6645.2025年7月23日(水) 対米関税交渉、関税15%で妥結

 今朝突然驚くようなニュースが入って来た。懸案の日米貿易交渉で、アメリカが日本に要求している相互関税25%を15%に引き下げて合意したという報道である。喜ぶべきか即座には分からないが、アメリカにとっては、来月1日に25%の関税を課すとの方針を、必ずしも日本が納得してはいないので、交渉が長引きそうだと考えて取り敢えず10%引き下げることで日米双方が了解し手打ちとなったようだ。

 これについては、トランプ大統領が一方的に投稿しただけで、肝心の自動車、鉄鋼、アルミなどについてはコメントしていないようだったが、交渉した赤澤亮正・経済再生相の報告を受けた石破首相が自動車なども15%へ引き下げることになったと公表した。この結果が、今日の株式市場において好影響として現れ、東京の株式市場では、日経平均株価は今年の最高値を更新し、41,171円で取引を終えた

 また、この度の参院選の大敗を受けて自民党内には石破首相の責任問題について、広く地方組織などからも首相は辞任すべしとの辞任論が噴出している。もちろん首相辞任の必要なしとする首相支持論もあり、党内でもめている。首相自身ここしばらくは政治の空白を齎すことは避けるべきと都合の好いことを言いながら、このまま居座るつもりのようだったが、関税交渉のメドがついたため、これを理由に続投を主張するわけにはいかなくなった。ただ、午後森山幹事長を交えて、麻生、菅、岸田氏ら3人の元首相経験者と1時間余に亘って会談を行い、石破首相は、「強い危機感を共有した。党の分裂はあってはならない等の話があった。私の出処進退については一切話が出ていない」と語ったようだが、記者の質問には応えなかったことから、厳しい指摘があったのではないかと想像される。

 ともかく目の前の霧は一時的に薄れたかに見える。関税問題の決着により首相自身選挙により噴出した党内の辞任の声、特に地方組織からの厳しい声を正面から受け止め、首相辞任によって党内に流れる不安、対立などの空気を払拭するか、或いはこのまま不信感の中で首相を続投していくのか毅然と決断する必要がある。

 さて、このところの猛暑には少々お手上げである。午前中に訪ねてこられた2人の銀行員が汗びっしょりで外は暑いといってぼやいていた。最近北海道では高気圧が南から押し上げられたような状態なので、北海道も暑くなると観測されていたが、何と沖縄より高温の美幌で38.2℃、佐呂間で37.9℃を記録して、今日最高気温を記録した京都府福知山、福島県梁川の38.7℃に匹敵する暑さである。東京都内では熱中症警戒アラートが発表された。青梅市では最高36.9℃、八王子でも36.2℃、大手町は34.3℃だった。それにしても地球上の北半球はほとんど熱波で、スペインのセビリヤ、コルドバでは今日37℃を記録した。あまり緑地が見られない石造りの中世都市なので、想像がつく。

 経済活動を抑制するとして、二酸化炭酸ガス排出規制に異を唱え、「パリ協定」から離脱したトランプ大統領は、現実の世界を政治的な視点からだけしか見ていないのではないか。「パリ協定」の精神に基づいて、世界の国々とともに地球温暖化対策に真剣に取り組む姿勢を見せて欲しいものである。

2025年7月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6644.2025年7月22日(火) 極右思想が強い参政党新憲法(構想案)

 この度の参議院選挙では、戦前からメディアなどの前宣伝が過剰だったせいもあり、有権者の関心が高く、投票率も3年前の参議院選の52.05%から58.51%へ上昇した。その他にもいろいろな変化があった。そのひとつとして、女性当選者が42人で、全当選者125人に占める割合は、33.6%でほぼ3人あにひとりが女性議員となったことである。

 今回の参議院選で、何といっても驚いているのは、急成長した設立5年目の新しい政党・参政党の存在とその躍進ぶりである。何が受けてこれほど伸展したのかどうもよく分からない。何もかもが不意に飛び出してきたような勢いで、実効力があるかどうかは分からない。斬新な行き方やアイディアには、むしろ戸惑わされる。このような目的が漠然とし、それでいて度々多方面への発信力が若者に受けがいい原因なのであろうか。

