3661.2017年5月22日(月) トランプ大統領のアラブ行脚

 昨日弾道ミサイルを発射して、また国際社会に過激な緊張状態を強いた北朝鮮の周辺では大分苛立ちが目立っている。中でも日本にとって衝撃的なのは、ウォール・ストリート・ジャーナル紙ジェラルド・ベーカー編集局長が、北朝鮮が開発中の大陸間弾道弾(ICBM)を保有するようになれば、日米同盟の力が弱まると語ったことである。それは、ICBMの射程内に入るサンフランシスコが核兵器で壊滅させられるかもしれないのに、アメリカが自国防衛を放置して日本や韓国を防衛する見込みはないので、日米同盟の力は弱まるということを指摘しているのだ。結局これまで米軍が極東海域を中心に広く軍事力を展開していられたのは、アメリカ本土が同地域から離れていて敵国の攻撃が及ばず安全だと認識していたからである。それが自らの尻に火がつくようになれば、まず自国を防衛しなければならず、他国の防衛どころではないという本音である。

 かつての第1次、第2次世界大戦のように旧式の戦法、戦略で戦うならともかく、今では飛び道具、しかも最新の技術を駆使した精密なミサイルのような兵器を使用するようになれば、北朝鮮のように国民を巻き添えに国家破滅を覚悟してでも世界中で受け入れられない身勝手な自己主張をアピールしようという、愚かな国家が現出した以上共倒れのような事態を招来する可能性が見えた。実に恐ろしく陰険な時代になったものである。

 さて、トランプ大統領は昨日から初の外遊先としてサウジアラビアを訪れているが、一部のアメリカ・メディアはこれをロシア疑惑から逃れるための逃避行と批判的に取り上げている。かつて、ウォーターゲート事件で孤立無援の中を同じようにサウジアラビアを訪問したニクソン元大統領のケースに例えているのである。

 今年1月大統領就任早々アラブ諸国からの入国者を制限していながら、アラブの50ヶ国もの首脳を集めて、対ISのために結束を強めるようスピーチしたようだが、この身勝手さは二枚舌外交も極まれりではないか。

 それにしても、日に日に反トランプ・ムードは高まり、就任時に46%だった支持率が、今では38%まで下がり、逆に不支持率は1月には44%だったが、現在では56%にまで跳ね上がってしまった。モロー特別検察官任命を機に、トランプ大統領に対する弾劾の動きも見えて来た。

 大統領はこれからイスラエルに向かうようだが、ロシアへの機密情報疑惑がクローズアップされている折、漏らしたとされる情報はイスラエルから得たものである。大統領選中、自らが大統領に選任されたら、アメリカ大使館を現在のテルアビブからエルサレムへ移転すると公言していた。トランプ大統領の弱みを握ったネタニエフ首相は、これらの点を考えたのかどうか、イスラエルの首都はエルサレムだとトランプ氏入国前に早々とアドバルーンを上げ、トランプ氏がイスラエルのご機嫌を伺う発言をすることを期待しているように思える。

 エルサレムは隣国ヨルダンや、パレスチナ自治区との境界線の問題が絡んで、首都は国際的にはテルアビブとされている。エルサレム東半分を占領されて奪われたヨルダンなどが認めていないからだ。それを軽薄で無分別なトランプ氏の放言を逆手に取って、首都として認めさせようというのは、ネタニエフ流儀なのだろうか。それに応えれば、迂闊なトランプ氏の罪滅ぼしでもある。イスラエル国民を前にして、トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都であると言い切ることが出来るだろうか。

2017年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3660.2017年5月21日(日) イランはこれからどこへ向かうのか?

