3438.2016年10月11日(火) 興味が薄れたプロ野球

 昨日プロ野球セ・リーグのクライマックス・シリーズと称するリーグ2位と3位の2番勝負・セカンド・ステージがあり、2勝1敗で3位の横浜DeNAベイスターズが2位の読売ジャイアンツを破った。これで横浜は次のステップであるファースト・ステージで、優勝した広島カープと日本シリーズへのセ・リーグ出場権を争うことになる。

 かつては私自身あれほど熱中したプロ野球だが、最近ではすっかり熱が冷めてしまい、実戦はもとよりテレビ観戦もほとんどしなくなった。それは選手がペナントレースに全力投球しなくなったような気がして1試合1試合に真剣味が感じられないような気分になり、つまらなくなったせいである。

 どうしてそうなったのかは、今のクライマックス・シリーズのような金儲けシリーズに原因がある。どうして日本プロ野球機構は、こういう余計で優勝の価値を減殺するような愚かな制度を導入したのだろうか。選手は口には出せないようだが、内心不満が溜まっているのではないだろうか。昨年引退した元中日投手の山本昌氏もその点を指摘していた。1年間130試合の総当たり制で6球団が争って優勝を決めたペナントレースを蔑ろにするような制度自体に大きな問題がある。仮に2、3位のチームが日本シリーズに出場し、日本シリーズで優勝するようなことになれば、1年間ペナントレースを戦い抜いて優勝を勝ち取ったチームにとって優勝の価値が薄れるばかりか、優勝するために全力を注がないで3位以内を狙い、クライマックス・シリーズに全力を傾けて下剋上優勝を遂げたら真剣にプレイする選手が馬鹿を見るということにならないか。手抜きゲームを見せられるファンも堪ったものではない。それほどつまらなくなったプロ野球だが、それでも女子ファンの開拓とか、いろいろ応援のやり方の工夫や、地域の力などによって観客が増えているというから、考え方によっては、プロ野球界もまだ捨てたものではないのかも知れない。下らないクライマックス・シリーズなんか止めて、今のうちに将来を考えた恒久的な対策を考えていくべきではないだろうか。

 アメリカ大リーグのポスト・シーズンも同じようなシステムだと指摘する声もあるが、まったく違う。メジャー・リーグには、アメリカン・ナショナルの2リーグで30チームもあり、地域的にも東海岸から西海岸に拡がっているうえ、カナダにも1チームある。あまりにも広大な地域で多くのチームが存在するために已むに已まれず考えられたシステムである。それは各5チームが加盟する東海岸、中部、西海岸の3地区の優勝チームに、残りの1チームは3地区の2位で勝者を決めてプレイオフ出場チームを決定する。そして4チームでトーナメント方式の下で勝者となって、ワールド・シリーズへ進出するルールになっている。

 すべてメジャー・リーグをお手本にする日本野球界が何とかもうひとつ商売をと企んで、2、3位のチームにも機会があると思わせ、余計なクライマックス・シリーズという制度を取り入れている。実際に過去に千葉ロッテ・マリーンズが下剋上優勝した例がある。だが、これは日米のチャンピオン・チーム決定のしきたりがまったく異なることを知っておくべきである。この点を日本のプロ野球界関係者にはよくよく知ってもらいたいと思う。

 パ・リーグはすでに2位ソフトバンク・ホークスが3位千葉ロッテ・マリーンズを破っており、これからセ、パとも日本シリーズ出場チーム決定シリーズの舞台へ移るわけである。

 何となく冷めた目で見てしまうプロ野球である。

 それよりかつてはネクラなスポーツと揶揄された卓球のワールド・カップで、開催地フィラデルフィアにおいて昨日16歳の平野美宇選手が全力投球して最年少にして日本人初優勝を飾ったというから、手抜きのプロ野球に比べて大あっぱれである。

2016年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3437.2016年10月10日(月) 今日は体育の日

 今日は、1964年東京オリンピック開催を記念して設けられた「体育の日」である。その日本時間の今日午前に行われたアメリカ大統領選候補者の第2回テレビ討論会は、第1回に続き、またも民主党のクリントン候補が優位のうちに終わった。トランプ候補については大統領としての資質に欠けるとのコメントが多かったようだ。

