2428.2014年1月5日(日) 中島敦の秀作「李陵」

 今朝の日経紙読書欄の「読書人の部屋」で青柳正規・文化庁長官がインタビューに応じている。私のノン・フィクションに推薦文をお願いした前文化庁長官・近藤誠一氏の後任の方でもある。今年69歳の青柳氏は元々古代ローマ史の専門家で、これまでも国立西洋美術館館長としてテレビを通して度々お目にかかっている。

 その青柳長官のインタビュー記事の中で、興味を惹かれたのは、座右の書として中島敦の小説「李陵」を挙げていることである。高校時代に漢文の先生に薦められ心酔して以来ローマ美術史の研究生活に入っても影響を受け続けたという。漢語の良さを生かしながら、ぎりぎりまで言葉が削られている、圧倒的な文章の端正さに引かれ、全文を書き写したというから確かに相当刺激を受けたようだ。

 恥ずかしながら私が昨年同書を読んだのは、ノン・フィクションを書いていて、太平洋戦争勃発時にパラオの南洋政庁に勤務していた頃の体験記「南洋通信」を読み、ぜひこの天才作家の書を他にも読んでみたいと思ったからである。確かに文章は34歳で夭折した人の書いたものとは思えないくらい、磨かれた流麗な書きっぷりに感銘を受けたものである。

 ごく最近になって中島敦が一部で話題になり高校教師・佐野幹著「『山月記』はなぜ国民教材となったのか」が朝日紙の書評に取り上げられた。それほど眩しい脚光を浴びている。私も佐野書を始め、最近になって中島関係書を買い求め少しずつ読んでいるが、ノン・フィクションを書いていて資料として随分参考になった。

 それにしても若くして亡くなったこの中島敦が、どうしてこれほどまでの名文を書くことができるのか感心するばかりである。精々これからも中島の作品を読んで文章力を磨きたいと思っている。

 さて、年始に当り国際政治について多くの論者がメディアで卓見を披瀝している。

その中で目に留まったのは、1976年にソ連の崩壊を予言した、フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド氏が「2014年、世界秩序の行方は」と題して今朝の日経紙に開陳した持論である。その中で中国の影響力について、影響力が増すとは思わないと語っていることが意外である。その根拠は中国の人口低下のスピードが早過ぎることだという。更に人口学者で中国の輝かしい未来を信じる人はいないとまで断言している。一人っ子政策の転換も手遅れと指摘し、あまりにも多い人口のせいで、移民で人口構成の不均衡を調整することは無理と断罪している。また、中国は国内の不満を鎮めるために外との摩擦を使っている。共産主義の崩壊も進んでいる。日本とアメリカが緊密に協力すれば問題はない。中国の軍事力を恐れるのはばかげているとまで述べている。危惧されるのは昨日の本欄にも指摘したように、協力すべきアメリカとの外交関係が、安倍首相らの靖国参拝によってアメリカの日本に対する不信感を増幅させ思わしくないことである。

 つまるところ、中国問題より日本国内問題が日米両国の間に不安を掻き立てているということだ。

2014年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2427.2014年1月4日(土) 安倍首相に続く愚か者大臣

 新年早々また愚かな大臣が馬鹿なことをやってくれたものだ。年末に靖国神社参拝を強行して中韓両国を始め、欧米諸国やロシアから痛烈な批判を浴び日本外交を大きく躓かせた安倍首相のチョンボに困惑し、今後日本の取るべき方策を考えるべき時に、この批判、非難に上塗りする大愚か者が現れた。

 常識も善悪の判断力もないこの大愚か者とは、新藤義孝総務相である。新藤氏は昨年終戦記念日にも参拝している。新藤氏は靖国参拝が本当に国家のために大切だと信じているのかどうか怪しいものだが、いまでは自らの信念となっているようだ。これまでにも尖閣諸島周辺を視察したり、どうも右翼的な言動は危なっかしくて危険分子と呼んでも好い。55歳と言えば、分別はある筈であるが、勿論戦争体験はなく、国民的運動に携わった経験もなく、国のために立派な提言をしたこともないような一地方の元市役所職員が、何ゆえ38歳の若さで国会議員になれたのか、どうしてこういう人物が大臣になれたのか摩訶不思議でさえある。

