3644.2017年5月5日(金) 「子どもの日」に思う。

 ゴールデン・ウィーク(GW)も後半となったが、そのGWでも今日は「子どもの日」である。昔は端午の節句と言われて、男の子のいる家では、床の間に五月人形を飾り、敷地内に「屋根より高い」鯉のぼりを立てて子どもの健やかな成長を祝う日だった。それが今では都会ではほとんど鯉のぼりは見られなくなった。庭のない戸建てや、マンションが数多く見られるに伴い、それも時代の流れだろう。

 その反面子ども向きに趣向を凝らした華やかなイベントが各地で催されている。それでも子どもの数は年々減少し、4月1日時点で15歳未満の子どもの数は1571万人だが、それは昨年に比べて17万人も減り実に36年連続して減少となった。この数字はピークだった1954年の2988万人に比べるとほぼ半減し、1950年以降最少となった。

 現在の少子高齢化社会については、各方面で深刻な問題が提起されており、実は今日送ったNPO紙の定期コラム原稿にもその点を書いた。その冒頭に「少子高齢化社会が言われるようになって久しい。平均寿命は延びる一方で、年々出生率の低下により生まれてくる子どもの数が減り、国の成長を支える人口動態もいびつな形になり、経済の先行きに黄信号が灯っている」と書き始めた。

 少子高齢化社会の話題と符牒を合せるかのように、イギリスでエリザベス女王の夫君、フィリップ殿下が公務から引退するとのニュースが入ってきた。フィリップ殿下は来月96歳を迎えられるようだが、わが国の天皇陛下同様に公務に追われてご多忙らしい。ある晩餐会の折引退に触れた直後に親しい人からお辞めになるそうですねと尋ねられて、もう立っているのが辛いと独特のユーモアを交えて応えておられた。一方で、91歳のご高齢であるエリザベス女王は、引き続き公務を務められるという。

 わが国では現在83歳の天皇は来年天皇としてのご公務を務められた後退位され、再来年には上皇におなりになる。王室はどこの国でも公務が多くご苦労も多くて大変だと思う。かつてエドワード8世が人妻だったシンプソン夫人と結婚して退位されたことがあるが、王家の人々はご自分の一存で辞めるというわけにはいかないのが悩ましいところである。

 その点で平民である我々が一番気楽でいられる。他人に迷惑をかけることなく、心配するようなトラブルさえなければ、一般市民が一番楽な立場である。それにも拘わらず、人間はどうして頂点に近づくに連れて権力志向が強まり、自分で自分の首を絞めるようなことをやるのだろうか。つまるところ人間は強欲で威張りたいからなのであろう。

 さて先日JR代々木駅で改札ゲートを通ろうとPASMOカードをタッチしたところ、赤いランプが点滅して使用出来ないことを知らされた。カードに乗車券分の料金がキープされていないのだ。こんなことは初めてである。翌日VISAカード会社に問い合わせたところ、VISAからPASMOへつなぐODAKYU・POINTカードの5年ごとの切り替え時に継続の手続きをしていないからであると言われた。このまま再申請しないとPASMOは使えないとのアドバイスをもらった。今日その再申請のために小田急成城学園前駅まで出かけ、駅で対応してもらいいとも簡単に問題解決となった。パソコンにしても、こんなカードにしても使用方をマスターしていないと使えなくなるとは厄介なことである。このところネット・ショッピングで詐欺事件が頻発している。これも対応方法を知らないことが原因として挙げられている。最近のITは分からないことが多過ぎる。何とかもう少し分かり易くならないものだろうか。

2017年5月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3643.2017年5月4日(木) 次の作品を書き始める。

 昨日の憲法記念日に安倍首相は「日本会議」の集会にビデオ・メッセージを寄せて、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と憲法改正に向けて一歩踏み込んだ発言をした。昨日の本ブログで取り上げた時点では、首相が自衛隊の扱いについてどういう考え方を述べるのか把握出来ていなかったが、朝刊に依ると「第9条の1項と2項を残しつつ、自衛隊を明確化する考え方」を挙げていた。この「自衛隊の明確化」という表現が明確ではない。これでは1項と2項に対して首相の考えはどういう位置づけになるのかよく分からない。1項で戦争と武力の行使は永久に放棄するということと、そして2項では陸海空軍戦力を保持しないということが、憲法第9条にははっきり書かれている。自衛隊を明確化するとの文言だけでは、首相の主張は理解し難く、突き詰めれば自衛隊解散とも受け取れる。首相がこれら2つの項を生かして、自衛隊の存在を併記することは明らかに矛盾することになり、従って首相の考えを併記することは無理だと思う。首相の本音がどういうことなのか判然としないが、ことが憲法であるだけにこんな言い方ではなく、正確に表現することが大切だと思う。憲法改正の意思があるなら、はっきり分かり易く表現して欲しいものである。

