このところ天候が変わり易い。関東南部ではそれほど大量の雨に悩まされることはなかったが、九州や四国、東北地方などでは連日豪雨に襲われている。テレビ画面で観る河川の氾濫や、道路の冠水状況にはその一部でもお湿りとして関東南部に恵んで欲しいと願っていた。
そんな時に九州沖合で発生した台風15号は、今日四国から愛知、静岡、神奈川、千葉と海岸添いに進路を東に向け太平洋へ抜けた。静岡県牧之原市では強風で家が崩壊し、道路上に電柱が何本も倒れ込み、車や歩行者も通ることが出来ず、更に車やトラックが横転する有様だった。都内では江東区辺りでは激しい雨に襲われたが、我が世田谷区周辺ではそれほどではなかった。しかし、流石に日課になっているウォーキングには出かけることも出来ず、ほとんど毎日5千歩は歩いていたが、今日ばかりは何と2千歩一歩手前だった。
さて、アメリカの外交、及び経済政策に関するトランプ政権の意向がまったく分からない。今年4月に厳しい関税を各国へ課すと広言してから、あまりにも厳しい関税率に音を上げた国もある一方で、日本も厳しい関税を課せられ、赤澤亮正・経済再生相が再三訪米して交渉に当たり、7月に不承不承アメリカの要望を飲み、自動車に対する関税は27.5%に引き上げられ、他の品目は15%ということで合意した。
ところが、ここへ来て事態が一変した。合意書が文書化されていないと問題になり、赤澤大臣は昨日急遽渡米した。交渉の結果、日米両政府が共同文書にまとめて公表することになった。今日になって27.5%だった自動車の関税率が15%となり、15%だった品目は追加関税が課されずにそのまま15%と明記された。早速トランプ大統領が大統領令に署名したという。自動車業界は営業的にも以前と同じ目算が立ちホクホクしていることだろう。それにしても相手国の要望を一切聞き入れなかった強気のトランプ氏が、よくぞ日本の要望を聞き入れたものである。
大統領が折れたのは、他にもっと強い要望が日本に対してあったからだと思う。その最たる要望は、かねがね懸念されていた日本の防衛費の増額である。従来から日本の安全保障環境が厳しいことを挙げ、日本の防衛費は不十分だとトランプ政権国防総省高官が語っていた。アメリカは自国の軍隊が、アメリカのアジア戦略により日本周辺に基地を設営し、多額の国防費を投入しているが、財政事情が厳しくなり、これ以上支出が難しいと判断して関係国の日本に無理な財政的要求をするようになったのだ。
アメリカは日本が「軍備を放棄した」日本国憲法の精神と存在を忘れている。戦後生まれが増えたアメリカ国防総省内でも、この戦争とは手を切った日本国憲法がアメリカによって作られたものだということを忘れて、日本に対して無理難題を押し付けているのである。日本に対して防衛費の具体的な数字は述べていないが、6月にNATOがGDP比5%に引き上げたことを高く評価し、韓国がGDP比2.32%に引き上げることを引き合いに出して日本に対して防衛費増額の圧力をかけている。
気分屋トランプ大統領の腹の内は分からない。気まぐれすぎる。精々トランプ大統領も日本国憲法をよく学んで憲法違反に関わることは避けて欲しい。尤もそれは日本の政治家が断固として筋を通せば良いことであるが、せめてもの希望である。