6591.2025年5月30日(金) メルケル元ドイツ首相が考える「自由」

 昨晩テレビ「報道ステーション」で今来日中のメルケル・元ドイツ首相に大越キャスターがインタビューした。EUの主要国ドイツの首相を16年間も務めた人だけに、個人的に政治力はもちろん、人間性においても優れた優秀な世界的な政治リーダーであることは承知していたが、話すことがひとつひとつ納得できる内容で、改めてメルケル氏のインテリジェンスと非凡さに敬服した。

 今回訪日したのは、回顧録「自由」日本語版を出版したのを機に、現役の政治家としてではなく作家として日本を訪れたものである。テーマを「自由」にした理由は、自由が自分の人生全体を貫いていると考えていて、子どもにとって自由は特別なものだったが、育った東ドイツでは自由がなかった。自由は民主主義国家にしかなく、そのためにメルケル氏は活動してきたという。メルケル氏は東ドイツで育ったが、もし旧西ドイツで育っていたら、政治の道を歩まず、他の職業を選択しただろうと語った。それほど自由のなかった母国東ドイツに苦しめられたのだろう。

 そもそもメルケル氏は政治畑を歩む気はなかった。東西対立当時の東ドイツでは大学で物理を学んだ理系の人だった。1989年11月ベルリンの壁崩壊が、メルケル氏の進む方向を変えさせた。この時西側になだれ込む群衆の中にメルケル氏もいた。メルケル氏はその時、「単なる自由は存在しない。いつの時代も自由は勝ち取っていくことが重要だ」と強く思ったそうである。私も東西対立時代に東ドイツに入国してベルリンの壁の前に立ち、東ドイツ兵らに見張りされながら重苦しい気持ちに襲われたことがある。そして、その後壁崩壊後に訪れた時の東ドイツには、何らの制約もない自由な空気に社会の違いを感じたものである。とにかく東ドイツ時代には、上から監視されていて「自由」なんてまったくなかったと思う。我々が東ドイツの学校を訪れても、終始シュタージという秘密警察官が我々の周囲に付いて監視されているようなプレッシャーを感じたものである。

 ドイツ首相在職中から大統領第1期時代のトランプ氏には、お互いに顔を合わせながらもどうもぎすぎすしてあまりお互いに敬意を表するような空気を感じなかった。それはテレビ中継されたG7会合の雰囲気からも察しられた。トランプ氏特有の持論を押し付ける強引さにメルケル氏も辟易したからではないかと思う。実際、安倍元首相とは息の合ったトランプ氏も安倍氏とは19秒間も長く握手していたが、メルケル氏とは、周囲に促されながらも遂に手を握ることはなかったと昨晩も語っていたくらいである。

 ただ、ウクライナ侵攻では、一部にメルケル氏のロシアへの融和的な対応が、隙を作らせたとの批判もある。

 いずれにせよ長きに亘ってヨーロッパ、否世界の政治のリーダーでもあったメルケル氏には、毅然とした哲学、自由を尊ぶ姿勢がある。その辺りは、他の首脳らにはあまり感じられない。況してやトランプ大統領のような自己中心で、自由をはき違えているような首脳とは大きな違いがある。

 来日中にぜひとも石破首相もメルケル氏に会って、じっくりトランプ対処術やアメリカの言う自由度というものを教えてもらった方が良いと思う。

 さて、今日は雨交じりで寒かった。都内の最高気温が16.5℃で4月上旬の気候だった。先日は夏日だったが、今夏はアップダウンを繰り返した末に、猛暑となるのだろう。

2025年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6590.2025年5月29日(木) 日本国内における米軍の優先度

 終戦後米軍が占領軍として日本へ乗り込み、日本のすべての機構、組織を掻きまわし日本国民を支配した。そして80年が経った。その間に日本は1952年サンフランシスコ講和条約の締結により、再び独立国家へ戻りアメリカの支配から解放された筈であるが、実態は必ずしもそうなっていない。それどころか、近年アメリカの日本に対する過剰な要求と圧力は些か度を越している。