 さて、次作品をいつから書き出そうかと考えていたが、昨日から書き始めた。実は、早くから「士農工商・・・エージェント」とテーマを決めて、現代社会における階級制度、そしてその中で一番低い階級・身分として旅行会社について書こうと構想を練って一部書き始めた。ところが、「士農工商」という言葉自体が今や死語となったことと、一昨年来朝日新聞社と議論をして、その挙句朝日の不誠実さに呆れて嫌気がさし、身分制度の中でマス・メディアを取り上げることが馬鹿らしくなったからである。そして、改めて今日から書き始めた作品は、これまで半世紀余りに亘る特異の海外旅行経験の中で、とりわけ印象に残り、自分の身にプラスになった旅をまとめて年寄りの海外武者修行記のようなものにまとめてみようと思った次第である。

 これまでの海外武者修行シリーズ3冊には、ユニークな旅行体験を取り上げてきたが、僭越だが他人が真似できないような厳しい体験を数々しているので、それを正直に描写したら受けるのではないかと考えている。

 特に、今度の作品では第3次中東戦争前後の思い出、南イエメン独立後日本人として最初に入国したこと、ニューヨーク同時多発テロやチベット騒乱事件の予知、遺骨収集事業、加藤隼戦闘隊などビルマの印象記、新婚旅行中のマレーシアのゼネスト、旅券紛失事件、などをユーモアも交えて書いてみようと思っている。

 まだ現時点でタイトルははっきりとは決めかねている。半年ぐらいかけて書き上げて、多くの人に楽しく読んでもらえるようなドキュメンタリー風の内容に仕上げてみたいと考えている。まずは、出発進行!

 ネットで知ったことだが、アメリカの自治領であるプエルト・リコが債務破綻したそうだ。債務破綻と言えば、ついこのほど経営危機にあったアリタリア航空が破綻処理手続きに入ることになった。日本でも東芝が怪しい状態に苦しんでいる。

 アメリカの地方債市場で過去最悪の破綻となったプエルト・リコが立ち直るためには、当然アメリカが支援しなければならない。日本で活躍したプエルト・リコ出身のプロ野球選手は優に30人を超える。MLBでは4度の首位打者を獲得しながら、ニカラグア大地震で被災者救援のためチャーターした航空機事故により現役選手のまま亡くなり殿堂入りしたパイレーツのロベルト・クレメンテ選手が傑出していた。

 プエルト・リコがアメリカの自治領である以上トランプ大統領としても見捨てるわけには行かないだろう。

2017年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3642.2017年5月3日(水) 日本憲法施行70周年記念日

 今日は祝日の一日、憲法記念日である。昭和21年11月3日に公布され、翌22年5月3日に施行された。この時も幣原喜重郎内閣周辺にもガヤガヤと異論、反論があったと聞く。11月3日の方が主旨から考えて良いとの意見もあったが、明治天皇の誕生日、明治節に新憲法を公布することに懸念が表明され、連合国総司令部(GHQ)にも了解を得たうえで、現在の憲法記念日が制定されたようだ。11月3日なら私の誕生日でもあり、私自身誇らしい気もするが、それが文化的な「文化の日」となったことで反って良かったとも思う。仮に11月3日が憲法記念日となれば、誕生日に改憲だ、護憲だと対立する意見がぶつかって静かな誕生日にならない。

 終戦の翌年、小学2年生の授業中に、担任の先生から日本で今一番偉い人は誰かと質問された時、同級生は皆天皇陛下と答えたが、私ひとりだけが総理大臣と答えてその通りと褒められたことがあった。それはタイミング良く7歳の誕生日に父から新しい憲法というものについて聞かされ、その時総理大臣について聞かされていたからである。こうして初めて憲法を身近に感じたのが、疎開先と言っても好い房州の田舎町だった。

