2419.2013年12月27日(金) 安倍首相が投じた頭が痛い問題

 大きな問題が2つも起きてしまった。まずそのひとつは、昨日安倍首相が靖国神社参拝を行ったことに対して、中韓両国のみならず、アメリカ、ロシア、EUなどから安倍首相の行動に対して理解し難いと呆れたコメントが発進されたことである。それはそうだ。誰だってそう思う。こんな行動さえ起こさなければ、大した問題もなかったのに7年前の総理大臣在任中に靖国参拝を行わなかったことが痛恨の極みだったと、昨日靖国参拝を強行して事態を悪化させてしまったことである。分りきったことをどうして周囲の茶坊主たちは、止めることができなかったのだろうか。

 ロシアは靖国参拝を世界で受け入れられている評価から日本社会を離れさせようとする試みだと決め付けている。彼らは第二次世界大戦終戦時における自分たちの勝ち戦による北方領土を正当化している。靖国に祀られている戦犯に対しても罪悪感を持っている。その戦犯に首相は最敬礼したのだ。こんな状態では、北方領土問題の解決は遠のくばかりである。

 韓国については、これまで日韓関係に断固とした立場の朴槿恵大統領に対して、韓国内やアメリカから強硬姿勢の見直しを迫られていたが、反って朴大統領の姿勢を正当化することになった。

 アメリカは、中韓との緊張関係を進ませないようアドバイスしたにも拘わらず、安倍首相がその反対の行動を取ったことに対して、国務省は失望したと不満を隠していない。

 こういうように対外的に世界中から顰蹙を買うような行為によって日本全体の信用を落とすことは、安倍首相が外交問題をこじらせ、国を率いていく資格がないということになるのではないだろうか。危なっかしくてこの先また似たような窮状に追い込まれるのではないかと思うと、お先真っ暗である。

 もうひとつの問題は、仲井真弘多・沖縄県知事が今日米軍普天間基地を辺野古へ移設するための国の埋め立て申請を承認したことである。早くも問題は沖縄中に波及し出した。辺野古市長、野党連合は知事の意向に明白に反対の意思表示をしている。

 知事がこれまでの態度を変えて、政府の対応を高く評価し、充分でないまでも立派な内容だと言うのは、少なくとも体制寄りに見える。確かに普天間の問題は軽減されるだろう。だが、沖縄から問題が消えたわけではない。回答書の内容が立派というなら、早くから県外移設を訴えていた基地問題を、政府と沖縄県だけの問題に留まらせず、政府が主導して全都道府県知事を招集して沖縄負担の軽減を話し合いさせることが大事ではないかと思う。

2013年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com