 ほんのさわりに過ぎないが、テレビ・ニュースで討論会のやりとりを観ていると、本質や主題から外れたり、すり替えたりして相手候補への個人攻撃ばかりが激しかった。とにかく大統領選としては全般的にレベルが低く品がない。これほど下品なテレビ討論は今までなかったと思う。アメリカ自体が国家としての鼎の軽重を問われかねない。流石に共和党有力者からもトランプ氏は大統領選から降りるべきとの厳しい指摘が出ている。その後のメディアの採点は、54対37でクリントン候補に軍配が上がり、両候補者への支持率も47.5対42.9とまたその差が開いた。オクトーバー・サプライズでも起きない限り、このままクリントン氏が逃げ切ることになるのではないだろうか。個人的にもそう願っている。

 さて、アマゾンから購入したDVD「革命戦士ゲバラ!」を観た。主役のゲバラにオマー・シャリフ、カストロにジャック・パランスの名優を配して、2007年アメリカによるキューバに対する厳しい経済封鎖下でアメリカの20世紀FOX社が制作しただけに、反キューバに陥りがちで真のゲバラ像を描いているのかどうか疑問が残る。しかも原典はゲバラが著した「ゲリラ戦争」から引用したというからよく分からない。あまりゲバラに好意的なストーリーではないからだ。むしろ、カストロとゲバラの意見の相違から袂を分かち、外国人であるゲバラはキューバを去り、ボリビアのゲリラ活動に努めるが、その中でも同志と仲違いして対立する場面が多く見られる。この点は、先日観たNHKビデオ「カストロVSゲバラ」と同じような視点で2人を捉えている。ゲバラはカストロとは無二の親友で革命同志でもあり、外国人であるゲバラは自らはあくまで現場でゲリラ活動を指導する立場にいると自覚し、国家の指導者となったカストロとは対立したのではなく、国家への貢献の仕方が異なるものだと理解している。だが、本当のところはもっと探求してみなければ分からないのではないかと思っている。これからゲバラの著書を更に何冊か読んで疑問を解いてみたい。今NPO「知的生産の技術研究会」誌へ寄稿すべく取り掛かっているレポートも、まだ2人の思想、活動、全生涯を捉えきっていないので関係書を読んで腰を据えて仕上げようと思っている。

 ところでお騒がせ国家・北朝鮮が今日の朝鮮共産党創立記念日に合わせて、何かを仕出かすのではないかと心配していたが、何事もなくホッとしている。このところ核実験と長距離核弾道弾ミサイルの発射を度々繰り返して、国際社会の心配をよそに勝手気ままなパフォーマンスをやっていた。北朝鮮にとってこれらのお騒がせは現時点でグッド・タイミングと考えなかったのではないかと考えられている。いずれまた愚かなことを仕出かすだろう。それがおバカさん金正雲共産党委員長のアガキだ。

2016年10月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3436.2016年10月9日(日) 日本語の乱れのひとつの原因

 今秋は天候が不順で日本各地で大きな自然災害が起きている。一昨夜半に阿蘇山が36年ぶりに噴火して家屋や田畑に大きな被害を出した。降灰は遠く四国の高松市までやってきた。このため熊本地方では、4月の熊本地震に次いで再び災難に見舞われることになり、住民は困惑している。農家はもとより、観光業が大きな打撃を受けているようだ。

 一方、海外でも大きなハリケーンがカリブ海に襲来してバハマ諸島が突風と洪水による大きな被害を生み、一説によると死者800人以上が出たという。

 さて、時差の関係もあるが、暦のうえでは今日アメリカ大統領選候補者の第2回テレビ討論会が行われる。クリントン民主党候補者とトランプ共和党候補者のデッドヒートは決着まで残り1ヶ月を余すところとなった。第1回討論会前には支持率の差は、甲乙つけがたい僅差だったが、CNNによれば第1回討論会の後クリントン氏が優勢となりその差を僅かに広げたと報道された。そこへトランプ氏の女性蔑視のスキャンダルが暴露され、その差は5%ほどに開き、この第2回討論会がトランプ氏にとって正念場となった。トランプ氏のスキャンダルを聞いているとバス車内で既婚女性にしつこく性交渉を迫ったという、およそ世界のトップリーダーとして人格的に恥ずべき行為をしていたということで、他の女性蔑視報道とともに大分評価を落としているようだ。それにしても国際社会で活躍してもらうには、あまりにも人格的に問題がある大統領候補者である。こんな低次元の人物が世界のトップに進出するようになってしまったとはちょっと情けないような気がする。第2回討論会後の結果を知りたいものである。

