6650.2025年7月28日(月) 手紙を書かないから郵便事業が落ち目になる。

 どうも郵便事情の低迷は日本だけの問題ではないようである。基本的には、郵便物の回収と配達に時間と経費が掛かり過ぎることが郵便事業の財政を圧迫しているようだ。

 デンマークでは今年中に全国にある1,500の赤色ポストが撤去されるという。手紙の配達量は、2000年には14億5千万通もあったものが、昨年24年には、僅かその1割にも満たない1億1千万通にまで減ってしまったのである。これでは採算がとれなくなるのも当然である。郵便制度は単に配達する、利益を得るという話ではなく、手紙を通して繋がりをもたらすものであるという考えがある。低迷の原因はスマホやパソコンにやられたというのが実情である。

 日本でも郵便物数が激減しているのは同じである。2001年度のピーク時には、全国で263億通あった郵便物数は、24年度には125億通と半減した。今では土曜や、翌日の配達をなくし、昨年秋には郵便料金の大幅な値上げもしたが、抜本的な解決には至っていない。赤いポストで長年親しまれた郵便ポストは、現在全国で17万本余もある。23年に調査したところでは、1カ月当たりの投函が30通以下、つまり1日1通以下しか投函されない郵便ポストが全体の4分の1の約4万4千本もある。これでは思い通りにペイしなくなり、経費倒れになるのも理解出来る。

 問題はこの郵便局の体制だけではなく、国民の間に郵便物を書いて投函する人が少なくなったことである。このことは取りも直さず、国民が手紙を書かなくなったことを表している。スマホのやり取りでほとんど意思を伝え、ペンを取って手紙を書く習慣が少なくなっていることが懸念される。手紙が書けなくなることもさることながら、文章をまとめて書く力が付かず、文章力が落ちていることが心配である。

 因みにデンマーク以外のヨーロッパの国々ではどんな状態かと覗いて見ると、どこの国も郵便事業には悩んでいるようで、イギリスでは旧政府系企業の親会社がチェコの実業家によって買収され、土曜配達の中止と平日配達は隔日を制度化している。フランスでは利用の少ない郵便ポストを撤去したようだが、日本ではとても無理だと思う。ドイツでは過去20年間で8千人の人員削減を発表した。どこもビジネスとしては成り立たない事業となっているようだ。

 その中で民営化して20年が経つ日本は、どうだろうか。公営だった郵便事業が、民営化することにより利益を生み出し、郵政が発展するとの小泉純一郎元首相の思惑を実現したが、そうは問屋が卸さなかった。このままの状態が続けば郵便事業の経営を圧迫して倒産という最悪のパターンも考えられないこともない。そのためついに奥の手を使い出した。郵便局網の維持に年間1兆円のコストがかかることから、郵便局長組織の政治力を背景に、年間650億円規模の公的資金を引き出す法改正を国会に提案している。しかし、事業の基本である収入の増加を考えることを忘れてはならないと思う。時間はかかるかも知れないが、学校教育の場を通じて子どもたちが手紙を書く習慣を身に着けることに真剣に、そして前向きに考えるべきではないかと思う。

2025年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6649.2025年7月27日(日) クラシック・チャリティコンサートを鑑賞

 毎年恒例となった吉祥寺の武蔵野公会堂ホールで開かれる熊本城復興支援チャリティコンサートに妻と鑑賞に出かけた。これは2016年4月に震度6の大地震で熊本城を主に大きな被害を出した熊本の復興のために、お手伝いしようと始められたコンサートである。このコンサートの主宰者である山本富士雄さんは1級建築士であるだけに、人一倍価値ある建造物が大きな災害を被ったことが辛いことだった。それが、熊本大震災で破壊した熊本城の復興を願って開催された第1回大会以来、熱心なクラシック・ファンの好評を得て毎年続けられている。今日もじっくり聴いていたが、プロ、セミプロの出演者なので、楽しく鑑賞出来た。90歳になるのに前向き思考の山本さんは、背骨が曲がって舞台上を歩く時は痛々しいが、唄い出すと声量があり、中々のテノールぶりである。帰りに山本さんにご挨拶したが、来年はホールが改築作業に入るので、場所を変えて行うという話だったが、意気軒高としていて頼もしく思った。来年もまた鑑賞したいと考えている。

