると、本人はやる気満々でちょっと思い違いをしている節もある。

 例えば、報道の中立性の懸念について、NHKは企業内統制が利き、番組の公正公平が保証される仕組みがしっかりしていて自分は番組には口出しできないし、東電の経営執行にも関与しないという。これではこれまで何のためにNHK経営委員長を引き受けてきて、今後なぜ無給で東電社外取締役なんか引き受ける気になったのだろう。

2012年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1835.2012年5月22日(火) 世界一の電波塔・東京スカイツリー開業

 朝からどんよりとした雲行きで、肌寒い陽気となった。日中の都内の気温が13.7℃というのだから晩冬の気候と言ってよい。6年前に計画が具体化されて3年9ヶ月の工期の末完成した東京スカイツリーが今日開業した。すでに話題性が先行していたが、これからも何かにつけ話題となることだろう。10時オープンと同時にどっと予約客が押し寄せ、今日一日熱気に包まれるかと思われたが、生憎強い雨が降り出し展望台からは期待の展望が望めなかった。そのうえ夜になって強風のため上りエスカレーターの運行が中止される有様だった。しかし、下町には台東区内の浅草雷門以外にこれといった名物観光地があるわけではなく、スカイツリーによる経済効果が期待されている。

 高い建物としては、これまでにニューヨークのエムパイア・ステートビル、シカゴのシアーズ・タワー(現ウィリス・タワー)、トロントのCNタワー、シアトルのスペース・ニードル、ナイアガラのスカイロン・タワーに昇っているが、残念ながらエッフェル塔には昇ったことがない。高さという点だけではなくエッフェル塔には、美景、品格、立地などの点で他の最新の建造物には見られない魅力がある。妻と2度目のパリへ行った時、エッフェル塔へ昇ろうと近くまで行ってみたが、塔を取り巻く、あまりにも長い行列に諦めたことがある。それぞれの建物にはやはりそれなりの魅力があるものだ。ただ、「高い」というだけでは、それほど自慢にもならないと思う。その証拠にかつてポーランドのワルシャワにスカイツリーを追い抜く646mの高さのテレビラジオ塔があったが、1991年東西の壁崩壊と同時に取り壊されてしまった。そのまま観光用に改装され現存していれば、今や話題になっていたものと思う。

 今ではアラブ首長国連邦・ドバイの「ブルジェ・ハリファ」が世界で最も高い828mの高さを誇る建造物ということになっているが、634mのスカイタワーは、電波塔として世界一の高さとしてギネス・ブックに認証されたそうだ。

 まあいずれこの電波塔だって世界のどこかに新しい塔が建って追い抜かれるのも時間の問題だろう。スカイタワーも果たしていつまで人々の気持ちに印象として焼き付いているだろうか。

2012年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1834.2012年5月21日(月) 132年ぶりの金環日食を見る。

 朝7時32分、頭上の薄曇の中に金環日食を見ることができた。これがこの世における金環日食の見納めである。天気予報通り薄い雲がかかっていたが、先日「ITO-YA」で買った315円の日食グラスでもかなりくっきりと見ることができた。お隣の小学生も道路脇でグラスをかけて空を見上げていた。これまでにも日食や月食は見たことがあるが、やはりダイヤモンド・リングとなる金環日食はある面で最高のものだろう。気の毒なことに台中では天候がぱっとせず、台中市民の恨めしそうな顔が何とも哀れである。富士山頂でも生憎吹雪に襲われ見られなかったという。

 金環日食が次回日本で見られるのは18年後、2030年の北海道だそうだが、日本各地で広く見られるのは300年後の2312年だというから気の遠くなるような話だ。これほど正確に天体の行動を予測できるのは、素晴らしい科学の為せる技かと思ったところ、案外身近な数値が、まだ突き止められていないことはやや意外だった。それは太陽の直径である。こんな身近な距離は現代科学の粋を以ってすれば、わけなく算出できるのではないかと思っていた。月までの距離とか、各衛星間の距離などがとっくの昔に解明されたのに最大の惑星・太陽の直径が判明していなかったとは、実に意外である。それを今回の金環日食が完全に見える金環日食帯を正確に計測して月との距離関係、太陽との距離から直径を割り出すという。小学生にも手伝ってもらうというから、小学生が天体、宇宙に対する好奇心や知識を駆り立てることは間違いないだろう。

 今日見られた金環日食は、地球と太陽の間に月が入り込み一直線上に並んだものだが、今日のテレビ解説を聴いていると、来月6日には太陽の手前を金星が横切る「金星太陽面通過」現象が見られるので、日食グラスを処分しないようにと親切な情報を流していた。生憎その時ヨルダンを旅行中なので、残念だがお目にかかれない。

