朝7時32分、頭上の薄曇の中に金環日食を見ることができた。これがこの世における金環日食の見納めである。天気予報通り薄い雲がかかっていたが、先日「ITO-YA」で買った315円の日食グラスでもかなりくっきりと見ることができた。お隣の小学生も道路脇でグラスをかけて空を見上げていた。これまでにも日食や月食は見たことがあるが、やはりダイヤモンド・リングとなる金環日食はある面で最高のものだろう。気の毒なことに台中では天候がぱっとせず、台中市民の恨めしそうな顔が何とも哀れである。富士山頂でも生憎吹雪に襲われ見られなかったという。
金環日食が次回日本で見られるのは18年後、2030年の北海道だそうだが、日本各地で広く見られるのは300年後の2312年だというから気の遠くなるような話だ。これほど正確に天体の行動を予測できるのは、素晴らしい科学の為せる技かと思ったところ、案外身近な数値が、まだ突き止められていないことはやや意外だった。それは太陽の直径である。こんな身近な距離は現代科学の粋を以ってすれば、わけなく算出できるのではないかと思っていた。月までの距離とか、各衛星間の距離などがとっくの昔に解明されたのに最大の惑星・太陽の直径が判明していなかったとは、実に意外である。それを今回の金環日食が完全に見える金環日食帯を正確に計測して月との距離関係、太陽との距離から直径を割り出すという。小学生にも手伝ってもらうというから、小学生が天体、宇宙に対する好奇心や知識を駆り立てることは間違いないだろう。
今日見られた金環日食は、地球と太陽の間に月が入り込み一直線上に並んだものだが、今日のテレビ解説を聴いていると、来月6日には太陽の手前を金星が横切る「金星太陽面通過」現象が見られるので、日食グラスを処分しないようにと親切な情報を流していた。生憎その時ヨルダンを旅行中なので、残念だがお目にかかれない。
さて、昨日大相撲夏場所で初優勝を果たした旭天鵬が賞賛される一方で、今日の朝日夕刊「素粒子」には案の定千秋楽の出場をドタキャンした琴欧州と、負けが込んだ大関陣に対して皮肉たっぷりのコメントが紹介されていた。曰く「旭天鵬の男の涙は美しいけど。優勝争いの一番を休んだ琴欧州。6人の半分が8勝7敗の互助会みたいな大関陣」とある。まったくその通りである。