3533.2017年1月14日(土) 今季最強の寒波襲来

 急激に冷え込んだと思いきや、今季最強の寒波がやって来た。明日も寒さが続くと気象予報は伝えている。北海道から北日本、日本海側はもとより、広島、名古屋でも積雪があったようだ。東京も積雪があるかも知れないと言われていたが、今日のところは雪を見ることはなかった。西高東低の冬型の気圧配置が太平洋側へ大きく張り出していて、実際外は大分寒い。昨晩は妻と外食をともにしたが、とても今日は外へ出かける気はしない。

 この寒さの中で今日から明日まで全国で大学入試センター試験が始まった。約700カ所の試験場となった各大学は無事に試験を終わらせたく、その気の遣いようは並大抵ではない。実際雪のため試験開始時間を遅らせた大学もあるし、受験生がスリップしないよう融雪剤を撒く大学もあるくらいである。毎年のことではあるが、受験生は雪を心配して前日に試験会場の近くに宿泊したり、早く家を出たり、センター試験もこの時期の風物詩になってきた。

 我々の時代にはこんな大学入試センター試験制度はなかった。だが、文科省は、1979年から始まったこの試験を4年後には大きく変更するようだ。

 私自身60年も昔のことになるが、受験では随分苦労しただけに、つい受験生に同情の気持ちが湧いて来る。57万人の全国の受験生諸君にもうゴールは目の前だ、がんばれと言ってあげたい。

 さて、昨年夏以降大きな問題になっている東京都の豊洲市場移転問題について、今日東京都の専門家会議から9回目の地下水モニタリング調査報告が示された。その調査結果には小池百合子知事を始め多くの市場関係者が顔面蒼白になったようだ。安全性を確認するために行われた9回目の調査結果では、何と大きく環境基準を超える有害物質が初めて検出されたからである。ベンゼンは環境基準の実に79倍もあったというし、環境上あってはいけないとされているヒ素も見つかった。実は7回目までの調査では環境基準を上回る有害物質は検出されていなかった。それが前回8回目の調査で、初めて僅かながらベンゼンとヒ素が検出された。そのうえ9回目になって有害物質が大量に検出されたことによって、食の安全について疑問が呈されたわけである。これで築地から豊洲への移転はまた遅れる可能性が出て来た。他にもクリアしなければならない問題もあるので、今後移転のスケジュールをどう調整していくのか。東京都にとっても、関係者にとってもまた頭の痛い問題が発生してしまった。

2017年1月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3532.2017年1月13日(金) どうも気になるトランプ次期大統領の言動

 昨日のトランプ次期米大統領の記者会見の興奮冷めやらぬというところだろうか、新聞、テレビの話題はそれで持ち切りである。日本サイドには、トランプ氏の対応を好意的に見ている人はほとんどいない。政府でも菅官房長官は、まだ正式に大統領になっていない人なので具体的なコメントは差し控えると腰が引けているが、二階自民党幹事長などは米軍駐留費の分担や、貿易赤字の原因は当事者同士が充分話し合いの末に決められたルールに基づいて行われたものだと、不快感を示しトランプ氏の発言を諫めている。

 フェーク・ニュースを流したとしてCNNに対するかたき討ちのような対応は、超大国の大統領になる人物としてはあまりにも常軌を逸していて見苦しい。いかに質問する記者が気に入らないからと言ってメディアを差別し、自分の思い通りに扱ってくれる報道を立てるようでは、報道管制となりかねず、言論の自由がどこかへ消え失せてしまう。そしてメディアが、常に大統領サイドの考えを国民に知らしめることだけに気を遣い、気が付いた時には、やや印象は異なるが高圧的なプーチンや習近平、金正雲のスタイルと同じになることを恐れる。

 記者会見は総じて各メディアに評判が悪い。朝日にして然り、日経も厳しい。特に日経は世界中の人々の疑問はほとんど解消されなかったと言い、今朝の社説に「トランプ氏は疑問にきちんと答えよ」として、会見の中身は超大国の指導者としてはお粗末だったと手厳しい。

 ロシアが握っている情報でトランプ・サイドが得たものの中には、以前トランプ氏が1泊196万円でモスクワの超デラックス・ホテルに宿泊した際、室内に仕掛けられた盗聴器に女性との怪しげな会話が録音されているとの話もある。質問した記者が断言はしなかったが、録音された情報が明かされれば、身の振り方を考えるかと聞かれて、そういうことは絶対にないと話題を変えてしまったが、その辺りがどうも臭い。