 コンサートが午後4時に閉幕となりそのまま帰ってきたが、今日千秋楽を迎えた大相撲名古屋場所の優勝争いがどうなるか、後半部分の相撲をテレビで楽しめると思って5時20分に自宅に舞い戻ったので、スイッチを入れたら、何のことはない。もう弓取り式の最中だった。千秋楽は進行が速い。優勝は、平幕4人の力士が争う形となってきたが、一歩リードしていた前頭15枚目の琴勝峰が、今日勝ってそのまま初優勝を飾った。今場所は休場力士が多かったことと役力士があまり振るわなかったことが気になった。来場所こそは、東西両横綱の奮起を促すとともに、他の役力士にも頑張って場所を盛り上げてもらいたいものである。

 目下各地で夏の甲子園高校野球大会の代表校を決定する地方予選が行われているが、昨日までに12地区の代表校が決まった。今日は日曜であり、いくつかの地区で決勝戦が行われたので、数日中にほとんどの代表校が決定することと思う。前記12代表校の内、公立校は宮崎商だけで他はすべて私立校である。私立の中でも創立百年以上の高校は、長野県代表の松商学園と広島県代表の広陵高だけで、後は歴史もそれほど長くなく、近年になって野球部が強くなったためにその名を知られるようになった高校がほとんどである。強い私立高校は、これからも部の強化に努め強くなる一方となり、置いて行かれる高校とその実力差は開く一方となるであろう。この傾向が良いのか、あまり賛成できないことなのかは分からないが、「野球高校」と言われる私立高校が、全国的にその名を高めることになるだろう。個人的には、あまりにもプロ的要素が入り込むほどの野球部では、高校生らしくない高校となるような気がして、いかがなものか懸念している。

2025年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6648.2025年7月26日(土) 日本は世界でも最長寿国のひとつ

 近年大きな問題のひとつは少子高齢化である。実際に高齢者への福祉厚生などの支出が年々増え、その影響で財政を圧迫しているのも事実である。だが、それは一方で子どもの数が増えないことから生じる少子化の問題でもあり、これを何とかしなければ日本の財政の将来も危ういという悲観論が生まれている。

 2024年の日本人の平均寿命は、女性が87.13歳、男性が81.09歳であることが明らかになった。最も長生きをした年は、5年前の2020年で女性は87.71歳、男性は81.56だった。この女性87歳代、男性81歳代というのが近年の平均ということのようだ。それでも日本人は世界の中でも長生きの民族に属し、男性は世界でも6位の長寿民族であるが、何と女性は1985年以来40年間も首位の座を譲っていない、正に日本人女性は世界一の長生き女性である。

 一方で、寿命が短いことにも原因が考えられる。健康以外に周囲の環境によることが多い。その例として短命の国は概してアフリカに多い。2004年の世界一の短命国だったシェラレオネでは、14~15年にエボラ感染症が大流行して多くの命が奪われた。普段でも毎年のように妊産婦が1,200人、幼児が2万7千人も亡くなっている。これで平均寿命が大きく下がり、2002年のデータでは、約34歳と世界的にも短命だった。クーデター、内戦、治安の悪化などにより、アフリカの国々は極端に年によって短命となる。例えば、シェラレオネより短命だった国がある。ニジェールの14.8歳、これでは中学生の内に皆死んでしまうことになる。チャドでは16歳、以下マリの16.7歳、アンゴラの16.8歳、ウガンダ16.8歳などである。

 私も平均年齢を5年もオーバーして、チャドの人びとの5人分を生きている。この先何年生きられるか分からないが、生きているうちは健康に留意しながら、ボケ防止に効果的だと思う執筆活動などを、これからも引き続き毎日続けて前向きに歩んでいきたいと考えている。その点では、自分の健康管理には細かい記録も取りながら、これを予防医学面で活かしている。幸い近所のかかりつけのクリニックの他に、東京医療センターや慶応病院のような大きな病院が近くにあるので、治療には安心して取り組むことが出来る。幸いにも医療で困るようなことは現時点ではほとんどないので、ラッキーだと思っている。

