6737.2025年10月23日(木) 新首相のこれからの国政が気がかり

 一昨日就任した高市早苗首相に関する公私取り交ぜた評判をメディアが取り上げるので、テレビでは朝から高市首相の映像を観ないことは稀である。読売新聞が歴代首相の就任時の支持率を挙げていた。

 それによると近年の内閣発足時の支持率では、高市首相は5番目に高いそうである。何がそんなに高市氏の支持を押し上げたのだろうか。因みに人気の1番は小泉純一郎首相だった。この人の場合は分かる。だが、この支持率リストが信用出来ないのは、2位鳩山由紀夫、3位菅義偉のような前評判はともかく、何らの実績を残さなかったからである。鳩山首相の如きは、沖縄から米軍を撤収させるかの如き沖縄県民を裏切るような大法螺まで吹いていた。菅首相にしても、どのような実績を残したのか、まったく思い当たるような目立った事実がない。こういう地味な首相が3番目の高支持率を得ていたとはとても信じられない。この種のアンケートが全面的に信用出来ない理由である。

 高市首相には、これまでの政権とは違う何か新しいことをやってくれそうな期待感があり、支持率が71%という実力以上の人気を得たと思えるが、これはご祝儀相場で時間の経過に連れ、これという実績も残せなくなった折には、このまま留まっているとはとても思えない。

 女性として憲政史上初めての総理大臣就任という大向こうを唸らせるような背景を打ち出した。しかし、実績、成果は今後に残された課題であり、少々右寄りの信念と姿勢が下手をするとマイナス効果を演出しかねない。

 明日国会で最初の所信表明演説を行うと見られている高市首相の腹案は、1)安全保障3文書を来年中に改定する。2)社会保障制度の給付と負担について、国民会議を設置し、給付付き税額控除の制度設計を議論する。3)先端産業で日本経済の強い成長を実現するために「日本成長戦略会議」を創設する。以上3点を中心に語る予定である。最大の課題は、1)安全保障3文書に基づく防衛費増額では、今年度当初予算では対前年1.8%増となっているが、怪しいのがこの所信表明では、補正予算を合わせて対GDP比2%の水準に引き上げることである。来週訪日するトランプ大統領との初の首脳会談でもいろいろ噂が聞かれるが、大統領と気脈を通じていた安倍元首相の教えを受けていた高市首相としては、トランプ大統領と友好的な首脳同士となるべく訪日土産として、少しでも防衛費を増やし、防衛機材をアメリカから購入することによって、ご機嫌を取ろうと試みるだろう。石破前首相は首相就任前から日米安保条約は日本が主権国家とは言えないと漏らし、日米地位協定の改定によって対等な関係を築こうと言っていたが、時間が足りず実現出来なかった。高市首相はそこまでは考えていないようで、日本にとってプラス、マイナスとは無関係にアメリカにとって好い子になろうと努めるだろう。

 高石氏の強い個性は、外国人政策にも表れている。排外主義とは異なるとは言え、公に一部の外国人による違法行為に対し、毅然として対応すると広言する辺りが保守主義者の典型だと思う。今のところははみ出す様な言動は、警戒しているだろうが、いつ本音が出ないとも限らない。極右の国粋主義者・高市首相の怖いところである。

2025年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6736.2025年10月22日(水) ひとり旅の楽しさとその効用

 若いころにベトナム戦争中のベトナムを知りたいとの望みだけで、取り立ててこれという目的もなくひとりで海外へ飛び出し、自由奔放に見知らぬ土地で旅を楽しんだ。半世紀以上も続けた。これがその後私の性格、及び言動、更に言えば行動力と持続力、好奇心に大きな影響を及ぼし、自称「海外武者修行男」になってしまった。鉄道会社から新たに発足した旅行会社へ出向することになり、当時会社内には海外へ出かけた社員がひとりもおらず、結局私が初代海外旅行課長を拝命することになった。それでも公私に関わらずひとりで未知の外国の地を歩き、多くの体験を重ねることによって新たなひとり旅の味わいを知った。今では気力、及び体力的にひとり旅は、昔に比べてやや難しくなったが、その貴重な経験は良き想い出とともに全身に沁み込んでいる。