 中でも一番びっくりしたのは、すでに党としての新しい憲法案を5月には公表したということだった。まったく知らなかったが、ネットで調べてみると「参政党が創る新日本憲法(構想案)」全文が掲載されていた。とにかく戦前の教育を思わせるような極右的な憲法案である。これでは国民の反感を買うことは間違いないので、参院選ではアピールしなかったのだろう。とにかくざっと目を通してみても前文に続いて国歌「君が代」に始まり、第1章は「天皇」、そしてその第2条で皇位継承として、「皇位は、三種の神器をもって、男系男子の皇嗣が継承する」と書かれている。また、第3章第9条の「教育」では、第3項に「国語と古典素読、歴史と神話、修身、武道及び政治参加の教育は必修とする」と第4項「教育勅語など歴代の詔勅、愛国心、食と健康、地域の祭祀や偉人、伝統行事は、教育において尊重しなければならない」と記載されている。修身復活などまるで戦前の大日本帝国時代の封建的な教育制度に回帰したかのような条文である。そして、第4章第20条には「自衛軍」として、「国は自衛のための軍隊(以下「自衛軍」という)を保持する」と、完全に現在の平和憲法に違反し、軍備を条文化している。更に、今選挙でも話題になった参政党がアピールした「日本人ファースト」から想像される外国人差別については、第19条「外国人と外国資本」として第2項では「土地は公共の財産であり、外国人または外国資本に譲渡しては成らない」、第4項では、「外国人の参政権は、これを認めない」とかなり外国人には厳しい条文である。これらを総括して第7章第33条までの条文から成り立っている。

 ざっとみてやはり憲法案の中には教育勅語や神話、修身を重要視していることから極右思想が随分強いことを感じる。日本が国際社会において活躍しなければならない現代社会において、当然のことながら日本人はもとより、外国人からも歓迎されない憲法案である。

 今後拡大した勢力を要して政界でもそれなりの存在感を示すことであろうが、神谷党代表の言動や、当選者の発言からは確たる思想や哲学的な考えが感じられない。これから政治的問題の対処に当たってどういう発言や対応をするのか、しっかり見守る必要があると感じた。付和雷同派の多い若者たちがこの右翼思想に安易に引き込まれないよう気を付けなければならないとも思う。

 偶々今夕の朝日新聞「素粒子」欄にヨーロッパの政治に詳しい学者の指摘が取り上げられている。「外国人排斥の政党に穏健保守が引きずられ、崩れた時、その国の民主主義はおかしくなる。今はまさに分岐点」。まさにその通りである。

2025年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6643.2025年7月21日(月) 石破首相、敗戦の責任の取り方

 今朝になって漸く昨日の参議院選の結果がほぼ確定した。自民党39議席、公明党8議席を合わせた与党は、非改選議席数を加えて122議席に減じた結果、過半数125議席に3議席及ばず、衆議院同様に少数与党となった。自民党が議席を減らした原因としては、全国32区の1人区で前回は28議席を獲得していながら、今回その半分の14議席しか獲れなかったことが大きいようだ。

 ひとつ興味深い現象が見られた。それは、比例区の個人別得票数である。個人で獲得投票数が多いことが当選の条件のようであるが、比例区では所属政党によってその合否が分かれることである。例えば、個人別得票数の上位10人は全員当選と言いたいところだが、何と7位の現職だったNHK党の現職・浜田聡氏が落選の悲哀を味合うことになってしまった。6位で当選した立憲民主党の蓮舫氏とほとんど票差はないが、所属するNHK党の総得票数が少なく議席の配分がなかったためである。NHK党の獲得数は浜田氏の得票数の2倍にしか過ぎなかった。結局浜田氏へ投票した人は、当選圏内に入っていながらルールにより落選とされ、死票になってしまったのである。同じ1票でも生死が分かれた一例である。