 ところで、今日の朝日朝刊の一面にがんの外科医師が不足するという看過できない記事が掲載されていた。しかも、記事によると2040年には、がんの手術を担う消化器外科医が約5千人も不足するという深刻な内容である。

 消化器外科に属する医師は、長時間労働などで若手医師から敬遠され、今のがんの診療体制が今後維持出来なくなるということである。これまでと同じような状態が続くようなら医療分野によっては治療する医師の数が足りなくなるという事態を招くようになる。はっきり言って医学分野には、一般的に効率性とか、他の分野に対する配慮が欠ける面が見られ、それがこのような問題を曝け出すような事態になった原因のひとつであるとも思う。厚生労働省は、日本医学会とともにこの深刻な問題の解決のためにしっかり検証すべきだと思う。

  今日の夕刊を以て朝日は土曜日の夕刊発行を止める。8月からは土、日曜日の夕刊は配達されない。労働環境や、輸送体制の維持が難しいということが最大の理由に挙げているようである。すでに毎日、産経なども同じ決定をしている。唯一読売だけが今後も土曜日の夕刊を発行する。

 新聞販売店を守ろうとしたことも土曜夕刊廃止の理由に挙げているが、肝心な報道機関の使命が忘れられているのではないだろうか。

2025年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6647.2025年7月25日(金) 沖縄に新しいテーマパークがオープン

 世界各地で相も変わらず紛争が絶えないが、ここへきて隣国同士のタイとカンボジアが国境線付近で戦闘を始めた。日本とは異なり陸路の国境を接している国は、お互いにちょっとしたお節介な行動が隣国の神経を逆なでするのか、争いに発展しがちである。早くもタイ側に住民ら12人が死亡し、国境近くに住む10万人以上の住民が避難したと伝えられている。カンボジア側には、国境近くにある世界遺産のヒンズー教遺産の「プレアビヒア寺院」がタイの空爆に晒されたと伝えられている。公私ともに良いことはまったくない。日本政府も両国に対して自制を促しており、グテーレス国連事務総長も懸念を表明している。

 ウクライナ戦争も一向に停戦の希望が持てず、パレスチナ・ガザ地区ではイスラエルの非人道的な空襲により、多くの住民が飢餓状態に追い込まれ幼児を含む多くの住民が餓死する酷い環境にある。昨日フランスのマクロン大統領が、来る9月に開催される国連総会でパレスチナ国家を正式に承認すると表明した。当然イスラエルは、強く反対している。トランプ大統領に至っては、「マクロン大統領の言っていることはどうでもいい。発表に重みがない」と深いコメントは言わなかった。イギリスとドイツは、慎重で特にこれまでとは変わらない姿勢である。パレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルの2国が併存することが平和のための条件と考えられているが、これに以前から強く反対しているのが、アメリカとイスラエルであり、従来よりパレスチナを国家として承認しているロシアや中国との対立が一層はっきりするだろう。

 その点では、戦争とはまったく縁遠い平和で誰からも歓迎されるテーマパークが、今日新たに沖縄に開業した。これまでの東京ディズニーランド(TDL)や、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のようなテーマパークとは一味異なる、太古時代の恐竜が登場する「ジャングリア沖縄」のお披露目である。これは企画も一風変わっているが、オープンした場所も沖縄の北部で、普段あまり観光客が訪れない土地柄である。沖縄本島の名護市と今帰仁村にまたがるところである。TDLや、USJのような大都市にあるのとは違って、観光客が来ない土地であり、今後観光の起爆剤として期待されている。元ゴルフ場だった跡地を利用して建設され、アトラクションの建物がいくつか建てられ、これまでのテーマパークのようにその中で楽しむというのではなく、むしろ自然の中にお客を溶け込ませることを狙って計画されたようだ。土地面積も東京ドーム13個分に匹敵し、約60ヘクタール(he)あり、USJの54he、TDLの51heに比べてもやや広いくらいである。