 19日の朝日朝刊「フォーラム」欄全面に特集「若者のひとり旅」と題して、若者の海外への旅に対する見解を取り上げていた。内容的にはそれほど深く分析したわけではなく、さほど関心を呼ぶものでもないが、アンケート調査に興味深い質問と回答があった。昔を振り返っているので、高齢者の回答もかなり多い。意外だったのは、海外へのひとり旅なのに、男性より女性が多いことだった。女性の方が前向きでアクティブ志向が強いということだと思う。ひとりで世界一周をしたという50代の女性や、タイへ初めてひとりで出かけ、行先不明のボロバスに乗りおじさんにチャイをご馳走になって優しさを知ったという女子大学生もいた。

 ひとり旅をした経験がある人への質問では、一番多かった回答は、ひとりの方が気楽だからとの平凡な応えだった。ひとりでしか出来ない経験や出会いを求めたからとか、現地の人たちとの触れ合いを大切にしたいから、旅を通して成長したいから、と積極的な意見の一方で、同行者との行先などを調整するのが面倒だから、日常から離れたい、同行者と休みを合わせるのが難しい、お金を節約したいから、などの本来のひとり旅の意にそぐわない意見も見られた。2010年ノーベル化学賞を受賞された高校の先輩・根岸英一博士が、若い時には、とにかく積極的に海外へ挑戦してみることが大切だと仰って意気投合したことがある。

 幸いにして拙著「八十冒険爺の言いたい放題」が、このほど英訳されて出版されることになり、光栄にもこれから外国人にも読まれる機会が増えることと思う。僭越だが、これには海外武者修行の集大成と言っても好いくらい、海外武者修行をPRし、武者修行の面白さ、意外性、などを書いているので割合読んでいただけるのではないかと期待している。翻訳書出版のきっかけも、日本語の分かる複数のアメリカ人が拙著をぜひ多くのアメリカ人にも読んでもらいたいという強い推薦の気持ちから、出版社へ持ち掛けて書籍、及び電子書籍出版の段取りとなった。

 さて、今日はかなり寒かった。都内の午後3時の気温が11.5℃である。大阪は14℃、福岡は19℃で、札幌の11℃と同じである。12月上旬の寒さで今年一番の寒さだそうである。雨も朝から小雨が降り続いていた。いつも通りのウォーキングを一瞬ためらったが、やはり豪雨ならともかくこの程度で中止するのも情けないので、傘をさして歩いた。少し濡れたが、案外雨の中を歩くのも悪くない。思いもよらずノルマの1日5千歩以上を上回る6千歩を歩いていた。

2025年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6735.2025年10月21日(火) 高市早苗・自民党総裁、初の女性首相に選任

 今日臨時国会が召集され、高石早苗・自民党総裁が首相指名選挙で日本の新しい顔、第104代総理大臣に選出された。憲政史上女性の首相は初めてのことである。首相指名選挙で衆議院では高市氏が過半数を獲得し決戦投票に持ち込まれることはなかった。しかし、参議院では僅か1票過半数に届かず、決戦投票の末に高市氏123票、立憲民主党野田代表44票で高市氏が首相に選任された。石破首相は退任したが、在任期間は1年余の386日だった。

 首相就任により高市政権は、参院戦後3カ月も政治が停滞しており内閣閣僚人事を急ぎ決める必要があった。すでに何人かの有力閣僚は決まっていたようだが、予想されていたように、総務相に林芳正前官房長官、外務相に茂木敏充元幹事長、財務相に片山さつき元地方創生相、防衛相に小泉進次郎農相ら馴染みの議員が、閣僚となった。最年長は77歳の平口洋法務相、最年少は42歳の小野田紀美経済安全保障相である。期待された女性閣僚は少なく、片山さつき財務相と小野田経済安全保障相の2人だけだった。全員揃ったところで今日皇居において総理大臣親任式と閣僚の認証式を終えた。来週中にはアメリカのトランプ大統領が来日するので、それなりの準備と対応をしなければならず、多忙な時期に入る。高市内閣としては、従来の公明党の協力を得て政権を引っ張って来たしきたりから、今度は公明党ではなく、日本維新の会との連立による内閣であり、従来より保守的というより右翼的志向が強まる政治を行うものと考えている。

 まず、何が何でも実行して欲しいことは、約束通り議員定数を削減することであり、現在より約1割の議員を削減することである。元々現在の議員数は先進国の中でも多すぎるほどである。すでに安倍内閣時代にこの約束を反故にした前科がある。2度とウソは止めてもらいたい。

