2189.2013年5月11日(土) 多士済々の公開講座受講者

 小中陽太郎さんの平賀源内の講義も4回目であるが、講義終了後「淑徳大学サテライト・キャンパス」ビル地下にあるライオンホールで飲み会を行った。受講者には私を含めて小中さんの知り合いが多い。特に、小中さんの母校・東京都立大付属高の同窓生が多いが、その中に小中さんの同級生で高野祐子さんと仰る、しっかりものの女性がおられる。ご主人が学生運動にかかりきりだったらしく、高野さんもそういう政治的な運動に大分関わってこられたようだ。

 現在江戸川区内に住まれて、近くの元・中川の水質汚染について東京都に調査を願い出ているグループの中心となって活動しておられる。78歳ながら理知的で頼もしいオバサンである。猪瀬東京都知事や担当の都市整備局長、環境局長、下水道局長宛要望書のコピーをいただいたが、諸要点を整理して上手にまとめられている。道半ばのようであるが、気持ちのうえで応援してあげたい。ただ、高野さんがほぼ同世代の全学連の清水丈夫書記長をご存じなかったのは意外だった。

 もう1人初対面の人で強い印象を受けたのは、元読売新聞ワシントン支局長の湊和夫氏である。新聞社を辞めてから御茶ノ水女子大と十文字女子大で教授を務めて、81歳の現在十文字女子大名誉教授である。湊氏の中学生時代の凄惨な体験が、今も反戦、厭戦精神を支えているようだ。氏は戦争では敗者と同様に勝者も必ず傷を負うと言われて、戦争は絶対に止めるべきだと主張しておられた。特に、刺激的で生々しい話は中学生の時、長崎県大村で長崎市内への原爆投下を目撃し、その後被災者の救出のシーンを目の当たりにしたことだそうだ。父親が医師だったために手伝いをさせられたと語っていた。悲惨な状況を見てご両親は終戦直後に洗礼を受けてクリスチャンになられ、氏も後日洗礼を受けられたという。

 他にも、西山太吉・毎日新聞記者が関わった外務省機密漏洩事件について語った、毎日新聞記者だった女性が夫の教育現場の「君が代、日の丸」訴訟で復職を求めた裁判の体験を話されたが、裁判所は体制派であり、弁護士も体制派であり、判決は結論先にありきだと言われたことがひどく気になった。

 皆さん多士済々で、有能な方々ばかりで大いに力づけられた。2週間後に最終講義があり、その後トルコ料理店「カッパドキア」で食事会を行うが、どんなことになるやら今から楽しみである。

2013年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2188.2013年5月10日(金) 恩師の3回忌に想う。

 大学ゼミの恩師飯田鼎教授の3回忌に当る今日に合わせてゼミからご家族へお花をお贈りしたところ、ご丁重にも奥様からお礼の電話をいただき、懐かしさのあまり20分余も話し込んでしまった。まだ吹っ切れたという感じではないと仰っておられた。思いやりがあり、人情味のある先生だったので、奥様ばかりでなくゼミの誰もが同じように中々忘れられないのだ。

 奥様とは最近話題になった書について楽しくお話した。村上春樹著「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」、岸恵子著「わりなき恋」、百田尚樹著「海賊とよばれた男」、そして直木賞作品の黒田夏子著「abさんご」等々に奥様の読書感を伺った。大学で国文学を学ばれただけに大変読書家でおられ、それぞれ細かく分析されるのには頭が下がった。現在私自身読んでいる「abさんご」は、奥様も仰っておられたが、今まで見られなかった製本スタイルで右開きと左開きから成り、一瞬どちらから読み始めるべきであろうかと考えた。縦書きと横書きが混在して、また文章構成上漢字があまり使用されず、一つのセンテンスが長く、全体的に意味不明の文章には解読すること自体四苦八苦している。これはもう一度読むことになるだろう。