 その実情を挙げれば、ひとつは沖縄米軍基地周辺のトラブル発生が、日本の秩序を乱しかねないことである。その原因は日米両国間で結ばれた日米安保条約上の日米地位協定である。その中に日本国内の米軍に法的特権を認め、日本はその米軍基地を管理できないということである。つまり米軍の組織、行動に対して口ひとつ差し挟まないという条項である。米軍駐留経費も日本が他国の米軍駐留費に比べて、並外れて多額を負担している。これを好いことに米軍兵士が日本で無軌道な行動をしても日本政府が彼らを処分、指導出来ない。石破首相はこの協定に以前から批判的だったが、自民党総裁選で日米同盟は外交、安保の基軸になると主張し、対等な日米関係の実現のために地位協定の改善に意欲的だった。しかし、その後就任したトランプ流強気姿勢に出鼻を挫かれたのか、いつのまにやらトーンダウンしてしまった。

 最近在日米軍による不祥事が急増していることが気になっている。東京都内には、オスプレイが所属していた横田基地をはじめ、7つの米軍基地があるが、度々PFASによる有毒ガス漏れが東京都へ報告されなかったり、殺人事件をはじめ刑法犯罪の頻発などもすべて東京都へ報告されているわけではない。意図的な隠蔽が多いのである。基地が広い沖縄では、兵士による市内での女性暴行事件なども相変わらず発生している。問題は、その後の米軍基地司令部が日本側に逮捕、裁判権を与えようとしないことである。これでは戦後長い時間が経過したが、日本は相変わらずアメリカの支配下にあると思われても抗弁のしようがない。

 5月に石破首相がトランプ大統領と初めて会見するために訪米したが、大統領は在日米軍の駐留経費を巡って日本側の負担を増額するよう打診したが、今日の朝刊に目を通すと日本政府はそれを受け、米軍住宅など提供施設整備費について数百億円を上積みする方向で検討に入ったと報じられている。

 現在日本側の在日米軍駐留経費負担額は毎年度平均約2,110億円である。ところが、トランプ大統領はこれにも満足していないらしく、不公平だと不満を漏らしている。元々米軍が日本に駐在しなければ、このような今の野放図な要求はなかった筈である。アメリカの視点から、アメリカは日本が第三国から攻撃を受ければ、米軍が日本を防衛はするが、その逆に米軍基地が攻撃されても日本は対応しない現状は不公平だとぼやいていた。どうもアメリカの身勝手な論理ばかり強調しているが、日本は今でも自衛隊が米軍から高価な兵器を購入したり、東京上空の航空域など日本領土内にあってもアメリカの管理が優先するなど、「不公平」とはアメリカが言うべきことではないと思う。日本政府もいつまでもアメリカの占領下にあるような同盟関係を、もっと対等の立場に立って実のあるものにするよう、アメリカに対して言うべきことは言わなければいけない。

2025年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6589.2025年5月28日(水) トランプ大統領に1度相撲を取らせては・・・。

 今アメリカでは、連邦政府がハーバード大学を処分する話が大きな話題となっている。昨日連邦政府はハーバード大と契約する調査や研究、研修などすべての契約を打ち切る方針だと主要メディアが伝えた。これら研究の中には、ビジネス関係の完全な断絶となるものがあり、国立衛生研究所と多岐に亘りコーヒー接種の影響などを調査していたような案件も含まれている。政権は大学への約30億㌦(約4,300億円)の補助金を取り止めることを検討しているという。今後もトランプ政権は同大へ圧力を強化していくことだろう。そして今日ルビオ国務長官は在外米大公使館を通じて、ハーバード大だけでなく、アメリカの大学へ留学希望者を対象とする学生ビザの発行に必要な面接の新規予約を一時停止するよう命じた。これは日本人留学希望者にとっても大分厳しい対応となる。

 また、この停止処分は、優秀な人材を国外へ追放してアメリカの知的レベルを低下させる点でも懸念されているのである。トランプ氏はハーバード大の学生は、2+2も分からないと大学と大学生を愚弄するような発言をしている有様である。こうしてアメリカは自国の知恵袋を捨ててしまうのだ。

 こんな連邦政府が学力・知識軽視の最中に、マイクロソフト創業者でIT業界の大立者ビル・ゲイツ氏が、2017年のトランプ第1期大統領時代にトランプ氏と会った時の印象を語っているのが興味深い。トランプ氏は、エイズを引き起こしたエイズウィルス(HIV)と子宮頸がんの原因となったHPVの違いが分からず、ゲイツ氏に2度も質問をしたとばらしたのである。トランプ大統領は、これまでにも習近平国家主席と会談した直後に「朝鮮は中国の一部だった」と語り、追及されると朝鮮ではなく、中国の一部だったのは北朝鮮だと訂正したが、北朝鮮は独立国で中国領ではないという常識的な事実認識に欠けていた。トランプ大統領とは、偉そうなことばかり口に出す政治家だが、所詮その程度の知的レベルである。また、私利私欲に捉われているが、一方のゲイツ氏は、このほどアメリカ政府が国際的支援縮小に向かったことに反して、全財産約30兆円を今後20年内に寄付すると表明した。

