3654.2017年5月15日(月) ブログ、11年目に突入

 ブログを書き始めてあっという間に10年が経過し、今日は新たな気持ちで11年目のスタートを迎えた。身体は年々少しずつ弱まるし、これから毎日欠かさず書き続けるのは厳しくなるかも知れない。一応次の目標は5千回を目指したい。到達日は3年8カ月後の2021年5月になるので東京オリンピックが終わった翌年になる。その2021年は母校湘南高校創立100周年記念、並びに同じく母校幕張小学校創立150周年記念の年になる。高校校歌の作曲者・山田耕筰が、偶然にも小学校の大先輩であるのも何かの縁であろう。その日を期してあまり肩ひじ張らずに気楽な気持ちで書いて行きたい。

 さて、昨日北朝鮮がこれまでより一層進化した弾頭ミサイルを発射して、周辺国を驚かせたが、とりわけ「一帯一路」と称する習近平国家主席肝煎りの国際会議の開幕に合わせた発射だったため、中国の気持ちは、複雑で穏やかではない。この会議は、主に中国の巨額の国際投資に群がる途上国が参加した感がある。物流のルートを建設し、整備する中国の国家プロジェクトだと言って良い。ヨーロッパから中国まで陸路と海路を上手に利用して物流を発展させようとの試みである。自国と支援国のインフラ整備をしながら、支援国への援助の見返りに得た経済特権で広大な21世紀のシルクロードの夢を実現させようというものである。その投資額たるや、何と今後5年間に約17兆円を目論んでいるというからそのスケールに驚かされる。

 陸路ではシルクロード経済ベルトと称して中国からヨーロッパへ、もう一つは中国から地中海へ、これに21世紀海上シルクロードの他に南太平洋を横切りアルゼンチンへのルートもある。すべて経済政策、インフラ、貿易、金融、人的つながりを通して協力しようという広大は発想であり、事業である。

 昨日の初会議には、ロシアのプーチン大統領を始め、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、トルコ、ギリシャ、イタリア、マレーシアなど29カ国から首脳、130カ国から政府高官が出席した。このために今ギリシャのピレウス港とマレーシアのマラッカ港を整備中とある。相当な中国資金が投入されれば、運用は中国のペースで行われる。1999年に妻とエーゲ海に出かけた際ピレウス港近くのレストランでディナーを食したが、今ではそのピレウス港周辺は中国資本のコンテナ・ターミナルに変貌しているという。あの静かだったマラッカ海岸もいずれ中国資本に席巻されてしまうだろう。

 中国経済の発展は目覚ましいものがあるが、それにしても一人当たりのGDPだとまだ日本の1/5程度である。そして中国農村部の様子から察すると農民層はまだ大分貧しい。国内に貧困層を残したまま海外支援する意図がよく読み取れない。国内では貧富の差が大きく、稼ぎの相当部分を国家が吸い取り、それをこのようなプロジェクトに投資しているのではないか。その一方で中国は、国連を始め、加盟している各国際機関への分担金が国力に比較して圧倒的に少額である。国際的には応分の負担をしていないのだ。分担金に回す資金を、中国の援助金として途上国に権限とともに貸し付けている。そのバラマキのやり口には、疑問を感じざるを得ない。実際スリランカの港が、中国からの借金のため中国側に提供せざるを得ない状態に追い込まれている。

 ともども世界の発展、途上国の経済発展に寄与するならば、外国への投資は大いに結構であるが、ひがんだ眼から見ると、中国は国内に下層階級を残したままため込んだ資金を、独自の覇権拡大のために投資して途上国を支配下に収めようとしている印象が拭えない。いずれ将来的には大きな問題が生じると思う。

 今安倍首相も一強多弱をバックに得意の絶頂であるが、自らの権威や権限を発揮しようとの私欲を表すのではなく、こういう中国の姑息なやり方を反面教師として自らの政治活動を反省しつつ、内外ともにもっと目配り、気配りに留意してもらいたい。

2017年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com