 品もなく、ただ口汚く喚くだけの下品な大統領が、各国の常識的な首脳とトップ会談をスムーズにやって行けるのだろうか、些か疑問である。これからこんなパフォーマンスでアメリカの考えを押し付けられるとしたら堪ったものではない。

 嫌な兆候はすでにいくつかの場面で現実となっている。そのひとつが、今日フランスの極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首がトランプ・タワー訪れたことである。トランプ氏と会ったかどうかは確認出来ないが、保守という以上に極右派のルペン氏とトランプ氏が接触し、お互いの信条に共感し意気投合しないことを祈るばかりである。

2017年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3531.2017年1月12日(木) トランプ米次期大統領、初めての記者会見

 昨日オバマ米大統領が最後の演説をした翌日の今朝未明、トランプ次期大統領が選挙で勝利を収めて以来初めて自らの所有するビル、トランプタワーで記者会見を行った。これまで公的に記者会見を行わず、一方的に140語以内のツィッターで言いたい放題のトランプ節だった。早速朝日夕刊「素粒子」に「協調と寛容の理想を語る米大統領から排他と対立を扇動する大統領へ。あられもない現実。その落差にめまいが。」と皮肉一杯に書かれている。

 その記者会見の光景をテレビで観てもこれまでの大統領記者会見とは大分様子が違うと感じた。質問する記者に指を差してがなり立てる。最後は質問を打ち切り、一方的に会見を終わらせる。その中でアメリカの雇用創出を強調することは結構だが、相も変わらず①自国の利益を最優先し、②中国、日本、メキシコとの貿易赤字を問題視し、③大統領選のサイバー攻撃はロシアがやったと述べ、④メキシコとの国境に壁を作る、など予想されていたとは言え、自らの論理、立場からの一方的な発言に終始した。都合の悪い質問には、応えなかったり、気に入らない記者や「フェーク(虚偽)・ニュース」を流したとしてCNN記者に対しては質問しようとしても拒否したり指名しなかった。世界が注目し、300人を超えるジャーナリストが取材に来た舞台で、生来の我儘が出て一国の大統領としてあまりにも抱擁力のない態度では、この先メディアとの対応が出来るのだろうか心配になってきた。海外での記者会見では、もっと厳しい質問がぶつけられると予想されるが、カッとなって今日にように気に入らなければ会見打ち切りということにならなければ好いがと不安である。メディアにとっても頭の痛いところに違いない。

 さて、噂では耳に挟んでいたが、こんな手荒なことをインドが現実にやってのけたのには驚いた。

 まず、衝撃的なのは、インドでは所得税を払う人が人口のたった2%にしか過ぎないということである。それが国家財政の大きな赤字の原因となっている。庶民は課税対象から逃れやすい現金取引で商売をし、生活を営んでいる。そこに注目した政府は、昨年11月8日にモディ首相が商取引を把握し、所得税を収めさせる手段を実行に移すと公表した。まず、不正蓄財や偽造紙幣を根絶するために、最高額紙幣、及び高額紙幣を無効にすると一方的に宣言し、即座に翌9日からこれを実施したのである。全発行現金の約86%、国内総生産(GDP)の約12%を無効にしてしまったのだ。このため深刻な現金不足が起きた。インドの中小企業では現金が足りないため、給与が支払えない。卸売市場では、仲買人が現金不足で極端に買い控え状態になっているという。農村部では、都会向けの農産物が売れなくなり深刻な現金不足に陥っている。

 政府は取引の実態を把握するために、支払いを透明性の高いカードや電子取引を勧めている。だが、現金廃止以後1ヶ月余りで零細企業の収益は50%も減り、35%の雇用が失われたとトランプ氏が聞けばびっくりするような沈滞ムードのようだ。

 流石にノーベル経済学賞を受賞したインド人学者アマルティア・セン・ハーバード大教授が、キャッシュレス化が正しいとしても何年もかけて実施するべきで、やり方があまりにも拙速だと手厳しい。

