6737.2025年10月23日(木) 新首相のこれからの国政が気がかり

 一昨日就任した高市早苗首相に関する公私取り交ぜた評判をメディアが取り上げるので、テレビでは朝から高市首相の映像を観ないことは稀である。読売新聞が歴代首相の就任時の支持率を挙げていた。

 それによると近年の内閣発足時の支持率では、高市首相は5番目に高いそうである。何がそんなに高市氏の支持を押し上げたのだろうか。因みに人気の1番は小泉純一郎首相だった。この人の場合は分かる。だが、この支持率リストが信用出来ないのは、2位鳩山由紀夫、3位菅義偉のような前評判はともかく、何らの実績を残さなかったからである。鳩山首相の如きは、沖縄から米軍を撤収させるかの如き沖縄県民を裏切るような大法螺まで吹いていた。菅首相にしても、どのような実績を残したのか、まったく思い当たるような目立った事実がない。こういう地味な首相が3番目の高支持率を得ていたとはとても信じられない。この種のアンケートが全面的に信用出来ない理由である。

 高市首相には、これまでの政権とは違う何か新しいことをやってくれそうな期待感があり、支持率が71%という実力以上の人気を得たと思えるが、これはご祝儀相場で時間の経過に連れ、これという実績も残せなくなった折には、このまま留まっているとはとても思えない。

 女性として憲政史上初めての総理大臣就任という大向こうを唸らせるような背景を打ち出した。しかし、実績、成果は今後に残された課題であり、少々右寄りの信念と姿勢が下手をするとマイナス効果を演出しかねない。

 明日国会で最初の所信表明演説を行うと見られている高市首相の腹案は、1)安全保障3文書を来年中に改定する。2)社会保障制度の給付と負担について、国民会議を設置し、給付付き税額控除の制度設計を議論する。3)先端産業で日本経済の強い成長を実現するために「日本成長戦略会議」を創設する。以上3点を中心に語る予定である。最大の課題は、1)安全保障3文書に基づく防衛費増額では、今年度当初予算では対前年1.8%増となっているが、怪しいのがこの所信表明では、補正予算を合わせて対GDP比2%の水準に引き上げることである。来週訪日するトランプ大統領との初の首脳会談でもいろいろ噂が聞かれるが、大統領と気脈を通じていた安倍元首相の教えを受けていた高市首相としては、トランプ大統領と友好的な首脳同士となるべく訪日土産として、少しでも防衛費を増やし、防衛機材をアメリカから購入することによって、ご機嫌を取ろうと試みるだろう。石破前首相は首相就任前から日米安保条約は日本が主権国家とは言えないと漏らし、日米地位協定の改定によって対等な関係を築こうと言っていたが、時間が足りず実現出来なかった。高市首相はそこまでは考えていないようで、日本にとってプラス、マイナスとは無関係にアメリカにとって好い子になろうと努めるだろう。

 高石氏の強い個性は、外国人政策にも表れている。排外主義とは異なるとは言え、公に一部の外国人による違法行為に対し、毅然として対応すると広言する辺りが保守主義者の典型だと思う。今のところははみ出す様な言動は、警戒しているだろうが、いつ本音が出ないとも限らない。極右の国粋主義者・高市首相の怖いところである。

2025年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com