 何といっても恐竜が飛び出てくるのが目玉のひとつだろう。恐竜も20頭いるという。やはり相当の投資をしたようで、初期投資は約700億円だったそうである。入場料金は大人6,400円からで、TDLの7,900円、USJの8,600円に比較すればやや安い。TDLやUSJとは異なり、経営が日本資本によるところが好いと思う。今後期待通り沖縄観光業の先駆けとなれば結構だと思う。

2025年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6646.2025年7月24日(木) 読売と毎日が石破首相辞任のデマ報道

 昨日の猛暑に続き、今日も厳しい暑さが襲来したが、今夏の気象がやや異常なのは国内で北海道の気温が概して高いことである。今日も午前10時現在で昨日も暑かった佐呂間町が、すでに37.1℃で全国トップの高温を記録していた。驚いたのは、上位8位の内7位までが北海道の町であることだ。気温の上昇に伴い、JR北海道では根室線のレール温度が上がっているとして、ゆがみを防ぐために普通列車8本を運休させた。今までの常識では北海道は夏でも酷暑ということはあまりなく、各家庭でもエアコンを設置しているところは少ないようで、今夏のあまりにも厳しい暑さに、各家庭でも遅まきながらエアコン設置の準備をし始めたという。

 今日は全国的にも気温が上昇した。全国で最も気温の高かったのは京都府福知山市の39.4℃だった。2位が福島県伊達市の39.3℃だった。北海道でも40℃まで上がると予想されたが、第3位の北見市が39℃、4位の帯広市が38.8℃で予想された40℃一歩手前だった。命に関わる危険な暑さと警告され、熱中症に厳重な警戒が発せられていた。一方、沖縄の南海上には台風7号が発生し、今夜には沖縄諸島に近づく構えであり、更に台風8号も発生した。南方では台風にも注意を払いながら、猛暑対策にも備えなければならない。

 その台風の呼び方が変わっている。今まで台風はその年に発生した順に従って、1号、2号・・・と数えていたが、今回初めてこの台風7号が「フランシスコ」と名付けられていることを知った。北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名前が140個用意されていて、それを発生順につけられるそうである。7号「フランシスコ」は、ローマ法王から名付けられたのではなく、アメリカが提案した名前で、マリアナ諸島のチャモロ人の男性の名前から取られたものだという。台風8号の「コメイ=Co-may」はベトナムが提案した名前で、草の名から名づけられたという。知らない内に新しい名前や制度がどんどん進んで行く。日本はどんな名前を提案したのだろう。うっかり目が離せない時代になったものである。

 これから1か月余りの酷暑の季節をどう乗り切っていくか、私自身も高齢であることも考えて気を付けて行かなければいけないと思っている。

 今日知ったことだが、昨日石破首相が辞任を決断したというニュースが夕刊一面で伝えられたようだ。中には読売新聞のように東京と大阪で「石破首相、退陣へ」との大きな見出しの号外まで発行して8月末までに辞任を表明するとの具体的に衝撃を与えるニュースを伝えた。他にも大手新聞の毎日が夕刊トップで伝えた。ところが、石破首相自身がこの辞任論を明確に否定した。どうして読売、毎日のような大手新聞がこのような勇み足を冒すのだろうか。新聞社の信頼を損ない、ニュースの信憑性にも疑問を持たれることになる。他の地方新聞やテレビではそのようなニュースは流していない。読売と毎日は、少々功を焦ったのだろうか。それにしてもやや軽率の誹りは免れない。大手新聞社ともあろうものが間抜けなことをやってしまったものだ。

2025年7月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6645.2025年7月23日(水) 対米関税交渉、関税15%で妥結