 それにしても現金総額の発行高は、そこに至るまでに諸々の原因や経緯があるわけでそう簡単に一刀両断に決められるものではない。失礼ながら今後のインド経済の成行をしばらく拝見させてもらいたいと思っているくらいである。

2017年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3530.2017年1月11日(水) 2019年天皇退位とオバマ大統領最後の演説

 昨年8月に天皇がご高齢による健康上の理由で、生前退位の意向をビデオ・メッセージで公表されてから有識者会議などでいろいろ検討されたようだが、ことがことだけに早急な結論を公式に発表することもなく、政府には少々及び腰の動きがあっただけである。

 それが、突然のように今日の朝刊各紙で天皇退位について報道された。まだ詳細が決まったわけではないが、①2018年1月1日に皇太子殿下が新天皇に即位し、②その日から新たな元号とする方向で新たな検討に入った。天皇が日本中にビデオで心中を披歴して、国民の理解を得ようとされた気持ちを漸く汲んでくれたというところである。この間にも両陛下は公用で全国各地へお出かけになっておられる。現在天皇は83歳になられ、美智子皇后は82歳でかなり多忙で過重なお役目を果たしておられる。これらのお役目から少しでも解放してあげることが出来ないものかと、心ある国民は思っている。聞くところに依れば、2月末からベトナムとタイへお出かけになられるという。昨年はフィリピン、一昨年にはパラオ諸島に戦没者の慰霊に出かけられた。暑い国々なだけに、ご高齢の両陛下にとっては余計身体的に負担がかかるのではないかと思う。

 取り敢えず、ある程度方向性が決まったので、とにかく両陛下にはご無理をされず、ほどほどにお役目を務めていただきたいと願っている。

 さて、2期8年間アメリカの大統領を務めたバラク・オバマ大統領が20日の退任を控えてホワイトハウスではなく、弁護士としてスタートしたシカゴの地で最後の演説を行った。8年前の就任時は‘Yes, we can.’の決まり文句で黒人大統領として颯爽と登場した時、国内外から大きな期待が寄せられた。私もそのひとりである。その大統領就任の年にノーベル平和賞も受賞された。結果としては期待したほどの実績は残せなかったが、常に話し合って事態を解決しようとの意気込みは感じた。却って対立するような結果も招いたが、それは相手もいることだし止むを得なかったのではないかとも思っている。任期8年間にアメリカの失業率が減少したことが最大の実績として評価されているが、それより私は半世紀以上に亘って続いていたキューバとの国交断絶を復活させたことと、医療保険改革制度(オバマ・ケア)の実現だと思っている。

 オバマ大統領は後任のトランプ氏に対して、多様性を受け入れるよう求め、移民への強硬姿勢やイスラム教徒への排他的態度を牽制した。最後を飾るに相応しいインテリらしい説得力のあるスピーチだったが、これが無頼漢のように喚き散らす暴言王トランプ大統領になって、この後アメリカはどう変わるのだろうか。アメリカ国民、アメリカの政治や外交、メディア、産業界なども些か劣化しているような空気があり、心配で見ていられない。

2017年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3529.2017年1月10日(火) 益々ヒートアップするトランプ砲

 今日ドイツから航空便を受け取った。ところが、封筒がビニール袋に入れられて、少々異様な形になっている。よく見ると封筒の裏面が大きく破れて中から便箋がこぼれそうになっている。それを防止するためにそのビニール袋に収めたのだ。ビニール袋の裏面には、親切にも英仏独語で説明文が書いてある。英語では‘Regrettably, the item was damaged and has therefore been provided with a plastic cover by the Deutsche Post.’(お気の毒ですが、この品目は傷ついていますので、プラスティック・カバーで手当てしました。ドイツ郵便局)というようなことが書かれてある。リューデスハイムに住む友人からの手紙である。もう40年以上も交誼を続けている親しい日本人で、かつてはドイツで専門知識を有する通訳を必要とする場合いつもお願いしていた。手紙には年賀状風に、ドイツ人の奥さんが父親の面倒見に追われているが、一時深刻だった友人自身の心臓機能は正常に戻ったとホッとさせる内容だった。昨年11月には息子さんがドイツ人女性と結婚したとの明るいニュースも書き添えてある。ドイツでは今難民流入がトラブルを引き起こしているが、彼も察するところ難民を受け入れるメルケル首相の政策にはあまり賛成を示していないようだ。だが、1年に1度であるが、ドイツ人になり切った友人からドイツ人の本音を知ることが出来るのは有難いと思っている。