 今日の施行70年目に当たる憲法記念日に際し、日本各地で改憲について賛成、反対の集会が開かれている。この熱気も年々ヒートアップするばかりであるが、このところ安倍政権が一強多弱を背景に改憲派の声は益々強まっている。世論調査でも改憲派が護憲派を上回り始めた。それには、中国の尖閣諸島進出、緊迫する北朝鮮情勢、地震頻発に伴う救助・救援活動、などで自衛隊への強い信頼感と依存度から、現在の私生児的扱いから国家が正式に認める存在にするべきだとの声に背を押されていることが大きいと思う。

 その点で憲法改正に際して、最大の課題は自衛隊の存在をどう取り扱うかではないだろうか。憲法第9条第1項は、「戦争の放棄」を次のようにはっきり打ち出している。「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。第2項では「戦力の不保持」を以下の条文に挙げている。「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」。実際1973年9月、札幌地裁は「自衛隊は憲法第9条が禁ずる陸海空軍に該当し違憲である」と判断した。だが、札幌高裁で覆り、最高裁はこの違憲云々については判断を示さなかった。従って自衛隊が違憲であるか否かについては、法的にはペンディング状態にある。現状は装備などを見れば、自衛隊が軍隊であることは明白であり、是非は別にして事実として自衛隊の存在は明らかに憲法第9条第2項の「戦力の不保持」に反している。

 このように、過去において警察予備隊、保安隊、自衛隊と名称を変えながら国民の目を騙しつつ既成事実化して今日の自衛隊に至らしめた国のやり方は、姑息で卑怯であると言わざるを得ない。このことが、大木の枝葉の一部改訂を根っこからの大改訂にやりかねないと国民に不信感を与えているのである。

 自衛隊が存在するから中国など周辺国の脅威からある程度守られていることは、分からないことはない。だが、どう考えても現在25万人もの隊員を抱える自衛隊戦力が憲法に違反していることは明らかである。

 今日安倍晋三首相は日本会議の改憲集会で、「2020年に新しい憲法が施行される年にしたい」とビデオ・メッセージではっきり述べた。国土防衛のために軍隊を配備すべきなのか、或いは、災害救助活動に献身的に貢献している自衛隊の位置づけをこのままにしておくのかという点が頭の痛いところである。

 改正するなら、はっきり改正条文を開陳すべきである。そのうえで議論を深めて結論を導き出すべきではないか。改正賛成派の中には、全面改正ではなく部分改正を望む意見が多いと聞く。だが、一旦門戸を開けば家中ひっくり返されるのではないかとの自衛隊誕生の苦い思いだけは、もう味わいたくないものである。

 他に、改正賛成論者にはGHQから押し付けられたから日本人が草案する日本独自の憲法を作るべきという人もいるようだが、この意見には賛同出来ない。それは、アメリカから100%強制されたというのは間違いで、原案は確かにGHQの意向によるものである。しかし、その後GHQに伺いを立てながら日本人憲法学者が責任を持って決定したものであるし、かつてNHKがその内幕を啓発するようにドキュメンタリーとして制作したことがある。更に言えば、アメリカが押し付けたからダメというのは、差別的な発言で、良いものは良いし、それがそこに根付けば敢えて反対を唱えるのは、むしろおかしいのではないだろうか。

 とにかく安倍首相の憲法改正についての本音を知りたいものである。

2017年5月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3641.2017年5月2日(火) 東京オリンピックに向けて喫煙規制

 今日は昨日に比べ朝から空は真っ青で、待ち望んだ五月晴れである。爽やかな空気に触れたくて近くの駒沢公園までウォーキングに出かけた。ゴールデン・ウィーク中でもあり、大広場では食べ物のフェスティバルを開催中だが、ラーメンや肉フェスのようには大仕掛けに屋台が出ていない。看板を見てみると「ソウルフード」の祭事となっていたが、どうもあまりピンと来ない。それでも明日から祭日なので賑わうのだろう。建築中だった屋内競技場も先日完成したが、せっかく作っても2020年東京オリンピックでは使用しないようだ。最新設備の競技場を折角作りながら、また無駄使いということになってしまうのだろうか。

 さて、北朝鮮情勢に絡んで周辺が騒がしいが、トランプ・アメリカ大統領が環境さえ整えば、金正恩・朝鮮労働党委員長に会っても好いと語ったそうだ。ただ、スパイザー大統領補佐官によれば、現時点で米朝首脳会談の条件は整っていないと釈明している。それでもアメリカから首脳会談に前向きの発言が出たことは、睨み合ったままの膠着状態から抜け出すチャンスでもある。オバマ前大統領は、北朝鮮が核開発を辞めない限りは絶対北朝鮮指導者と会うことはないと言い、決して会おうとはしなかった。