 一昨日行われたイラン大統領選挙で、保守穏健派と言われるロハニ氏が再選された。この国はよく分からないところがある。この国を統治するその最高職位は大統領であるが、ややこしいのはそのうえに最高指導者とされるハメネイ師という存在があって、大統領は何かとハメネイ師と相談しながら政界をリードしていくようだ。考え方によっては2頭政治と誤解されかねない行政組織である。ロハニ大統領は、反米的だったアフマディネジャド前大統領に比べれば、遥かにアメリカとの融和外交を心がけ演出している。かつて厳しい経済制裁により国民生活が苦しかった2015年7月、ロハニ大統領は核兵器開発につながるウラン濃縮活動を制限する見返りに、国際社会が制裁を解除する核合意を米ロら核大国6カ国と締結し、一歩アメリカ寄りの姿勢を見せた。

 ところが、オバマ前大統領の対イラン政策に不満を抱くトランプ大統領は、イランへの警戒を緩めようとしない。選りによってイラン大統領選が行われたこの時期に、イランと対立的立場にあるサウジアラビアを初の外遊先に選び、あまつさえアメリカ史上最大規模とされる12兆円の武器輸出で合意するなど、イランから反発を買いそうな露骨な経済外交をスタートさせた。

 私が初めてイランを訪れたのは、ちょうど半世紀前の1967年だった。まだ、ペルシャ王朝3千年に亘る栄光の伝統を継いでいた華やかなパーレビ国王時代だった。紙幣、貨幣にはパーレビ国王の顔が刻まれ、空港、バス・センターや、市内の目立つ場所には悉く国王の肖像画が描かれて飾ってあった。その当時は、まだ蜜月関係にあったアメリカとイランだったが、1979年ホメイニ師によるイラン革命によって富、贅沢という媚薬に浸っていた親米派のパーレビ国王は国を追われ、両国は冷たい外交関係に変わって行った。革命後20年を経た1999年イランを再訪した時、そこにはパーレビ国王の残像はまったくなかった。悪化したアメリカ・イランの外交関係が、漸くオバマ時代になってロハニ師の歩み寄りもあって徐々に縒りを戻しつつあった。

 それがトランプ大統領の登場により先行きが怪しくなって、アメリカとイランの間は再び離反しそうな雲行きになってきた。アメリカとイランの関係がこじれると、イランが再び核開発に取り組むようになり、それは第2の北朝鮮問題になりかねない。

 と思っていたら、問題児・北朝鮮が今日午後5時ごろ何とまたまた弾道ミサイルを発射したのだ。1週間前に発射したばかりである。米中の圧力がまったく効いていない。北朝鮮を懲らしめるためにはどうすれば良いのか。異端児・北朝鮮の世界中に迷惑をかける我儘ぶり、身の程知らずとおバカさんを担ぎ上げる政治体制には呆れる。いずれ近い将来自らを破滅に追い込むことに気づかないのだろうか。

2017年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3659.2017年5月20日(土) 昨夜酩酊したままご帰館

 昨晩は銀座の名店ワインバーで幾種類もの美味しい高級ワインをつい飲み過ぎて、帰路は足元が覚束なくなり、都営地下鉄車内で転倒し、座っていた乗客に席を譲られる無様な姿を曝け出してしまった。これほど酩酊したのは、過去にまったく覚えがない。ほとんど前後不覚の体たらくである。ところどころ記憶があるが、かなり抜け落ちている。泉岳寺駅から自宅までタクシーで日にちが変わってから帰ってきたが、自宅周辺で路地を間違えて運転手を迷わせる有様だった。

 実は今日は、母校慶應義塾から卒業生を毎年招待してくれる「卒業後51年以上塾員招待会」なるパーティが、横浜みなとみらい駅近くの「パシフィコ横浜」で開催されることになっていて、出席することを心待ちにしていた。友人たちにも会える。それが昨晩の二日酔いのせいか、気分的にどうも思わしくなく欠席することになってしまった。間もなく退任する清家篤塾長の最後の話を聞きたかったし、紹介されるであろう次期塾長の長谷山昭・文学部長の顔も見てみたかったが、残念な結果になってしまった。今後は健康のためにもアルコール量に注意して、ほどほどに楽しむようにしなければいけないと強く反省した次第である。