 それにしても、封筒の破れた個所にセロテープで留めれば充分だと思えるのに、ドイツ人というのは何と厳格な几帳面さを持っているのかと感心する。

 さて、アメリカでは間もなくドナルド・トランプ新大統領が誕生する。普通の常識人とはかけ離れて型破りの放言王にして、人種差別論者である。そのトランプ氏が間もなくアメリカ、否世界でも最高の地位に就くからアメリカ内外でトランプ氏に対する評価は賛否両論である。

 昨日は、映画のゴールデングローブ賞を受賞した女優のメリル・ストリープさんが、選挙戦中に障害者の記者をからかう真似をしたと授賞式でトランプ氏を批判した。会場にいたゲストも深刻な顔をしてストリープさんのスピーチに耳を傾けていた。これに対してトランプ氏は直ちに得意のツィッターで反論したが、どうも批判されると言い返すだけの行為自体が子ども染みている。そうかと思うとホワイトハウスの上級顧問に娘婿クシュナー氏を起用すると発表した。クシュナー氏自身は優秀な人材のようだが、ホワイトハウスや政府の要職には、「反縁故法」という法律で身内を任命出来ないことになっている。それに対して無給で職に就くという。それなら法に違反しない。でも、無給なら身内でも良いのか、大金持ちなら身内を要職に就くことが出来るのかという疑問は残る。それでは、「反縁故法」なんてあってないようなものだ。どこまでも型破りのトランプ氏に対してこんな状態で4年間も世界が我慢出来るだろうか。

 ことは海外でもトラブルを起こしつつある。現在中国が「中国は一つ」との建前で、他国が台湾の領袖に接触することを警戒しているが、ラテン・アメリカ諸国を訪問中の台湾の蔡英文・総統が近日帰途トランプ氏に会うのではないかと神経を尖らせている。

 また、ここ数日トランプ氏のメキシコへ工場を新設する自動車メーカーへの非難がヒートアップしている。フォード社が降参し、フィアット・クライスラー社も白旗を掲げた。トヨタはメキシコから撤退せず、アメリカ国内で雇用を増やし、今後5年間で1.1兆円の投資をすると公表している。トランプ対車メーカーの勝負はどうなるだろうか。また、他の産業分野で似たようなトラブルが起こらないだろうか。近来稀な人騒がせ男である。

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3528.2017年1月9日(月) 戦火のベトナムへ出かけて半世紀

 今日は成人の日である。今では各地の自治体が新成人を祝う行事や催し物を主催してくれるようになり、正に至れり尽くせりだ。私自身の成人式は、生憎浪人生活2年目で目前の大学受験に立ち向かうだけで精一杯で、とても成人式どころではなく思い出は何ひとつない。 

 さて、ちょうど半世紀前1967年の今日は、ひとりでベトナム戦争中のサイゴン(現ホー・チ・ミン)市内を彷徨い歩いていた。この時南ベトナムの首都だったサイゴンで戦争の本当の臨場感、怖さというものを初めて知った。ピリピリするような緊張感の中で回りを気にしながら駈けずり回っていた。太平洋戦争中も空襲下で多少戦争というものを感じてはいたが、終戦時に小学校に入ったばかりで本当の恐怖感のようなものは分かっているとは言えない。サイゴンでは直ぐタン・ソン・ニュット空港で米軍兵にわめかれ睨みつけられ、市内では数日前に爆発があった市場やメコン川、アメリカ大使館、韓国大使館を巡ったり、米軍宿舎前では警戒中の兵士に銃を向けられ、ホールドアップして勘弁してもらった。道路上では装甲車や戦車の行列に行き合い、厳しい戦争というものを成人として自分の目と身体で知った。

 ホテルではチェックイン時にローソクとマッチを手渡されたが、夜になってその意味が分かった。ホテル内が突然停電になって真っ暗闇になったのだ。夜空に砲弾を打ち上げ火花が上がったように、ドンパチと炸裂音が聞こえ、ホテル前を何台もの軍用車がけたたましくサイレンを鳴らしながら走り回っていた。騒然たる雰囲気だった。そんな状態は夜通し続き、とても安眠出来る場合ではなかった。サイゴンを去って間もなく南ベトナムは観光客の入国を禁じた。戦火は益々拡大していった。そして、翌1968年の旧正月にいわゆるベトコンによる激しいテト攻勢により、南ベトナム軍兵士と市民の間に多数の死傷者を出した。ベトナム戦争でも象徴的なエポックとなったテロだった。