 朝鮮半島周辺に米朝対立の緊迫感だけを演出して、日本を始め周辺国を心配させるのは当事者である米朝首脳にとって回避すべきであり、その意味で首脳同士が解決へ向けて行動すべき責任がある。少しでも対立回避へ向けた話し合いを一刻も早く進めてもらいたいものである。

 ところで、いま政府が頭を痛めている健康に関する問題がある。それは、喫煙規制強化である。各国政府が禁煙政策を推進する背景には、医療費の増加が財政を圧迫するとの懸念があるうえに、各種の病気、特に心臓疾患やガン発症の原因に喫煙が大きく関わっているからである。

 過日世界保健機関(WHO)の担当部長が2020年東京オリンピックを念頭に喫煙規制の現状を視察に東京都内を訪れた。現状はまったく評価されなかった。屋内、室内の喫煙と禁煙の分離は認められないと言われてしまった。日本政府は分離案で何とか、理解を得ようとしたが、相手にされなかった。3年後を目指してどこまで喫煙規制を実行出来るか日本にとって試金石である。

 実は、喫煙野放し状態の東南アジア諸国政府も、昨今喫煙について厳しい規制をかけようとしている。特に若者の喫煙を取り締まろうとしている。15歳以上の男性喫煙率は、驚くことにインドネシアで76%に上ると言われている。日本でさえ34%だそうだから、いかにこれらの国々の若者がニコチン中毒を患っているか、想像がつく。オリンピックを機会に喫煙規制強化を打ち出すことはけだし賢明だと思う。日本では年齢制約にあまり目くじらを立てていないようだが、タイでは喫煙年齢を18歳から20歳に、マレーシアでも18歳から21歳に引き上げようとしている。いま日本では20歳であるが、ドイツの16歳は驚きである。

 かつてドイツで日本の進学高校に該当するギムナジウムを視察中、生徒が喫煙しているのを見つけた日本の先生がギムナジウムの先生になぜ注意しないのか尋ねたところ、苦しそうに憲法で16歳以上の喫煙が認められている以上校則で禁じることは出来ないと応えたことが、強く印象に残っている。いずれにせよ禁煙は世界的な傾向である。日本では、小さな飲食店が喫煙規制に反対が強いようだが、2020年東京オリンピックをスムーズに開催するためにも政府は、喫煙規制に本腰を上げるべきだろう。

2017年5月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3640.2017年5月1日(月) 安倍首相、憲法改正を公言

 今日からいよいよ五月、皐月である。爽やかな気候のイメージが強い今月はきっと爽やかな思い出や出来事が期待出来るのではないかと楽しみにしている。

 ところが、今日の荒れた天候は極端に変化が激しく、その変化の度合いも激しかった。午前中銀行へ出かけたところ、パラパラと小雨が降り出し小走りに銀行へ飛び込んだ。傘を持参していなかったので、これでは帰りは東横線・都立大学駅から自由が丘駅まで1駅乗ってバスで自宅まで帰ろうと考えたが、銀行を出たら空はいつの間にか晴れ渡っていたので、そのまま歩いて帰宅した。ところが、午後になって今度は激しい雷鳴が轟いたり、雨が降ったり止んだりした。各地に落雷やヒョウも落ちてきたようで、夕方のテレビ・ニュースでは世田谷の雨模様を伝えていた。どうも全国的に変わりやすい天候で、気温もかなり高かったらしい。

 皐月の初日としては、とても爽やかな気候と呼べるようなものではなかった。

 さて、少しずつ朝鮮半島の緊迫した空気の中に巻き込まれつつある自衛隊は、安全保障関連法に基づいて海上自衛隊の護衛艦「いずも」が今朝横須賀を出港した。護衛艦とは言え、全長200mを超える空母である。この後アメリカ海軍の補給艦と合流して、四国沖まで航行してシンガポールへ向かう。本来の業務の途中でアメリカ軍への補給業務が組み込まれたのである。日米安保条約、安全保障関連法のせいで日本はより一層アメリカ軍へ協力、支援する形が強くなり、一歩一歩戦争へ向かっていく。