 さて、今日夕方祖師ヶ谷大蔵にキューバ旅行の同行有志が集まった。いろいろ広い分野の話を伺うことができたが、特に大学で英語異文学を担当している教授から、現在の学生が日本語を粗末に扱ってそれが日本語の乱れにつながっていると聞かされ納得した。やはり、今学生がはまっているスマホの弊害を嘆いておられた。思い当たることが数々ある。帰りの小田急電車内で4人に3人がスマホに夢中だったし、バス車内でも同じようにほぼ3人に2人はスマホに夢中の様子だった。外部の人間がとやかく言う筋ではないと思うが、教授とは通勤電車内で読書をする人、特に新聞を読む人が随分少なくなっていると感じていると話した。そのスマホ過重が紙の上に丁重に文字を書く習慣から遠ざけるようになってしまっているのではないだろうか。キューバとは別の意味で考えさせられる話題だった。

2016年10月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3435.2016年10月8日(土) コロンビアはノーベル平和賞の期待に応えられるか?

 今朝新聞の一面トップに「コロンビア大統領にノーベル平和賞」の見出しを見てオヤッと意外な感を覚えると同時に、これで良かったと一安心した。先月27日付ブログに書き込んだところだが、コロンビアのサントス大統領とコロンビア革命軍ロンドニョ最高司令官の間で和平合意書に署名して半世紀以上に亘る内戦に終止符が打たれたことにほっとしたところだった。記事にはうまくすると両者に今年のノーベル平和賞が授与される可能性があると触れていた。ただ、一抹の不安は、最終的に国民投票に和平合意の賛否を委ねるとあった。だが、22万人もの死者を出し、長らく続く内戦状態で国内が混乱して厭戦気分が充満し、対立争いに幕を降ろすことができるなら合意文書の反対者は少ないだろうと考えていた。結果的にこれが淡い希望に過ぎず、何と僅差で合意文書が国民によって否定されてしまったのである。これでノーベル平和賞の望みは消えたと思っていた。

 しかし、ノルウェイのノーベル委員会は和平への望を失わず、当事者双方が和平へ一層の努力を傾け和平を実現して欲しいとの期待をサントス大統領に託した。戦争はもうこりごりだという国民が多数となることを期待したのである。大統領もノーベル平和賞は名誉な賞であり、国民がいただいたものであると考えていると言った以上、コロンビア国民がノーベル平和賞に値する行動を取られることを期待したい。

 上記のニュースについて朝日新聞は社説で「コロンビア 和平への希望をつなげ」と複雑な中身の合意に、単純な賛否の選択を迫った国民投票という手法が正しかったのかと疑問を呈している。同時にコロンビア社会には長い争いが生んだ国民同士の分断があり、ノーベル委員会が国民対話の大切さを力説したことは賢明だと評価している。果たしてコロンビアは世界中の平和希求者の期待に応えてくれるだろうか。

 ついては、昨日のブログで菅官房長官と稲田防衛相の架空領収証について非難したところだが、この朝日社説ではもうひとつ「白紙の領収書 これが大臣の『常識』か」と厳しく追及し、稲田防衛相の発言は常識外と手厳しい。しかし、政治家なら誰でもやっていると言わんばかりで、あまり堪えていないのかも知れない。この様子では、同じようなことを他の国会議員もやっているようで実にふざけている。