 ベトナム戦争の終結は、あれから7年後の1975年まで待たなければならなかった。私にとっては海外への目を開かせてくれる旅となった。一昨年4月ベトナム戦争終結40周年に際し、元べ平連の小中陽太郎さんらと気勢を挙げたが、実に感慨深い。自分にとって自らを成長させ、得難い臨場感というものを感得させてくれた戦時下のベトナムへの旅だった。

 翻って現在の戦争は、ずっと複雑になった。内戦や局地戦が目立つようになり、どことどこが戦っているのか、敵と味方が一目では分からなくなった。戦争に容認出来る理由なんてないが、戦争勃発の要因も、かつてのように多少は同情出来るそれなりの一理ある開戦理由も見つけられず、他国からテロリストが入り込み片方に手を貸すようになった。突然街を歩いていてテロリストに狙撃されることがあるように、今の戦争は正義や道理のない単なる人殺しに過ぎない。国同士の戦いというより部族間、民族間、宗教間の理性や正義が伴わない戦争が起きるようになった。このまま戦争が飛び火したり、無差別爆撃の結果罹災者が増え、難民が溢れ、彼らが世界中に彷徨うようになると、一層大きな不安材料を撒き散らすことになる。

 アメリカではトランプ氏が次期大統領に就任することが決まっているが、これが世界に不安を増大させるのか、或いは収束させるのか、不安な気持ちでいる。まったくどうしてこんな不安感が蔓延る落ち着きのない世の中になってしまったのだろうか。

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3527.2017年1月8日(日) 歴史的事件訂正と歴史的表現抹消

 この2、3年だと思うが、日本史上の大きな事象や事件が訂正されることが目立つようになった。歴史的な言葉や表現も改定されたり、抹消となることがある。抹消となった言葉の最たるものは、誰もが学校で学んだ「士農工商」である。江戸時代の階級制・身分制を表す言葉として、日本史で散々習ったものだ。だが、近年になって当時の武士はともかく、農工商の間には身分による差別はなかったので、反って「士農工商」という言葉は差別を容認する言葉として適当ではないと今ごろになって歴史家が身勝手なことを言い出し、「士農工商」は差別用語に組み入れられ、表立って使えなくなってしまった。そのため私は「士農工商○○○」というタイトルで現代社会に現実にある階級制度を批判的に書いた草稿を温めていたが、今になってどういうタイトルで書き直すか改めて検討しているところである。

 更にこれも10年前ごろから一部で言われていたという訂正である。私自身2年ぐらい前に初めて知って驚いた訂正事項である。衝撃を受けたのは、1192年開始とされていた鎌倉時代を1185年に訂正するという歴史年次の変更だった。これまでは源頼朝が征夷大将軍に任命された1192年を鎌倉時代の幕開けとしていたが、実質的に壇ノ浦で源氏が平家を破り、敵対勢力が消え、正式に朝廷から守護、地頭任命の権限を認められた1185年を、幕府開始の年と変更するようになったことである。年号を変更した方が日本史としては史実に近いと言えるのかも知れないが、受験勉強でバカの一つ覚えのように「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」と暗誦したことが、60年以上も経って「訂正します」と唐突に言われても釈然としない。

 そこへ今朝の朝日新聞「文化の扉」欄で、やはり鎌倉時代の2大事件の認識を変えさせられるような記事が掲載されていた。2つとも「元寇」に関することである。モンゴル襲来の神話的内容を現実的に変更させるような記事である。元寇と言えば、1274年の文永の役と1281年の弘安の役を指すが、いずれも教科書では神風が吹いて襲来した元軍が退却したと学んだ。ところが、記事によれば、神風ではなく風は吹いたようだが、実際には戦略の不備と食料不足により撤退したことが真相だそうだ。神風は都合よく歪曲されて太平洋戦争中に戦地で戦った旧日本軍兵士の神州不滅の国民意識形勢に大きな影響を与えたほどである。