 今朝突然驚くようなニュースが入って来た。懸案の日米貿易交渉で、アメリカが日本に要求している相互関税25%を15%に引き下げて合意したという報道である。喜ぶべきか即座には分からないが、アメリカにとっては、来月1日に25%の関税を課すとの方針を、必ずしも日本が納得してはいないので、交渉が長引きそうだと考えて取り敢えず10%引き下げることで日米双方が了解し手打ちとなったようだ。

 これについては、トランプ大統領が一方的に投稿しただけで、肝心の自動車、鉄鋼、アルミなどについてはコメントしていないようだったが、交渉した赤澤亮正・経済再生相の報告を受けた石破首相が自動車なども15%へ引き下げることになったと公表した。この結果が、今日の株式市場において好影響として現れ、東京の株式市場では、日経平均株価は今年の最高値を更新し、41,171円で取引を終えた

 また、この度の参院選の大敗を受けて自民党内には石破首相の責任問題について、広く地方組織などからも首相は辞任すべしとの辞任論が噴出している。もちろん首相辞任の必要なしとする首相支持論もあり、党内でもめている。首相自身ここしばらくは政治の空白を齎すことは避けるべきと都合の好いことを言いながら、このまま居座るつもりのようだったが、関税交渉のメドがついたため、これを理由に続投を主張するわけにはいかなくなった。ただ、午後森山幹事長を交えて、麻生、菅、岸田氏ら3人の元首相経験者と1時間余に亘って会談を行い、石破首相は、「強い危機感を共有した。党の分裂はあってはならない等の話があった。私の出処進退については一切話が出ていない」と語ったようだが、記者の質問には応えなかったことから、厳しい指摘があったのではないかと想像される。

 ともかく目の前の霧は一時的に薄れたかに見える。関税問題の決着により首相自身選挙により噴出した党内の辞任の声、特に地方組織からの厳しい声を正面から受け止め、首相辞任によって党内に流れる不安、対立などの空気を払拭するか、或いはこのまま不信感の中で首相を続投していくのか毅然と決断する必要がある。

 さて、このところの猛暑には少々お手上げである。午前中に訪ねてこられた2人の銀行員が汗びっしょりで外は暑いといってぼやいていた。最近北海道では高気圧が南から押し上げられたような状態なので、北海道も暑くなると観測されていたが、何と沖縄より高温の美幌で38.2℃、佐呂間で37.9℃を記録して、今日最高気温を記録した京都府福知山、福島県梁川の38.7℃に匹敵する暑さである。東京都内では熱中症警戒アラートが発表された。青梅市では最高36.9℃、八王子でも36.2℃、大手町は34.3℃だった。それにしても地球上の北半球はほとんど熱波で、スペインのセビリヤ、コルドバでは今日37℃を記録した。あまり緑地が見られない石造りの中世都市なので、想像がつく。

 経済活動を抑制するとして、二酸化炭酸ガス排出規制に異を唱え、「パリ協定」から離脱したトランプ大統領は、現実の世界を政治的な視点からだけしか見ていないのではないか。「パリ協定」の精神に基づいて、世界の国々とともに地球温暖化対策に真剣に取り組む姿勢を見せて欲しいものである。

2025年7月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6644.2025年7月22日(火) 極右思想が強い参政党新憲法(構想案)

 この度の参議院選挙では、戦前からメディアなどの前宣伝が過剰だったせいもあり、有権者の関心が高く、投票率も3年前の参議院選の52.05%から58.51%へ上昇した。その他にもいろいろな変化があった。そのひとつとして、女性当選者が42人で、全当選者125人に占める割合は、33.6%でほぼ3人あにひとりが女性議員となったことである。

 今回の参議院選で、何といっても驚いているのは、急成長した設立5年目の新しい政党・参政党の存在とその躍進ぶりである。何が受けてこれほど伸展したのかどうもよく分からない。何もかもが不意に飛び出してきたような勢いで、実効力があるかどうかは分からない。斬新な行き方やアイディアには、むしろ戸惑わされる。このような目的が漠然とし、それでいて度々多方面への発信力が若者に受けがいい原因なのであろうか。