 さて、このところ日本音楽著作権協会(JASRAC)の思いも寄らない強気の行動が目立っている。今月に入ってから、ヤマハ音楽振興会が、音楽教室で演奏する曲目に対してJASRACが著作権料を徴収する方針に対して、教室内の演奏には著作権は及ばないとして、JASRACへの支払い義務がないことの確認を求める訴訟を東京地裁に起こすと公表した。その著作権料は、実に受講料の2.5%だそうだから、ヤマハとしてはとても受け入れられる要求ではない。

 そこへ先月京都大学入学式で山際壽一学長が新入生に向けた歓迎スピーチの中で、昨年のノーベル文学賞受賞者ボブ・ディランの「風に吹かれて」を採り上げて紹介した。歌詞の原文と日本語文を紹介し、スピーチ全文が京大のHPにも掲載された。それが、今月になってJASRACから京大に著作権料の手続きを求められたというものである。

 今ではJASRACは大きな組織に発展した。著作権の大切さも分かる。だが、今のやり方を見ていると曲を流したら、何が何でも著作権料をいただこうとの気持ちが強く、ディスク販売のために尽くしてきたレコード販売店などの努力が報いられていないように思う。レコード店では曲を店内に流すべきかどうかと悩んでいる店もあると聞く。特にディランのケースでは、曲を使用したのではなく、歌詞を紹介したので、これが果たして著作権法に違反するのか、疑問に思える。

 この限りではJASRACは、自らの販促活動を怠って他人のふんどしで相撲を取ることに執着し過ぎてはいないだろうか。

2017年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3658.2017年5月19日(金) 人間ドック検査の効用

 昨日歌舞伎役者・中村獅童が人間ドック検査の結果肺腺がんであると公表し、しばらく舞台を休むことになった。獅童によれば初期のがんで、手術をすれば完治すると医師は言っているようだ。今朝のエンタメ番組はほとんどこのニュースを膨らませて報道している。早期発見につながったのは、人間ドックを受診したからであり、わが国では人間ドック受診の比率が低いとも伝えられた。医師の話では、獅童のがんは人間ドックだからこそ早期発見につながったと機会があれば、極力受診することを勧めていた。ただ、受診するには費用と時間の問題があり、特に普通の診断とは異なり、人間ドックは特別な検査をやってくれるので、時間もかかり、費用もかなり高い。

 私もかなり無理して慶応病院で毎年8月1日に受診しているが、確かに費用は高額である。加えて、再検査を行わない限りかかった費用は税法上経費として認められない。

 しかし、慶応病院クラスの検査報告書になると、数値を始めかなり細かい点まで検査、報告してくれるので、これが普段通っている医院にとっても参考になるようだ。後になって悔やむのは馬鹿らしいので、自分自身の健康を守るためにも、人間ドックは受診し続けていきたいと思っている。

 さて、昨日会社の同期生と新宿で会食して別れた時、曇天ではあったが、雨模様ではなかった。それが東横線渋谷駅で乗車した電車がトンネルを出ると激しい雨にやられ、自由が丘駅に到着した折には、激しい雷雨となった。小止みになってバスを降り、家まで走って駆け込んだ。全国的に天候が荒れ模様だったようだが、今日は一転して青空である。特に全国的にすべて晴れのマークが付いているのは、珍しいらしい。皐月となり、爽やかな気候を迎えた筈だが、どうも今年は陽気も不順である。

 それと歩調を合わせたのか、今日衆議院法務委員会で「テロ等準備罪」、つまりあれほど反対が強い「共謀罪」法案が、賛成多数で可決した。いよいよ実施に入ろうとしている。自民党、公明党、そして日本維新の会は23日の衆議院本会議で可決を目指す。

2017年5月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3657.2017年5月18日(木) 日米政局はスキャンダルだらけ