 偶然であるが、今日はわれわれ夫婦にとっても忘れがたい結婚記念日である。早いもので44年が経つ。大きな波もなく、まあ順調な結婚生活だったのではないかと思っている。われわれは見合い結婚だったが、今ではあまり見合い結婚は少なくなったようだ。2人の息子も好きな女性と結婚した。しかし、機会があると私は見合い結婚を薦めている。理由を言うと笑われるが、一般的に当たり外れがないということだ。

 さて、今日は淑徳大学・池袋サテライトキャンパスで「世界遺産」に関する公開講座があったので、講師として参考になるのではないかと思い聴講してみた。講師は旧国際観光振興会(現日本政府観光局)出身で何度か海外駐在経験のある同大講師の田中五十一氏だった。専門家として学術的な視点から深く掘り下げて講義されたが、私の講義方法とはまったく異なる講義の進め方で、参考になることが多かった。私なりに気付いた点は、受講者にとって楽しかるべき世界遺産がテーマであるので、もう少し楽しい話し方をしてみてはどうかということと、パワーポイントの切り替えに大分ロスタイムがあったので、もっとスピーディに、かつもっと大きな画像を映してくれると分りやすかったのではないかということである。だが、私たちが普通入手できない、日本政府観光局にコネがあるからこそ入手できたと思えるような資料を使い説明してくれた。大いに助かるし、来月にも予定している講義で試してみようと考えている。

2013年5月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2187.2013年5月9日(木) アメリカで懸念される日本の右傾化と歴史認識

 大統領就任以来初めてアメリカに旅立った韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、オバマ大統領と会談し、お互いに北朝鮮の核開発問題に対する連携について確認し合った。同時に朴大統領は日本の歴史問題認識についてオバマ大統領に、韓国の立場を理解するよう異例の言及をした。朴大統領は日本の歴史認識についてアメリカが日本に圧力を加えてくれるよう求めたのだ。

 今回の問題の発端は、安倍内閣閣僚と国会議員の靖国神社参拝と、先月国会で安倍首相が強弁した「侵略の定義」の説明があったからである。特に侵略に関して、定義にはさまざまな議論があると述べたことで、過去の日本の侵略を否定していると韓国に受け取られたことである。アメリカは日韓両国とも歴史の問題に対処すべきだと断定的なコメントは出さなかった。だが、歴史に直面しようとしない首相とか、アジア近隣諸国における対立を引き起こしているとか、ウルトラ・ナショナリスト安倍首相とか、侵略の歴史を否定するとか、アメリカのメディアの間では多くの批判的な声が挙がっている。アメリカ国内には日米同盟を重視している安倍首相だが、日本の歴史認識が改善されないとアメリカの国益をも損なうことになるとの声もあるくらいである。朴大統領がアメリカ上下両院合同会議で行った演説では、名指しこそしなかったが日本を念頭に置いた内容に拍手が起きたという。

 それに対して安倍首相は昨日の参議院予算委員会で持論を繰り返した。これでは、日韓両国の対立は深まるばかりである。

 外務省幹部も政治家の国益を考えない自己主張には頭を痛めているようだ。

 敢えて言わせてもらえば、安倍首相にしろ、麻生副首相にしろ、どうしてこのように空気を読めずに自分の思いだけを発言するような人物になったのだろうか。また、どうしてそういう人物が国のトップ、№2と成り得たのだろうか。本当に二人とも自分たちの言動が外の人たちの神経を刺激しているという点にまったく気付かないのだろうか。結局彼らはこれまで手厚い庇護の下にほとんど苦労知らずに育ち、そのわがままぶりと、若いころに議論を積み重ねて持論を構築する訓練ができていなかったことが他を顧みない性癖を培ったのではないかと思う。多分今でも彼らに自分の目指すゴールはあるが、その道程を整備するのは取り巻き連中ではないかと思う。そのような人物ばかり揃った現自民党政権は、このまま右翼化への道を突っ走るのではないかと思うと心配であり、ぞっとする。

