新年早々また愚かな大臣が馬鹿なことをやってくれたものだ。年末に靖国神社参拝を強行して中韓両国を始め、欧米諸国やロシアから痛烈な批判を浴び日本外交を大きく躓かせた安倍首相のチョンボに困惑し、今後日本の取るべき方策を考えるべき時に、この批判、非難に上塗りする大愚か者が現れた。
常識も善悪の判断力もないこの大愚か者とは、新藤義孝総務相である。新藤氏は昨年終戦記念日にも参拝している。新藤氏は靖国参拝が本当に国家のために大切だと信じているのかどうか怪しいものだが、いまでは自らの信念となっているようだ。これまでにも尖閣諸島周辺を視察したり、どうも右翼的な言動は危なっかしくて危険分子と呼んでも好い。55歳と言えば、分別はある筈であるが、勿論戦争体験はなく、国民的運動に携わった経験もなく、国のために立派な提言をしたこともないような一地方の元市役所職員が、何ゆえ38歳の若さで国会議員になれたのか、どうしてこういう人物が大臣になれたのか摩訶不思議でさえある。
この新藤氏の行動に対して、アメリカ政府は首相の靖国参拝に続いて不快感を表明している。首相の行動に対して初めてアメリカ政府は辛口のコメントとして「失望している」と述べたが、それに火に油を注ぐような行為である。安倍政権としては首相自ら日本への信頼感を損ねていながら1人よがりに、話せば分る風な口をきいているが、現状は一向に改善される兆しが見えない。首相は国を劣化させたリーダーとして責任を問われるべきであると考えている。しかし、お坊ちゃん首相には、いずれ自分の考え通りなると夢みたいなことを妄想しているに過ぎない。元旦に靖国を参拝した新藤氏も、自分の間違った信念をことさら表面に押し出そうとしている。結局この2人の行動によって、日本の立場は益々窮地に追い込まれる。もっと怖いのは、閣僚の中には他にも右翼志向の古屋圭司・国家公安委員長や稲田朋美・行政改革担当相のような時限爆弾を抱えていることである。この2人は一時韓国側から竹島へ入国を図ったことがある。この2人もいつ同じような行動に走るか予測ができない心配がある。 政界も1強多弱となって自民党の専横は民主主義のセオリーをもあざ笑うかの如き横暴ぶりであるが、首相の靖国参拝を全党員が支持しているわけではない。にも拘らず首相の独走を阻止しようとの良識派がひとりとして現れないのが悲しい。いまの状態で日本外交を更に過激に進めるなら、日本は確実に世界の孤児となるであろう。そんなことも分らず、その流れを止めようとの行動も見られない。
古屋、稲田両大臣が近い将来靖国参拝を行うようだと、日本はどこからの信頼も支持も得られない正真正銘の世界の爪弾き者とされるだろう。自民党内には良識派と称される党員はいないのだろうか。