 これまでの言動から推してあまりインテリには見えない大統領が、エリート大学に圧力を加え続けるのは、過去に余程の恨みや屈辱があったことによるコンプレックスの裏返しではないだろうか。世界中に紛争の種をばら撒いているトランプ大統領が、このまま大統領の地位に留まっているのは、世界の人びとを不幸に仕向けるだけだ。1日も早く辞めてもらいたい。それにしても相変わらず誰も大統領の無軌道な言動を止めようともせず、大統領におべんちゃらのような気遣いばかりしているが、こんなことは何とかならないのか。

 不愉快なトランプ話とはガラリと変わって晴れがましい話をひとつ紹介したい。今日日本相撲協会は、去る25日(日)に大相撲夏場所で2場所連続優勝を達成した大関大の里を、満場一致で第75代横綱に正式に推薦することを決めた。早速使者が部屋へ遣わされ本人に直接伝えた。これで来場所の番付には、豊昇龍と並んで東西横綱がそろい踏みすることになった。そのために大関が琴櫻だけになってしまい、次の名古屋場所では大関争いが熾烈になることだろう。とにかく大の里は稀に見るスピード出世である。初土俵以来13場所で横綱へ昇進した力士は、明治以降最速である。大相撲が年6場所制になった1958年以来21場所で昇進した同じ能登出身の輪島を凌ぐスピードである。夏場所も連日大入り満員だったが、このまま相撲人気が続くことだろう。

 ところで、今日TVの「徹子の部屋」に偶々妻とともにゲスト出演したハワイ出身の元大関・小錦が、アメリカで相撲人気が徐々に盛り上がっていると説明していたことが興味深かった。自身アメリカで相撲を取って見せながら相撲を紹介し、相撲は体格の大きさに関係なく、勝負出来ることと、礼儀正しいスポーツであるとPRしているそうだ。毎場所外国人観客が増えているので、今後も人気は高まるだろうとにこやかに語っていたことが印象的だった。

 一度トランプ大統領に国技館の土俵上で小さな日本人と相撲を取ってもらったらどうだろう。

2025年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6588.2025年5月27日(火) ミヤンマーが世界から無視されている。

 ウクライナやパレスチナ・ガザ地区の戦闘が大きく報道され、世界中から停戦を望む声が寄せられている。その中で、ミヤンマーがこのところさっぱりメディアで取り上げられなくなった。2021年2月1日民主的に選ばれた政権が、国軍の軍事クーデターによって崩壊させられてから4年4か月が経った。今では国軍のミンアウンフライン最高司令官が権力を握り軍事国家として国を統治、支配している。当時の民主派政権の幹部らは失脚させられ、追放されるか、投獄された。中でも国家顧問でもあり、旧ビルマ独立の父とも言われたアウンサン将軍の娘で、国民の間に人気絶大だったアウンサンスーチー氏も身柄を拘束されたままで、翌年には軍事裁判でスーチー氏を有罪として、後に刑期は短縮されたが、一方的に33年の刑期を課した。

 軍が抑圧的な権力を行使したことによって各地で少数民族武装勢力が抵抗し、内戦が激化している。民主派の一部「国民防衛隊」も民主化への回帰を求めて国軍と戦っている。国軍としても抵抗勢力の壊滅作戦によりやや疲労気味で、少数民族の集落などは空爆を強化して、クーデター後だけですでにその数は7千回を超えた。人権団体・政治犯支援協会(AAPP)によると、国軍の空爆による市民の犠牲者は6千2百人を超え、更に深刻なのは避難民が323万人以上もいることである。そこへつい最近大きな海難事故が起きた。かねてから国内・ラカイン州で疎外され、孤立したイスラム系住民ロヒンギャが国際的に注目されていたが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が23日発表したところによると、彼ら難民514人を乗せた2隻の船がミヤンマー沖合で沈没し、合せて427人が死亡した。残念なのは、このミヤンマーのクーデターによる無法な国家統治に対して、世界の関心がやや薄くなっていることである。精々3月末に大地震に被災して、今なおその災禍から立ち直れないが、その時一時的に国際社会の同情を買った程度である。