 もうひとつ興味深い結果があった。23年ぶりに復党した自民党比例代表の鈴木宗男・元北海道、沖縄開発庁長官が、敗色濃厚となり今回を以て不審な事件に巻き込まれることが多かった議員生活から引退すると表明した。ところが、最後になって自民党比例区最終当選者に滑り込んだのである。まるでドラマである。と同時に、橋本聖子・元五輪相も比例区で滑り込み6回目の当選となった。しかし、彼女も政治資金パーティで巨額の個人献金を受けたことなどから、党から1年間の役職停止処分を受けていたほどの問題人である。どうも自民党には、古い体質から生まれる闇の部分が多く、若い有権者らにはとても受け入れられないだろう。

 こうして自民党惨敗の内に終えた参議院選であるが、自民党内には石破首相の続投表明がある一方で、一部党内には惨敗の責任を取り引責辞任すべきとの声が聞かれる。首相と一蓮托生の森山幹事長は、首相から指示があれば、「国際情勢やアメリカの関税措置、それに対する経済状況を考えると、今は政治空白を作るわけにはいかない」と幹事長を続けると語った。政治環境を考えても、終戦80年を迎える来月8月には、広島、長崎原爆の日や、終戦記念日、その前に直ぐにも臨時国会を開く必要があり、そして1日が期限の日米関税交渉が待っている。政党内で争いをやっている場合ではなく、毅然とした政治を進める決意が強く求められる。そんな気持ちが強かったのと、否定的な空気を抑えるために今日午後首相は記者会見を開き、引き続き首相として任務を果たして行くと公表した。

 しかし、これほど厳しい試練を受けた監督官としては、このまま国家のリーダーを続けると言ってもやや説得力に欠ける。惨敗を喫して誰も責任を問われないというのも、責任逃れとしか思えない。現状では、会見でも述べていたが、敗戦の原因を徹底的に究明して、目先の試練ばかりでなく、長期的な納得し得る施策と体制を早急に整えることが首相として最低限の責任の取り方であると思う。

2025年7月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6642.2025年7月20日(日) 自民党が歴史的大敗、参政党躍進

 このところ連日の猛暑に少々うんざりさせられているが、その最中の今日参議院選の投開票日を迎えた。その暑さのせいもあるのだろうか、今回の選挙では期日前投票が多く、有権者の約2割、2千万人以上の人がすでに投票を済ませたという。

 今回特に注目されているのは、石破政権の人気が今ひとつパッとせず、すでに衆議院では自民・公明の与党が過半数を失っているが、今日の結果で、自民、公明の与党は合わせて50名の当選者が出なければ、衆議院同様に参議院でも与党が125議席の過半数に届かないことになる。つまり石破首相による政権運営の信任を問う選挙で、もし与党が過半数を失うことになれば、衆参両院で与党が過半数を取れないのは、戦後初めてとなる。今後の政局は流動化する可能性がある。

 炎天下に投票所まで出かけるのも厳しいと感じていたので、投票所の東京学芸大学付属小学校へは陽が落ちた夕方6時過ぎに妻と出かけた。やはり同じような考えの方が多いようで、三々五々かなり多くの有権者がやって来られた。すでに投票する政党と候補者は決めていたが、これは期待通りの結果となるだろう。投票は8時に締め切るわけだが、実は昨日から3連休に当たり、東横線自由が丘駅前商店街で恒例の「自由が丘納涼盆踊り大会」を開催している。

 そこで、夕食がてら偶には気晴らしに盆踊りでも見物に行こうということにして、妻と投票所から自由が丘駅近くまで行ってみた。近くまで来てお囃子と太鼓の音が響いて聞こえてきた。どういうわけだかゆったりした気分に誘われる。駅前まで来てみると、さほど広くない広場には、舞台の上で年配のおじさん、おばさんが浴衣姿で手拍子よろしく踊っていた。舞台の下では、外国人も含めて大勢の人が同じように手拍子に合わせて踊っていたが、溢れんばかりの人だかりである。駅の近くで夕食をいただいて、8時過ぎに帰宅した。丁度テレビが開票の途中経過を流していたところだった。