 それにしても首相の発言についてメディアがただそのまま受け入れて報道するだけでは、あまりにも良識がなさ過ぎるのではないか。安倍内閣とメディアがグルになって右傾化に加担していると言われてもおかしくない。現状は救いようがない状態のように思える。自民党政府の奢り高ぶった姿勢には危機感をすら憶える。

 さて、昨日私のトラック島旅行について藤沢市の相澤光春・相澤土地㈱社長から電話があった。予定していたトラック島における消防車引渡し式が藤沢市とトラック島の事情により、早くても今秋に延期されるだろうとの話だった。ちょっと出鼻を挫かれた感じである。藤沢市に、この際藤沢市とミクロネシアとの友好プロジェクトを計画し、何らか双方の友好をアピールする仕掛けをしたい意向のようだ。

 大分大げさな話になってきたが、だからと言ってこのまま秋まで私の渡航を延ばすわけにはいかない。このプロジェクトとは別に、私は6月ごろに出かけようと考えている。ミクロネシア大使秘書にはいきさつを伝えたところだ。アイザワ酋長の娘さん・ナンシーさんには来月上旬に出かけることを明日にでも伝えようと思っている。

2013年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2186.2013年5月8日(水) 新歌舞伎座で歌舞伎を鑑賞

 先月新歌舞伎座がオープンした。現在杮葺落し公演中でほとんど連日満員の盛況らしく、3年ぶりに新装成った劇場は連日受けに入っているらしい。歌舞伎の専門家である大原雄・日本ペンクラブ常務理事にお願いして良い席を取ってもらい、念願の歌舞伎を新装成った新歌舞伎座で妻と観劇する機会を得ることができた。学生時代に父のコネでチケットを入手し何度も歌舞伎は観たことはあるが、もう半世紀以上も昔のことであの時代は切符があるから観に行ったぐらいの軽い気持ちだった。ある程度歌舞伎に関心を持って多少知識を仕入れて出かけようというのは、年齢的にも歌舞伎郷愁年代に近づいたせいもあるのではないかと思っている。

 新歌舞伎座は歌舞伎座タワーと一体となった建物で、東京メトロ・日比谷線東銀座駅から雨に濡れることもなくそのまま建物へ入って行ける利便性と、地下鉄口と直結した「木挽町広場」が好評である。地上29階、地下4階という高層ビルだが、聞くところによると貸し部屋の約3割にまだテナントが入居していないらしい。フロア単位でしか貸さない松竹の殿様商法が祟って苦戦しているようだ。

 ところで折角来たのだからと興味本位に建物周辺の探索から5階のガーデン、木挽町広場、喫茶店等々を見学して回った。開場直前には入り口周辺は大勢の来客が溢れていたが、特別目立ったのは圧倒的に女性客が多く、その割合はほぼ90%近くが女性ではないかと思えたことである。そのうえ他のイベントでは滅多に見られない和服姿の女性が多いのはやはり歌舞伎という日本伝統芸術だからだと思う。どこもそうだが、相変わらずだなと思ったのは、これだけ多い女性客に対してトイレの数が少なく、女性用トイレ前はいずこも長蛇の列となっていた。これには妻も困っていた。この辺は設計上少々甘かったのではないかと思う。

 さて、今日鑑賞した第2部午後の部の演目であるが、江戸時代の大名家の3大お家騒動のひとつ、伊達騒動に題材を取ったとされる「伽羅先代萩」と、近松門左衛門の浄瑠璃「夕霧阿波鳴渡」を基に脚色した「廓文章-吉田屋」が上演された。前者には、坂田藤十郎、松本幸四郎、中村吉右衛門らが、後者には片岡仁左衛門、坂東玉三郎らが熱の篭った芸を披露してくれた。最近やや耳が聞き取り難くなっているが、1500円の豪華ガイドブックで事前にあらすじを頭に入れておいたので、役者の科白と芝居の流れはまずまず抵抗なく理解できた。