 その最中にアメリカはトランプ大統領の国際開発庁(USAID)の経費削減のため予算を縮小し、途上国支援のための政府開発援助(ODA)からの離脱により、支援をせず、日本政府もクーデター以降は人道支援以外の支援は停止している。その一方で、中国とロシアが国軍を軍事的に支援している。特に中国にとって、ミヤンマーは巨大な経済圏構想「一帯一路」の中国とインド洋をつなぐインフラ事業を進めるための重要な拠点と捉えて支援を惜しまない。

 ウクライナやガザ地区のように露骨に空爆などで犠牲者を生んでいる状況に比べて、ミヤンマーの国軍による国民への弾圧は、それほどその残虐性は伝えられない。だが、他の国なら国外脱出をするところでも、ミヤンマーの人びとはあまり国を捨て、家族を捨てて危機を逃れようとする国民性ではない。それが国の窮状が外へ伝えられないミヤンマーのひとつの悩みとなっているのではないかと思う。

 旧ビルマ時代に30回近くもミヤンマーを訪れ、多くのビルマ人と親しくなってビルマ人が他の国の人びととは異なる親しみのある、ビルマと言う国に惚れ込んでからもう半世紀以上にもなる。1日も早く軍事国家から元の民主派政権に変わり、民主国家として本来の政治を取り戻し、伸び伸びとおっとりしたビルマ人の本性に触れてみたいものである。

 偶々今夜のNHK歌謡番組「うたコン」で初めて知ったことだが、森崎ウィンというミヤンマー出身の歌手が珍しくも出演していた。不思議な感じがしている。

2025年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6587.2025年5月26日(月) 日本を上回る韓国の一極集中現象

 来月3日に韓国大統領選挙が実施される。尹錫悦・前大統領が非常戒厳令により罷免され、与党「国民の力」からは現在2人が立候補している。しかし、最大野党「共に民主党」に圧倒され形勢は芳しくない。にも拘らず、与党の2人が候補者一本化に同意しない。現状は野党前代表の李在明氏が51%と圧倒的な支持を確保していた。ところが、最近になって世論調査によると李在明氏の支持率が下がり、今では45%に下降した。

 一方与党「国民の力」からは、金文朱・前雇用労働相と李錫氏の2人が立ち、それぞれ36%、10%の支持を得ている。与野党候補者の支持率が大分縮小してきたことを考えると、残り日数が1週間ばかりとなり、野党候補者に勝つのはかなり厳しいが、今後この2人が話し合ってどちらかに一本化できれば、与党候補者が勝利を収める期待が消えたわけではない。従来通り与党「国民の力」に踏ん張ってもらいたいと願っている。

 実は、今年国交正常化60周年を迎える日韓両国にとって、中国、北朝鮮など周辺国の圧力が高まっている日韓両国がお互いに手を携えて行かなければならない時である。しかし、李在明氏があまり親日的ではないだけに、現在後塵を拝している与党が候補者を一本化して選挙に臨んで欲しいと願っている。残り1週間で決着がつくが、何とか「国民の力」が、これまでと同じ力を発揮して欲しい。

 韓国では、その大統領選でも首都ソウルの一極集中が、出生率の低下や、高い高齢化、後期高齢者の貧困率など、いくつも問題になって大統領選の論点にもなっている。例えば、ソウル市とその周辺の首都圏の人口が国全体の人口の半数を超え、世界でも突出した人口集中度である。それはかなり以前からじわじわ全国都市から首都ソウルへの転出、流入によるものである。それには韓国独特の特異性もある。ソウルでなければ、生活出来ないとでも言わんばかりの若者の首都進出が嵩じた結果である。韓国と日本とは傾向は似てはいるが、日本は韓国ほど極端ではない。韓国第2の都市である釜山ですら、今では人口が減少して第2の都市を仁川市に譲るのもそう遠い将来ではない。

 首都ソウルに地方都市から人口が流入するのは、優秀な大学がソウルにあり、その卒業生が就職する大手企業もほとんどソウル市内にあるために、若者はソウルの大学を目指し、大手優良企業へ入社することを目指すようになった。当然ソウル市内の優秀な大学へ入学することは難しく、受験環境に恵まれたソウル市内に地方から移住して勉学に励むのが、今どきの韓国学生の普通のパターンになった。韓国の専門家も「序列が高いとされる大学や良質な雇用などが集まるソウルが、人々を吸い寄せるブラックホールのようになっている」とコメントしているほどである。