 さて、今年4月にホームページをリニューアルした。いろいろ新しい試みにもトライしてみたが、ちょっと厄介だったのは過去に3千回(3千日)を超えるブログをアーカイブスとしてHP上に残すことだった。面倒なのは、新バージョンに移行させるのに伴い特別なアプリなどがあるわけではなく、毎日のブログをこつこつと新しいアーカイブスとして作り直しHPに残すことだった。結局3千回を超えるブログを毎日日時を遡って新バージョンに移して、今日やっと第1回目の「2007年5月15日」のブログに辿り着き、今日までの3435回(日)分をアーカイブスへ移行する作業は終わった。ホッとしたところである。この作業だけのために半年近い日時を費やした。文字数にして400万語を少しずつ移し替えるという気の遠くなる作業を何とかやり終えた。これで、これからはこれにかけていた時間を他の有益な作業に使える。とにかくやれやれである。

2016年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3434.2016年10月7日(金) 大臣が政治資金を誤魔化している。

 昨日の参議院予算委員会で小池晃・日本共産党書記局長が稲田朋美防衛相の資金管理団体が政治資金の支出に怪しい領収証が多数存在すると追及し、またまた政治家のカネの問題が大きく浮上しようとしている。小池氏によると稲田大臣の事務所は過去3年間に領収証260枚、520万円の支払いがあったと総務省に届けていた。すべて同じ筆跡で稲田氏の団体が書きこんだものであることは間違いない。すべて白紙でもらった領収証に都合の好いように相手、金額、日時などを同一人物が記入したものである。先日来大きな話題を提供している富山市議らの政務活動費のやりくちとまったく同じで、法律の網をかいくぐり政治資金を都合よく使って誤魔化していたものと考えざるを得ない。

 実は、その折菅義偉官房長官も同じような法に触れる質問に応えていたが、2人の大臣とも政治資金規正法に違反していないと述べた。ところが、菅長官は桁違いの資金を「合法的に」領収証を偽造していた。その金額たるや、やはり3年間でざっと1,875万円というからすごい。しかも些かも恥じることなく抗弁した。いかにもいつもの対応通り厚顔の人である。これは今日発行の「しんぶん赤旗」日曜版(10月9日付)に書かれたもので、赤旗編集部が菅氏事務所に問い合わせたところ、政党機関紙からの質問には回答しないと応えたというから余計にやましい。それなら他社の質問には応じるだろうから、各社で菅事務所に問い合わせして欲しい。最近腰砕けの朝日なんか、これからどんな記事を書いてくれるか、座して待とうと思う。

 一方、稲田氏は弁護士でもある。法律を守る立場にいながら、姑息にも政治資金を誤魔化そうとする卑猥な魂胆はどうして生まれるのだろうか。一昨日にも民進党の辻元清美議員が、稲田氏が自民党野党時代に防衛費に子ども手当を回せば、日本は世界でも引けを取らない国防費となると主張していた点で今でも考えは変わらないかと追及され、しどろもどろに応えていた。この答弁は野党の立場にあった当時の身勝手な言い分だが、与党になった途端言い分が変わっている。これが弁護士だというのだから、弁護士とは法律を守らない人たちのために弁護をする人のことだろう。

2016年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3433.2016年10月6日(木) 新国連事務総長にグテーレス・ポルトガル元首相

 昨日沖縄諸島の久米島を中心に国内各地を襲った台風18号は、済州島を始めとして韓国南部にも上陸して、韓国内でも大きな被害を出した。それが今日は一転して青空が顔を出し、気温もぐんぐん上がり都内では31.3℃を記録した。全国最高温度は千葉県茂原市で34℃を記録した。しばらくの間不安定な気象が続くようである。

 さて、今年12月に2期10年の任期を終えて退任する潘基文・国連事務総長の後任に、ポルトガルのグテーレス元首相が選任されることがほぼ確実となった。国際政治における調整役、或いはリーダーとして大きな役割と責任を委ねられている司令塔役の事務総長は、世界的な知名度、能力、交渉力、人望、語学、スピーチなどに勝れている他に私欲がない公平な人が求められる。これまではほとんど大国から選出されず、概してヨーロッパの小国や発展途上国から選出された例が多い。因みに第3代事務総長ウ・タント氏(ビルマ)、6代ガリ氏(エジプト)、7代アナン氏(ガーナ)、現8代の潘基文氏(韓国)らがその典型である。ただ、残念ながら現在の潘事務総長は歴代最悪の事務総長と酷評されるように、国連職員に娘婿や、多数の韓国人を採用して公平性を損ねたり、政治的に中立であるべき職にあるにも拘わらず、北京の天安門広場における反日的な「抗日勝利式典」に参加したり、世界中から悪評ばかりが寄せられている。