 やはり予想通りであろうか、与党の自民党が大敗を喫する見通しである。同じ与党の公明党もかなり議席数を減らすようだ。最近になって予想されていたことだが、新興勢力の「日本人ファースト」をアピールしていた参政党が、これまでの僅か1議席から15議席も増やして16議席まで伸長する見通しである。その他に野党では、立憲民主党が22議席から26議席へ、国民民主党が4議席から17議席へ、日本維新の会は5議席から7議席へ、れいわ新選組が2議席から3議席へ増やして、野党では共産党7議席から3議席へ減らした以外は、与党の惨敗、野党の圧勝と言って良いだろう。最終的な集計は今夜半にならないと判明しないので明朝のニュースで知ることになる。ただ、はっきり言えることは、これまでの自民党の公約、政権運営では、今後国民の支持は減る一方であることがはっきりした。これまでの派閥型や、世襲政治のような旧態依然とした後ろ向きの姿勢では、存在感が感じられなくなることだろう。明日の最終結果を見て、自民党に対して私なりに考えてみたいと思う。

2025年7月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6641.2025年7月19日(土) 学歴詐称伊東市長の往生際の悪さ

 陳腐な話で、まだすっきり解決していないのが、静岡県伊東市長の学歴詐称による辞任問題である。昨日が学歴詐称を疑われた卒業証書の提出期限だった田久保真紀市長が、それを市議会の調査特別委員会(百条委員会)に提出しなかった。ないものを提出出来るわけがなく、最初から期待していない人が多かったのではないか。市長は約束を守らず、卒業証書を提出せずに、改めて今月中に辞任すると語った。市長は、先の会見では2週間以内に卒業証書と卒業アルバムを上申書とともに静岡地検に提出すると述べていたが、事情が変わったからと上申は保留すると応えた。それにしても事件の発端というより大学入学時から不透明なプライバシーを抱えている市長は、6月に学歴詐称が市議会で問題となり、そのスキャンダラスなニュースは、伊東市のみならず全国的に注目されるようになった。

 市長の言うことはどうにもつじつまが合わないことばかりで、よくぞここまでウソをつけるかと思うほどウソで固められている。卒業したと信じていた大学が、実際には除籍処分だったと本人が大学に問い合わせて分かったという。しかし、自分が大学を卒業したかどうかが分からないなんて発言を信じることが出来る筈がない。高々30年前の大学時代の大きな節目である自身の卒業がはっきりしないとは、普通では事実を誤魔化しているとしか思えない。

 僭越だが、私自身62年前に大学を卒業したが、あの卒業式の日のことは鮮明に覚えている。OB代表で挨拶された著名な方のスピーチや、卒業式後の友人らとともに大学周辺で食事をしたこともよく覚えている。卒業証書と卒業アルバムは今も書斎の手の届く場所に保管してある。伊東市長のあまりにも雑な書類扱いと曖昧な記憶に、こんな人が市長になって市民のための重要な業務をこなせるのか疑問に思えて仕方がない。実際、このところ連日市民から多くの苦情の電話が入り、市の担当者も往生しているようだ。

 これだけ市民にウソをつき、市政を停滞させ、本人も学歴詐称を自白して市議会で辞任すると述べたが、まだ辞めたわけではない。市民の期待を大きく裏切り、市政を停滞させてこのうえ改めて出直し市長選に出馬する心情はとても理解出来るものではない。全国的にも著名な温泉地・伊東市の価値と評価を大きく下落させた責任を感じていないようだが、改めて行われる市長選に立候補するとは反省の気持ちがまったく感じられない。5月に選挙を終えたばかりで、?千万円単位の選挙資金を手当て出来るのだろうか。

 それにしても田久保市長は、どうしてこうも往生際が悪いのだろうか。これほど市民の理解を得にくい言動が明かになれば、再び市長選に出ようとも当選するわけがないと思う。恥の上塗りではないだろうか。

 市長職は公私ともによほどメリットが多かったと見られ、市長として一旦甘い汁を吸ってしまうともう止められないのだろうが、明日行われる参議院選でもアレっ?と首を傾げるような元有名人が立候補している。昔味わった美食が忘れられないのだろう。この結果も明日中には判明する。日本の選挙の土壌というのは、このままで良いのだろうか。