 ソウル市内の賑わいや、若者たちの幸せそうに生活を楽しんでいる光景からだけでは中々分からない、隠された現実的な問題があるのだ。日本もこれほど極端ではないが、東京の首都圏にはこれと同じような現象が見られる。他人事ではないのかも知れない。

2025年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6586.2025年5月25日(日) 故小中陽太郎さんへ御礼と再度のお別れ

 昨年12月に他界された小中陽太郎さんのご近所のお宅へ妻とともに伺い、改めて永久のお別れをしてきた。葬儀には出席したが、春のお彼岸が過ぎたら改めてご挨拶に伺いたいと奥様にお話ししていた。その後不運にも私が体調を崩したので予定を延期して、遅ればせながら今日お邪魔することになった。小中さんは、クリスチャンであるのでどういうお別れの気持ちを伝えたら良いのか分からないので、宗教に関係なく心の中で長年に亘ってお世話になったお礼をお伝えした。何といってもベ平連の小中さんとはベトナム反戦運動でご一緒し、その他にも随分いろいろ教えていただいたり、多くの人をご紹介してもらった。処女出版書「現代海外武者修行のすすめ」の表紙帯に推薦文を書いていただいたり、何度か開いた出版記念会でご挨拶もいただいた。中でも日本ペンクラブの会員になったのは、小中さんに推薦人となっていただいたからである。奥様とも娘さんとも葬儀の時以来お会いしたことになるが、生前の小中さんの思い出話をたっぷりして、心に残るひとときを過ごした。昨日までの天気予報では、この9週間の週末は雨続きで、今日は大分雨が激しいと聞いていたが、幸い曇り空で我が家から小中邸まで歩いて往復した。小中さんともうお話することが出来ないことはとても悔しく残念であるが、気持ちとしてはすっきりした。

 帰ってきたらちょうど大相撲夏場所千秋楽をTV放映していた。すでに一昨日までに優勝を決めていた大関大の里の全勝優勝に関心が集まっていたが、対戦相手の横綱豊昇龍も初場所優勝者であり、容易く勝てる相手ではない。立ち合いは押しと突っ張りで優位だったが、組んでから土俵上に転がされてしまい、全勝優勝はならなかった。それでも大関として2連覇を成し遂げたので、明日以降に横綱に推薦されることになると思う。

 さて、コメの価格高騰が止まらない中で小泉農水相が備蓄米の放出手続きを競争入札から、随意契約に変更し、「5㎏2千円」の店頭価格を目指すとしたが、最近まで米価の低迷に苦しんできた生産者には、このままでは米作りは続けられないとの厳しい声が聞かれる。同時に農協関係者からもその価格で実施できるのか懸念されている。消費者にとっては有難いことであるが、農業関係者の気持ちをどう汲み取ってやれるだろうか。

 国会も各野党のみならず、一部の自民党議員からもスピード感のある小泉ペースに対して、随契によって本当に米価を引き下げ、持続的に予定通り実施できるのか疑問も呈されている。他方で少数与党の事態打開を図る展開に野党も焦っている感じである。果たして小泉農水相が目指すように「5㎏2千円」が実行できるのか、しばし時間の経過を待つしかない。

 ついては、アメリカ国内ばかりでなく世界中に大きな波紋を投じたトランプ大統領ハーバード大学外国人留学生の受け入れ認可を停止したショッキングなニュースは、即日大学側の提訴に対して連邦地裁により一時停止となった。しかし、この政権の措置を巡りベルギー王室ではエリザベート王女の今後の対応に苦慮しているようだ。というのは、現在同大学大学院修士課程1年に在籍中のベルギー・フィリップ国王の王位継承順位1位の王女が2年目の学業継続についてどうすべきか、今後の決定を見守るしかないと考えているからである。当然似たようなケースがこれからいくつも考えられるが、トランプ氏は他人の迷惑や困惑なぞお構いなく、大統領の権限を振り回して気に入らない事柄にお灸をすえているだけのような気がする。更に同じような問題がエスカレートするなら、ウクライナ、ガザ地区と並ぶ第3の戦争、トランプ戦争にならないとも限らない。

2025年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6585.2025年5月24日(土) トランプ政権の処分、連邦地裁一時停止

