月日の経つのが、年々早く感じられるようになった。今日は1年の締めくくりの大晦日である。昔風に言えば「大つごもり」というところだ。高校入学直前の春休みに従兄弟夫婦に誘われて樋口一葉の「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」が一緒になったオムニバス映画を観たことがあるが、あの中で描写された明治時代の押し詰まった大つごもりの様子が、妙に印象強く思い出される。
今年も心残りはあるが、まず大きな災いもなく、好きなことをやり悔いなく過ごすことができたことは良かったと思っている。いま掛かりきっているノン・フィクション「南の島の日系人大酋長の波瀾万丈」は春先には上梓したいと思っている。一昨日本欄に取り上げたように、幸い拙著の表紙帯の推薦文はA氏に書いていただくことになった。快く引き受けてくださることになったので、改めて昨日A氏へ拙稿を送ったところである。
そのA氏とは前文化庁長官だった近藤誠一氏で、今年富士山の世界遺産登録に多大な貢献をされた方である。拙著では主人公の大酋長が湘南高の出身と語られたことから、その真偽についていろいろ混乱が生じている。その他にも佐々木信也さんに絡んだトピックも多い。従って母校湘南高校に関する記述、紹介表現が必然的に多くなっている。実は、近藤氏も私より7年後輩の湘南OBで、ペンクラブ例会で2度ほど話したことがある。そのご縁で推薦文をお願いした。近藤氏が湘南について知っている話、まったく知らない話も紹介したので、どう思われるか分らないが、推薦文を楽しみにしている。とにかく今年中に推薦文を書いていただける方が決まって良かったと思っている。
今年も終わりかと思うと何となく感慨深いものがある。多少楽しみにしていたNHK紅白歌合戦も年々変質して、知っている歌手や歌も限られてつい年齢を感じさせられる。ただ、勝手な言い分を言えば、NHKは大勢の幅広い視聴者を対象にしている筈なので、もう少し年配者も親しめる歌手を出演させた方が良いのではないか。歌手の歌自体よりバックダンサーや舞台装置に注目が集まるような趣向は邪道ではないかと思うのだが・・・。確かに昔に比べて興味が薄れたことは間違いない。番組自体が曲がり角に差し掛かっているのかも知れない。
その後除夜の鐘が鳴る。今日のテレビで、最近お寺では鐘をつく坊主がいなくなり、鐘の音も電気仕掛けで自動的に、かつ正確に鳴るように工夫されているお寺が多いと聞き、そこまで伝統文化は行き着いたかと思うと寂しい気もする。
著述活動は大体マイペースで続けることができたと思う。HP上のブログも2007年以来今日で2423回連続して書き続けることができた。来年は数え年で言えば、喜寿を迎えることになるが2500回、再来年は3000回を書き続けられるよう健康には充分留意したい。
ノン・フィクションを上梓したら、自分のこれまで発表したエッセイや短編をまとめて私家本にして上梓したいとも考えているし、このブログを1年分だけに限って印刷してみようかとも思っている。
海外旅行も今年はノン・フィクションの件もあり、ミクロネシアへ取材旅行に出かけたが、来年はできればバルト3国か、モロッコに行ってみたいと思っている。
健康面では、今年は何といっても転んで75年の人生で初めて右手剥離骨折をし、3度の腹痛、膝関節炎をやってしまったが、風邪や内科系の病には罹らなかったことが幸いだった。4年前は体調が悪く紅白も観なかった。
二男に娘が誕生して、これで5人の孫を授かった。幸せというべきであろう。かつては、毎日のように飲んでいたアルコールも今年は47日しか飲まなかった。つまり月たったの4回である。来年も健康に気をつけながら、残りの人生を前向きに生きて行きたいと思う。
今年も今日で終わりだ。いよいよあと僅かで2014年を迎える。来年は第一次世界大戦が始まってちょうど100年になる。第3次大戦の雲がかからないよう願う。