 1963年小田急電鉄に入社した同期生が新宿のハイアット・リージェンシー東京に集まった。近年この時期になると、時間的に都合のつく仲間に昔話をして旧交を温めながら会食をしようと声をかけている。我々学卒同期生は文系・理系合せて13名だったが、すでに鬼籍に入った仲間が4人もいる。2人が辞め、そのうち1人は不明だが、植木職を継いだ本橋くんは毎年来てくれる。故郷、別府市でボランティア・ガイドをやっている古庄くんは今年も来られなかった。結局来られそうな8人のうち、7人が来てくれた。すでに入社してから54年が経ち、今では小田急グループ企業に奉職している者は1人もいないが、小田急へのノスタルジアは皆人一倍強いように思う。

 幸い会社は順調な経営を続けている。今朝の日経紙にも、高架複々線工事も来年3月の東北沢~世田谷代田駅間の完成を以って終わり、今後の課題である駅舎の改修や沿線の再開発について取り扱っている。我々同期生もそれぞれ最後まで鉄道会社に勤めた者、関係会社へ出向した者など歩んだ道は異なれども、グループ企業全体のためと精一杯力を尽くしたとの自負と気持ちは皆同じである。揃った7人で乾杯し、これまで辿ってきた過去を振り返り、願うのは健康で元気よく余生を暮らしたいということである。一度脳梗塞で倒れた青山くんが足を引きずりながらも毎年来てくれるのは、嬉しいことである。来年の再会を期して元気よく別れた。

 さて、政治的に内外ともに大きな問題に発展しつつある事象がある。

 国内では、森友問題に続いて同じような学園認可問題が新たに発生している。安倍政権の「国家戦略特区」事業として、岡山理科大を経営する加計学園が愛媛県今治市内に獣医学部を設置することが認可されたが、その過程に疑念が抱かれている。52年ぶりの獣医学部新設で、今治市が土地の建設用地を無償譲渡し、そのうえ96億円の建設費用を学園に補助する予定で、2018年4月に開学の予定である。

 未だに不透明な森友学園と似たような経緯を辿っているが、正にその点に疑念を持たれた大きな理由がある。それは、加計学園理事長が安倍晋三首相の長年の友人という何やら怪しい関係にあり、加えて内閣府が文科省に出した文書に「これは官邸の最高レベルが言っている」と書かれたことが公になり、疑惑を増大させている。このままだと森友問題を追うような形で問題が広がるのではないだろうか。それにしても、安倍首相の行動には、首相としての節度と威厳が感じられず、軽率さばかりが目立つ。共謀罪やら、憲法改正やら大きな問題を抱えながら、一強多弱に安心してことの是非が分からなくなっているのではないだろうか。

 一方海外では、トランプ大統領がFBIにロシアとの関係をめぐる元側近への捜査を打ち切るよう求めていた疑惑が持ち上がった。更に、トランプ大統領がロシアのラブロフ外相と会談した際に機密情報を漏らした問題も浮上した。イスラエルから得たISに関する情報をイスラエルの許可なくロシアに伝えたというものである。

 どうもトランプ政権内の意思の疎通が欠けていることと、大統領の脇の甘さがこのようなトラブルを引き起こしているようだ。公聴会を開くことやら、真相究明を求める声が与党共和党内でも高まっている。

 そして今日司法省は、疑惑の捜査を指揮する特別検察官にマラー元FBI長官を任命した。ニクソン大統領辞任に発展したウォーターゲート事件と同じ軌跡を辿りそうだ。

 疑惑の影響を受け、ダウ平均株価がトランプ大統領就任以来最大の下げ幅$372を記録した。その影響で、日経平均株価も1~3月GDPが5期連続でプラスの実質+2.2%、更に4月の訪日外国人数が単月で過去最高+23%の257万人の好材料にも拘わらす、対前日261円の大幅の下落を記録した。

2017年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3656.2017年5月17日(水) 秋篠宮家の慶事、眞子さまご婚約

 昨夕突然のように秋篠宮家長女眞子さまの婚約がメディアを通じて公表された。号外が発行される騒ぎになったが、今日になってテレビで更に大きく報道された。おめでたい話なので、若い2人に結婚したら幸せな生活を築いて欲しいとただ願うのみである。