 またトランプが仕出かした! 昨日の夕刊、今日の朝刊にも大きく取り上げられている。トランプ政権がハーバード大学の外国人留学生を受け入れる認可を停止したと発表したのである。本来学問の自由から大学の教育、自治などは公的機関、況してや国家が介入すべきことではない。

 1月のトランプ政権発足後パレスチナ・ガザ地区を巡る学内でのイスラエルへの抗議デモ等を理由に、「反ユダヤ主義」、「行き過ぎたDEI(多様性・公平性・包摂性)」があると大学への圧力を強めて来た。3月にはハーバード大に対して「反ユダヤ主義的な差別」への取り組みが不十分だとして、約1.3兆円に上がる助成金の見直し方針を表明した。大学側は学問の自由を脅かすものだとして政府の圧力に抵抗したため、助成金が凍結されることになった。更に大学側に対して非課税資格を取り消させるという脅しまでかけてきた。この助成金停止に対して大学は政権を提訴して現在係争中である。ただ、どうしても政権に弱い立場の大学に対して研究予算の削減などを進めており、それは世界中から優秀な人材を集めて高度な研究を進めている大学が力を失うことであり、そのことは取りも直さずアメリカの競争力の低下を招きかねない。

 現在ハーバード大には、留学生は全学生の約27%、6,800人も在学し、大学にとってはその学費(1人年間約860万円)は重要な財源となっている。留学生や研究者の出身国も140か国を超え、日本人留学生も2~300人が在籍している。政権の留学生認可停止に関しては、在籍中の留学生もその対象とされ、「転校か、法的資格の喪失」を選択しなければならないという厳しいものである。留学生の中には、現在一時的にアメリカ国外へ出国している学生もいて、彼らが再入国できるのか見通しが立たず、新学期が始まる9月に大学に戻れるのかについて不安が広がっているという。

 トランプ政権としてはエリート大学の中核であるハーバード大にプレッシャーをかけて、他の大学にも政権の考えに沿わせようとの腹づもりがあると思う。元々大学の反ユダヤ主義デモがお気に召さなかったようだが、平素から裕福なユダヤ人から資金的に恩恵を受けているトランプ氏にとって、ユダヤ人の国イスラエルを批判する反ユダヤ主義が許せないことと、イスラエル政府を支援しているトランプ政権に味噌をつけたことが許せないことであると思う。結局は自らの私利私欲のためにエリート大学を痛めつけているという印象が強い。

 この先大学の自治や自由などこじれた問題がどういう結果になるのか不透明であるが、1ハーバード大への圧力が、プレッシャーに屈したコロンビア大のように他大を委縮させている事例も見られる。それにしてもトランプ政権は、気に入らなければ憲法、法律などにお構いなく何でもやるの姿勢である。アメリカの学問の自由、民主、公平性などが次々に破壊されたら、アメリカは最早建国時の精神は失われたと諦めるより仕方がない。実に残念なことである。

 このトランプ政権のハーバード大への留学生受け入れ停止の措置について大学が政府を提訴していたが、今日夕方のネットによると幸いにもマサチューセッツ州連邦地裁はこの措置を一時的に差し止める仮処分を出した。今後双方の対立は激化する恐れもあるが、取り敢えずホッとしている。

2025年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6584.2025年5月23日(金) 夏場所13日目優勝とコメ問題の随契

 大相撲夏場所13日目の今日、大関・大の里が同じ大関の琴櫻を破り圧倒的な13戦全勝のまま今場所の優勝を決めた。先場所に続き2場所連続、4度目の優勝を飾った。横綱昇進条件の大関2場所連続優勝をクリアしたので、まだ場所後の横綱審議会の決定を待たなければならないが、現状は一人横綱でもあり、来場所には横綱へ昇進することはまず間違いないだろう。大の里の活躍により今場所は大いに盛り上がった。

 さて、米価の高騰から話があちこちに飛び、担当の江藤前農水相の失言を生み、新たに小泉農水相がコメ担当大臣となった。以前に自民党農林部会長を務めた経験もあり、かなり状況を把握しているせいか、石破首相が農水相に任命し価格引き下げのための1案として「随意契約」について述べたところ、小泉農水相はスピード感を以て米価低落のためには随意契約も考えたいと自信に満ちた表情で語った。そして随意契約が既定路線のように走り出してしまった。

