1840.2012年5月27日(日) 日本人登山家、世界の8000m高峰14座を征服

 このところ天気が不安定だったが、今日漸く爽やかな五月晴れに恵まれた。競馬の日本ダービーを始め、プロ野球、サッカーJリーグ、バレーボールの五輪最終予選等々いくつかのスポーツ・ビッグイベントが行われた。

 そんな中で昨夜吉報がもたらされた。世界で14座ある8000m峰の全山完登を目指していた登山家・竹内洋岳さんが最後に残った第7位の高峰・ダウラギリ1峰(8167m)を征服した。イタリアの登山家として世界的に有名なラインホルト・メスナーが初めて成功してから、世界で30名近い登山家が達成しているが、41歳の竹内さんは日本人として初めてである。

 私も若い頃にヒマラヤに憧れたが、海外渡航は自由にならず、とても手の届かない夢と思っていた。それが今ではその気になれば可能性があり、羨ましい限りである。かつて登山に夢中だった私自身にとっては、8000mはおろか、列車でチベット国内で海抜5000mを越えたり、スイス・アルプスを他力で登ったくらいである。強いて自慢できるのは、日本の3000m超高峰13峰のうち、9峰を登ったことぐらいだろうか。

 さて、数日前カナダで2020年の五輪開催地の最終候補地の絞込みを行った。幸い前回に続いて手を上げていた東京は、ライバル・イスタンブールとマドリードとともに最終選考に残った。落選したのは、バクー(アゼルバイジャン)とドーハ(カタール)である。最終決定は来年9月だそうだが、これから熾烈な指名までのロングランを通して、イスタンブールやマドリードに対して東京に勝ち目はあるだろうか。

 オリンピックを開催することには、確かにいくつかの大きなメリットがある。かつては、財政負担が重く余裕のある大国でなければ中々開催地として名乗りを上げることはなかったが、ロスアンゼルス大会から開催自体が総合的に捉えれば、営業面ではペイすると考えられるようになり、その他にも国威発揚に繋がり、更に世界に存在感を訴える良い機会となるなど諸々のメリットが見直され、資金にゆとりのある国は挙って開催の希望をアピールしている。2016年リオ・デ・ジャネイロ大会決定の際は、東京は最終審査で落ちた。その最大の敗因は、国民の中に五輪を開催しようとの熱意と盛り上がりに欠けたことが響いた。その反省の上に立って東京五輪を開催したいという国論をどう盛り上げていくかということが、開催地として認証されるための課題である。

 やや気がかりなのは、当初開催希望だったローマが昨今の国内財政事情の悪化から、あっさり立候補を取り下げたことである。今、スペインも厳しい経済不況の渦中にあり、予断を許さない。日本だって、国債の格付け低下であまり自慢できる状況にはない。今や、スポーツだって国の台所事情に大きく左右されるようになった。

 どこを向いてもあまり明るい話題がない。だからこそ、世界をあっと言わせる慶事には心からおめでとうと言ってあげたい。それが、昨日成し遂げられた竹内さんの世界の8000m超高峰の完登である。快哉を叫びたい。

2012年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com