 中でも一番びっくりしたのは、すでに党としての新しい憲法案を5月には公表したということだった。まったく知らなかったが、ネットで調べてみると「参政党が創る新日本憲法(構想案)」全文が掲載されていた。とにかく戦前の教育を思わせるような極右的な憲法案である。これでは国民の反感を買うことは間違いないので、参院選ではアピールしなかったのだろう。とにかくざっと目を通してみても前文に続いて国歌「君が代」に始まり、第1章は「天皇」、そしてその第2条で皇位継承として、「皇位は、三種の神器をもって、男系男子の皇嗣が継承する」と書かれている。また、第3章第9条の「教育」では、第3項に「国語と古典素読、歴史と神話、修身、武道及び政治参加の教育は必修とする」と第4項「教育勅語など歴代の詔勅、愛国心、食と健康、地域の祭祀や偉人、伝統行事は、教育において尊重しなければならない」と記載されている。修身復活などまるで戦前の大日本帝国時代の封建的な教育制度に回帰したかのような条文である。そして、第4章第20条には「自衛軍」として、「国は自衛のための軍隊(以下「自衛軍」という)を保持する」と、完全に現在の平和憲法に違反し、軍備を条文化している。更に、今選挙でも話題になった参政党がアピールした「日本人ファースト」から想像される外国人差別については、第19条「外国人と外国資本」として第2項では「土地は公共の財産であり、外国人または外国資本に譲渡しては成らない」、第4項では、「外国人の参政権は、これを認めない」とかなり外国人には厳しい条文である。これらを総括して第7章第33条までの条文から成り立っている。

 ざっとみてやはり憲法案の中には教育勅語や神話、修身を重要視していることから極右思想が随分強いことを感じる。日本が国際社会において活躍しなければならない現代社会において、当然のことながら日本人はもとより、外国人からも歓迎されない憲法案である。

 今後拡大した勢力を要して政界でもそれなりの存在感を示すことであろうが、神谷党代表の言動や、当選者の発言からは確たる思想や哲学的な考えが感じられない。これから政治的問題の対処に当たってどういう発言や対応をするのか、しっかり見守る必要があると感じた。付和雷同派の多い若者たちがこの右翼思想に安易に引き込まれないよう気を付けなければならないとも思う。

 偶々今夕の朝日新聞「素粒子」欄にヨーロッパの政治に詳しい学者の指摘が取り上げられている。「外国人排斥の政党に穏健保守が引きずられ、崩れた時、その国の民主主義はおかしくなる。今はまさに分岐点」。まさにその通りである。

2025年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6643.2025年7月21日(月) 石破首相、敗戦の責任の取り方

 今朝になって漸く昨日の参議院選の結果がほぼ確定した。自民党39議席、公明党8議席を合わせた与党は、非改選議席数を加えて122議席に減じた結果、過半数125議席に3議席及ばず、衆議院同様に少数与党となった。自民党が議席を減らした原因としては、全国32区の1人区で前回は28議席を獲得していながら、今回その半分の14議席しか獲れなかったことが大きいようだ。

 ひとつ興味深い現象が見られた。それは、比例区の個人別得票数である。個人で獲得投票数が多いことが当選の条件のようであるが、比例区では所属政党によってその合否が分かれることである。例えば、個人別得票数の上位10人は全員当選と言いたいところだが、何と7位の現職だったNHK党の現職・浜田聡氏が落選の悲哀を味合うことになってしまった。6位で当選した立憲民主党の蓮舫氏とほとんど票差はないが、所属するNHK党の総得票数が少なく議席の配分がなかったためである。NHK党の獲得数は浜田氏の得票数の2倍にしか過ぎなかった。結局浜田氏へ投票した人は、当選圏内に入っていながらルールにより落選とされ、死票になってしまったのである。同じ1票でも生死が分かれた一例である。

