昨日から地味ではあるが大切な会議、第3回国連防災世界会議というコンベンションが仙台で開かれている。1994年に横浜で開かれた第1回、2005年に神戸で開かれた第2回に続いて、第3回が今年震災の地、仙台市で開かれた。過去2回は事務レベル級の会議だったが、今回は国連が首脳級会議と決めたために、国連から潘基文・事務総長を始め、約100カ国から閣僚級が出席する大きな国際会議となった。
日本は東日本大震災の復興をPRすることを主に、途上国への防災支援を通じて日本の存在感拡大を狙っている。開会式直後の冒頭に挨拶した安倍首相は、日本の技術力をアピールし、偶々昨日バヌアツを襲った大型サイクロンによる被害援助を始めとして途上国への支援を申し出た。しかし、震災の復興を強調しながらも福島第一原発の事故にはほとんど触れなかった。
首相は今後4年間で総額40億㌦(約4800億円)の国際支援を行うことや、防災リーダーを4万人育成する人材計画を含む「仙台防災イニシアティブ」を発表したが、そのイニシアティブの中でも原発についてまったく言及されていない。況してや原発中止はもちろん、鎧の下に隠している原発再稼働についても一言も触れなかった。
この種の国際会議が開かれ、世界中に震災とその復興の過程を発信することは国際的に大きな訴求力を持つ。だが、そのような場で言うべきことを言わないのでは、会議自体が懐疑的に受け取られる恐れがある。この辺りの対応が安倍首相の二面性と見られる一因でもある。
さて、今日北陸新幹線の開業で沸く石川県の能美市で行われた全日本競歩能美大会で20㎞競歩に出場した地元の鈴木雄介(27)選手が、驚くべきことに1時間16分36秒の世界記録を打ちたてた。鈴木選手はこれまでの世界記録を26秒上回った。昨年の世界ランキング1位だった。残念ながらロンドン・オリンピックでは36位に終わったが、昨年の仁川アジア大会では銀メダルを獲得した。早くも2016年リオ・オリンピックでメダル候補に挙げられている。
久しぶりにスポーツ界にとって快挙である。