2025年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6640.2025年7月18日(金) ほくほくのインバウンド業界と短慮な参政党

 政府観光局の統計によれば、今年1月~6月半年間の外国人訪日客数は大幅に伸びて、2,151万人だった。半年間で2千万人を超えるのは初めてである。昨年の同時期に比較して370万人以上も増え、過去最多となった。これには円安が随分貢献しているようだ。日本では6月は梅雨期でもあり、そのうえ今年は猛暑と豪雨が襲来し、とても外国人観光客が喜ぶような観光シーズンとは言えないが、それでもこの1か月間に日本を訪れた外国人はおよそ337万人で、6月としても過去最多だった。

 国別に観光客を見てみるとやはり近場のアジアの国々から訪れる人が多い。上位10位はすべてアジアの国々からである。1位は韓国からで478余万人、2位は中国から471万余人、3位は台湾で328万余人、以下香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムの順である。

 今や外国人市場、インバウンド業は日本の財政の大きな柱ともなり、かつてインバウンド業がほとんどなく、アウトバウンド業だけだった海外旅行業界は外貨無駄遣いの親玉と皮肉られ、当時の運輸省から海外旅行業界は目の敵のように睨まれていた時期を想うと昔日の感がある。

 因みに、今年4~6月の第1四半期の訪日外国人による総消費額は、2兆5千億円以上もあり、昨年の同期に比較して18%の大幅な伸びであり、第1四半期としては過去最高を記録した。中でも消費額の多かったのは、総額で中国人が全体の20.4%を占めている。次いで、アメリカ人、台湾人が上位を占めている。ひとり当たりの消費支出額に目を向けると欧米からの旅行者が多く、アメリカ人に次いでイギリス人、イタリア人、ドイツ人が上位にいる。

 日本国内には、伝統的な特殊な木造建造物など誇れる世界遺産の古都も多いが、自然も四季それぞれに魅力的な情景を演出してくれる。この日本独自の資産を生かして、これからも国、民間が一体となって「おもてなし」のこころで外国人旅行者を歓迎するなら彼らも益々日本が好きになり旅行客が増え、外貨収入も増えて国の基盤安定に寄与し、世界の国々との交流も実を上げることだろう。

 それにしても外国人観光客歓迎の折も折、一昨日の本ブログにも取り上げたように、明後日に参議院議員選挙の投開票を控えて、参政党が「外国人差別」と誤解されかねない身勝手な「日本人ファースト」を打ち出し、その参政党が選挙で善戦しそうだとの報には頭を考え込んでしまう。こういう安易な公約が、堂々とまかり通るところが気がかりでならない。ネットでも日系三世のペルー人が、外国人を差別するようなことがなければ好いがと話していた。

 ところが、傍若無人の神谷宗幣・参政党代表は、無責任にも「日本人ファースト」は参院選の選挙の間だけのキャッチコピーだとさりげなく語った。選挙の間だけ通用する一時的な言葉で、選挙が終わればそんなことで差別を助長するようなことはしないとも述べているが、どうも発言が軽薄に思える。ことは重大な問題を含んでいると思うが、党代表ともあろう者がそんな認識もなく、こんな安易な考えで好いものだろうか。参政党は、候補者が党の許可もなくロシアの国営通信社「スプートニク社」の取材を受けたような問題もあり、また、代表が応援演説で宮城県の水道事業を県が民営化して外資へ売ったとの発言に対して、事実と異なると村井県知事が怒り、謝罪を求められてもいる。これに対して誤った情報の発信ではないとして謝罪の必要はないと突っぱねて、対立したままである。外国人差別と取られかねないアピールが、地方自治体との対立を呼んでいる状態である。

 どうも参政党には、あまり周囲に気を遣わずに行動する傾向があるようだ。

2025年7月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6639.2025年7月17日(木) イスラエルとアメリカ、似た者同士

 一昨日イスラエル空軍が、不意に隣国レバノンのベカー高原にあるイスラム派組織ヒズボラの訓練施設を空爆し、昨年11月イスラエルとヒズボラとの間に停戦が合意されて以来、最多12名の死者を出した。