 この新藤氏の行動に対して、アメリカ政府は首相の靖国参拝に続いて不快感を表明している。首相の行動に対して初めてアメリカ政府は辛口のコメントとして「失望している」と述べたが、それに火に油を注ぐような行為である。安倍政権としては首相自ら日本への信頼感を損ねていながら1人よがりに、話せば分る風な口をきいているが、現状は一向に改善される兆しが見えない。首相は国を劣化させたリーダーとして責任を問われるべきであると考えている。しかし、お坊ちゃん首相には、いずれ自分の考え通りなると夢みたいなことを妄想しているに過ぎない。元旦に靖国を参拝した新藤氏も、自分の間違った信念をことさら表面に押し出そうとしている。結局この2人の行動によって、日本の立場は益々窮地に追い込まれる。もっと怖いのは、閣僚の中には他にも右翼志向の古屋圭司・国家公安委員長や稲田朋美・行政改革担当相のような時限爆弾を抱えていることである。この2人は一時韓国側から竹島へ入国を図ったことがある。この2人もいつ同じような行動に走るか予測ができない心配がある。 政界も1強多弱となって自民党の専横は民主主義のセオリーをもあざ笑うかの如き横暴ぶりであるが、首相の靖国参拝を全党員が支持しているわけではない。にも拘らず首相の独走を阻止しようとの良識派がひとりとして現れないのが悲しい。いまの状態で日本外交を更に過激に進めるなら、日本は確実に世界の孤児となるであろう。そんなことも分らず、その流れを止めようとの行動も見られない。

 古屋、稲田両大臣が近い将来靖国参拝を行うようだと、日本はどこからの信頼も支持も得られない正真正銘の世界の爪弾き者とされるだろう。自民党内には良識派と称される党員はいないのだろうか。

2014年1月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2426.2014年1月3日(金) 「少数と狭く深く」付き合う。

 関東大学対抗箱根駅伝は昨日のゴールの結果のまま2日目のゴールへ飛び込み優勝東洋大、2位に駒沢大とほとんどデッドヒートの争いがないまま、抜きつ抜かれつのない、昨日と同じつまらない結果に終わった。選手たちは精一杯健闘したが、外野席としては何か物足りないものを感じた。東洋大は往路、復路とも優勝で2年ぶり4回目の総合優勝を飾り、6年ぶりの覇権を目指していた駒沢大は結局昨年と同じ2位に甘んじた。

 それにしてもこの駅伝の実況中継放送をテレビで観ていると、かつて住んでいた湘南海岸界隈が映し出され、また仕事で箱根へしばしば出かけていたので、あの辺りのお正月の雰囲気も久しぶりに見せてもらって懐かしむことができた。

 さて、今年もたくさん年賀状をいただいた。これを拝見するのを毎年楽しみにしている。最近はPC技術が発達したので、きれいな図柄の楽しい年賀状をいただくことが多い。

 今朝の日経コラム「春秋」に年賀状と友だちとの関係について書かれている。それによれば、一般に友人と思う人の数は年々増えているそうだ。ただ、それがネットのつながりだけで、顔を合わせない友人が増えている。それでいながら人間関係で「多数と広く浅く」より「少数と狭く深く」を望む人が増えているそうだ。

 加齢とともに交友関係が狭まり、生活上あまり必要でないと思って自分から交遊関係を狭めようとする傾向も顕著のようだ。面倒だということがあるかも知れないが、友だちから得る心の通った意思の疎通とか、悩みごとの相談なぞは何事にも変えがたいと思うのだが、今の世相はそうでもないようだ。

 例えば、昨年辺りから現在75歳前後の友人たちの中で今後年賀状の交換を辞退したいと最後通牒をしてきた友人が何人かいる。80歳を超えたので、年賀状を辞退したいというなら分るが、私より若い人でそういうフェイドアウトを通告してくるのは、勝手かも知れないが少々考えてしまう。

 よく考えてみると世間と普通の付き合いをするのは、人によっては大変な苦労なのだとも思う。だが、世間や友人から距離を置いて人間関係を狭くして、自分の殻の中に閉じこもってはこれから残り少なくなった人生がつまらなくならないだろうかと他人事ながら気になる。今年いただいた年賀状の中にも来年以降の年賀状の交換を辞退してきた友人が4名もいる。ひとりは私より5歳も若い。押しかけ女房のように、もう少し付き合えとも言えないので、ご要望にお応えすることにするが、これも「少数と狭く深い」付き合いを望む友人が増えて、私は少数派の中に加えてもらえなくなったという現象の現われだろうか。