 ともかく久しぶりに日本の伝統芸術の真髄の一端を垣間見て、純粋に楽しむことができたと思っている。また、機会があればいつか別の演目を観劇して見たいものである。

 帰路夕食に銀座4丁目の三越へ入り、12階にある大正7年創業という天婦羅店「ひさご」で天丼を食べたが、これが美味く、ボリュームも多く値段もリーズナブルだった。こんなに美味い天丼は滅多に味わえない。店員に聞いてみると三重県の120年続く伝統的な胡麻油を使っているということだった。道理で味が良いわけだ。歌舞伎を楽しみ、天婦羅も美味しく味わって大満足の一日だった。

2013年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2185.2013年5月7日(火) 中東、中国、そして北朝鮮の動き

 イスラエル空軍機によるシリア爆撃が懸念され、この影響が大きく広がらなければ良いと願っていたが、それ1回きりでその後どこのメディアでも後追い報道をしていない。アラブ諸国にとっては極めて深刻で大きな問題になると思っていただけにちょっと拍子抜けであるが、まぁほっとしている。でも現状はそういうことのようだから、このまま沈静化することはあまり期待できないにしても、水面下で関係緒国が折衝し、何とか円く収まることに望みをかけたい。

 さて、昨年中国が非常識で、国際法上とても考えられない、一方的な「直線基線」についてアメリカ国防総省が批判的なコメントを発表した。直線基線を設定した中国の意図は尖閣諸島を自国領土として扱えるよう中国の都合で独断的に考えたものである。独自の意向で境界ラインを自国に有利に線引きしようとする不条理で国際法にもそぐわない国連への申請であり、いずれ国連からも却下されることになるだろう。同時にアメリカは「尖閣は日本の施政下にあり、いかなる一方的な行為にも反対する」とも述べた。これはこれまでアメリカが尖閣諸島について主張し続けてきたことであるが、改めて中国に対して懸念を表明することによって中国に注意を喚起し、日中間の緊張を増すことに警告を発したものだ。

 大型連休前に挑戦的に危機感を煽り、周辺国を恫喝し続けていた北朝鮮が、中距離弾道ミサイルの発射台を取り外したと日米政府筋の発表があった。これについて識者のいろいろなコメントがあるが、北朝鮮は重要な切り札を切り過ぎたとまで言われている。北朝鮮の今のやり方が行き詰まっている証拠だが、次にどんな嫌がらせの手を打ってくるのか、相手が相手だけに油断がならない。

2013年5月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2184.2013年5月6日(月) 大型連休も今日でオシマイ

 暖かい中にも爽やかな気候の連休だと思っていたが、今日は全国的にはかなり異変があったようだ。何と帯広では8年ぶりに雪が降ったが、その一方で南国・宮崎では30℃を超えて今年初の真夏日となった。ゴールデンウィークが終末に近づくと、決まって道路の混雑、空や陸の混み合った交通情報が伝えられる。わが家に2泊した長男家族も昨日夕に横浜の知人宅に寄った後に、奈良へ夜行運転で帰って行った。慌しい滞在だったが、孫たちにとって楽しい思い出になればこんなに嬉しいことはない。

 このところ連日近くの駒沢オリンピック公園にウォーキングに出かけているが、流石にゴールデンウィークの最中とあって家族連れを含めて大勢の人たちが思い思いに身体を動かしたり、走り回っている。今日はやっていなかったが、昨日、一昨日はつい入場無料という声に誘われるように陸上競技場に入ったところ、「東京国際ユース(U14)サッカー大会」が行われていて、勝ち残ったブラジルのサントス・ジュニアとパリが戦っていた。奇妙なことにしばらく観ていてサントスと思っていたチームが、実はそうではなかった。サントスには黒人選手がほとんどおらず、逆にパリは11人中9人が黒人選手だったからである。元々植民地主義の国には黒人選手が多いが、近年アメリカはもちろんカナダやイギリス、フランスにも黒人や茶褐色の人々が増えてきた。今やヨーロッパのスポーツチーム、特にスポーツが盛んな国では黒人選手なしにはチームが成り立たないくらいである。改めてそんなことを駒沢公園散歩中に知らされた。