 昨日ほどの盛り上がりではなかったが、東証も期待が高まった。証券取引所の新首相就任祝賀騒ぎも一時は、昨日の過去最高額を700円上回り、歴史的な日経平均5万円も見えていたが、後半になって下がり出し、日経平均株価は、一応過去最高額の49,316円に落ち着き取引を終えた。高市氏は、長期金利引き上げ論者でもあり、これから低金利に拘る日銀との間で駆け引きが演じられるだろう。

 これまで日本では女性政治家の活躍がないと見ていた海外のメディアも早速高市女性首相に関する報道を始めた。お隣の中国国営テレビでは、高市首相の選出を報じると同時に、高市首相は日本の右派政治家の代表格のひとりであり、積極的な財政政策の実施と防衛費の増額を主張していると警戒感を伝えた。イギリスのBBCは、高市首相がサッチャー元首相を尊敬している点を挙げ、「鉄の女」高市氏も長年の野望を達成したと紹介し、少子化と地政学的リスクを抱える国を率いる課題に直面するだろうと比較的好意を込めて紹介した。ニューヨーク・タイムズは、女性が影響力を持つことに長年苦しんできたこの国における画期的な出来事だと紹介し、これからアメリカとの軍事・経済同盟に関する新たな不確実性に対処する中で、これまでで最大の試練に直面すると論評した。同じようなコメントはアメリカのCNNが、強硬な保守主義者の高市氏が、日本初の女性リーダーに選出されたことは、政治と職場がともに高齢の男性によって支配されてきた国にとって画期的な瞬間であると前向きに観ている。そういうアメリカには歴代女性大統領は輩出されていない。

 高市首相も噂や中傷などに惑わされることなく、精一杯自分で良かれと思う政策を実行することが彼女の存在に光を当てることになる。尤も戦争知らずのくせに靖国神社へ頻繁に参拝したり、幼いころから教育勅語を学んでいたなどと口外するような、あまりにも右翼的な言動だけは慎んでもらいたい。

2025年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6734.2025年10月20日(月) 自民党・日本維新の会、連立政権に合意

 今日の自民・維新首脳会談で、自民党と日本維新の会の連立政権成立への合意が正式署名された。これで両党の衆議院議員数は231議席となり、あと2議席で過半数となった。自公連立政権より右翼化の傾向が窺えるので、極右の参政党3議席もこの連立政権に同意するものと思われる。これで明日の国会で高市総裁は首相に選出されることによって、初の女性首相として、今後日本の政治を主導していくことになる。この連携を好感したのか、日経平均株価がまたまた上昇し、先週末に比べて1,603円高の過去最高値49,185円となった。

 両党合意のポイントは、公明党の要望だった「企業・団体からの献金禁止」はなく、維新の3本柱「社会保障改革」、「大阪府副首都構想」、「国会議員定数1割削減」の受け入れである。すでに国会議員削減の話は、民進党の野田内閣時代辞職後に安倍首相が野田氏にはっきり約束した事項であり、今度こそ自民党は責任をもって約束を果たさなければなるまい。大阪府の念願である「副首都構想」については、はっきり言って、またか?との印象が強い。すでにこれまでにも何度も大阪維新の会がその実現へ向け画策して動いたが、結局実現しなかった。特に、大阪府民の住民投票を2度までも実施して、府民の賛否を質したが、2度とも否決されている。つまりこれは維新関係者は「副首都構想」実現に意欲的であるが、大阪府民にはあまり歓迎されていないことを示した。それでも懲りずに、今になって維新の会が政治力を引き合いにまた持ち出してきたのである。日本維新の会は、府民の気持ちがよく分かっていないことを証明しているようなものである。

 自民党としては、維新との政策合意に協力を得て国政を進めるのだろうが、これまで公明党には気兼ねしつつも自民ペースでことを進めてきたが、維新は大臣ポストを要求することもなく、閣外協力と言っている。だが、維新としては、与党内立場からかなり思い切ったことは言うつもりではないだろうか。

 さて、今夏話題になっていた伊東市長の学歴詐称問題は、辞任勧告を受けた田久保市長が、開き直って議会を解散したことにより昨日市議会議員選挙が実施された。結果的に田久保市長に反対する議員が20人中19人で、この後開かれる市議会で再び市長不信任案が可決され、市長は失職することになると見られている。最早市長としても抵抗する術もなく、散々伊東市の評判を落とし、市政を大幅に遅らせた挙句に市長は庁舎を去ると言う馬鹿げた芝居を演じたことになるだろう。