2014年1月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2425.2014年1月2日(木) 関東大学対抗箱根駅伝往優勝は東洋大

 昨日はやや疲れ気味だったので、早いところ床に就いた。今朝からずっと関東大学対抗箱根駅伝のテレビ中継を楽しんでいた。3区からゴールの箱根までの道はかなり知っているので、興味深く沿道風景を楽しむことができた。2区で後方順位にいた山梨学院大のケニア人選手が何人抜きかをやって快走を続けていたが、突然右足ふくらはぎを痛めて歩けない状態になり、棄権する羽目になってしまった。勢いが良かっただけに残念だったろう。

 かつては優勝争いの常連は、中央、日大、早大、順天堂、教育大などだったが、いまでは駒沢、東洋、日体大、山梨学院大など多くの新興勢力が現れてすっかり様変わりしてしまった。結局往路ゴールへ飛び込んだのは、東洋大だった。優勝候補の駒沢大は1分差で2位となった。明日の復路の両校の決戦が面白そうだ。

 昼過ぎからラグビー大学選手権の準決勝戦を観るとはなしに観ていた。準決勝へ進出はしたが、今年の母校慶應の対抗戦における試合ぶりはあまり芳しいものではなかった。それでも全国大学ベスト4に勝ちあがったのは強運とも言えるものである。秋の関東大学対抗戦で、明治や筑波には勝っていたが、ライバルの早大に69-7で完敗し、優勝した帝京大には何と75-0と恥ずかしくなるようなスコアでこてんぱんにやられてしまったからである。あまり期待していなかったが、それでも前半はよく戦っていた。まあ14-45で負けたからそんなに恥ずかしい負けっぷりではなかった。大学3位と思えば、まあ良いだろう。

 今日は新聞が配達されず、テレビは娯楽中心であまりぱっとしない。会社が休みで家族揃っている家庭が多くなると、観る番組としてはどうしてこれという特徴のない娯楽番組ばかりになってしまうのだろうか。あまりにも退屈である。

 今日も相変わらずノン・フィクションの推敲を繰り返している。出版社については、業界事情に精通している出版ニュース社の清田社長に内容に適した出版社を紹介してもらうことになっているので、正月休み明けにもう一度コンタクトしたいと考えている。ある中堅出版社の編集部長から何かあれば、相談に乗ると年賀状をいただいたので、その辺りも勘案してそろそろ出版社を決める頃ではないかと思っている。

2014年1月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2424.2014年1月1日(水) 湘南ラグビー祭に参加

 無風快晴の元旦である。1年の肇として頗る良い日照りである。今日は湘南ラグビー祭が母校湘南高校で行われる。9時半に車で近所の和田先輩をピックアップして第三京浜から国道1号線を下る。元旦のせいで、トラックがほとんど走っていない。道路も空いていてほんの40分ばかりで母校へ到着した。

 現役チームと若手OBチームの練習ゲームだが、やはり大学でも部活動を続けているOBが中心のチームの方が勝る。結局OBが5本のトライをあげたのに対して、現役は良いところまで迫りながらトライを奪えず、結局ノートライに終わった。その後総会を開催し、例年通り活動報告、予決算報告、役員改選など一通りの議事を進行させた。私は6年前に会長を退いてから一会員のままだったが、この場で「参与」を引き受けることになった。役員とは別で、気のついたことを提言する程度の閑職なので引き受けることにした。

 文武両道の浦和高校が花園に出場したことが世間的にも大きな話題になったが、かつては浦和と定期戦を行っていた湘南としては祝意を表しOB会長名で花園の浦和高へ宛てて激励電報を送ったとの報告がなされた。浦和との定期戦復活とはならないが、近年は毎年のように静岡高と定期戦のような試合を行っているので、今後はこの静岡高戦を定期戦へつなげていけるようにしたいという話があった。