 さて、この連休中に国内外で大きな問題がなかったと思っていたら、やはり中東で一騒動あった。アサド政権と反体制派が内戦を続けているシリアで、体制側による大量殺戮事件が勃発したり、サリンを使用したのが体制側か反体制側か揉めている最中に、昨未明突如イスラエル空軍機が首都ダマスカス近郊の科学研究施設を爆撃した。当初イスラエルはコメントしなかったが、AFP通信に政府高官がレバノンのヒズボラ向けイラン製ミサイルが標的だったと空爆を認めた。ことはどうあれ、イスラエルは戦争開始のボタンを押したようなものである。当然イスラム組織のイスラエルへの仕返しが考えられる。今後国連でもこの問題が取り沙汰されるだろうし、イスラエルに対して憎しみを抱くイスラム組織が、新たなテロを仕掛けないとも限らない。好戦的なイスラエルを今やどこの国も抑止できなくなっていることが、一層恐怖感を掻きたてている。事態が大きく広がらなければ良いがと思う。

2013年5月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2183.2013年5月5日(日) 警戒される安倍首相右傾化の言動

 ロシアと中東歴訪を終えた安倍首相が昨日帰国した。その成果はどうだっただろうか。首相周辺は自画自賛しているようだが、それほど胸を張って自慢できるものだったのか、些か疑問に思える点がなくはない。

 例えば、4月30日付本ブログに取り上げた、北方領土問題についてプーチン大統領から非公式に提案されたとされる4島の面積等分返還は、果たして大統領にどこまで本気度があるのか、単なる外交辞令なのか、それとも牽制球ではないのかと疑問を投げるロシア問題専門家もいる。それが微妙にロシアの探られたくない腹を突いたように見えたのは、日ロ両首脳共同記者会見の場で、ある日本人記者が北方領土にロシア人が居住し実行支配している現状を指して、そのような環境下で果たしてそれは可能なのかと単刀直入に質問したことに対してプーチン大統領は一瞬色をなし、きつい言い方でロシア人の居住はこれまでの長い歴史でそうなったと応えたが、その興奮した口ぶりに大統領の本音が垣間見え、本心はどうなのか分らないと指摘したのが、袴田茂樹・新潟県立大教授である。他にも副首相やラブロフ外相のように、北方4島は第二次大戦で敗戦国の日本から戦勝国であるロシアが正当に領土を獲得したものでロシア領だと公言する大物もいるうえに、ロシア国内でも現状ではプーチン大統領にもそれを押し切るほどの力がないと言い切る専門家は多い。

 さらに訪ロ前の国会で質問に応えた安倍首相の答弁内容が、日本国内より中韓両国からはもちろん、アメリカでも問題とされていることが気にかかる。アメリカの見方は極東地域で反日感情が起きるのは、日本の歴史認識の捉え方に問題があるからだと追及する中韓の言い分に理解を示すもので、日本の、否安倍首相の歴史感に疑問を投げかけているのだ。このことを首相自身はどう考えているのだろうか。

 首相の歴史感については、アメリカの大手メディアのワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムス、ウォールストリート・ジャーナル等の紙上にも取り上げられているが、その典型はワシントン・ポストの社説である。「歴史に向き合えない安倍晋三“Shinzo Abe’ s inability to face history”」と取り上げられ、安倍政権の極右傾化が事実とかけ離れた歴史認識になっていると批判的なのである。