 一方、海外ではウクライナとガザ地区のトラブルが一向に解決の道へ踏み出せていない。前者については、一時はプーチン・ロシア大統領に歩み寄っていたトランプ大統領が、またプーチンの悪口を言ったかと思いきや、17日のゼレンスキー・ウクライナ大統領と会談した際、プーチンが要求しているウクライナ東部のドンパス地方をロシアに譲るようゼレンスキー大統領に圧力をかけた。他国の意向や国民感情をまったく考えない複数枚舌のトランプ氏には、呆れるばかりだが、アメリカ国内でも昨日漸く反トランプ・デモが本格化してきた。「王様は要らない」と言うトランプ王に対するデモが、アメリカ全土2,700か所以上で行われ、実に700万人以上が参加したというからすごい。第2次トランプ政権が発足してから最大規模である。トランプ氏もこれで少しは目が覚めるか、あまり期待できないが、もしそうなら大いに歓迎すべきことである。

2025年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6733.2025年10月19日(日) 想い出のある幕張が人工的未来都市とは?

 政局も憶測が飛び交い、明後日の臨時国会で首相選出を前に各党のやり手の幹部らがしたたかに暗躍しているようだ。

 一方、いよいよ秋も深まり、各種スポーツも活発に活動を続けている。プロ野球も終盤に入り、いよいよ大詰めで最後の決戦・日本シリーズ出場チームの決定も昨日セ・リーグは阪神タイガースに決まり、一方のパ・リーグは土壇場の戦いで福岡ソフトバンクと北海道日本ハムが激しい攻防を繰り広げている。ソフトバンクが2連勝して王手をかけていたが、その後日本ハムが勝ち、今日も勝って3連勝でソフトバンクを逆王手に追い込んだ。どちらが勝っても明日パ・リーグの日本シリーズ出場チームが決まる。

 そんな時に、海の彼方アメリカでもMLBがワールド・チャンピオンを決めるワールド・シリーズへの出場チーム、アメリカン及びナショナル両リーグの優勝チームを決定する最終試合が行われている。昨日ナ・リーグではドジャースが大谷翔平選手の大活躍で勝ち、昨年に引き続き、ワールド・シリーズへの出場が決定した。メディア、特にテレビはドジャースの大谷翔平選手の大活躍ぶりに大はしゃぎである。同時進行中の日本のプロ野球はそっちのけで、大谷選手はアメリカ人が舌を巻くほどの二刀流の活躍ぶりだったと報道している。その前の試合までは、やや精彩を欠いていた大谷選手は、昨日一気に力を爆発させたのである。

 とにかく大谷選手の活躍は、ポストシーズン優勝を決めた対ブルーワーズ戦で、先発投手として投げ、6回2安打、10奪三振で勝ち投手となり、打者としても先頭打者ホームランを放つなど3本のホームランを打ったのである。おまけにシリーズのMVPまで獲得した。スポーツ番組以外でも大谷選手の活躍は伝えられ、今日の夕刊、明日の朝刊は残念ながら休刊だが、明日の夕刊には間違いなく大きく報道されるだろう。それは、日本シリーズ出場チーム決定よりも大きく、そして次期首相決定前ではあるが、政界報道を凌ぐほどのスペースを占有するかも知れない。

 さて、昨日かつて住んでいた千葉市幕張町を紹介した「幕張新都心」なる幕張出身の写真家・早坂卓氏が、30年ほど前に撮影、編集した1冊の写真集を幕張小学校の同級生がわざわざ送ってくれた。総じてアルバムの写真からは70余年も昔の面影はまったく感じられない。幕張は、今や人工的未来都市と化してしまった。それは、小学生時代に遠浅海岸であさり取りや、海水浴を楽しんだ海岸が埋め立てられた結果、街の中心部が古い幕張町から埋め立てられた遠浅海岸の地域へ移転してしまい、新たに近代的な街づくりプロジェクトを計画したために昔の面影が消えてしまったのだ。写真をいくら見ても思い出は蘇ってこない。写真集に「幕張新都心」と紹介されているだけに、大手企業が入居した高層ビルや、ホテル、千葉マリーン・スタジアム、幕張メッセ・ホールなどが集中している。我々が住んでいたころは、国鉄総武線と京成電鉄がほぼ平行して走行していたが、今ではそれらの鉄道よりもずっと海側を新線・JR京葉線が設置され走っている。通っていた幕張小学校は、国内でも1,2を争うほど古い伝統校であり、2021年に創立150周年を迎えた。私も学校から記念誌への執筆を依頼され寄稿したが、その名誉ある小学校は紹介されず、近代的建物の新しい小学校や、かつては考えられもしなかった校舎・施設の立派な県立総合高校の写真が掲載されている。これでは想い出が戻ってくるわけがない。確かに私自身幕張にはこれまでも数えるほどしか訪れていない。