 国際基督教大学同級生同士の25歳の若いカップルだが、お相手の男性の経歴にちょっとびっくりした。私が結婚直前まで過ごしていた、数々の思い出のある故郷とも言うべき藤沢市の観光協会が主催するキャンペーンで、男性は「湘南江の島 海の王子さま」という役を務めていたという。それが現実の王子さまになるわけである。おとぎ話のようなドキュメントではないだろうか。

 更に、驚かされたのは、彼が通っていた幼稚園が、現在わが家の孫も通園している横浜・大倉山の「アソカ幼稚園」だということである。私も一度見学に訪れたことがある。妻が早速嫁に尋ねたところ、幼稚園では今日この話で持ち切りだったという。まあ我々とはまったく関係ない話ではあるが、当分の間女性週刊誌を主にこの話題で姦しいことであろう。おめでとうと申し上げたい。

 NPO法人JAPAN NOW観光情報協会の総会が、例年通り今日海事センタービルで開催された。その後の記念講演会で先日直接講演をお願いしたNPO「知的生産の技術研究会」(知研)理事長である久恒啓一・多摩大学副学長が講演された。久恒副学長は「図で考えれば、世界が見える」というテーマで、図解第一人者らしく図解のメリットについて、また図解的手法で図を使い日本と外国との差、及び日本と中国や韓国との違いについていくつかの例を示され興味深く話された。久恒副学長とは同じ知研会員として長いお付き合いであるが、じっくり話を聴いたのは、初めてである。課題へのアプローチの方法が良いと感じた。同じ図解実践者として大いに参考にしたい。

2017年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3655.2017年5月16日(火) 北朝鮮・金正恩独裁にこんな見方

 何を考えているのか見当もつかない北朝鮮の傍若無人ぶりに世界中が振り回されているが、その世界の嫌われ者・北朝鮮についてこんな論評を読んだ。

 毎号厳しい指摘の論稿を掲載する月刊「選択」誌の今5月号では、巻頭インタビューはアメリカのランド研究所上級研究員ブルース・ベネット氏への取材である。

 ベネット氏は、日本人ジャーナリストがあまり取り上げない論点や、関心事をさらりと語ってくれる。朝鮮半島の緊張状態の中で、戦争の可能性や、万一戦争が起きた場合について以下の通りコメントしている。

 1.トランプ政権の北朝鮮への先制攻撃について、北朝鮮には弾道ミサイル関連施設は100~200もあり、特定の標的を狙う外科手術的攻撃は無意味である。その場合対する北朝鮮は韓国や日本への全面的報復攻撃に踏み切る。

 2.トランプ政権は軍事介入を行う意思が強い。

 3.THAAD(高高度防衛ミサイル)は北朝鮮の膨大なミサイルを防げない。日本もイージス艦を増やしミサイル迎撃態勢を向上させる必要がある。

 4.金正恩委員長は強迫観念が強く軍最高指導者も安心出来ない。北朝鮮には、有能で手広く事業をして金儲けするエリート層が育っている。彼らは中国型の改革開放を望んでいる。彼らが中国の協力を得て、金委員長一族排除に動く可能性があり、それにより体制はがらりと変わる。

 5.中国は本気で動いている。金正男の殺害に怒り、北朝鮮のミサイルの射程が中国主要都市に到達することにも苛立ち、北朝鮮の混乱が拡大するなら、地上軍投入も考えている。

 6.北朝鮮は朝鮮半島で戦争が起きれば、日本攻撃用に開発した中距離弾道ミサイルを使う。対韓国には使用しない生物兵器使用も実行する。現体制は日本が嫌いだが、後継体制は企業家層で、彼らは中韓よりも日本をモデルにして、復興支援や取引などでもまず日本とやりたがる。金体制崩壊で日本は最も得をする立場にいる。