 藩事務総長の狙いは、来年行われる韓国大統領選でポスト朴槿恵大統領にあると見られている。そのために公正中立をあまり斟酌せず、反日的言動で韓国内向け人気を得ようと考えていると見られている。10年前の就任前には、麻生財務大臣は日本に有利になると見たのか、潘事務総長をベタ褒めしていたようだが、元々人物鑑識眼がない御仁だけに完全に裏切られてしまった。

 新事務総長は潘事務総長に比べて、一国の首相として活躍した人でもあり、国際社会にとってもプラス面が多いだろう。日本にとっても前事務総長より反日行動を取らない分だけプラス効果が大きいだろう。

 この10年間国際社会では民族紛争や局地戦争が絶えず、難民問題も世界中に大きな苦悩を与えている。ISが生まれる中でテロが世界各地に発生し、却って治安面では以前に比べて後退したような印象を受ける。これらは、潘基文・事務総長のマイナスの成果だと言えよう。その意味でも新事務総長には期待したい。

2016年10月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3432.2016年10月5日(水) 日本が象牙密猟問題で孤立化の恐れ

 今日の駒沢大学マスコミ講座で須磨章講師が、10歳の時に「奇病の陰」という水俣病を告発したNHKドキュメンタリー番組を観て心を打たれ、それが後年NHKに入るきっかけになったと話された。そのビデオを教室で見せてもらった。昭和34年に製作されたもので、偶々現天皇陛下ご成婚の年である。確かに心に痛く響く内容である。その時代には、まだ国は水俣病が公害であると認定せず、病気の原因を巡って熊本大学医学部と新日本窒素肥料㈱(現チッソ)の間で激しい論争が戦わされていた。国が漸く水俣病を公害病と認めたのは、それから9年後のことである。4大公害病のひとつと言われた水俣病がわが国高度経済成長期最中に生まれ、経済発展の陰でマイナス面の現象を徹底的に調査するという考えが当時の厚生省にはなかった。結果的にこれが多くの犠牲者を生むことになり波紋を広げて大きな社会問題となって、対策は遅まきながら取られたが、国家的にも患者個人的にも後遺症となって今もその影響が燻り続けている。ご自身NHKディレクターを務めた須磨講師が薦める番組であるだけに、中々考えさせるドキュメンタリーである。

 さて、日本が国際社会で評判を落とすような事象が起きつつある。かねてよりアフリカ象が密猟により激減し、このまま放置したら絶滅の恐れがあると危惧されている。そこで各国が手を結び密猟防止対策として国内市場を閉鎖することをこれまで話し合ってきたが、思うような結論が出なかった。

 実は、昨日までヨハネスブルグ(南アフリカ)で開催されていたワシントン条約締約国会議で、各国に象牙の国内市場閉鎖を求める決議が承認された。ところが、日本から出席していた山本公一環境相が「日本は違法取引、密猟による市場ではない」と、閉鎖の対象外であるとの認識を示した。これが環境保護のNGOを中心に大きな批判を浴びることになった。深刻な密猟からアフリカ象を守るため、各国内の市場を閉鎖して需要を絶つべきとの機運は、欧米を始め、象牙を輸出したアフリカ諸国にも広がっている。自国だけの都合で各国が市場を閉鎖する中で日本だけがこのまま市場を維持して、世界の多くの人々が納得するだろうか。

 山本環境相は8月の内閣改造で新たに大臣に就任したばかりで、大臣が述べた日本の考えは恐らく環境省の内向き役人が進言したものであろう。だが、それにしても世界の潮流に逆行し、世界中から非難されるようでは先進国の名が泣くのではないだろうか。ここは各国と歩調を合わせて、きっぱり市場を閉鎖して密猟、またアフリカ象絶滅の危機防止に各国と手を結ぶべきではないか。あまりにも利己的に走り過ぎる。国際取引禁止後に特例として2度も象牙を日本に輸出したボツワナの環境大臣ですら、国内市場閉鎖の意向を示した中国やアメリカに謝意を示したという。これでは日本はアフリカ象保護の見地からも中国にさえ置いて行かれ、益々世界の中で孤立化するばかりではないか。