 総会が終わるといつも通り現役・OB入り混じって懇親会だ。アルコールはご法度なのが、一部のOB にとっては不満のようだが、学校教育の現場であるから止むを得ない。賄いは現役選手のお母さんたちのお手料理である。100名ほどが一緒になって懇親の場となる。私の役割は乾杯の発声で、生徒へ靴の脱ぎ方が悪いとしつけ係りのような苦情もひとつ言ってやった。

 もうプレイはとてもできないが、久しぶりにグランドで若い選手たちが走り回っているのを観るのは、かつての自分の姿を思い出して楽しいものだ。1年上級だった武智さんのように、年寄りの冷や水と言われようと普段から練習している人らしく、僅か5分程度だったが、OBチームに加わってプレイしたのは、本人はもちろん、観ている我々としても力づけられる。

 やはり屋外スポーツは気持ちが良い。

 さて、夜はNHKで毎年恒例のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートを楽しんだ。今年はダニュエル・バレンボイム指揮によって多くのヨハン・シュトラウスの名曲を演奏したが、いままであまり紹介されなかった曲が多かった。最後のラデツキー行進曲で締めとなったが、さぁ今年もいよいよ始まるなという気持ちである。

2014年1月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2423.2013年12月31日(火) 大晦日にこの1年を想い、来年を想う。

 月日の経つのが、年々早く感じられるようになった。今日は1年の締めくくりの大晦日である。昔風に言えば「大つごもり」というところだ。高校入学直前の春休みに従兄弟夫婦に誘われて樋口一葉の「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」が一緒になったオムニバス映画を観たことがあるが、あの中で描写された明治時代の押し詰まった大つごもりの様子が、妙に印象強く思い出される。

 今年も心残りはあるが、まず大きな災いもなく、好きなことをやり悔いなく過ごすことができたことは良かったと思っている。いま掛かりきっているノン・フィクション「南の島の日系人大酋長の波瀾万丈」は春先には上梓したいと思っている。一昨日本欄に取り上げたように、幸い拙著の表紙帯の推薦文はA氏に書いていただくことになった。快く引き受けてくださることになったので、改めて昨日A氏へ拙稿を送ったところである。

 そのA氏とは前文化庁長官だった近藤誠一氏で、今年富士山の世界遺産登録に多大な貢献をされた方である。拙著では主人公の大酋長が湘南高の出身と語られたことから、その真偽についていろいろ混乱が生じている。その他にも佐々木信也さんに絡んだトピックも多い。従って母校湘南高校に関する記述、紹介表現が必然的に多くなっている。実は、近藤氏も私より7年後輩の湘南OBで、ペンクラブ例会で2度ほど話したことがある。そのご縁で推薦文をお願いした。近藤氏が湘南について知っている話、まったく知らない話も紹介したので、どう思われるか分らないが、推薦文を楽しみにしている。とにかく今年中に推薦文を書いていただける方が決まって良かったと思っている。

 今年も終わりかと思うと何となく感慨深いものがある。多少楽しみにしていたNHK紅白歌合戦も年々変質して、知っている歌手や歌も限られてつい年齢を感じさせられる。ただ、勝手な言い分を言えば、NHKは大勢の幅広い視聴者を対象にしている筈なので、もう少し年配者も親しめる歌手を出演させた方が良いのではないか。歌手の歌自体よりバックダンサーや舞台装置に注目が集まるような趣向は邪道ではないかと思うのだが・・・。確かに昔に比べて興味が薄れたことは間違いない。番組自体が曲がり角に差し掛かっているのかも知れない。

 その後除夜の鐘が鳴る。今日のテレビで、最近お寺では鐘をつく坊主がいなくなり、鐘の音も電気仕掛けで自動的に、かつ正確に鳴るように工夫されているお寺が多いと聞き、そこまで伝統文化は行き着いたかと思うと寂しい気もする。

 著述活動は大体マイペースで続けることができたと思う。HP上のブログも2007年以来今日で2423回連続して書き続けることができた。来年は数え年で言えば、喜寿を迎えることになるが2500回、再来年は3000回を書き続けられるよう健康には充分留意したい。

 ノン・フィクションを上梓したら、自分のこれまで発表したエッセイや短編をまとめて私家本にして上梓したいとも考えているし、このブログを1年分だけに限って印刷してみようかとも思っている。