 この限りでは、一旦動乱が起きれば、日本が最初に火の粉を被り、しかも生物兵器などという後遺症を残す武器を使用される。だが、体制が転覆すれば、日本にとっては好都合である。その点で4に指摘されているように、独裁体制の中で目を開いた若者層がいることに希望が持てる。このベネット氏の見解では、戦争にならずに金体制が崩壊することが、周辺国、とりわけ日本にとって望むところだと語っている。是非ともそう願いたいものである。

2017年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3654.2017年5月15日(月) ブログ、11年目に突入

 ブログを書き始めてあっという間に10年が経過し、今日は新たな気持ちで11年目のスタートを迎えた。身体は年々少しずつ弱まるし、これから毎日欠かさず書き続けるのは厳しくなるかも知れない。一応次の目標は5千回を目指したい。到達日は3年8カ月後の2021年5月になるので東京オリンピックが終わった翌年になる。その2021年は母校湘南高校創立100周年記念、並びに同じく母校幕張小学校創立150周年記念の年になる。高校校歌の作曲者・山田耕筰が、偶然にも小学校の大先輩であるのも何かの縁であろう。その日を期してあまり肩ひじ張らずに気楽な気持ちで書いて行きたい。

 さて、昨日北朝鮮がこれまでより一層進化した弾頭ミサイルを発射して、周辺国を驚かせたが、とりわけ「一帯一路」と称する習近平国家主席肝煎りの国際会議の開幕に合わせた発射だったため、中国の気持ちは、複雑で穏やかではない。この会議は、主に中国の巨額の国際投資に群がる途上国が参加した感がある。物流のルートを建設し、整備する中国の国家プロジェクトだと言って良い。ヨーロッパから中国まで陸路と海路を上手に利用して物流を発展させようとの試みである。自国と支援国のインフラ整備をしながら、支援国への援助の見返りに得た経済特権で広大な21世紀のシルクロードの夢を実現させようというものである。その投資額たるや、何と今後5年間に約17兆円を目論んでいるというからそのスケールに驚かされる。

 陸路ではシルクロード経済ベルトと称して中国からヨーロッパへ、もう一つは中国から地中海へ、これに21世紀海上シルクロードの他に南太平洋を横切りアルゼンチンへのルートもある。すべて経済政策、インフラ、貿易、金融、人的つながりを通して協力しようという広大は発想であり、事業である。

 昨日の初会議には、ロシアのプーチン大統領を始め、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、トルコ、ギリシャ、イタリア、マレーシアなど29カ国から首脳、130カ国から政府高官が出席した。このために今ギリシャのピレウス港とマレーシアのマラッカ港を整備中とある。相当な中国資金が投入されれば、運用は中国のペースで行われる。1999年に妻とエーゲ海に出かけた際ピレウス港近くのレストランでディナーを食したが、今ではそのピレウス港周辺は中国資本のコンテナ・ターミナルに変貌しているという。あの静かだったマラッカ海岸もいずれ中国資本に席巻されてしまうだろう。

 中国経済の発展は目覚ましいものがあるが、それにしても一人当たりのGDPだとまだ日本の1/5程度である。そして中国農村部の様子から察すると農民層はまだ大分貧しい。国内に貧困層を残したまま海外支援する意図がよく読み取れない。国内では貧富の差が大きく、稼ぎの相当部分を国家が吸い取り、それをこのようなプロジェクトに投資しているのではないか。その一方で中国は、国連を始め、加盟している各国際機関への分担金が国力に比較して圧倒的に少額である。国際的には応分の負担をしていないのだ。分担金に回す資金を、中国の援助金として途上国に権限とともに貸し付けている。そのバラマキのやり口には、疑問を感じざるを得ない。実際スリランカの港が、中国からの借金のため中国側に提供せざるを得ない状態に追い込まれている。