 日本国内でいかなる力に応えようとしたのか、わが環境省も少々身勝手過ぎやしないか。

2016年10月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3431.2016年10月4日(火) ノーベル生理学・医学賞に大隅良典教授

 昨夕突然というより専門家筋の間ではある程度予想されていたことのようだが、今年のノーベル賞生理学・医学賞部門で東京工業大学栄誉教授・大隅良典博士が受賞に決まった。これで日本人受賞者は1949年の湯川秀樹博士以来25人目となった。日本の基礎的な医学や、生物、物理学のレベルが高いことは知られているが、毎年のように受賞者が選出されると同じ日本人として嬉しいことであり、些か鼻が高い。授賞の対象となったのが、不要なたんぱく質を分解し、取り除きリサイクルするという仕組みでオートファジー(自食作用)と呼ばれるようだが、専門外のことで細かい点は難しくてよく分からない。それでもこの仕組みはパーキンソン病やがんなどの病気に関わっており、今後新たな創薬に道を開くものと期待されているという。

 それにしても大隅教授は理系の学者であるが、どういうわけか、東大教養学部を卒業したと経歴には書かれている。我々の時代には、東大の専門課程で教養学部というのはなかったが、それより教養学部という文系から、大学院では理系に進み、最高峰の理系の賞を受賞したとは驚きである。メディアではまったくこの点については触れないが、そういうことには関心がないということだろう。大隅教授の例からすれば、極端に言えば、大学での勉学よりもその先の専門課程の方がより生かされる可能性があるということでもある。

 まずはメデタイ。

2016年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3430.2016年10月3日(月) チェ・ゲバラ、キューバ革命への原点

 先週銀座で大学のゼミ仲間と食事をしながらキューバについて話した折、池田くんから過日NHK・BSで放映された「世界のドキュメンタリー」のひとつ「カストロVSゲバラ」を観たかと問われ、残念ながら見損なったと応えたところ、嬉しいことに録画したのでコピーして送ってくれると言ってくれた。今日それが届いたので、早速観てみた。

 タイトルを見た時まず不審に感じたのは、「VS」の表現だった。フランスの会社が制作したようだが、このVSという表現が理解できなかった。これでは、まるでカストロとゲバラがライバルとして対立、或いは戦いの相手のように誤解される。ビデオを鑑賞してみて、プロデューサーがカストロ・サイドに立っていることが分かった。これを描いた全体像は真実とは言えないと思う。確かに2人の間には、考え方や、意見の食い違いはあったが、それを乗り越えてカストロはゲバラを信頼してゲバラがゲリラ活動にのめり込むことを陰で支えていた。だが、ボリビアにゲバラが行ったのも、カストロの差金のようなことをビデオは述べていた。そんなことはあり得ない。私が心を打たれるのは、お互いに信頼し合いお互いを頼っていたことである。決して自分のために相手を利用するとか、駆け引きに使うなんてことはなかったと信じている。池田くんにはこんな感想を伝えたが、近いうちにもう1度ビデオを観てみようと思っている。

 一方、アマゾンに注文していたゲバラの若かりし頃のDVDも今日届けられた。「モーターサイクル・ダイアリーズ」と題する、ゲバラが医学生だった当時生化学者だった先輩とともに中古オートバイでアルゼンチンからチリ、ペルー、ベネズエラまで南米大陸を北上した半年間に亘る約12,000㎞の旅を伝えるもので、ゲバラのゲリラへのめり込む原点はこの大旅行で見たり感じたことにあったと思える。

 このDVDを通してゲバラの貧しい人々に対する親切心と思いやり、類稀なほど力強い行動力を感じ取ることができる。底辺の人々を助ける高邁な人格が、キューバ革命を成功させた大きな要因だったと信じることができる。とても誰にもできるような芸当ではない。改めてゲバラの人となりに尊敬の気持ちが湧いて来る。その意味でも、前記のドキュメンタリーは今ひとつ納得が行かない。