 皆クラスメートも高齢化して、交流を続けているのはほんの数人になってしまった。毎年開いていたクラス会も幹事の健康面の問題から、遠ざかってしまった。翻って思い出というものは案外こんなものかも知れない。幕張のように「新都心」と呼ばれるような変貌ぶりでは、かつての住民にとっては何の感慨もないのではないか。ちょっと昔の住民には寂しい感じがしている。

2025年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6732.2025年10月18日(土) 今年の文化勲章受章者に王貞治氏ら8人

 昨日第81代総理大臣だった村山富市氏が老衰により亡くなられた。享年101歳だった。首相を辞められても、良きにつけ悪しきにつけ話題になる元首相だった。何と言っても首相としての成立基盤が弱かった。今から30年前の1994年から96年初頭にかけて、自民党、社会党、新党さきがけの保守、革新寄り合い所帯の苦肉の策で担がれて「好まざる首相の座」に就いた。自民党政権の宮澤喜一首相の後に、細川護熙、羽田孜、村山富市、橋本龍太郎と4人続いて保守・革新連立政権を成立させた。しかし、所詮自民党の橋本以外は、いずれも短命に終わった。

 村山首相の評価は功罪相半ばして、社会党出身であるにも拘らず、平和憲法を守る従来の社会党の「平和・護憲」路線を大きく転換し、剰え「自衛隊合憲、日米安保条約の堅持」を打ち出し、我々学生時代に六十年安保闘争に参加した者にとっては、あまりの変貌ぶりに開いた口が塞がらなかった。評価出来るとすれば、戦後50年の終戦記念日に発表した、俗に「村山談話」と言われた「首相談話」だろう。それは過去に国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって多くの国々、特にアジア諸国国民に多大な損害と苦痛を与えたとして、痛切に反省し、初めて首相として心より侵略した国に対してお詫びの気持ちを表明したことである。この「村山談話」が、その後10年毎に公表される「首相談話」に少なからず影響を与えている。心よりご長命を全うされた元首相のご冥福をお祈りしたい。

 ところで、村山元首相の死亡とは関係ないが、こんな悲しい死亡事故があった。一昨日の本ブログに最近のクマの出没により、岩手県北上市瀬美温泉の従業員が露天風呂清掃中に、クマに襲撃されたらしくその場に血痕が残り、行方が分からなくなったことについて取り上げた。昨日その従業員が近くの山中で遺体となって発見されたという痛ましい悲劇である。クマに襲撃されたとして、幸いにも猟銃会の人によってクマは駆除された。今日もクマ出没のニュースが伝えられている。

 さて、私の誕生日でもある「文化の日」が近づいてくると毎年文化勲章受章者が発表されるが、昨日公表された今年の受賞者は、「世界のホームラン王」王貞治さん以下8人である。2人のノーベル賞受賞者の内、どういうわけか1人しか文化勲章を授与されないのが釈然としないが、いずれにせよめでたいことである。昨年は、高校の同級生で環境学者の中西準子さんが授賞して、文化勲章を身近に感じたものである。王さんとは、お兄さんの王鉄城医師ご夫妻と我々夫婦と一緒にヨーロッパを旅行したりしながら長らくお付き合いをしていたが、残念なことに15年前に他界された。葬儀の場でつかの間ではあったが、王さんと初めて会話を交わした。王さんは受賞を、すでに受賞者となった故長嶋茂雄氏も喜んでくれると思うと素直に喜んでおられた。

 あと半月でその「文化の日」が来れば、私も87歳を迎えることになる。来年は米寿を迎える。しかし、毎号執筆している新雑誌「イコール」(アクティブ・シニア革命版)仲間の間では、我々の年齢層は「熟年期」に相当する。近々出版される拙著「八十冒険爺の言いたい放題」英語翻訳版も抱えて、まだまだやらなければならないことがいっぱいある。高齢者だからとのんびりばかりしてはいられない。

2025年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6731.2025年10月17日(金) 日本維新の会、自己制御して自民党と連携