 今や安倍政権の保守化、右極化の動きは留まるところを知らず、首相は今では憲法改正をはっきり口に出している。昨日イギリスから帰国して今日は憲法改正を目指す超党派国会議員の集会で、改正の機運が高まってきたとはっきり公言した。憲法公布後70年を迎えた今年3月、自民党は総裁任期を2期6年から3期9年まで務められるよう党則を改正した。これにより安倍首相は2021年9月まで首相の地位に留まることが可能となった。こうなれば、じっくり憲法改正について取り組むことか出来る。念願だった自分の力で堂々憲法改正をしようと自分自身に言い聞かせているに違いない。その表れが、今日自衛艦をアメリカ軍に協力させて、戦火へ針路を向けたことである。

 分からないのは、これだけ国民、特に沖縄県民の気持ちを踏みにじり、森友学園問題では首相夫妻が役所に何らかの口利きをやるようなスキャンダラスな行為を行っていながら、内閣支持率が一向に下がらないことである。何だか世の中がおかしくなっているのではないか。想像も出来ないようなことが起きそうな嫌な予感がする。

2017年5月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3639.2017年4月30日(日) 戦争に一歩一歩近づく安倍政治

 北朝鮮のもたらした緊迫した情勢の朝鮮半島へ向けて北上するアメリカ原子力空母「カール・ビンソン」が対馬海峡から日本海へ入り、韓国海軍と合同訓練に入った。その様子を昨日からしきりに日本サイドで実況放送しているような按配である。曰く長崎・壱岐の北西約20㎞を航行中という具合である。まったく呑気なものである。

 そして何となく嫌な感じの戦時色が感じられると思っていたら、防衛問題音痴の稲田朋美・防衛相が北朝鮮情勢に一石を投じるように一昨年成立した安全保障関連法の実施を命じた。この安保関連法は、自衛隊防護のためとお墨付きのある法令だが、法令が実行に移された実情はこうだ。

 横須賀基地を出た海上自衛隊の護衛艦「いずも」が、「カール・ビンソン」に補給するアメリカ海軍の補給艦と合流し、四国沖まで一緒に航行するというものだ。海上自衛艦が間接的に北朝鮮に圧力をかけに行く「カール・ビンソン」に手を貸すことになる。これでは海上自衛隊は戦争に手を染めつつあると言われても否とは言えまい。あれだけ強かった反対の声を押し切って強引に強硬採決で通過した安保関連法が実行されるのは、昨年の南スーダンのPKO陸上自衛隊駆けつけ警護に次いで、早くも2度目である。日本は密かに戦争介入に一歩ずつ近づいている。あれもこれも防衛問題や、戦争の怖さを知らない稲田防衛相が、安倍首相の右へ右への気持ちを忖度して、なりふり構わず戦争の道へ手を貸そうとするからである。

 こんな大事な時に安倍首相は、森友問題で批判に晒されている昭恵夫人とともにロシア、イギリスを訪問中であるが、少々危機管理に問題があるのではないかと心配である。狂信的な北朝鮮の行動を見るにつけ、最高権力者の首相がこの間度々国を留守にし、夫人は証人喚問の追及を逃れるように夫に随行する。なぜかこの夫婦の行動は常識的な動きのようには見えない。

 更に昨日海上自衛隊佐世保基地にフランスの強襲揚陸艦「ミストラル」が寄港した。日米英仏4カ国による初の合同訓練に参加するため訪れたものだ。合同訓練は、来月グアム沖で行われる。いよいよ自衛隊の動きが広域的で戦闘的になってきた。

 それにしても一歩間違えれば戦端に触れる安保関連法の施行に、強い不安の声が上がらないのも恐ろしい。作為的な伝え方のため国民が知らされないのか、メディアの伝え方がまずいのか、気が付いたら国民は戦争に巻き込まれていたという戦前と同じような最悪の事態にならないか。日本が徹底的に痛めつけられた戦争体験がまったく生かされていない。戦争体験のない、安倍首相や稲田防衛相が、深く考えることもなく、深刻な問題を机上の計画として淡々と進めていることが余計不安を募らせる。

 さて、今朝の新聞でIT企業ヤフー創業者のひとり、前社長井上雅博氏がアメリカで交通事故に遭い60歳で亡くなったと大きく報じられている。かつては、ソフトバンクの孫正義氏の側近でともにヤフーを起ち上げたが、業績の伸びが鈍化するとともに社長を退き、その後アメリカで活動していた。不運にも事故により亡くなられたのはお気の毒としか言いようがない。その井上氏死亡記事の脇に、古瓦の記録やお寺の歴史を通して「法隆寺学」を提唱した学者でもあった高田良信氏が亡くなったとの公告が掲載されていた。寡聞にして高田氏については存じ上げなかった。氏は法隆寺長老で、かつ法隆寺第128世住職でもあった。私は住職の死因の方が気になった。死因は「老衰」である。男の平均寿命が80歳を超えている現在その平均寿命にも達しない76歳で老衰ということなら、今78歳の私がポックリ彼岸へ旅立ったら立派な「老衰」死ということになるだろう。それにしても76歳で老衰とは初めて知った。まあ縁起でもないから、訃報についてはここまで。