 ところで、先月27日付ブログに「コロンビアで内戦終結」と書いた。ところが、コロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)の間で交わされた終戦のための合意文書が反故になりかねない事態になった。最終的に国民投票で賛否を決めると約束されて、昨日行われた国民投票の結果は、終戦に反対の意見が多数を占めそうな様相になってきた。99.98%の開票時点で合意内容に反対者は、50.21%、賛成者は49.78%となり、僅差で両当事者を始め、国連やキューバ、アメリカらが積極的に和平交渉に関与して来た終戦合意が覆されようとしている。

 今日の朝日夕刊トップの見出しには「コロンビア和平 反対多数」と大きく出ている。折角積み上げてきた和平の努力が水泡に帰すことになるわけである。潘基文・国連事務総長は今年12月に任期を終了してその座を去るが、格好の置き土産だった筈のこの和平協定が成立しないと、事務総長の失望は大きいだろうし、自身鼎の軽重を問われることにもなりかねない。

 例え、反対票が上回っても国民のほぼ半数が戦争を嫌っているわけでもあるし、今後はお互いに仕切り直しのうえきちんと交渉して揺るがぬ和平合意にまい進してもらいたいものである。

2016年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3429.2016年10月2日(日) 地方議会議員のせこい政務活動費不正

 地方議会で政務活動費の不明朗な支出が全国的に大きな問題になっているが、端緒となったのが富山市議会の一議員の不正行為である。今年8月に富山市議会議員による政務活動費の不正が明らかになって以来、後から後から同じ市議会議員の不正が明るみに出て来た。富山市議会議員の定数は40名だそうだが、その内すでに11名の議員が不正行為を認めて辞職願を提出した。だが、これにより市議会が開けなくなり、近日市議補充のための補欠選挙を実施するそうだが、その余分な費用が馬鹿にならない。もちろんすべての費用は税金で賄われる。議員の個人的な不正行為のためにそのツケを支払わされる市民にとっては堪ったものではない。

 昔は地方議会では慣習により選挙違反と受け取られかねない阿吽の呼吸による駆け引き、談合などが恒常化していたようだが、近年は法的にも、慣習的にも外部の監視が厳しくなり、徒に法に触れる行為は遠ざけられるようになった。

 ところが、富山市議会の場合は、堂々と偽領収書を作成し書類を書き換えて公金をくすねていたというから始末に負えない。しかも、1人不正者が発覚すると同じように脛に傷持つ議員はわが身も危ういと思ったのか、次々と自主的に不正行為をやったと申し出た。ほとんどの辞職議員は、政務活動費を私用の飲食費に充てていたというからその根性の卑しさには呆れるばかりである。

 そして、富山旋風は全国の市町村へ飛び火して、今地方議会を大きく揺るがしている。

 このような政務活動費の不正を防ぐには、住民の監視が必要であるが、現状は住民がチェックするための情報公開が充分ではない。ネットへの公開は全国でも精々1割未満だそうだから、取り敢えずこの辺りの条例を見直すことが先決ではないだろうか。

 本来政務活動費というのは、政治活動に欠かせない費用については議員の負担を軽くして思い切って活動してもらおうとの高邁な考えから公費の支給となった。だが、議員が好意を裏切ったのである。議員は当然ながら給与をいただいているので、政務活動費は使用しない場合支給されず、前受金なら差額を返済するきまりになっている。ところが、邪の議員は返すのが惜しいと思うのか、違法にも必要経費として認めさせようと悪知恵を絞って偽の領収書を作成して公金をポケットに収めようとする。ここに不正が発生する。

 2年前にある兵庫県議会議員が架空の経費を政務活動費として計上して不正を働き、大きな話題となった。露見してテレビ・カメラの前で泣きじゃくり、全国民が呆れ、その映像は海外にも話題を提供した。

 どうも議員のやることはいつの時代にもなくならないようだが、それにしてもせこい。一般人とは感覚が違うようだ。

2016年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com