 海外旅行も今年はノン・フィクションの件もあり、ミクロネシアへ取材旅行に出かけたが、来年はできればバルト3国か、モロッコに行ってみたいと思っている。

健康面では、今年は何といっても転んで75年の人生で初めて右手剥離骨折をし、3度の腹痛、膝関節炎をやってしまったが、風邪や内科系の病には罹らなかったことが幸いだった。4年前は体調が悪く紅白も観なかった。

 二男に娘が誕生して、これで5人の孫を授かった。幸せというべきであろう。かつては、毎日のように飲んでいたアルコールも今年は47日しか飲まなかった。つまり月たったの4回である。来年も健康に気をつけながら、残りの人生を前向きに生きて行きたいと思う。

 今年も今日で終わりだ。いよいよあと僅かで2014年を迎える。来年は第一次世界大戦が始まってちょうど100年になる。第3次大戦の雲がかからないよう願う。

2013年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2422.2013年12月30日(月) このまま安倍政権で良いのか。

 年末に際し考えさせられる。昨年12月の総選挙で圧勝し、7月の参院選でも民主党を破りねじれ現象を解消した自民党はいまや1強多弱の1強となり、向かうところ敵なしの勢いである。こうなると我々国民にとって怖いのは、批判を恐れず自分たちが佳しと考えれば何でもやってしまうことである。

 アベノミクス・ムードで一般庶民の感覚は別にして、今年の数字上の景気は確かに良くなった。今日の大納会で株価は9日連続して上げ続け、対先週末112円37銭高、日経平均16,291円となり昨年同日に比べて5,896円高、年間56.7%の値上がりぶりである。何と7年ぶりの高値で終わった。調子づいて大納会に立ち会ったのは、歴代首相の中では今日の安倍首相が初めてである。来年も「アベノミクスは買いです」とすっかりのぼせ上がっている。

 これだから安倍首相は何でもござれとばかり、反発を予想された靖国参拝も意に介さず強行したのだ。その結果は、中国や韓国からの非難ばかりでなく、西欧諸国やロシアからも反発を買っている。しかも最大の誤算はアメリカに対立ムードを煽っているとして失望感を与え、日米間に隙間風が噴出したことである。国のトップが先頭に立って、外交関係を悪化させ、国益を失わせようとしている。こういう不遜な総理大臣は、何とかレッド・カードを突きつけて退場を促したいところだ。

 沖縄普天間米軍基地移設問題などの難問も抱えたこの時期に、少々脚光を浴びていなかった原発再稼動問題が、11月に小泉前首相の原発ゼロ発言で勢いを削がれ、原発廃止の方向に向かっているのかと思いきや、むしろ原発推進派が力を得て国会議員電力族の間に徐々にネットワークが構築され、脱原発の声はかき消されそうだという。確かに国会議員は自民党議員が圧倒的多数を占め、国会内だけ見れば原発ゼロ派は少数派になった。

 自民党内に電力安定供給推進議員連盟なる原発推進派のネットワークが結成され、いまではその数は140人を超える。自民党全国会議員の約3分の1を占める。彼らの出身はほとんどが原発のある選挙区だ。原発を稼動しないと生活が維持できないと考える住民の支持を受けて、自分と住民のために動いている。

 彼ら原発推進派の戦略は、「再稼動を求め続ける。電力会社も廃炉を決めずにほとぼりが冷めるのを待つ。そのうち、原子力規制委員会のメンバーも入れ替わる」と原発再稼動のためにしたたかである。世論調査によれば、小泉元首相の原発ゼロへの支持は60%もあった。しかし、利益誘導型国会議員の増加と戦略により国民の支持を受けた原発ゼロ政策には大きな壁が立ちはだかっている。原発推進派は国が安全対策を講じれば、稼動は問題ないと考えているが、国の安全対策がどのくらい安全なのか分っていない。100%以上の安全なんて考えられないことぐらい分りそうなものだ。しかも、排出される使用済み燃料のゴミ処分の方法、特に処分場所がまったく不明瞭で未解決だというのに、なぜ原発を推進しようというのか。自分たちの利益のためだけではないのか。

 現状のまま来年も同じ状況が引き継がれていくなら、いずれわが国も大変大きなリスクを負うようなことになるのではないかと強く危惧している。

2013年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2421.2013年12月29日(日) 拙稿の推敲も大詰め