2017年4月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3638.2017年4月29日(土) 北朝鮮が弾道ミサイルを発射、失敗

 今日は昔なら「天長節」、戦後「天皇誕生日」となり、平成になって「昭和の日」となった。朝起床したら妻からいきなり、朝5時半ごろに北朝鮮がミサイルを発射したが失敗したらしいと聞き、びっくり仰天するとともにひとまずホッとした。失敗したことに安堵するというのも変な話だが、世界中から懸念されていた弾道ミサイル発射と核実験ばかりは成功したら、トランプ軍がソレッとばかりに北朝鮮に攻撃を仕掛ける騒ぎとなるだろう。そうなれば、戦争に突入する危機が考えられる。やれやれというのが本音である。

 東京メトロ全線、北陸新幹線と東武鉄道では6時過ぎに約10分ほど運転を見合わせた。

 それにしても愚かな将軍サマ・金正恩委員長に世界中が振り回されている。やはり建軍節にこけおどしの高射砲発射の画像を流すだけでは、アメリカに見くびられるとでも思ったのだろうか、将軍サマは自らの存在感と負けぬ魂を示すために馬鹿なことをやってくれた。それにしても世界を引っ掻き回して多くの国民に不安を与えるようなはた迷惑な所業が、実際に堂々と行われお灸もすえられないとはほとほと困ったことである。

 今日は幸いにして失敗したが、仮にこれが成功したと考えるとやはり怖いし、何とかならないものだろうかと考えてしまう。これからしばらくひやひやしながら生活しなければならないのだろうか。

 さて、昨日菱山郁朗・日大文理学部客員教授から氏の最近の政治レポートを送ってもらった。「安倍の『独走政治』を阻むもの」と題する政治レポートで、かつて日本テレビ政治部長として現場取材を重ねた昔取った杵柄から、安倍政権の一強多弱の原因を調べ上げて書かれたもので、中々読み応えのある硬派のレポートである。菱山氏が自民党政治変質の原因は、小選挙区制の導入と、小泉政権時に郵政法案に反対した自民党候補を公認せず、刺客を送り込んだことがその分岐点になったと分析しておられる。その後トラウマになった党員が選挙対策から総理総裁独裁体制が確立され、加えて大臣病に憑りつかれた議員たちの行動が、安倍首相ひとりの力だけではなく、知らず知らず安倍一強を造り上げたと見ておられる。同時にメディアの堕落も安倍一強に貢献しているという。

 そのポピュリズムの自民党の中で、ただひとり党内に留まって安倍批判をぶっている村上誠一郎氏の存在を高く評価している。偶々「選択」4月号の冒頭インタビューで取材されているのがその村上氏だったので、そのコピーを菱山氏に送ったところである。

 やはり政治取材の最前線におられただけに、臨場感をアピールしておりリアリティに説得力のある健筆ぶりである。今度お会いしたら、安倍一強政治について直接話を聞いてみたいと思っている。

2017年4月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3637.2017年4月28日(金) 貴重な文献を廃棄処分する愚

 去る25日、北朝鮮の建軍節は何とか大事にならずにやり過ごしたが、アメリカのトランプ大統領は習近平・中国国家主席に北朝鮮への一段と強い影響力を発揮することを期待しつつも、外交努力によって緊張状態の北朝鮮問題を解決することは非常に難しいと述べた。あれほど強情な金正恩委員長がそう簡単には強気な方針を軟化させるとは考えられず、相変わらず朝鮮半島周辺には一触即発の緊張状態が続いている。

 ついては、国内では6年前の東日本大震災以来、昨年の熊本地震を始め近年各地に地震が頻発し、地震の備えについてメディアでも広く取り上げられている。

 昨日政府の地震調査委員会が、今後30年以内に震度6以上の揺れに見舞われる分布図というものを公表した。これによると全般的に太平洋岸に地震発生が多いと予想されているが、その中でも最も発生予想率の高いのは、千葉市の85%、次いで横浜市と水戸市の81%である。東京は都庁所在地が47%である。実は、今秋築後37年が経過したわが家でも大地震に備えて耐震構造にすべく、リニューアル工事を始める予定である。それにしても最近大小の地震がしばしば起こる。耐震建築構造に手を加えて少しはのんびりと安心して暮らしたいというのか本音である。