 この「随意契約」という言葉は、普通の商取引ではあまり使われない。価格などの条件を踏まえて発注者が契約先を任意に決めることが出来る仕組みである。普通は役所や団体などが取引する際に価格を決める手段として使われたりすると、契約先を決める際に不正が発生する恐れもあり、国の契約などでは使用されるという例はあまりない。実際小泉農水相が「随契」と口に出した時から、自民党内からも米の小売店などからも懸念する空気が上がり、専門家も従来の入札との整合性や、随契が必要な理由をきちんと説明する必要があると述べている。また、それではなぜ最初の備蓄米の放出から随契にしなかったのかなど別の疑問も出ている。これまでほとんど効果を表さなかった備蓄米の放出で、すでに31万㌧を出し、残りは60万㌧であるが、備蓄米をすべて処分し切ってしまうと本来の用途である災害や凶作に備えるという目的が果たせなくなる可能性も考えられる。

 小泉大臣は、現在5㎏4千円台にまで高騰した米価を、取り敢えず3千円台に下げると広言したが、それも夜には一気に2千円台と伝えられるほどである。現在の高値を引き下げることに真一文字に突き進む考えのようだ。入札制なら問題とならなかった契約先をどうやって選ぶのか、そこに疑念が生まれ兼ねない。先月行われた入札の結果では、落札された備蓄米の内、全国農業協同組合連合会(JA全農)、いわゆる農協が97%を占めた。従って、随契に際して農協が指定されるのかどうかが、農協関係者にとっては気になるところである。小泉氏は自民党農林部会長だった当時、利用されている段ボールのサイズが異なっている例が相当数に上がるとして、農協にコスト意識が欠けていると批判したことがある。それを例に小泉氏は厳しく「共同購入で生産コストを減らすという協同組合が果たすべき役割を蔑ろにし、農作物や農業資材を右から左に流して手数料を得るだけの組織に成り下がっているのではないか」と述べたことがある。ひと昔前のことだが、農協幹部の中には、小泉大臣に対して必ずしも妥協的な考えを持っていない人がいる。国民としては小泉氏の力量に期待して、現状では少しでも米価が引き下げられることをひたすら願うばかりである。

2025年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6583.2025年5月22日(木) 横浜中華街の老舗「聘珍楼」倒産に衝撃

 今日ネットを見て知ったことだが、横浜中華街の老舗高級中華料理店「聘珍楼(へいちんろう)」が昨日破産手続きを開始したとのニュースには少々驚いた。同時にブランド「聘珍楼」も営業を停止してしまった。中華街の数々ある中華料理店の中核であり、訪れる人なら誰でも知っている創業141年の最古参店である。私自身何度か利用したこともあり、30余年前には、親しい友人であり、且つ後輩の結婚式に仲人役を務めた会場であるほど縁のある存在でもあった。最初のころはお粗末にも「聘珍楼」の「聘」という字が読めず、今どき珍しく字画の多い漢字だと感じていたくらい印象に残る店だった。近年あまり入って食べる機会はなくなったが、伝統のある名店らしく満足感をお腹に店を出たもので、いつまでも懐かしい中華料理店である。

 その伝統ある中華店「聘珍楼」の思いがけない倒産は、ショックである。1884(明治17)年に創業された人気老舗中華料理店で、飲食業界に衝撃を与えているようだ。やはりコロナ渦の影響が見逃せないらしい。中華街としても地元の看板店だっただけにガッガリしているだろうし、今後の中華街のマイナス・イメージを補う意味でも試練の時となるだろう。この1年半ほど中華街を歩いていないが、今度「聘珍楼」店の前を通った時は、周辺の飲食店にも活気が感じられなくなっているのではないかと気がかりである。

 さて、少子高齢化と都市部への人口流出によって、地域社会の衰退が懸念されている。中でも地方では、若年女性人口の減少が深刻化している。昨年11月時点で日本の総人口約1億2千万人で前年同月に比較して56万人も減少した。その内実に33万7千人は15歳未満である。

 地方人口が減った要因として、①少子化と出生率低下、②都市部への一極集中、③経済的要因による地方離れ、④ライフスタイルの変化、⑤神学による人口流出、等が考えられている。現状のままだとすると、人口は減る一方で、将来周囲には子どもがいなくなり、年寄りばかりになる。