 何だかよく分からない内に、苦労して覚えた史実をどんどん変えられたのでは、日本史も軽薄なものになってしまう。「神の国」を信じて戦い亡くなった元兵士たちは、黄泉の国でこれをどう思っているだろうか。

2017年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3526.2017年1月7日(土) 日韓両国間にまた暗雲漂う。

 日韓両国間にまた険悪な空気が漂ってきた。日本政府は釜山市民の慰安婦少女像設置について、韓国政府が一昨年12月の日韓合意に沿った適切な行為を取らなかったことから、長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山総領事の一時帰国、通貨交換の再開に向けた協議の中断などを実行すると通告した。

 ことの始まりは、韓国市民団体が釜山にある日本総領事館前の公道に従軍慰安婦を象徴する少女像を設置したが、釜山市が取り去ったところ市民の抗議に屈して市が少女像の設置を認めてしまった。これに対して日本政府が日韓合意に反すると抗議したところ、韓国政府は地方都市の問題であるとして取り合わなかったことがことを大きくした。未だにソウル市内の日本大使館前には同じ少女像が設置されたままで、日韓合意で撤去するという約束が守られていないところへ、新たに釜山の日本総領事館前に下品な慰安婦像を設置したことに日本政府として遺憾の表意以上に強い行動に出たものである。

 この日本政府の対応に対して、オウム返しに韓国政府が遺憾の意を表明する有様である。日本政府は日韓合意に伴って韓国にすでに10億円まで支払っている。事態は急速に冷え切って厳しい東アジアの中で、安保問題が憂慮されている。朴槿恵・大統領の不在でリーダー不足の韓国は今やレームダック状態である。韓国政府は、もう少し大人の対応を取れないものだろうか。

 さて、久しぶりに花園ラグビー場で開催中の全国高校ラグビー決勝戦のテレビ中継を観た。昨年度優勝校の東海大仰星高に対して、一昨年優勝校・東福岡高FWの激しい肉弾戦が面白かった。結局1トライ、1ゴール差の28-21で東福岡高が2年ぶり6回目の優勝を飾った。同校は昨年サッカーで全国優勝を飾ったが、全校でスポーツに力を注いでいる。全国から選りすぐった部員を集め、総数は106名もいるというからレギュラー選手になるのも大変だろう。監督の話では、FW8選手の平均体重が100㎏を超えるというから大学級でスクラムの押しも強いわけだ。

 今や学校の名を高めるための大きな手段として、運動部が活躍することが大きな目玉となって有利に働いている。従って学区制のある公立校では、そんなことはできない。私立強豪校のやり方が良いか、悪いかは何とも言えないが、つい最近も日大東北高柔道部内でコーチ講師による暴力事件が発生したばかりである。強くするためにやったことが暴力行為だとしたら、学校スポーツとは言えないと思う。関係者はその辺りを充分考えなければならない。全国から実力ある中学生を集めて、運動部が強くなっても暴力が蔓延ったり、そのスポーツをやったこと自体がその後の人生において何の役にも立たなかったのでは本末転倒ではないだろうか。

 強豪高校同士の試合を観ていてふっとそんなことが思い浮かんだ。

2017年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3525.2017年1月6日(金) 75歳以上を「高齢者」に

 昨日日本老年学会と日本老年医学会という2つの学会が、国に「高齢者は75歳以上に」と提言した。これまで65歳以上を高齢者と見做す定義だったが、これを10歳も上回る「定義」の変更である。これには、平均寿命が大きく伸びたことと、65~74歳は心身ともに元気な人が多く、こういう人たちを高齢者と呼ぶのは時代に合わないと考えられたことが大きいようだ。

 この提言にはそれなりの根拠のようなものがある。高齢者を65歳以上と定義した1956年は、平均年齢が男性63.59歳、女性67.54歳だった。それが2015年には男性80.79歳、女性87.05歳と大きく伸びた。これで年金原資が将来的に心配されて制度改革が急務とされる別の問題も出ている。

 しかし、総合的に年金制度の改革がなされるのは理解できるが、単に平均年齢が伸びたことだけで制度改革まで踏み込むことはどうだろうか。それよりこの提言では、75~89歳を「高齢者」とし、90歳以上を「超高齢者」と呼び、現在「前期高齢者」と呼ばれている65~74歳を「準高齢者」と呼ぶことにするようだ。

