3660.2017年5月21日(日) イランはこれからどこへ向かうのか?

 一昨日行われたイラン大統領選挙で、保守穏健派と言われるロハニ氏が再選された。この国はよく分からないところがある。この国を統治するその最高職位は大統領であるが、ややこしいのはそのうえに最高指導者とされるハメネイ師という存在があって、大統領は何かとハメネイ師と相談しながら政界をリードしていくようだ。考え方によっては2頭政治と誤解されかねない行政組織である。ロハニ大統領は、反米的だったアフマディネジャド前大統領に比べれば、遥かにアメリカとの融和外交を心がけ演出している。かつて厳しい経済制裁により国民生活が苦しかった2015年7月、ロハニ大統領は核兵器開発につながるウラン濃縮活動を制限する見返りに、国際社会が制裁を解除する核合意を米ロら核大国6カ国と締結し、一歩アメリカ寄りの姿勢を見せた。

 ところが、オバマ前大統領の対イラン政策に不満を抱くトランプ大統領は、イランへの警戒を緩めようとしない。選りによってイラン大統領選が行われたこの時期に、イランと対立的立場にあるサウジアラビアを初の外遊先に選び、あまつさえアメリカ史上最大規模とされる12兆円の武器輸出で合意するなど、イランから反発を買いそうな露骨な経済外交をスタートさせた。

 私が初めてイランを訪れたのは、ちょうど半世紀前の1967年だった。まだ、ペルシャ王朝3千年に亘る栄光の伝統を継いでいた華やかなパーレビ国王時代だった。紙幣、貨幣にはパーレビ国王の顔が刻まれ、空港、バス・センターや、市内の目立つ場所には悉く国王の肖像画が描かれて飾ってあった。その当時は、まだ蜜月関係にあったアメリカとイランだったが、1979年ホメイニ師によるイラン革命によって富、贅沢という媚薬に浸っていた親米派のパーレビ国王は国を追われ、両国は冷たい外交関係に変わって行った。革命後20年を経た1999年イランを再訪した時、そこにはパーレビ国王の残像はまったくなかった。悪化したアメリカ・イランの外交関係が、漸くオバマ時代になってロハニ師の歩み寄りもあって徐々に縒りを戻しつつあった。

 それがトランプ大統領の登場により先行きが怪しくなって、アメリカとイランの間は再び離反しそうな雲行きになってきた。アメリカとイランの関係がこじれると、イランが再び核開発に取り組むようになり、それは第2の北朝鮮問題になりかねない。

 と思っていたら、問題児・北朝鮮が今日午後5時ごろ何とまたまた弾道ミサイルを発射したのだ。1週間前に発射したばかりである。米中の圧力がまったく効いていない。北朝鮮を懲らしめるためにはどうすれば良いのか。異端児・北朝鮮の世界中に迷惑をかける我儘ぶり、身の程知らずとおバカさんを担ぎ上げる政治体制には呆れる。いずれ近い将来自らを破滅に追い込むことに気づかないのだろうか。

2017年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com