 さて、大変残念な事実が分かった。仏文学者・桑原武夫氏の蔵書約1万冊が2年前に無断で廃棄されていたことが判明した。文化都市として知られる京都市が、名誉市民でもあった桑原先生の貴重な蔵書を、単に保管場所がないからと寄贈者であるご遺族に一言の相談もなく、すべて独断で廃棄処分してしまったとは、さぞや泉下の桑原先生も悲しんでおられることだろう。常識を逸っする呆れた蛮行である。桑原先生と言えば、元京都大学教授にして、京大人文科学研究所長として哲学者梅原猛氏、文化人類学者梅棹忠夫氏らを育てた人としても知られている。

 桑原武夫先生についてはこんなユーモラスな思い出がある。ベストセラー「知的生産の技術」の著者、梅棹忠夫先生とのご縁もあって、今から30年以上も前に「知的生産の技術研究会」セミナーで桑原先生が講演されたことがある。その時ひとりの男性が質問の中で、蛮勇を振り絞って電車に飛び込もうとしたと驚くような話をされたことについて、先生は私には電車に飛び込むほどの勇気なんかありませんとさらっと笑って応えられたことが強く印象に残っている。

 その桑原先生にとって、またご遺族にとっても大切にされていた価値ある貴重な蔵書を、京都市はなぜ邪魔もの扱いにして処分するような非常識な愚行をしてしまったのだろうか。京都市はご遺族に謝罪したようだが、失ってしまったものは取返しがつかない。こういう不祥事が起きた背景には、貴重な歴史的資料とか、古文書、ひいては文化全般に対する関心が薄いことが大きいと思っている。その意味では、現在の社会のムード、流れから考えて「なるべくしてなった」の感は否めない。京都市は当時の責任者を処分したようだが、せめて責任ある立場の人には、もう少し文学や文化について責任と良識を持って管理に当たり、2度とこんなヘマを犯さないよう留意してもらいたいものである。どうも後味が良くない話だ。

2017年4月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3636.2017年4月27日(木) 「政公報」という言葉の意味

 昨日行われたNPO「知的生産の技術研究会」(略称:知研)セミナーの主催者である知研理事長・久恒啓一多摩大学副学長が、ご自分の昨日付ブログに私の講演について写真を付して取り上げてくれ、その講義内容を紹介してくれた。キューバ革命やキューバ社会主義国創建ばかりでなく、他国の社会主義国建設に関しても熱を入れて話したつもりである。他の社会主義革命を成し遂げた独裁者たちは、キューバの革命家カストロたちと異なり権力志向が極めて強い。自らの権力基盤を固めるために毛沢東や、スターリンらは残忍な虐殺により多くの同国人を葬った例をいくつか述べたが、その辺も数字を添えた具体例を掲載してくれている。キューバの素晴らしい国造りについて蘊蓄を傾けたつもりだが、その点を評価していただいたことは嬉しいことである。

 久恒副学長には来月17日にやはりNPO法人「JAPAN NOW観光情報協会」の総会終了後に基調講演をお願いしているところであり、今日も事務局と細かい取扱いについて連絡を取ったばかりである。

 さて、昨日復興大臣を辞めた今村雅弘氏に代わって被災地福島県選出の吉野正芳・衆院議員が就任した。今村前復興相に対する厳しい批判に対して、今村氏が所属する二階派の親分、二階俊博・自民党幹事長は「言葉の誤解があった場合、いちいち首を取るまで張り切っていかなくてもいいんじゃないか」と、逆にメディアを牽制、批判する発言をした。これに対して野党からは「幹事長がそんな軽い判断をしているから同じような発言が政権から出る。全体に緩んでいる」と反論が出ている。これは与野党ともお互いさまで、どっちもどっちだと思う。政治家の間ではよくあることだ。早速批判された朝日は、今日の夕刊「素粒子」欄に「一行悪いところがあったらすぐ『首を取れ』と。二階幹事長がマスコミや首相に八つ当たり。おごりの根は深く」と皮肉っぽく反論している。政治家対メディアの対立は今に始まったことではない。問題の根源は双方が国民の気持ちをまったく理解していないことにある。