 ともども世界の発展、途上国の経済発展に寄与するならば、外国への投資は大いに結構であるが、ひがんだ眼から見ると、中国は国内に下層階級を残したままため込んだ資金を、独自の覇権拡大のために投資して途上国を支配下に収めようとしている印象が拭えない。いずれ将来的には大きな問題が生じると思う。

 今安倍首相も一強多弱をバックに得意の絶頂であるが、自らの権威や権限を発揮しようとの私欲を表すのではなく、こういう中国の姑息なやり方を反面教師として自らの政治活動を反省しつつ、内外ともにもっと目配り、気配りに留意してもらいたい。

2017年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3653.2017年5月14日(日) 恩師・飯田鼎教授7回忌墓参

 大学ゼミの恩師・飯田鼎教授が永眠なされて早や7回忌を迎える。以前からゼミ会員の間から最後のお別れにお墓参りをしようとの声が挙がっていたが、諸々の準備を整え、今日先生のご実家近くの千葉県鎌ケ谷市内の墓地にゼミ会員11名でお参りした。遠路秋田から来てくれたゼミ会員もいた。学生時代、そして卒業後も何度となくお邪魔しているご自宅は、東武野田線鎌ヶ谷駅から徒歩で行ける距離にある。度々訪れていた半世紀以上も前に比べると駅前の開発が進み、ちょっとした文化都市に変わった。東武線もかつては地上を走っていたが、今では高架線となった。お墓が少々分かり難い場所にあるので、駅前からタクシーを3台チャーターして、墓地で待機してもらい再び駅前に戻った。駅前の天麩羅店で皆で食べたランチも美味しかった。

 先生には、生前随分お世話になったが、とりわけ若気の至りで上司に辞表を提出した1968年、「プラハの春」の勃発によりプラハのカルレ大学留学の可能性が消え中途半端な精神状態の時、この鎌ケ谷のご自宅を訪ねてどうすべきかご相談したことを思い出す。結局先生のアドバイスを受け入れて、その翌日恥ずかしながら上司に辞表の取り下げをお願いした。

 在学中には、卒業論文の研究テーマとして、偶々社会思想家の河上肇博士の「貧乏物語」を始め幾冊かの博士の著書を読み込んでいたことから、河上肇を研究してみてはどうかとアドバイスいただいた。それが進歩的な思想にかぶれるようになった原因のひとつでもある。しかし、60年安保闘争直後の61~62年にゼミ活動をしていたころは、学生の間では学生運動や、社会運動に関心を抱き、分野的にはリベラルな専門科目を履修したり、研究する者が多かった。飯田先生のご指導のお陰で、学問の何たるかを教えていただいたと思っている。

 今日墓参に参加してくれたあるゼミナリストが、嬉しいことを言ってくれた。それは、先生が亡くなった翌2012年に、追悼文集を発行したが、その文集の出来映え、内容などを非常に高く評価してくれたことである。下手な論文集よりよほどレベルが高いとまで言ってくれた。100頁を超える冊子「飯田鼎先生追悼文集」のことであるが、今ではやゝ年老いたが、かつての秀才?たちが精一杯頭脳を傾け書いてくれた佳作集である。私自身僭越ながら編集委員長を務めて他の編集委員ともども発行に全力を傾け、何とかゼミ会員の期待に沿えることが出来た。それが評価されたことはこの上なく嬉しいことである。

 さて、振り返ってみると、このブログを書き始めて今日でちょうど満10年になる。明日から11年目に突入する。それこそ河上肇博士が、人生の来し方を振り返って「~越えては越えて来つるものかな」と呟かれた心境に少しは近づいたのかなと思っている。

 とにかく、10年の間自分なりに毎日1日も欠かさずよくぞ書き続けて来られたと思う。これも飯田先生が文章を毎日書く癖をつけるよう口酸っぱくして言っておられたお陰ではないかと思っている。

 今も恩師への感謝の気持ちは消えることはない。それでも今日7回忌のお参りを済ませて恩師にゼミでご指導いただいたことに対して、ささやかなお返しとしてどうやら一区切りがつき、役割を終えたような気がしている。

