2186.2013年5月8日(水) 新歌舞伎座で歌舞伎を鑑賞

 先月新歌舞伎座がオープンした。現在杮葺落し公演中でほとんど連日満員の盛況らしく、3年ぶりに新装成った劇場は連日受けに入っているらしい。歌舞伎の専門家である大原雄・日本ペンクラブ常務理事にお願いして良い席を取ってもらい、念願の歌舞伎を新装成った新歌舞伎座で妻と観劇する機会を得ることができた。学生時代に父のコネでチケットを入手し何度も歌舞伎は観たことはあるが、もう半世紀以上も昔のことであの時代は切符があるから観に行ったぐらいの軽い気持ちだった。ある程度歌舞伎に関心を持って多少知識を仕入れて出かけようというのは、年齢的にも歌舞伎郷愁年代に近づいたせいもあるのではないかと思っている。

 新歌舞伎座は歌舞伎座タワーと一体となった建物で、東京メトロ・日比谷線東銀座駅から雨に濡れることもなくそのまま建物へ入って行ける利便性と、地下鉄口と直結した「木挽町広場」が好評である。地上29階、地下4階という高層ビルだが、聞くところによると貸し部屋の約3割にまだテナントが入居していないらしい。フロア単位でしか貸さない松竹の殿様商法が祟って苦戦しているようだ。

 ところで折角来たのだからと興味本位に建物周辺の探索から5階のガーデン、木挽町広場、喫茶店等々を見学して回った。開場直前には入り口周辺は大勢の来客が溢れていたが、特別目立ったのは圧倒的に女性客が多く、その割合はほぼ90%近くが女性ではないかと思えたことである。そのうえ他のイベントでは滅多に見られない和服姿の女性が多いのはやはり歌舞伎という日本伝統芸術だからだと思う。どこもそうだが、相変わらずだなと思ったのは、これだけ多い女性客に対してトイレの数が少なく、女性用トイレ前はいずこも長蛇の列となっていた。これには妻も困っていた。この辺は設計上少々甘かったのではないかと思う。

 さて、今日鑑賞した第2部午後の部の演目であるが、江戸時代の大名家の3大お家騒動のひとつ、伊達騒動に題材を取ったとされる「伽羅先代萩」と、近松門左衛門の浄瑠璃「夕霧阿波鳴渡」を基に脚色した「廓文章-吉田屋」が上演された。前者には、坂田藤十郎、松本幸四郎、中村吉右衛門らが、後者には片岡仁左衛門、坂東玉三郎らが熱の篭った芸を披露してくれた。最近やや耳が聞き取り難くなっているが、1500円の豪華ガイドブックで事前にあらすじを頭に入れておいたので、役者の科白と芝居の流れはまずまず抵抗なく理解できた。

 ともかく久しぶりに日本の伝統芸術の真髄の一端を垣間見て、純粋に楽しむことができたと思っている。また、機会があればいつか別の演目を観劇して見たいものである。

 帰路夕食に銀座4丁目の三越へ入り、12階にある大正7年創業という天婦羅店「ひさご」で天丼を食べたが、これが美味く、ボリュームも多く値段もリーズナブルだった。こんなに美味い天丼は滅多に味わえない。店員に聞いてみると三重県の120年続く伝統的な胡麻油を使っているということだった。道理で味が良いわけだ。歌舞伎を楽しみ、天婦羅も美味しく味わって大満足の一日だった。

2013年5月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com