 スポーツ用語に「正攻法」という言葉がある。奇襲などを行わず正々堂々と攻めることである。一方で「正攻法」ならぬ「政公報」という言葉もある。これは「政=政治家、公=官僚、報=報道」を表し、政治家、官僚、そしてメディアといずれも本来の業務は別に、それぞれが自らの職を武器に相手を蹴落とすためだけに動く集団のことだ。「自分勝手」「傲慢」「無責任」などを我知らず行うことでもある。つまり言葉を換えれば、他人の気持ちを考えない点で政治家もメディアも同じ穴のムジナということである。もう少し是々非々を弁えお互いを配慮するような大人になれないものだろうか。

2017年4月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3635.2017年4月26日(水) キューバについて講義

 NPO「知的生産の技術研究会」(知研)の代々木のセミナーで講師を務め、2月の吉祥寺に続き再び同じ「いまキューバが熱い!」のテーマで話をした。狭い会場ではあったが、中々アットホームな雰囲気だった。設備上人員に制約があったが、ぎりぎり一杯20名の聴講者が集まってくれた。ワインを差し入れてくれた知人もいて、珍しく講義の途中で一時ワインタイムを取る寛いだムードだった。昨日までに講義の準備は大方整えていたので、まず思い通りに講義を終えることが出来てホッとしている。

 冒頭に大学4年時にキューバ危機にぶつかり、それ以来キューバへ行くことが長年の念願だったことと、行ってみてキューバのキューバらしい実態がよく理解出来て良かったことなどを話した。その他にはキューバについて考えていること、革命を成し遂げた革命家の行動力、カストロ、ゲバラの国民を想う気持ちや信念と行動力、世界で唯一無二の社会主義国家を成し遂げたこと、などを数字を交えてパワーポイントで存分に説明したつもりである。まずまず納得出来るレクチャーだったと思う。聴講者の感想を聞いてみると、やはりキューバについてはあまり紹介されることがなく、知らないことが多かったので、新しい情報を得られたと喜んでもらえたのは講師冥利に尽きる。終わって二次会で元朝日の轡田隆史さんから慰労の言葉をかけてもらった。知研の八木哲郎会長、久恒啓一理事長からも大変良かったと講評していただいた。高校の友人、ゼミ仲間、駒沢大学公開講座同期生らも参加してくれ、杯を傾け大いに交流を深めることが出来た。

 さて、安倍内閣にお粗末なドラマがあった。閣僚のうち、今村雅弘・復興原発事故再生担当相が辞任することになった。昨夕再び大震災被災者を傷つける軽薄な発言をしてから僅か3時間後のことである。この大臣には、被災者の気持ちを慮る気持ちがまったくなかったうえに、記者会見でも取材する記者を頭ごなしに怒鳴りつける傲慢さで自民党内からもとかくの噂があった人物である。

 いま安倍内閣は問題児の大臣や幹部を抱えてその尻ぬぐいに追われている。首相は挿げ替えようにもそれをやると内閣の不安定さと、任命責任を問われかねないことから、敢えて大臣の更迭を差し控えていた。それが一強多弱の驕りから、益々自民党員の間に気の緩みやたるみが表れ、野党からも大臣辞職の要求を突きつけられていた。

 今村大臣失言の二階派バーティ会場には、その後タイミング良く安倍首相も駆けつけ、直ちに挨拶の中で大臣の失言を陳謝したのだ。

 今国会ですでに辞めた政務官が2人もいるが、そのうち女性スキャンダルを追及された元政務官のひとり、中川俊直氏は所属する委員会にも、国会本会議にも顔を見せず、雲隠れしたままである。与えられた職務を放棄したばかりでなく、国会議員としてのけじめや責任をまったく果たしていない。

 さらに学芸員を愚弄する失言を犯した山本幸三・地方創生・行政改革担当相とともに、沖縄県民の気持ちを蔑ろにするような発言をした鶴保庸介・沖縄北方問題担当相もまな板の鯉である。

 どうしてこれほど人の気持ちを理解出来ない愚かな人物が国家の要職に就くことができるのだろうか。そのうえ能力もないのに、要職を引き受けていながら職務について学ぼうとせず遊んでばかりいるのだろうか。その奥には、任命権者である安倍首相が人事権行使によって貸し借り勘定を考える不純さと安易さがあることも一因である。今村大臣の失言の僅か30分後に安倍首相は更迭を決断した。何とまあ安っぽい大臣だろうか。

2017年4月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com