3525.2017年1月6日(金) 75歳以上を「高齢者」に

 昨日日本老年学会と日本老年医学会という2つの学会が、国に「高齢者は75歳以上に」と提言した。これまで65歳以上を高齢者と見做す定義だったが、これを10歳も上回る「定義」の変更である。これには、平均寿命が大きく伸びたことと、65~74歳は心身ともに元気な人が多く、こういう人たちを高齢者と呼ぶのは時代に合わないと考えられたことが大きいようだ。

 この提言にはそれなりの根拠のようなものがある。高齢者を65歳以上と定義した1956年は、平均年齢が男性63.59歳、女性67.54歳だった。それが2015年には男性80.79歳、女性87.05歳と大きく伸びた。これで年金原資が将来的に心配されて制度改革が急務とされる別の問題も出ている。

 しかし、総合的に年金制度の改革がなされるのは理解できるが、単に平均年齢が伸びたことだけで制度改革まで踏み込むことはどうだろうか。それよりこの提言では、75~89歳を「高齢者」とし、90歳以上を「超高齢者」と呼び、現在「前期高齢者」と呼ばれている65~74歳を「準高齢者」と呼ぶことにするようだ。

 現在78歳の私は「後期高齢者」のカテゴリーに入る。この提言が新定義とされても「後期」という2文字は除かれるが高齢者であることに変わりはない。私ら高齢者にとってはどちらでも好いことである。

 さて、国際感覚と普通の常識に欠けるトランプ次期米大統領が、トヨタ自動車が工事を始めたメキシコ工場建設に反対し、トヨタ車がアメリカに輸入されたら35%の高関税をかけるとツィッターで吠えたようだが、少々常軌を逸していると思う。ひとりのアメリカ人が、それも大統領になってもいない人物が、他国の経済活動に指図するとは傲岸不遜も甚だしいと思う。一昨日このブログにGMとフォードがメキシコ工場建設を白紙撤回すると表明し、実質的に自国の経済活動にブレーキをかけたが、トヨタ社長がトヨタは計画を進めると語ったことに対して、トランプ氏がツィッター上でお灸をすえたのだ。本来経済活動は国家を危機に追い込むなら話は別だが、通常は政治から独立し自由に活動できる筈である。それをアメリカ産業のリーディング・カンパニーに対して悉く営業活動を停止させるようでは、自由な国アメリカの看板が泣くのではないか。況や他国の経済活動にまで口出しするとは、呆れかえるばかりである。どうしてアメリカ産業界とアメリカ・メディアはこんな横暴に対して反論しようとしないのだろうか。それにしてもアメリカ人はよくぞこんなデタラメな人物を国家のリーダーに選んだものである。アメリカ人は体裁を装うが、その実本音はそうではなく、こんなレベルの人間に国を任せないと生き残れないとは、がっかりさせるではないか。

 誰が考えても分かるように、これでは他国に対して第三国における経済活動を抑制せよと命令しているに等しい。こんな権限がトランプ氏やアメリカにあるとでも思っているのだろうか。今に始まったことではないが、あまりにも傲慢ではないだろうか。これから先が心配になってくる。

2017年1月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com