 そしてイスラエル軍は、昨日もシリアの首都ダマスカスの国防省や大統領宮殿近くにある暫定政府軍の本部を不意打ちに空爆し、3人が死亡、30人以上が負傷した。テレビ放映されたこのダマスカスへの凄まじい空爆では多くのビルが炎上し、数字以上の犠牲者が出たのではないかと思わせるものだった。イスラエルに近いシリア南部では以前から武装グループや、イスラム派少数民族の諍いが絶えなかったが、ついにこれにイスラエル軍が乗り出してきた。これによって事態は益々複雑になり、イスラエルは周辺のアラブの国々と悉く紛争を起こしている状態である。まったくイスラエルという国は、相手国に対し何をしようと一向に悪びれる様子もなく反省するような国でもない。

 シリアの要請を受け、国連は今日にも緊急会合を開く予定であるが、グテーレス事務総長は報道官を通じて、イスラエル軍のシリア空爆、及びゴラン高原への部隊再配置などについて非難する声明を出した。

 世界各地で紛争、というより今や戦争だらけである。かつて世界に核の恐怖をばら撒いた最初の原爆実権が行われたのは、80年前の昨日アメリカ・ニューメキシコ州だった。単に核実験と言っていたが、この驚異的な核爆弾が実験後3週間の内に、広島と長崎に投下され、大きな被害を齎したのは多くの人が知っている。あまりの被害と後遺症が、その後の投下を止めさせてはいるが、現在も一方では更なる高性能の核兵器開発の研究を重ね、他方では良識ある核反対運動が、2度と使用してはならないと核兵器使用禁止の運動を長々と今後も絶えることなく続けられることであろう。

 核に対する是非の考え方は、2通りあると思う。ひとつは、核保有国と非保有国と立場によって核保有の賛否が分かれることであり、これには、核保有国は他国には核を開発させず所有もさせずに核占有欲から、核による被害からも逃れようとしている。そのため核非保有国は、核保有国が核の開発を行うことに反対し、他の非保有国とともに核開発、核保有に反対を唱えている。

 もうひとつは、原爆投下による加害者と被害者の立場の違いによって当然ながら考え方は正反対である。核爆弾を世界で唯一投下し、比類のない災禍を被災者に与えたアメリカは、広島、長崎へ原爆投下したことにより、併せて21万余人もの犠牲者に、後遺症で亡くなった人を含めると2つの都市で、合計50万人を超える犠牲者を生んだ。ところが、アメリカ国内では、原爆効果というか、原爆投下によって早期終戦となり、多くの人の生命が救われたと彼らなりの戦争早期決着の功績を自慢している。原爆がなくても日本の敗戦は目前だった。敢えてこのような過大な犠牲者が出る原爆を投下するのは、彼らの計算だっただけである。

 核がこの世に存在する以上、これを失くすことは、最早不可能であろう。特に核保有国が自分たちの権利ばかり主張しているようでは、その希望は絶望的である。

 日本という国は、アメリカの核実験場として使われ、終戦になり余命をつないだのはアメリカのお陰であるような振る舞いをこれまでアメリカにされて、日本はアメリカの言いなりになってきたが、いつまでもこのような両国関係で良いのだろうか。原爆投下により多くの犠牲者が生じたことに対して、アメリカに強く反省させることが必要ではないか。

2025年7月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6638.2025年7月16日(水) 参政党の拙速な公約「日本人ファースト」

 参議院選挙の投開票日が4日後に迫り、メディアでもしきり与党苦戦の状況を説明している。とりわけ今回はこれまでの選挙では話題にも上がらなかった外国人差別が、注目されている。この点に関して一昨日の本ブログでも取り上げたところだが、昨夕この問題について日本ペンクラブから緊急声明を発するので、その様子をYouTubeで見てほしいと会員に宛ててメールが送られて来た。今朝その緊急声明を述べる桐野夏生会長のスピーチを聞いてみた。

 そもそもトランプ大統領が叫ぶ「アメリカ・ファースト」と同じような主旨の日本人優位の「日本人ファースト」のような私見を公論にして、外国人を差別しようという考え方が一般論となって拡大することが恐ろしい。

