朝からどんよりとした雲行きで、肌寒い陽気となった。日中の都内の気温が13.7℃というのだから晩冬の気候と言ってよい。6年前に計画が具体化されて3年9ヶ月の工期の末完成した東京スカイツリーが今日開業した。すでに話題性が先行していたが、これからも何かにつけ話題となることだろう。10時オープンと同時にどっと予約客が押し寄せ、今日一日熱気に包まれるかと思われたが、生憎強い雨が降り出し展望台からは期待の展望が望めなかった。そのうえ夜になって強風のため上りエスカレーターの運行が中止される有様だった。しかし、下町には台東区内の浅草雷門以外にこれといった名物観光地があるわけではなく、スカイツリーによる経済効果が期待されている。
高い建物としては、これまでにニューヨークのエムパイア・ステートビル、シカゴのシアーズ・タワー(現ウィリス・タワー)、トロントのCNタワー、シアトルのスペース・ニードル、ナイアガラのスカイロン・タワーに昇っているが、残念ながらエッフェル塔には昇ったことがない。高さという点だけではなくエッフェル塔には、美景、品格、立地などの点で他の最新の建造物には見られない魅力がある。妻と2度目のパリへ行った時、エッフェル塔へ昇ろうと近くまで行ってみたが、塔を取り巻く、あまりにも長い行列に諦めたことがある。それぞれの建物にはやはりそれなりの魅力があるものだ。ただ、「高い」というだけでは、それほど自慢にもならないと思う。その証拠にかつてポーランドのワルシャワにスカイツリーを追い抜く646mの高さのテレビラジオ塔があったが、1991年東西の壁崩壊と同時に取り壊されてしまった。そのまま観光用に改装され現存していれば、今や話題になっていたものと思う。
今ではアラブ首長国連邦・ドバイの「ブルジェ・ハリファ」が世界で最も高い828mの高さを誇る建造物ということになっているが、634mのスカイタワーは、電波塔として世界一の高さとしてギネス・ブックに認証されたそうだ。
まあいずれこの電波塔だって世界のどこかに新しい塔が建って追い抜かれるのも時間の問題だろう。スカイタワーも果たしていつまで人々の気持ちに印象として焼き付いているだろうか。