 いよいよ今年も押し詰まってきたという感じがする。昨日年賀状を投函したところだ。今年は約520枚で昨年とあまり変わらない。今年は欠礼のご挨拶状がいつもより多くなった気がする。毎年家族の訃報が定番だったが、今年は本人が亡くなったと奥様からいただいた葉書が目立った。親しかった友人、特に学生時代の友人の他界は格別に寂しい気がする。私はまだまだ黄泉の国へ行くわけには行かない。精々健康に留意してもう少し人生を謳歌したい。

 いま書いているノン・フィクションも原稿は大体仕上がった。ただ、内容をチェックしてもらっている方々からすべて回答が届いたわけではない。今日高校の歴史的事実についてよく知る先輩から回答をいただき、若干原稿に手を入れたところである。

 拙著表紙帯文の推薦文については先日著名なA氏にお願いしたところ、中々ご返事がなく諦めて、別の方にいまお願いしているところである。ところがその直後A氏から引き受けるというご返事をいただいた。A氏は高校の後輩で内容が母校に触れる点が多いということでも拙著の推薦人としては好都合だと思っていたので嬉しいところだが、別の方にも依頼したばかりで、A氏には別に依頼中の方のご返事次第と伝えてある。どうもタイミングが悪くなってA氏にはお待ちいただくことになってしまったが、一応納得していただいている。

 まだ校正済み原稿がすべては帰ってきていないが、早く原稿すべて推敲済みとして出版社と組版、写真の挿入などの全体像を打ち合わせしたいと願っている。でも正月休みに入ってしまったので、これは来年の楽しみというところか。

2013年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2420.2013年12月28日(土) 安倍首相靖国参拝で四面楚歌に

 安倍首相の靖国参拝が大きな問題となっている。世界中が首相の行動を非難していると言ってもいい。それだけ国際政治に緊張感をもたらすような言動を、なぜ首相本人のみならず周囲が止めることができなかったのだろうか。

 まず、首相本人は自分としては信念を貫き、自信を持って行動すべきだと考えていた。そのタイミングを狙っていた。偶々昨日総理大臣就任1年を迎えてタイミング的にピタリだと考えたようだ。

 しかし、その信念そのものが爆弾を抱えた問題であることが苦労知らずの本人には分っていない。戦争で国家のために亡くなった戦没者への哀悼の気持ちが強くなり、その人たちに対する尊崇の念が高まっていった。首相にはこの気持ちは日本人ならずとも世界共通の気持ちであり、国の犠牲者のためにお参りするのは、世界のリーダーが誰でも行う共通の作法であるとまで信じ込んでいた。

 首相もこれだけの反発は想像していなかったようだ。とりわけ同盟国アメリカとEUの非難にはびっくりしているようだ。だが、これこそお坊ちゃん首相のノーテンキぶりの面目躍如ではないか。

 気になるのは、安倍首相は自分で考え抜いたのではなく、戦犯だった祖父岸信介の気持ちや周囲の大人たちから影響を受けていることである。確かに戦争で生命を落された方々に対しては、国家として慰霊することは当然である。

 しかし、戦犯として日本を戦争に導き日本人のみならず、他国で多くの人々の命を奪い、多くの苦しみを与えたことは、許してはならない。故に罪の重い戦犯は国際法廷で断罪された。靖国にはそういう戦犯も祀られている。この点をはっきり分けて考えないといけない。首相の信念には一般の戦没者と同時に戦犯に対しても尊崇の念を感じているようだが、これが根本的な靖国参拝の間違いである。

 だからこそアメリカの国務長官と国防長官の来日時には、両長官は靖国神社へ参拝せずに、戦犯が合祀されていない千鳥が淵墓苑に参拝された。安倍首相がオバマ大統領もアーリントン国立墓地へ参拝するのと同じだと米紙に話したことに対して、敢えて両長官が本質を教えてやるかのように千鳥が淵へお参りした意味が首相にはよく分っていなかったようだ。