 安倍首相が「侵略という定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国の関係でどちらから見るかで違う」と答弁したことが、首相の右傾化の言動に一層拍車をかけ、中国及び韓国との対立に火に油を注ぐ形になっている。「侵略」という言葉は侵略された国にとっては極めて屈辱的であることを考えれば、一国の首相がまかり間違ってもこんな不用意な言い方は軽々しく口にすべきではない。この辺りに安倍晋三の軽薄さ、未熟さ、そしてまだ成長途上にある人間であることを感じる。ワシントン・ポスト紙社説はこの点に関してこうも言っている。中韓両国の憤激は理解できるもので、確かに歴史は常に再解釈され続けている。しかし事実というものがあると言い、ドイツが歴史と率直に向きあってヨーロッパでの地位を確立してから何十年もたつというのに、どうして日本にはいまだに事実を認められない人々がいるのだろうか?と強い疑問を投げかけている。

 実際、憲法改正議論にしても、肝心なことを見過ごしてことを急いている印象が拭い切れない。最早首相の腹の内はかなりアメリカ人ジャーナリストに読まれている。このままでは危険な道へ進むのではないかとのお節介を、謙虚に反省してみるのも一流政治家へ歩むためのベースであり、宿題ではないだろうか。

 今日子どもの日の東京ドームでは、プロ野球・巨人対広島戦に先立ち、長嶋茂雄氏と松井秀樹氏の国民栄誉賞授賞式と松井選手の引退記念試合が行われた。初めて行われた首相官邸外の国民栄誉賞授賞式には安倍首相も出席され、直接賞状や記念品を手渡したり、2人の授賞スピーチも行われた。それはそれで大変温かくほのぼのとしたセレモニーとなり、ひとつの時代を画した名選手に対して大向こうを唸らせるような効果的な舞台になったと思う。長嶋氏がバッター、松井氏がピッチャー、原巨人軍監督がキャッチャーを務めた始球式では背番号「96」を着けた首相自身も球審として参加しておられた。「96代目」首相ということからそうなったらしいが、政界スズメは今話題の憲法改正のステップである「憲法第96条」にあやかったのではないかとの穿った声も聞かれる。ともかく2人の堂々たる行動実績や立派なスピーチをした松井選手にあやかって、安倍首相も一国を代表する総理大臣としてもう少ししっかりした言動をしてもらわないと困る。

2013年5月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2182.2013年5月4日(土) 憲法改正議論はこのままで良いのか。

 昨日早朝から奈良から長男家族5人がやって来て、すぐに東京の田舎っぺが喜び巡る、JR東京駅丸の内駅舎と東京スカイツリーへ揃って出かけたが、何せ連休の真っ盛りのためスカイツリーが混んでいて、やっと夜8時にエレベーターの搭乗予約が取れたと言っていた。しかし、それが反って素晴らしい夜景を楽しむことができて小中学生の孫たちは大喜びである。今日も去年まで近所に住んでいた横浜の友だちへ会いに行くと言い、揃って車で出かけた。普段夫婦だけの所帯へ大勢で押しかけて来られるので、生活ペースがすっかり狂って眼の手術を終えたばかりの妻があれこれ気を遣うことは並ではない。孫たちが訪ねて来るのは大歓迎だが、身体をこわしはしないかという点だけが気になる。明日帰るというが、どっと疲れが出なければ良いがなぁと思っている。

 さて、昨日のブログに書き込んだ憲法改正について、今日の朝刊に幾人かの有識者の意見が紹介されている。自民党の憲法改正志向、就中96条改正について概ね批判的である。

 例えば、自身憲法改正論者と断ったうえで、小林節・慶大教授は現在自民党が取り組んでいる憲法96条の改正の条文、所謂国会議員の2/3以上の賛成が得られなければ、憲法改正はできないとの条項を1/2以上の賛成で改正できるよう変更しようとしていることに、憲法条文の中身ではなく、その改正のための手順を変えてまでして憲法改正のためのハードルを下げようとするのは、裏口入学のようなものだと手厳しい指摘をしている。

