3429.2016年10月2日(日) 地方議会議員のせこい政務活動費不正

 地方議会で政務活動費の不明朗な支出が全国的に大きな問題になっているが、端緒となったのが富山市議会の一議員の不正行為である。今年8月に富山市議会議員による政務活動費の不正が明らかになって以来、後から後から同じ市議会議員の不正が明るみに出て来た。富山市議会議員の定数は40名だそうだが、その内すでに11名の議員が不正行為を認めて辞職願を提出した。だが、これにより市議会が開けなくなり、近日市議補充のための補欠選挙を実施するそうだが、その余分な費用が馬鹿にならない。もちろんすべての費用は税金で賄われる。議員の個人的な不正行為のためにそのツケを支払わされる市民にとっては堪ったものではない。

 昔は地方議会では慣習により選挙違反と受け取られかねない阿吽の呼吸による駆け引き、談合などが恒常化していたようだが、近年は法的にも、慣習的にも外部の監視が厳しくなり、徒に法に触れる行為は遠ざけられるようになった。

 ところが、富山市議会の場合は、堂々と偽領収書を作成し書類を書き換えて公金をくすねていたというから始末に負えない。しかも、1人不正者が発覚すると同じように脛に傷持つ議員はわが身も危ういと思ったのか、次々と自主的に不正行為をやったと申し出た。ほとんどの辞職議員は、政務活動費を私用の飲食費に充てていたというからその根性の卑しさには呆れるばかりである。

 そして、富山旋風は全国の市町村へ飛び火して、今地方議会を大きく揺るがしている。

 このような政務活動費の不正を防ぐには、住民の監視が必要であるが、現状は住民がチェックするための情報公開が充分ではない。ネットへの公開は全国でも精々1割未満だそうだから、取り敢えずこの辺りの条例を見直すことが先決ではないだろうか。

 本来政務活動費というのは、政治活動に欠かせない費用については議員の負担を軽くして思い切って活動してもらおうとの高邁な考えから公費の支給となった。だが、議員が好意を裏切ったのである。議員は当然ながら給与をいただいているので、政務活動費は使用しない場合支給されず、前受金なら差額を返済するきまりになっている。ところが、邪の議員は返すのが惜しいと思うのか、違法にも必要経費として認めさせようと悪知恵を絞って偽の領収書を作成して公金をポケットに収めようとする。ここに不正が発生する。

 2年前にある兵庫県議会議員が架空の経費を政務活動費として計上して不正を働き、大きな話題となった。露見してテレビ・カメラの前で泣きじゃくり、全国民が呆れ、その映像は海外にも話題を提供した。

 どうも議員のやることはいつの時代にもなくならないようだが、それにしてもせこい。一般人とは感覚が違うようだ。

2016年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com