 昨日自民党高市総裁と日本維新の会の吉村及び藤田両共同代表が会談し、連立政権のために両者が協力することで合意した。今日改めて話し合いをするという。吉村代表は何を考えたのか、自民党との連立次第では維新が消滅する可能性まで認めていた。一方で、これにより野党間を動き、主導権を取ったかのような印象を与えていた玉木国民党代表は、首相になれる可能性がほぼなくなり、野党の間でも主導的な立場には立ちにくい形になった。腹立たしく思った玉木代表は、維新に対して二枚舌だと嫌みを述べる有様である。

 ところで、維新の要望を受け入れることになり、自民党は維新と合わせて過半数には2議席足りないが、21日開会の臨時国会の首相指名選挙で、高市首相選出への大きなステップとなる。両党の連携により国会運営のメドも何とか立つのではないだろうか。維新は、自民党との政策協議で「副都心構想」や、「社会保障改革」を求めた。全体で12項目を要望したが、その中に「企業・団体献金の禁止」があり、この点は自民党としては「禁止よりも明確化」を主張しており、まだ自民・維新の間に意見の隔たりがある。更に、維新が国会議員の大幅削減の実施を提案したことは自民にとっても厄介である。また、これまで連携していた公明党に対して国土交通大臣の要職を提供していたので、維新にも当然閣僚ポストを宛がうことになると思う。

 大事なことだが、維新の地盤は大阪にあり、自民党大阪選出国会議員は衆参各1名の計2名に対して、維新は衆院19、参院3名の計22名で、大阪では維新が自民に対して圧倒的優位にある。知事、市長も維新党員である。しかし、それだけに早くも大阪府の党員など維新関係者からは、自民党と手を結ぶことに拒絶反応が現れている。明らかに大阪府の国政選挙で自民党との調整が難しくなり、従来のような独り勝ちは難しくなるからである。更に維新にとって頭が痛いのは、党の創設者であり、今以て発言力が強く院政と言われるほどの橋下徹弁護士が、外部から維新の言動について原点に返るよういろいろ注文をつけるような発言が聞かれることである。

 一方、野党連合の話し合い如何によっては、総理大臣への道が開かれていた玉木国民民主党代表にとっては、自民・維新連携は思いがけないどんでん返しであり、前記のように維新に対して恨みつらみをぶちまけている。立憲民主党との話し合いで、基本政策が異なると連携の可能性には否定していたが、それも大きなマイナスとなった。現状では、高市首相の可能性が高まり、野党間でも玉木代表が主導権を握るには、国民の少数の議員から考えても難しい。首相指名選挙1位高市氏、2位野田立憲代表となり、決選投票も接戦の末に高市氏が初の女性首相に選出される可能性が高まった。

 国内はもとより、海外でも紛争や国内の政情が不安定な中で、トランプ大統領ら外国との交渉の難しさが懸念される。果たして国内志向や、視点からばかり話し合いを進めているように感じられるが、果たして高市?内閣の閣僚や政府要人らは、世界の流れに付いて行けるだろうか。

2025年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6730.2025年10月16日(木) クマ、クマ、熊・・・熊が出たぞ~。

 今年はクマの出没が目立ち、以前は北海道か、東北地方の一部にしか見られなかったが、近年は本州にも広域的に姿を現すようになった。特に今年は出没情報が連日のように伝えられ、東京都内でも奥多摩地方でクマが見られ、かつては考えられないような事態になってきた。今朝も岩手県北上市の瀬見温泉で、温泉宿の従業員が温泉風呂を掃除していたが、扉を壊され血痕が残り、従業員の姿が見られない。クマに襲われたようで、遂にそのまま従業員の姿が見えないままである。

 クマも動物園の檻の中で愛らしい生態を見せたり、人間に危害を与えないようなら愛される動物だが元来猛獣であり、人間社会に近づくと余りにも攻撃性が強く危険なため警戒され、クマが出没するエリアではうっかり外出も出来ない。

 2024年度上半期のクマ出没件数は、全国でも過去最多の15,741件もあった。今年は更にペースが上がり、4~7月だけでも12,067件で悠々昨年の出没数を追い越す勢いである。テレビでもしばしばカメラ画像が写されるが、数日前に秋田県大仙市内でひとり歩いていた82歳の女性が、1頭のクマに襲われる映像が流された。幸い顔面に傷を負いながらも逃れたが、ぞっとするシーンだった。今年は人身被害が多いらしく、4~8月の間にクマの襲撃によって死亡した人が5人もいる。クマ出没の大きな原因は、猛暑のためクマの主食であるブナの実が凶作で、餌を求めたクマが人里に下りて来るようになったかららしい。今後晩秋から冬にかけて、特に東北地方などでは人災が懸念されている。