 首相は充分話せば理解してもらえると勘違いしているようだが、アメリカはただ失望しているばかりで、今後よほどのことがない限り間違ったナショナリズムを振り回す人物だと捉えられるだろう。民主党時代にやや奥歯に物が挟まったかの感じがした日米関係を元へ戻すと張り切って短絡思考的に考え行動した結果が、同盟国アメリカからも愛想を付かされかねない雲行きになってきた。安倍首相の罪は重いと言わざるを得ない。

 今朝の朝日新聞紙上にアメリカ外交問題評議会上級研究員のシーラ・スミス氏が安倍首相の行動を手厳しく批判している。中韓に対して外交努力に取り組むと考えていたが、そうではなかった。首相の行動は合理的な政策目標の追求よりイデオロギー的な動機に基づき、国家主義的な目標を追求しようとしている。それは日本の政治的な選択肢を狭めることにつながり、新しい安全保障環境への戦略的な適応が極めて重要な時期に日米の同盟関係を複雑にする。とまあこんな調子である。

 結局子どもの頃から周囲には、大臣クラスの人がうようよいて彼らと同じ空気を吸い、自分ではあまり勉強しないうちにある種の考えだけを刷り込まれ、甘やかされ、何の苦労もなく今日に至った結果が歪んだ発想を生み出す素になったのではないか。

 こういう一般とは別の人種がトップに君臨することは怖い。1強多弱の政界分布図ではあるが、この状態が続くようだと同じようなチョンボを再びやりかねない。早いところ安倍首相のような人物を政界から勇退させてもう少しバランス感覚がよく多面的に国家・国民のことを真剣に考えてくれる人にトップとして国をリードしてもらいたいものである。

 アベノミクスなんて調子のいいことを言っているが、言ってみれば、とんでもない食わせ者だったということである。

2013年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2419.2013年12月27日(金) 安倍首相が投じた頭が痛い問題

 大きな問題が2つも起きてしまった。まずそのひとつは、昨日安倍首相が靖国神社参拝を行ったことに対して、中韓両国のみならず、アメリカ、ロシア、EUなどから安倍首相の行動に対して理解し難いと呆れたコメントが発進されたことである。それはそうだ。誰だってそう思う。こんな行動さえ起こさなければ、大した問題もなかったのに7年前の総理大臣在任中に靖国参拝を行わなかったことが痛恨の極みだったと、昨日靖国参拝を強行して事態を悪化させてしまったことである。分りきったことをどうして周囲の茶坊主たちは、止めることができなかったのだろうか。

 ロシアは靖国参拝を世界で受け入れられている評価から日本社会を離れさせようとする試みだと決め付けている。彼らは第二次世界大戦終戦時における自分たちの勝ち戦による北方領土を正当化している。靖国に祀られている戦犯に対しても罪悪感を持っている。その戦犯に首相は最敬礼したのだ。こんな状態では、北方領土問題の解決は遠のくばかりである。

 韓国については、これまで日韓関係に断固とした立場の朴槿恵大統領に対して、韓国内やアメリカから強硬姿勢の見直しを迫られていたが、反って朴大統領の姿勢を正当化することになった。

 アメリカは、中韓との緊張関係を進ませないようアドバイスしたにも拘わらず、安倍首相がその反対の行動を取ったことに対して、国務省は失望したと不満を隠していない。

 こういうように対外的に世界中から顰蹙を買うような行為によって日本全体の信用を落とすことは、安倍首相が外交問題をこじらせ、国を率いていく資格がないということになるのではないだろうか。危なっかしくてこの先また似たような窮状に追い込まれるのではないかと思うと、お先真っ暗である。

 もうひとつの問題は、仲井真弘多・沖縄県知事が今日米軍普天間基地を辺野古へ移設するための国の埋め立て申請を承認したことである。早くも問題は沖縄中に波及し出した。辺野古市長、野党連合は知事の意向に明白に反対の意思表示をしている。

 知事がこれまでの態度を変えて、政府の対応を高く評価し、充分でないまでも立派な内容だと言うのは、少なくとも体制寄りに見える。確かに普天間の問題は軽減されるだろう。だが、沖縄から問題が消えたわけではない。回答書の内容が立派というなら、早くから県外移設を訴えていた基地問題を、政府と沖縄県だけの問題に留まらせず、政府が主導して全都道府県知事を招集して沖縄負担の軽減を話し合いさせることが大事ではないかと思う。

2013年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com