 実際今までこういう裏の手順で行えば憲法改正が容易にできるとは思ってもみなかった。法律の隙間を突くような狡賢い戦法ではないか。外国にはこれまでに自国の憲法を改正した例がかなりある。改憲論者はこれをひとつの突破口にしている。だが、彼らの改正は本丸で憲法の基本的議論を戦わせたうえで改正されている。例えば、アメリカ憲法は過去に何度か改正されているが、それは正攻法の改憲論議の末に、国会議員の2/3以上の賛成を得て、その他に各州議会の3/4以上の賛成を得て初めて憲法改正が認められたものだ。入り口で手続きをいじくってハードルを下げるような阿漕な手段は取らない。

 マス・メディアの考えも各社各様に異なる。元々右寄りだったサンケイと朝日では正反対であるし、最近右翼思想の見られる讀賣はサンケイに近い論調である。

 それにしても安倍政権が昨年の衆議院選で過半数を得て、アベノミクスの好況によりとんとん拍子で右肩上がりとは申せ、いかにもことが性急過ぎるのではないか。今彼らの頭の中には、自分たちだけで新しい憲法を制定し、後世に名を残したいとの名誉欲が凝り固まっているようだ。それは、例えば憲法には国民投票の具体的な仕組みの規制がないことを良いことに、その手続きを定めた国民投票法をも投票年齢20歳から18歳に下げてしまおうと考えていることでも分る。戦争を知らない世代の投票を期待することによって、さらに改正をしやすくしようと考えているのだ。

 今や何でもありの状態で、よほど気をつけないと国民が知らぬ間に騙されて徴兵され、戦場へ借り出されることが当たり前になる。そうなってからでは遅いと思うのだが・・・。 

2013年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2181.2013年5月3日(金) 憲法記念日に憲法改正問題を考える。

 今年のゴールデン・ウィーク後半初日の今日は憲法記念日である。最近になって例年になく改憲論議が喧しい。特に今年改憲論議が目立つのは、自民党内に安倍政権の右翼志向に沿って憲法改正へ布石を打ちたいとの願望が強いからである。しかし、憲法改正を唱える以上、憲法がわが国にとって最も重要な法律であり、国民的に広い分野から正々堂々意見を開陳してもらって議論を戦わせ、立法精神を損ねることなく改正論に挑んでもらいたい。

 世論調査や各種のアンケート調査を見ても、確かに近年現行憲法を改正するべきだとの声が漸進的に高まっていることは事実のようだ。

 だが、そこには2つの問題があると思う。ひとつは、改正への道筋として、正面から憲法改正に向き合い、その中身の改定を議論するのではなく、その入り口で憲法改正のために、96条で定められている国会議員の2/3以上の賛成が必要とされている法令を、何と1/2以上で佳しとする法令に変えて、姑息にもそのお墨付きを得た段階で、中身の改正を都合の良いようにやろうという腹積もりのように感じ取れることである。ざっくり言えば、国民投票も国会議員投票もその1/2以上で憲法を改正できるようにしてしまおうというのである。

 もうひとつ問題なのは、戦後昭和22年に憲法が公布されてから、事情が少しずつ変わって軍隊を放棄した筈であるにも関わらず、自衛隊と名づけた軍隊が存在することと、最高裁から憲法違反と決め付けられた衆議院選挙区制度について、国民の間でこれら憲法違反について糾弾しようとの声がほとんど盛り上がらないことである。それは現状では国民が憲法を身近な問題として考えることもなく、憲法自体が遠い存在となってしまったからだと思う。

 以上のように国民の間で憲法改正への世論が盛り上がってきたわけではなく、一部の国会議員らがアベノミクスに伴う経済好況を足がかりに一気に「軍事国家」「私利抑制・公利優先」「表現の自由抑制」等々をファッショ的にやってしまおうと考えているのではないか。この勢いには流石に良識的な右翼でさえ、腰を引いているような状態である。