 昨今一極集中と言う中で、とりわけ東京都の人口は、転入者が増える一方で転出者はそれほど増えず、転入超過現象により一極集中が目立っている。特に神奈川、埼玉、千葉県を合わせた首都圏の人口は、全日本人の約3割にも達している。東京には多くの法人企業本社があり、特に大手企業が数多く、それらから入る法人税収入が圧倒的に他の道府県とは差がある。このため元々東京都は財政的に裕福で、教育投資などに他の自治体とは別に多くの資金を使えて近辺の県から羨望の的とされている。

 つい最近も物価高に都民の家計の負担を軽減しようと、東京都は水道の基本料金を猛暑が予想される今夏4カ月分に限定して、無償とすることを決定し小池百合子知事が公表した。もちろんこんなことは他の自治体では実施出来ない。これにより1世帯1か月当たり約5千円の家計が軽減される。我々都民にとっては大変有難いことであるが、他の自治体が羨み、不満を抱えることにもなる。

 このような自治体による財政状態の良し悪しは、現時点ではそれほど大きな問題とはなっていないが、国民全般的な視点から見るとやや偏向し、東京都に有利な仕組みのように思える。企業の法人税がその企業が登記した本社所在の自治体に支払われることは、必ずしも公平であるとは言えないと思う。稼ぐ大工場が地方にあっても仮に本社が東京都内にあれば、法人税は本社のある東京都に支払うことになる。この現実を誰しもが黙って納得できるだろうか。あまり在野でこの種の問題が疑問に上がらないことがむしろ理解出来ない。

2025年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6582.2025年5月21日(水) 自らのことしか考えない政治家たち

 一昨日の江藤拓農林水産相が「私はコメを買ったことがない」という不適切な発言をして以来、自民党内やメディアで騒がしくなったその発言について、世論の批判も高まり、石破首相も江藤農水相がこのまま地位に留まるのはどうかと考えた末に、一先ず農水相を叱責のうえで一旦留任とした。ところが、昨日世論の非難と野党の更迭要求、江藤農水相不信任案提出などに、参議院選を控えてこれ以上放置できず、今朝になって農水相は首相に辞任を申し出た。石破首相としては、この修羅場を乗り切るには力量のある大臣をと考え、辞任の申し出を受け、閣僚経験もあり、特に自民党農林部会長の経験がある前選挙対策委員長だった小泉進次郎氏を農水相の後任に任命した。

 コメの価格の高騰から、備蓄米を放出したが、その効果が現れない中で、小泉新農水相が、どれほど期待に応えられるかは不明だが、江藤前農水相よりは成果を上げることを期待している。

 これで江藤氏は父子2代に亘って失言により大臣を辞職することになった。江藤父子が明らかに世襲引き継ぎのような場で息子の衆院選初当選を祝っている場面がビデオ放映された。その中でメディアからであろう「世襲についてどう思うか?」と質問されると父が怒り、「馬鹿野郎!」と怒鳴った。よほど世襲議員と言われたことに腹が立ったのだろうが、語るに落ちた感があり、最初から「世襲議員」を気にしているように感じた。

 国内の政治では、このような時間の無駄遣いがあったところだが、世界では昨日アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領が、電話会談を行った。お互いにウクライナ危機の解決の必要性を認識していると公表されたが、ロシアにその気はまるでなく、これ以上長引く戦争に嫌気がさしたのかトランプ氏は、何も進展がなければ身を引くとふてくされた。自分が大統領になったら直ぐにも停戦させると見えを切っていたが、フェイクであったことがばれた。

 他方パレスチナへのイスラエル軍の攻撃は、停戦要求何のそのでイスラエル軍は連日ガザ地区を攻撃し続け、ガザ地区では食料不足の中で、多くの住民が犠牲になっている。あれほどイスラエルの支援に力を注ぎ込んでいたアメリカは、トランプ大統領がウクライナ問題に関わっている間に、イスラエルの攻撃を見て見ぬふりをし、イスラエルはこの時とばかり激しい攻撃を加えた。この勢いでは1948年イスラエル独立に際して東エルサレムとパレスチナ地区をイスラエル領と認めないとの関係国間の結論を蔑ろにして、イスラエルはそれらの地区を自国領土に組み込もうとしている姿勢が窺える。流石にイギリス政府がこの現状について、イスラエルとの自由貿易交渉を一時停止すると発表した。

 果たしてパレスチナ・ガザ地区はいつになったら和平を取り戻すことが出来るだろうか。ガザ地区では、多くの住民にとって食料品が乏しくなっている。ここガザ地区では、江藤前農水相のように、コメは買ったことがありませんなどと悠長なことなど言っていられない。

2025年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com