 学生時代に山岳クラブの仲間とよく山へ入っていたが、もしクマに出会ったらどうするか、などと面白半分に話し合ったことが昨日のことのように思い出されてくる。その時の結論は、極力近くの木によじ登るということだった。もう70年近くも昔の話である。

 私自身も野生のクマを目撃したことはある。もう40年ぐらい昔のことであるが、バスでカナディアン・ロッキー山麓のカルガリー駅構内に近づいた時に、駅の中へ入って行こうとする1頭の大きなクマを見つけた。しばらくバスの車内に潜んでいたことがある。

 凶暴な野生動物に突然対面することになったら、普通ではどう行動したら良いか分からない。こんなケースもあった。ブラジルで捕獲されたワニが突然飛び上がり向きを一回転し逆になって頭を私の目の前に突き出されて驚いたことがあった。南アフリカでは、サファリ公園内でジープの最前席に座って最後部のガードマンに、もしライオンに嚙みつかれたらどうしたら良いかと尋ねたところ、そのままじっとしていれば俺がこの銃で撃ち殺してやると言われ、思いも寄らない返答に驚いたことがある。しかし、現実に一番びっくりして怖いと思ったのは、京都市内に住んでいた当時、中学校卒業直後の春休みに仲の良かった友人と2人で嵐山近くの松尾山中で、不意に猟師に追われた手負いのイノシシに追いかけられた時である。一本道を夢中で逃げる途中で友人がここ(擁壁のような土手)を昇れとの大声に、咄嗟に擁壁をよじ登って難を逃れたことである。「猪突猛進」の言葉通り、イノシシはそのまままっすぐ走り去った。

 都市で滅多に獰猛な動物などに出会うことはないが、今それが現実になりつつあるというから怖い。仮に歩行者天国の銀座に、突然クマが出没したらどんな狂乱状態になるだろう。とにかく猛獣は怖い。自治体もクマ被害防止対策に頭を痛めているようだ。

2025年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6729.2025年10月15日(水) 野党連携不十分では、野党首相は無理か?

 政界が騒がしい。当初は辞任表明した石破首相の後継者には、自民党総裁に選出された高市早苗氏がなるものと考えられた。ところが、26年間も自公連立政権を組んでいた公明党が連立離脱を公言したことから、首相選びは漂流することになった。公明党が保守派の高市総裁に裏金問題の原因でもある企業・団体からの献金制限を求めたが、高市総裁がこれを拒否したことによって、公明党は連立から離脱することを決断した。これにより衆議院議席の過半数である233議席に自民党の196議席ではまったく手が届かなくなってしまった。もとより自民196、公明24議席では、他の手段を考えないと過半数には13議席届かないが、過半数獲得のためにあの手この手を考えざるを得なくなった。その一方で、野党にも立憲民主党148議席に他党の協力なくしては、太刀打ちできない。日本維新の会35、国民民主党27議席の野党連合を巡り、各野党間の駆け引きが活発に行われている。この機に乗じて有力になってきたのが、国民民主党である。議席数は維新に引けを取るが、玉木代表も首相になる気満々で率先して動いている。玉木代表は自民党にまで色目を使っている。自民に次ぐ数を誇る立憲は他の野党からリベラル志向が敬遠され、主導権を取れず、野党がまとまるなら野田代表は首相には拘らないと語っている。

 一方で、玉木国民代表は、立憲とは安全保障やエネルギー政策で隔たりがあり、基本政策が違い、現時点では立憲と組めないとすげない言い方である。しかし、そういう本人自身の首相への意欲、こだわりは相当なものだ。首相になりたいだけでは説得力に欠ける。そもそも立憲も国民も元は民進党で同じメシを食っていた仲間で、8年前に袂を分ったばかりである。その基本政策や、考え方は立憲の方がより引き継いでいると思う。

 例えば、憲法改正論である。自民、公明、維新は賛成であるが、リベラルな民進党時代は、立憲と国民は憲法改正には反対だった。それが、国民はいつのまにやら条件付きながら賛成し、今基本政策が異なると立憲を突き放すようなことを言っても、異なったのは国民の方ではないか。原点に戻ると言うが、それなら国民が立憲に歩み寄るべきだと思う。

 今自民党内で完全な信頼を勝ち得られない高市新総裁については、このままなら石破首相と総理総裁を分離して石破首相、高市総裁で乗り切るとの案まで出ている。公明党も好き好んで連携離脱をしたのではなく、高市氏の保守志向では認めがたいが、石破総裁なら自公連立から離脱しなかったと斎藤代表が語る始末である。