 現在78歳の私は「後期高齢者」のカテゴリーに入る。この提言が新定義とされても「後期」という2文字は除かれるが高齢者であることに変わりはない。私ら高齢者にとってはどちらでも好いことである。

 さて、国際感覚と普通の常識に欠けるトランプ次期米大統領が、トヨタ自動車が工事を始めたメキシコ工場建設に反対し、トヨタ車がアメリカに輸入されたら35%の高関税をかけるとツィッターで吠えたようだが、少々常軌を逸していると思う。ひとりのアメリカ人が、それも大統領になってもいない人物が、他国の経済活動に指図するとは傲岸不遜も甚だしいと思う。一昨日このブログにGMとフォードがメキシコ工場建設を白紙撤回すると表明し、実質的に自国の経済活動にブレーキをかけたが、トヨタ社長がトヨタは計画を進めると語ったことに対して、トランプ氏がツィッター上でお灸をすえたのだ。本来経済活動は国家を危機に追い込むなら話は別だが、通常は政治から独立し自由に活動できる筈である。それをアメリカ産業のリーディング・カンパニーに対して悉く営業活動を停止させるようでは、自由な国アメリカの看板が泣くのではないか。況や他国の経済活動にまで口出しするとは、呆れかえるばかりである。どうしてアメリカ産業界とアメリカ・メディアはこんな横暴に対して反論しようとしないのだろうか。それにしてもアメリカ人はよくぞこんなデタラメな人物を国家のリーダーに選んだものである。アメリカ人は体裁を装うが、その実本音はそうではなく、こんなレベルの人間に国を任せないと生き残れないとは、がっかりさせるではないか。

 誰が考えても分かるように、これでは他国に対して第三国における経済活動を抑制せよと命令しているに等しい。こんな権限がトランプ氏やアメリカにあるとでも思っているのだろうか。今に始まったことではないが、あまりにも傲慢ではないだろうか。これから先が心配になってくる。

2017年1月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3524.2017年1月5日(木) 新国連事務総長にアントニオ・グテーレス氏

 大ニュースなのにうっかり見落としていた。この元旦10年ぶりに国連事務総長が代わった。韓国の前事務総長・潘基文氏からポルトガルの元首相アントニオ・グテーレス氏にその職が引き継がれた。グテーレス氏は今年67歳だというから政治家としては脂がのっている時であろう。

 前任者の潘基文氏は一部には史上最低の事務総長と揶揄されあまり評判がよろしくなかった。在任中取り立ててこれという実績はなかったが、それでも韓国人としては国家の誇りでもあった。その中でも公平であるべき立場にも拘わらず、裏に何があったのか、中立の立場を忘れることがあった。中国南京で反日行為を支援するかのように南京虐殺の現場へわざわざ出かけて反日的な言動をして、国連事務総長の立場上不謹慎との批判をされたことがあった。この後来年予定される韓国大統領選挙で意欲満々とされているが、前国連事務総長の看板を背負って、果たして選挙戦で勝ち抜いて弾劾されている朴槿恵大統領の後を引き継いで韓国政治をまともな路線へ戻すことができるだろうか。

 珍しいことに国連事務総長については、格別任期が決められておらず慣習に従っているようだ。一応1期5年ということでこれまで事務総長は、ほとんど2期10年間を務めていた。これから新事務総長は順調なら2026年12月31日まで務めることになる。ただ、難民問題やシリア内戦、国際過激派テロ、更には無法化しつつある中国の海洋進出など問題山積である。この他にも、最近トランプ次期米大統領や、フィリピンのドゥテルテ大統領が国連を軽視した発言をしたり、国連安保理事会がヨルダン川西岸と東エルサレムでイスラエルが進めるパレスチナ入植地建設を違法だと非難し、建設停止を求める決議案をアメリカが棄権したことにより採択したことについて、イスラエルが国連を逆恨みしているのが現状である。こういうささくれだった国際環境の中で事務総長の舵取りは益々難しくなることが予想される。

 それにしても正月休みというせいもあるが、これだけの大人事をメディアが揃いも揃って報道していないとは、何たる手抜きだろうか。新年早々箍が緩んでいるのではないだろうか。

2017年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com