1833.2012年5月20日(日) 大相撲夏場所で平幕旭天鵬が初優勝

 明朝7時半ごろ173年ぶりに都内で金環日食が見られ、全国的にこんな広い範囲で見られるのは、何と平安時代以来932年ぶりというから一寸信じられない気がする。紫式部は金環日食を見たかなぞというクイズ紛いの話題も供される有様である。そんな中で数日前から天気予報で明朝の天気が細かく「晴れ」の期待を込めて伝えられている。生憎空には雲がかかるようで気がかりなことである。学校などでは太陽などの宇宙系の天体知識を知る良い機会とばかり、授業の一環として教育効果を期待している。小学校などでは丁度通学時間帯に当たるので、授業開始を遅らせてゆっくり自宅で空を見上げてもらおうというところもある。天下の名門・麻布学園では学校を休みにしてまでも、自宅で生徒に金環日食を観測させて研究発表させる計画を立てているようだ。

 一方で明後日東京スカイツリーがオープンするというので熱気が高まり、ここ数日スカイツリー自体と商店街のPRと現状について前宣伝を兼ねて報道している。スカイツリーはしばらくの間は搭乗希望者が多くて予約しないと展望台へ登れないようだが、高い料金にも拘わらず物珍しさで多くの人たちで溢れかえると予想されている。今年10月に開かれる、ある文部省教員海外視察団懇親会の折に登る予定があるので、私は当分周囲から眺めるだけで充分である。

 さて、昨年不始末とスキャンダルだらけだった大相撲が今日夏場所千秋楽を迎えた。優勝は誰も予想もしなかった12勝3敗の平幕力士同士の優勝決定戦となった。モンゴル出身の幕内7枚目旭天鵬が、同じく4枚目の栃煌山を下し昭和以来最年長の37歳8ヶ月で優勝を決めた。平幕同士の優勝決定戦も初めてである。千秋楽の本割で不戦勝の栃煌山が優勝決定戦へ駒を進めるという初めての珍しい一番ともなった。考えようによっては、旭天鵬が横綱や6人の大関のうち5人と戦っていない点に、幕の内最高優勝の資格ありやの疑問なしとしないが、上位者が自滅したと思えば目くじらを立てることもあるまい。

 今場所も序盤戦は今ひとつ土俵が盛り上がらず、相撲景気もいよいよ厳しくなったと思っていた矢先に、後半戦の盛り上がりによって辛くも救われた。初日横綱白鵬が思いも寄らず敗れて幕開けから荒れた。お客の入りもあまり芳しくなく中日までは空席が目立つほどだったが、それが後半に向かうにつれて旋風が巻き起こった。

 当然先場所優勝の横綱白鵬に、先場所準優勝で大関昇進した鶴竜を加えた6人の大関の中から間違いなく優勝者が出るものと思われていた。だが、終わってみれば、白鵬は5敗、鶴竜は7敗と散々の成績だった。結果的にこの混沌とした優勝争いがファンの今までとは違った関心を高め、後半戦で連日満員御礼が出るようになった原因ではないか。

 しかし、常識を疑いたくなるようなでき事もあった。千秋楽当日になって大関琴欧州が前日の怪我を理由に急遽休場を申し出たのだ。普段なら大して問題にもならないところだったが、戦う相手が優勝戦線に残っていた栃煌山だっただけに禍根を残した。栃煌山は不戦勝となり、もし優勝した旭天鵬が本割で負けていたら、栃煌山は千秋楽に戦わずして優勝が転がり込んでくるという椿事となるところだった。これには、相撲協会内部でも琴欧州と親方の判断に批判が集中している。実際優勝争いを観戦に来る熱心な相撲ファンの気持ちを裏切るような軽率な判断だったと断じざるを得ない。八角親方(元横綱北勝海)の如きは「土俵へは這ってでも出てくるべきだ。前日の申し出ならまだ取り組みの割り返しもできた」と怒り心頭である。実際こんなことを繰り替えしているようでは、相撲協会はまだまだ反省が足りない。

 それにしても旭天鵬の37歳8ヶ月という年齢での優勝は、力勝負の相撲では限界を超えていると思う。ありきたりだが日ごろのたゆまぬ努力の賜物ということだろうか。

 プロ野球でも先日2千本安打を放った稲葉篤紀選手や宮本慎也選手のように、40歳を超えた中年選手が頑張っている。こういう姿を見ていると、われわれ中期高齢者も大いに力づけられる。

 結局日ごろから節制と努力を怠らない選手こそがいつまでもプレーできる根拠だということと、面白い勝負と意外性がスポーツの世界では、興味を盛り上げるものだということが今場所の相撲を見ているとよく分かる。

2012年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com