3686.2017年6月16日(金) ご都合主義の国アメリカ

 東京は7日に梅雨入りしたが、その後はほとんど雨が降らない。空梅雨というのだろうか。近年気象が世界的に異常な様相を呈している。これは明らかに気候温暖化による影響であるが、やはり四季それぞれの季節感を表してくれる気候の方が、気分的には落ち着く感じがする。春は桜の花が咲き、夏は暑いが雲一つない真っ青な空、秋には山々に紅葉が溢れ、冬は雪が降り手が凍るほどの寒さが、昔から日本人の体感してきた季節感であると思う。

 その意味で先日地球温暖化を食い止めようと150ヶ国が結んだパリ協定から離脱したアメリカ人には、悲しいことだが、そんな季節感も感じられないのだろう。排出ガスが世界で2番目に多い国でありながら、他への迷惑とか、反省が微塵も感じられない。アメリカ・ファーストと○○の一つ覚えのように声高に唱えるトランプ大統領の自国経済優先の考えから排出ガスを抑えるより、経済発展を優先しようというのだから、大国意識も責任感もまったく感じられない。地球を汚していながら自分たちにとって銭儲けが出来ないから放っておこうと考えていると思われても仕方がない。情けないアメリカの身勝手パフォーマンスである。

 そしてもうひとつ、アメリカの無節操ぶりを示す現実的対応が示された。一昨年半世紀以上に及ぶ国交断絶を解除して漸く窓口を開いたキューバに対して、制裁の一部を復活させることになるようだ。何と愚かなことだろうか。これでは為政者、つまり親分が代われば、業務の内容もやり方も瞬時に変わるということになる。オバマ大統領時代に国交を復活してまだ2年にもならない。それを次の大統領がいとも簡単に元へ戻して取り止めるというのだから、大国の外交としてはあまりにも軽薄で節操がないのではないか。これでは今増えつつあるアメリカ人観光客がまた訪れなくなる。キューバにとってはもちろんのこと、アメリカにとっても決してプラスにはならない。

 パリ協定離脱の際には、いつも何を考えているのか分からない麻生財務相ですら、アメリカという国はその程度の国だと皮肉ったが、トランプ大統領が君臨するアメリカという国は、奥深い厭らしさが籠った国家だということを改めて知らされたように思う。

2017年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com