 これは、今参院選で勢いづき結党してまだ5年の参政党が、街頭演説で「日本人ファースト」を訴え、支持を広げていることが懸念されたのである。参政党は、参院選の公約ばかりでなく、国家の在り方に関して憲法は戦前に戻るような「天皇は元首として国を代表する」腹案を堅持しているようだ。その一方で、「日本人ファースト」に対して反対論も表れて対立しているからである。ただ、選挙で旗色の悪い自民党が一部参政党に同調する動きをしているかに見え、これをメディアが取り上げ、ムードを醸成している。外国人政策をめぐる選挙の公約として自民党も、「運転免許証切り替えの厳格化と、『違法外国人ゼロ』の取り組み加速」を訴え、他方参政党は「外国人の生活保護支給停止、公務員の採用制限、日本文化の理解と遵守の厳格化」をアピールしているのである。他の政党もややトーンダウンしてはいるが、共産党、社民党以外は似たり寄ったりである。この参院選挙の最中に昨日政府は、省庁横断で外国人政策を担う事務局組織として、内閣官房に「外国人との秩序ある共生社会推進室」を設置したというから選挙公約だけでは自信が持てないのだろう。

 日本ペンクラブの主張は、参院選挙では参政党などから「違法外国人ゼロ」「日本人ファースト」「管理型外国人政策」など、表現の仕方は違えども、外国人を差別、問題視するような政策が掲げられ、「外国人犯罪が増えている」「外国人が生活保護や国民健康保険を乱用している」「外国人留学生が優遇されている」といった、事実とは異なる根拠のないデマが叫ばれている。これらは言葉の暴力であり、こうしたデマと差別煽動が実際に関東大震災時の朝鮮人虐殺等に繋がった歴史を決して忘れてはならないと言葉を尽くしている。

 私自身最近ペンクラブの活動を控えているが、これらの主張と行動には強く賛同している。

 気がかりなのは、この「日本人ファースト」=「外国人排除」の考え方が、海外から人種差別として批判的に取り上げられ、同時に戦前の朝鮮人や少数民族への差別のような空気を醸成するようになる恐れがないだろうかと言う点である。

 それにしても、この「日本人ファースト」を掲げて、急速に名を上げ、選挙に勢いを齎し、多くの当選者を得たら、その勢いは益々手が付けられなくなるだろう。熱気にばかり魘されず、冷静さを失わず、良識ある言動を取るよう願わずにはいられない。

2025年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6637.2025年7月15日(火) 朝ドラに観る戦後の荒んだ街の様子

 NHKの連続ドラマをいつも楽しんで観ているが、今観ているのが、日曜日の大河ドラマ「べらぼう」と朝のドラマ「あんぱん」である。前者は、吉原の本屋さんである蔦屋重三郎を主人公にしているが、話の転換が早く、舞台も花街から将軍家や、大名にまで飛躍するので、ストーリーに附いていくのが大変である。一方、後者は漫画「アンパンマン」の作者・やなせたかしを主人公に他愛のない日常生活を追っているので、「べらぼう」のようなことはない。これは時代的には私よりちょっと上の世代だが、主人公の従軍の様子や、戦時中や戦後の荒れた世相を映し出して、何となく幼かった小学生時代を想い出している。昨日から今日のドラマでは、子どもたちが食料を盗んだのを知って友だちの中にもそういうコソ泥をやっていたのがいたことを想い出した。昨日の放送では、走行中の蒸気機関車の車内の窓が閉まらず、そのままトンネルへ入ったので車内が煙だらけになった光景には、私自身そんな体験もあったので、思わず噴き出した。終戦直後の昭和20年代前半に、疎開先の当時房総西線(現内房線)の車内で同じように煙に巻かれた経験である。そして、当時の鐡道の駅には出征した駅員さんがまだ復員しておらず、男性がいなくて当時の駅員は皆モンペ姿の女性だったことも懐かしい。