 21日に臨時国会で首班選挙を行い新首相が決まるが、残された時間内にどういう形でまとまるのか。このまま高市新首相就任を見守るのか、混乱した野党の中で何とかまとめて首相となる事が出来るのか、失礼ながら外から見ていても中々興味深い。

2025年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6728.2025年10月14日(火) 想い出のあるカイバル峠周辺で国境紛争

 昨日パレスチナ・ガザ地区の戦闘停止が実行された。その見返りとしてイスラエル、ハマスが互いに人質の解放を行った。開戦と同時に拘束された人質は2年間厳しい監視の下に自由を奪われていた。ハマスは20人を解放したが、他に拉致されていた28人はすでに死亡したと伝えられており、イスラエルは遺体の返還を求めている。イスラエルに拘留されている人質は、パレスチナ人受刑者250人と2年間に拘束されたガザ住民1,700人である。すでに戦闘開始以来パレスチナ人の死者は、6万7千人超にもなった。ガザの街も破壊されて難民、飢餓が充満しており、これ以上は戦争を続けるべきではない。だが、人質が解放されて停戦第2段階に入り、今後の停戦へ向けた問題は一層複雑となり終戦に持ち込むのは中々難しいと見られている。

 ついては、11日夜アフガニスタンとパキスタンの国境添いで、タリバン支配のアフガニスタンとパキスタン軍との間で国境紛争があり、タリバンは戦闘員9人を含む200人以上、パキスタン軍では58人が亡くなった。アフガニスタンは今だに女性に教育不要などの差別を主張する非民主的なタリバンが権力を握り、自由・平等を抑圧する独裁国家で世界中のどの国も、公式に国家として認めていない。その中で、かつてアフガンを侵略し世界中から非難された旧ソ連のロシアが、今年7月にイスラム主義勢力タリバンの暫定政権を、世界で最初に正式に承認した。ロシアもアフガニスタンと同じような国だということを自白したようなものである。

 私が15年前に国境通行路カイバル峠を訪れた当時は、両国間に紛争の空気は感じられなかったが、それでもパキスタン側の集落で、銃砲類の売買を行っていた状況から緊張感を味わったことをしっかり覚えている。そしてその緊張感から1年半後に勃発したNY9.11同時多発テロの予知らしきものを感じ取った。不思議なことにその経緯などについて著した拙著「八十冒険爺の言いたい放題」が、アメリカ人に興味を抱かれたようで、日本語の分かるアメリカ人何人かが出版社に掛け合い、拙著の英語翻訳書の出版を交渉し、私もこれを引き受けることになり、英語翻訳書と英語電子書籍が近々発行されることになった。何が端緒でゴールへ向かうのか、予測もつかないことが多いが、わが身にアフガニスタン・パキスタン国境の緊張感が書籍発行と言う形で残ることになったとは思いがけないことである。

 ところで、今日10月14日は亡き母の誕生日である。明治44(1911)年東京・中野区に生まれたが、この翌年明治天皇が崩御され、年号が明治から大正へ変わった。つまり母が生まれたのは、明治最後の年ということになる。生きていれば、満114歳だった。母は心筋梗塞のため、意外に早く73歳で亡くなった。残念ながら孝行して報いることは何ひとつ出来なかった。もう少し長生きして欲しかった。

 実は、現在日本人の最年長の女性が、亡母と同じ明治44年生まれだと知った。奈良県大和郡山市在住の賀川滋子さんと仰る方で、医師として地域を支えて今も元気らしく、19日夜NHKテレビ「最後の明治人」として紹介されるというので、母が生きた時代を想像出来るのではないかと今から楽しみにしている。

 夜になって嬉しい大ニュースがあった。何とサッカーの日本代表チームが、世界最強国のブラジルに初めて勝ったのである。しかも逆転勝ちである。来年カナダ、アメリカ、メキシコで開催されるワールド・カップの前哨戦としてキリン・チャレンジカップと名付けられた親善試合で、ブラジルを相手に前半0-2で押されていたが、後半に入って日本は立て続けに3ゴールを得て、3ー2で逆転勝ちという離れ業をやって強豪ブラジルを降したのである。ブラジルとは、過去に13戦して、2引き分け11敗という完敗ぶりだったが、やっと勝てた。これをきっかけに来年ワールド・カップで活躍して欲しいものである。とにかくアッパレである。

2025年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com