 もうひとつ興味深い結果があった。23年ぶりに復党した自民党比例代表の鈴木宗男・元北海道、沖縄開発庁長官が、敗色濃厚となり今回を以て不審な事件に巻き込まれることが多かった議員生活から引退すると表明した。ところが、最後になって自民党比例区最終当選者に滑り込んだのである。まるでドラマである。と同時に、橋本聖子・元五輪相も比例区で滑り込み6回目の当選となった。しかし、彼女も政治資金パーティで巨額の個人献金を受けたことなどから、党から1年間の役職停止処分を受けていたほどの問題人である。どうも自民党には、古い体質から生まれる闇の部分が多く、若い有権者らにはとても受け入れられないだろう。

 こうして自民党惨敗の内に終えた参議院選であるが、自民党内には石破首相の続投表明がある一方で、一部党内には惨敗の責任を取り引責辞任すべきとの声が聞かれる。首相と一蓮托生の森山幹事長は、首相から指示があれば、「国際情勢やアメリカの関税措置、それに対する経済状況を考えると、今は政治空白を作るわけにはいかない」と幹事長を続けると語った。政治環境を考えても、終戦80年を迎える来月8月には、広島、長崎原爆の日や、終戦記念日、その前に直ぐにも臨時国会を開く必要があり、そして1日が期限の日米関税交渉が待っている。政党内で争いをやっている場合ではなく、毅然とした政治を進める決意が強く求められる。そんな気持ちが強かったのと、否定的な空気を抑えるために今日午後首相は記者会見を開き、引き続き首相として任務を果たして行くと公表した。

 しかし、これほど厳しい試練を受けた監督官としては、このまま国家のリーダーを続けると言ってもやや説得力に欠ける。惨敗を喫して誰も責任を問われないというのも、責任逃れとしか思えない。現状では、会見でも述べていたが、敗戦の原因を徹底的に究明して、目先の試練ばかりでなく、長期的な納得し得る施策と体制を早急に整えることが首相として最低限の責任の取り方であると思う。

2025年7月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6642.2025年7月20日(日) 自民党が歴史的大敗、参政党躍進

 このところ連日の猛暑に少々うんざりさせられているが、その最中の今日参議院選の投開票日を迎えた。その暑さのせいもあるのだろうか、今回の選挙では期日前投票が多く、有権者の約2割、2千万人以上の人がすでに投票を済ませたという。

 今回特に注目されているのは、石破政権の人気が今ひとつパッとせず、すでに衆議院では自民・公明の与党が過半数を失っているが、今日の結果で、自民、公明の与党は合わせて50名の当選者が出なければ、衆議院同様に参議院でも与党が125議席の過半数に届かないことになる。つまり石破首相による政権運営の信任を問う選挙で、もし与党が過半数を失うことになれば、衆参両院で与党が過半数を取れないのは、戦後初めてとなる。今後の政局は流動化する可能性がある。

 炎天下に投票所まで出かけるのも厳しいと感じていたので、投票所の東京学芸大学付属小学校へは陽が落ちた夕方6時過ぎに妻と出かけた。やはり同じような考えの方が多いようで、三々五々かなり多くの有権者がやって来られた。すでに投票する政党と候補者は決めていたが、これは期待通りの結果となるだろう。投票は8時に締め切るわけだが、実は昨日から3連休に当たり、東横線自由が丘駅前商店街で恒例の「自由が丘納涼盆踊り大会」を開催している。

 そこで、夕食がてら偶には気晴らしに盆踊りでも見物に行こうということにして、妻と投票所から自由が丘駅近くまで行ってみた。近くまで来てお囃子と太鼓の音が響いて聞こえてきた。どういうわけだかゆったりした気分に誘われる。駅前まで来てみると、さほど広くない広場には、舞台の上で年配のおじさん、おばさんが浴衣姿で手拍子よろしく踊っていた。舞台の下では、外国人も含めて大勢の人が同じように手拍子に合わせて踊っていたが、溢れんばかりの人だかりである。駅の近くで夕食をいただいて、8時過ぎに帰宅した。丁度テレビが開票の途中経過を流していたところだった。