 ところで、今日は母の日であり、同時に仏滅である。吉より凶が優ったのか、しばらく鳴りを潜めていた北朝鮮が、早朝突然弾道ミサイルを発射した。今度のミサイルは今までより格段に性能が良いようで、高度2000㎞まで達し、グアム、ハワイなどアメリカ領土内を射程距離に捕えるようだ。

 アメリカと中国の圧力を受けて危機感も瀬戸際に追い込まれ、しばらく北朝鮮はおとなしくしていた。そこへ文在寅・新韓国大統領が北朝鮮との融和策を打ち出したことにより当分緊張状態から解放されるだろうと幾分楽観していた矢先に、突然ならず者国家がこのような狂乱的な行動に出た。しかも、中国が今年最大の國際イベントと位置付ける「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」初の國際会議が、130ヶ国以上の参加を得て開催された初日だった。メンツを潰された中国はどういう対応をするだろうか。

 それにしても金正恩支配国家体制は、どうにも救いようがない。

2017年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3652.2017年5月13日(土) 甥っ子のジャズ演奏を楽しむ。

 日韓関係で最も厄介な問題になっている慰安婦問題解決のための2015年日韓合意につき、昨日国連の「人権条約に基づく拷問禁止委員会」が、被害者への補償などが不十分として合意の見直しを勧告する報告書を発表した。韓国にとっては願ってもない勧告であり、内心「しめたっ!」と思っているだろうし、日本政府にとっては、困ったと思っている筈である。

 しかし、国連という最高の國際機関の一部組織とは言え、内容に不十分な点があると判断し、両国政府が正式に取り結んだ協議内容を一方的に見直しするような勧告は、無法社会を助長し、國際ルールを形骸化させる結果になるのではないかと疑問に思う。敢えて言えば、国連の越権行為ではないかと憂慮している。

 同委員会には法的拘束力はないと言うが、早くも韓国メディアはこの勧告を有頂天となって取り上げ、事実上国連が合意再交渉を求めたものだと報道している。

 2つの国家がお互いに対等の立場で相互に納得して契約したその協議内容が後になって、どちらかの国にとって不都合となって不平等と唱え、再交渉を求めていることに加担するように再交渉を勧告するというのは、非植民地と植民地、或いは支配国と従属国のような圧倒的にお互いの立場に優劣の差があり、不条理な契約を押し付けられた謀議に対して異議も反対も出来ないような同情出来るようなケースを別にすれば、第三者があまり口出し出来ることではないと思う。それを国連の一機関が行ったことにショックを覚える。

 この点について、日韓両政府の正式なコメントはまだ聞いていないが、合意されてまだ2年も経たない協議内容がいとも簡単に破棄されようとし、それを韓国国民の強い支持に負けた政府が再交渉に腰を上げようとして真っ当な外交交渉を蔑ろにするような国家とは、今後交渉や、契約、協定など外交的な話し合いの機会を持つことにも懐疑的にならざるを得ないと思う。

 こんな理不尽なことが許されるのだろうか。これから反日的大統領を選んだ韓国と一衣帯水の日本は、どういう道を歩んで行けば好いのだろうか。

 さて、夕方になって甥がリーダーを務めているジャズ・カルテットのライブを楽しみに横浜・関内のライブ・ハウスに妻と出かけた。このグループが結成されて5年になり、近々CDを出すという。今日のグループ‘IMAGE’は、甥がリーダーらしく3人のジャズ・メンを上手にリードしているように思った。今日の演奏曲はすべて甥が作曲したもので、甥は元々ベースを主に活動しているが、今夜はベースをやった後にピアノを弾いていた。司会進行も冗談を交えながらそつなくこなしていて贔屓目だが、中々の出来映えだと思う。妻ともども久しぶりに甥のジャズ・ワールドを覗いたように思った。好きなことを楽しみながら生活するのは、中々苦労が多く大変だと思うが、前向きに頑張ってほしいと心より声援を送りたい。

2017年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com