 さて、昨日大相撲夏場所で初優勝を果たした旭天鵬が賞賛される一方で、今日の朝日夕刊「素粒子」には案の定千秋楽の出場をドタキャンした琴欧州と、負けが込んだ大関陣に対して皮肉たっぷりのコメントが紹介されていた。曰く「旭天鵬の男の涙は美しいけど。優勝争いの一番を休んだ琴欧州。6人の半分が8勝7敗の互助会みたいな大関陣」とある。まったくその通りである。

2012年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1833.2012年5月20日(日) 大相撲夏場所で平幕旭天鵬が初優勝

 明朝7時半ごろ173年ぶりに都内で金環日食が見られ、全国的にこんな広い範囲で見られるのは、何と平安時代以来932年ぶりというから一寸信じられない気がする。紫式部は金環日食を見たかなぞというクイズ紛いの話題も供される有様である。そんな中で数日前から天気予報で明朝の天気が細かく「晴れ」の期待を込めて伝えられている。生憎空には雲がかかるようで気がかりなことである。学校などでは太陽などの宇宙系の天体知識を知る良い機会とばかり、授業の一環として教育効果を期待している。小学校などでは丁度通学時間帯に当たるので、授業開始を遅らせてゆっくり自宅で空を見上げてもらおうというところもある。天下の名門・麻布学園では学校を休みにしてまでも、自宅で生徒に金環日食を観測させて研究発表させる計画を立てているようだ。

 一方で明後日東京スカイツリーがオープンするというので熱気が高まり、ここ数日スカイツリー自体と商店街のPRと現状について前宣伝を兼ねて報道している。スカイツリーはしばらくの間は搭乗希望者が多くて予約しないと展望台へ登れないようだが、高い料金にも拘わらず物珍しさで多くの人たちで溢れかえると予想されている。今年10月に開かれる、ある文部省教員海外視察団懇親会の折に登る予定があるので、私は当分周囲から眺めるだけで充分である。

 さて、昨年不始末とスキャンダルだらけだった大相撲が今日夏場所千秋楽を迎えた。優勝は誰も予想もしなかった12勝3敗の平幕力士同士の優勝決定戦となった。モンゴル出身の幕内7枚目旭天鵬が、同じく4枚目の栃煌山を下し昭和以来最年長の37歳8ヶ月で優勝を決めた。平幕同士の優勝決定戦も初めてである。千秋楽の本割で不戦勝の栃煌山が優勝決定戦へ駒を進めるという初めての珍しい一番ともなった。考えようによっては、旭天鵬が横綱や6人の大関のうち5人と戦っていない点に、幕の内最高優勝の資格ありやの疑問なしとしないが、上位者が自滅したと思えば目くじらを立てることもあるまい。

 今場所も序盤戦は今ひとつ土俵が盛り上がらず、相撲景気もいよいよ厳しくなったと思っていた矢先に、後半戦の盛り上がりによって辛くも救われた。初日横綱白鵬が思いも寄らず敗れて幕開けから荒れた。お客の入りもあまり芳しくなく中日までは空席が目立つほどだったが、それが後半に向かうにつれて旋風が巻き起こった。

 当然先場所優勝の横綱白鵬に、先場所準優勝で大関昇進した鶴竜を加えた6人の大関の中から間違いなく優勝者が出るものと思われていた。だが、終わってみれば、白鵬は5敗、鶴竜は7敗と散々の成績だった。結果的にこの混沌とした優勝争いがファンの今までとは違った関心を高め、後半戦で連日満員御礼が出るようになった原因ではないか。

 しかし、常識を疑いたくなるようなでき事もあった。千秋楽当日になって大関琴欧州が前日の怪我を理由に急遽休場を申し出たのだ。普段なら大して問題にもならないところだったが、戦う相手が優勝戦線に残っていた栃煌山だっただけに禍根を残した。栃煌山は不戦勝となり、もし優勝した旭天鵬が本割で負けていたら、栃煌山は千秋楽に戦わずして優勝が転がり込んでくるという椿事となるところだった。これには、相撲協会内部でも琴欧州と親方の判断に批判が集中している。実際優勝争いを観戦に来る熱心な相撲ファンの気持ちを裏切るような軽率な判断だったと断じざるを得ない。八角親方(元横綱北勝海)の如きは「土俵へは這ってでも出てくるべきだ。前日の申し出ならまだ取り組みの割り返しもできた」と怒り心頭である。実際こんなことを繰り替えしているようでは、相撲協会はまだまだ反省が足りない。

 それにしても旭天鵬の37歳8ヶ月という年齢での優勝は、力勝負の相撲では限界を超えていると思う。ありきたりだが日ごろのたゆまぬ努力の賜物ということだろうか。

 プロ野球でも先日2千本安打を放った稲葉篤紀選手や宮本慎也選手のように、40歳を超えた中年選手が頑張っている。こういう姿を見ていると、われわれ中期高齢者も大いに力づけられる。

 結局日ごろから節制と努力を怠らない選手こそがいつまでもプレーできる根拠だということと、面白い勝負と意外性がスポーツの世界では、興味を盛り上げるものだということが今場所の相撲を見ているとよく分かる。

2012年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com