 これらの右翼急進的な動きが生まれてきた背景には、そのきっかけとして尖閣諸島問題や靖国神社参拝反対など中国による反日的行動があることは間違いない。しかし、自国の憲法はあくまで自国民が他国とは無関係に独自に議論し制定すべき問題である。その点で、現在のこじれた日中関係と芽を吹き出した右翼的言動は、極めて危険であり、新たな火種を灯しかねない。それを考えれば、政府がその流れに乗って自分たちの都合だけで改正論議を行うのではなく、国民の総意を受け入れ、「万機公論に決すべし」との考えに拠るべきではないだろうか。

2013年5月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2180.2013年5月2日(木) 幼馴染との細く長い交遊

 日経新聞朝刊に「交遊抄」というコラムがある。一昨日の「交遊抄」の中で名を挙げられていたのは、一瞬小学校時代の同級生の弟のことではないかと思えた西宮市内の病院長についてで、元りそな銀行副社長がその医師としての実績と人生観を褒め称えている。この弟さんには小学生の時以来まったく会ったことがなく、ほんのちょっぴりイメージが浮かんでくるだけだが、友人から聞いた限りで推察するに弟さんに間違いないと睨み、早速彼にメール送信して尋ねたところ、やはりその通り友人の弟さんだと判った。元りそな銀行経営者が弟さんは救急救命活動に取り組み、酒も飲まずゴルフもやらず、新設病院で365日24時間診療体制を取っていると敬服して書いておられる。友人同様に弟さんも人間的に素晴らしい人のようだ。

 友人とは終戦の年に房州の勝山国民学校に入学してから5年生の1学期終了までの4年半の間、2年間同じクラスだった。お互いに戦中戦後の貧しく落ち着かない時代に初等教育を受けたが、山野を駆け回り、海で泳ぎ、自由奔放に遊び呆けたことが懐かしい思い出として印象に残っている。彼は優秀で、珍しく姉、兄、妹、弟がいる5人兄妹の真ん中で、5人とも小さな町では傑出して目立ち、その秀才、才媛ぶりは申すまでもなく、その美男美女ぶりも知らない人がいなかったくらいである。今更ながら友人のご両親の家庭教育に敬服する次第である。

 友人とは父親同士が大学の同窓という、半農半漁の田舎町にしては珍しく家庭環境が似ていたせいだろうか、親しく付き合い、途切れ途切れになりながらも今日まで友人として70年近くも永続的に交流を続けることができた。

 私は父の転勤のため度々引越しと転校を重ねたが、幸い彼とは妙に気心が通じてこれまで細い糸を切ることなく文通を続けてこられた。彼と別れてから64年になるが、その間会ったのは彼が一橋大生時代に鵠沼のわが家に滞在した時、また私が彼の下宿先を訪ねた時、彼の住友商事ロンドン支店駐在時にロンドンの日本料理店「サントリー」で食事をした時、そして4年前の私の出版記念会とその直後に千葉市内で食事をした時だけの、たったの5回である。彼は商社マンとして忙しく世界を駆け回った一方で、私も同じように旅行業に携わりながら世界を旅した。お互いに多忙な中でも「蜘蛛の糸」はぷっつり切れることはなかった。稀なくらい珍しい交遊関係と言えるが、確かにハッピーな友人関係だと思う。今にして心から思う。よくぞ長きに亘ってわれわれの友情は保たれた・・・と。

 それでも細くても固い友情の絆は結び、継続することができる。その気になればこそである。まめに手紙を書いたことが良かったと考えている。友人の思いやりに感謝しつつ、良き友に恵まれた幸せにひとりほくそ笑んでいる。夏には久しぶりにまた会おうと約束したところだ。

2013年5月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com