 やはり予想通りであろうか、与党の自民党が大敗を喫する見通しである。同じ与党の公明党もかなり議席数を減らすようだ。最近になって予想されていたことだが、新興勢力の「日本人ファースト」をアピールしていた参政党が、これまでの僅か1議席から15議席も増やして16議席まで伸長する見通しである。その他に野党では、立憲民主党が22議席から26議席へ、国民民主党が4議席から17議席へ、日本維新の会は5議席から7議席へ、れいわ新選組が2議席から3議席へ増やして、野党では共産党7議席から3議席へ減らした以外は、与党の惨敗、野党の圧勝と言って良いだろう。最終的な集計は今夜半にならないと判明しないので明朝のニュースで知ることになる。ただ、はっきり言えることは、これまでの自民党の公約、政権運営では、今後国民の支持は減る一方であることがはっきりした。これまでの派閥型や、世襲政治のような旧態依然とした後ろ向きの姿勢では、存在感が感じられなくなることだろう。明日の最終結果を見て、自民党に対して私なりに考えてみたいと思う。

2025年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6641.2025年7月19日(土) 学歴詐称伊東市長の往生際の悪さ

 陳腐な話で、まだすっきり解決していないのが、静岡県伊東市長の学歴詐称による辞任問題である。昨日が学歴詐称を疑われた卒業証書の提出期限だった田久保真紀市長が、それを市議会の調査特別委員会(百条委員会)に提出しなかった。ないものを提出出来るわけがなく、最初から期待していない人が多かったのではないか。市長は約束を守らず、卒業証書を提出せずに、改めて今月中に辞任すると語った。市長は、先の会見では2週間以内に卒業証書と卒業アルバムを上申書とともに静岡地検に提出すると述べていたが、事情が変わったからと上申は保留すると応えた。それにしても事件の発端というより大学入学時から不透明なプライバシーを抱えている市長は、6月に学歴詐称が市議会で問題となり、そのスキャンダラスなニュースは、伊東市のみならず全国的に注目されるようになった。

 市長の言うことはどうにもつじつまが合わないことばかりで、よくぞここまでウソをつけるかと思うほどウソで固められている。卒業したと信じていた大学が、実際には除籍処分だったと本人が大学に問い合わせて分かったという。しかし、自分が大学を卒業したかどうかが分からないなんて発言を信じることが出来る筈がない。高々30年前の大学時代の大きな節目である自身の卒業がはっきりしないとは、普通では事実を誤魔化しているとしか思えない。

 僭越だが、私自身62年前に大学を卒業したが、あの卒業式の日のことは鮮明に覚えている。OB代表で挨拶された著名な方のスピーチや、卒業式後の友人らとともに大学周辺で食事をしたこともよく覚えている。卒業証書と卒業アルバムは今も書斎の手の届く場所に保管してある。伊東市長のあまりにも雑な書類扱いと曖昧な記憶に、こんな人が市長になって市民のための重要な業務をこなせるのか疑問に思えて仕方がない。実際、このところ連日市民から多くの苦情の電話が入り、市の担当者も往生しているようだ。

 これだけ市民にウソをつき、市政を停滞させ、本人も学歴詐称を自白して市議会で辞任すると述べたが、まだ辞めたわけではない。市民の期待を大きく裏切り、市政を停滞させてこのうえ改めて出直し市長選に出馬する心情はとても理解出来るものではない。全国的にも著名な温泉地・伊東市の価値と評価を大きく下落させた責任を感じていないようだが、改めて行われる市長選に立候補するとは反省の気持ちがまったく感じられない。5月に選挙を終えたばかりで、?千万円単位の選挙資金を手当て出来るのだろうか。

 それにしても田久保市長は、どうしてこうも往生際が悪いのだろうか。これほど市民の理解を得にくい言動が明かになれば、再び市長選に出ようとも当選するわけがないと思う。恥の上塗りではないだろうか。

 市長職は公私ともによほどメリットが多かったと見られ、市長として一旦甘い汁を吸ってしまうともう止められないのだろうが、明日行われる参議院選でもアレっ?と首を傾げるような元有名人が立候補している。昔味わった美食が忘れられないのだろう。この結果も明日中には判明する。日本の選挙の土壌というのは、このままで良いのだろうか。

2025年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com