 これから当時を思い出させるシーンがどのくらい画面に現れるだろうか楽しみである。

 さて、最近気になっていることがあった。それは、決算期が過ぎたのに、大手上場企業から持ち株の配当金が送られて来ないことである。付帯的なサービスである商品割引券などはもらったが、肝心な配当金は未だに受け取っていない。今日証券会社の営業マンに電話で尋ねたら、営業マンも不審に思われ詳細を知りたいと自宅を訪ねて来られた。この株式は、大分以前から所有していたものだが、昨年半分を手放したもので、まだ半分所有しているのに、今期は配当金が送金されて来ないのでちょっと困ったと気になっていた。

 営業マンは書類を見て直ぐ取り扱いの銀行へ電話をされ、調べてもらった結果、どうも私の領収証は銀行では見つからないようで、支払っていないことが分かったようだ。更に調べるようだが、2か月ぐらいかかると言われた。結果的に営業マンに問い合わせてもらい事実が判明したので良かったし、助かったと思っている。このまま放って置いたらそれなりの現金をミスミス失ってしまうところである。大手企業の現金取り扱いにもミスというものがあり、全面的信頼はおけないものだということも改めて分かった。

2025年7月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6636.2025年7月14日(月) パリ祭の今日、日本の政治家はどんな気分?

 フランスでは、1789年の今日市民がバスティーユ牢獄を襲い、市民革命によってルイ16世王政を倒し新しい国家が生まれた記念すべき建国の日である。今もその歴史的伝統を踏襲して、フランス国民はパリ祭と呼ばれる独立記念日に国を挙げて祝っている。

 日本では、まだ徳川時代が続き武家社会が保たれていた。それから約80年後の1868(慶應4)年に漸く封建社会に別れを告げ明治維新が成り新政府が生まれた。3年後の1871(明治4)年、廃藩置県が実施された。明治政府が全国の藩を廃止し、府と県による行政改革を行って中央集権国家の確立を目指した。

 ついては、注目の参議院選挙投開票日まで残り1週間足らずとなった。今回の国政で思いがけず話題となっているのが、自民・公明の与党が現状の議席を維持できるかどうかということである。世論調査によると石破内閣の支持率が今ひとつぱっとしない。さりとて野党がこれという注目すべき政策をアピールしたかというとそれもない。その中で意外にも関心を呼んでいるのは、後ろ向きの外国人政策である。今まで取り立てて取り上げられなかった問題である。ただ、論点が主に排外主義の助長が目につきわびしい限りである。決して各政党が積極的に取り組んでいる問題ではない。

 昨年秋に実施された衆議院選では、人材不足から外国人の確保がひとつの焦点でもあった。それが今回の参院選では、外国人への規制強化や権利の制限を打ち出すような公約を掲げる政党が相次ぎ、それを訴える政党にその一点だけでやや勢いが見られるという転換が起きている。

 しかしながら、各政党がアピールしているのは、苦しい選挙戦を戦い勝つためだけの政策のような気がしてならない。こんなに急激に外国人排斥をダシに国の政治を変えるメッセージを訴える前にやるべきことはいくらでもあると言いたい。かなりSNSやXに影響を受けているようだ。そのほとんどに根拠がなく、例えば、日本の全体の生活保護費用の内外国人が1/3を占めているという好い加減な投稿があったようだが、実際には大間違いで、ほんの3%弱である。

 今回特にこの外国人に厳しいメッセージを示すようになったきっかけは、先般の都会議員選で初めて複数議席を獲得して勢いを得た参政党が、自信と高揚感から公約の中で、「日本人ファースト」を訴え、これが外国人排斥と受けとられた大きな空気、流れとなった点である。党の言い分は、「理念も制度もないまま経済合理性のみで進めれば、社会の不安定性や国民負担の増大を招き、国益を損なう恐れがある」と訴えている。どこまで真実を訴えているのだろうか。その点で、自民党や日本維新の会は今の程度で良しとして、ありきたりの政策しか打ち出さず、そこには確たるポリシーが見られない。それに引換え、共産党や社民党は、外国人労働者受け入れ体制を整備し、多文化共生社会の実現を訴えている。果たしていかなる結果を生み出すか、6日後の結果はどうなるだろうか、期待か、失望か。

2025年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com