6736.2025年10月22日(水) ひとり旅の楽しさとその効用

 若いころにベトナム戦争中のベトナムを知りたいとの望みだけで、取り立ててこれという目的もなくひとりで海外へ飛び出し、自由奔放に見知らぬ土地で旅を楽しんだ。半世紀以上も続けた。これがその後私の性格、及び言動、更に言えば行動力と持続力、好奇心に大きな影響を及ぼし、自称「海外武者修行男」になってしまった。鉄道会社から新たに発足した旅行会社へ出向することになり、当時会社内には海外へ出かけた社員がひとりもおらず、結局私が初代海外旅行課長を拝命することになった。それでも公私に関わらずひとりで未知の外国の地を歩き、多くの体験を重ねることによって新たなひとり旅の味わいを知った。今では気力、及び体力的にひとり旅は、昔に比べてやや難しくなったが、その貴重な経験は良き想い出とともに全身に沁み込んでいる。

 19日の朝日朝刊「フォーラム」欄全面に特集「若者のひとり旅」と題して、若者の海外への旅に対する見解を取り上げていた。内容的にはそれほど深く分析したわけではなく、さほど関心を呼ぶものでもないが、アンケート調査に興味深い質問と回答があった。昔を振り返っているので、高齢者の回答もかなり多い。意外だったのは、海外へのひとり旅なのに、男性より女性が多いことだった。女性の方が前向きでアクティブ志向が強いということだと思う。ひとりで世界一周をしたという50代の女性や、タイへ初めてひとりで出かけ、行先不明のボロバスに乗りおじさんにチャイをご馳走になって優しさを知ったという女子大学生もいた。

 ひとり旅をした経験がある人への質問では、一番多かった回答は、ひとりの方が気楽だからとの平凡な応えだった。ひとりでしか出来ない経験や出会いを求めたからとか、現地の人たちとの触れ合いを大切にしたいから、旅を通して成長したいから、と積極的な意見の一方で、同行者との行先などを調整するのが面倒だから、日常から離れたい、同行者と休みを合わせるのが難しい、お金を節約したいから、などの本来のひとり旅の意にそぐわない意見も見られた。2010年ノーベル化学賞を受賞された高校の先輩・根岸英一博士が、若い時には、とにかく積極的に海外へ挑戦してみることが大切だと仰って意気投合したことがある。

 幸いにして拙著「八十冒険爺の言いたい放題」が、このほど英訳されて出版されることになり、光栄にもこれから外国人にも読まれる機会が増えることと思う。僭越だが、これには海外武者修行の集大成と言っても好いくらい、海外武者修行をPRし、武者修行の面白さ、意外性、などを書いているので割合読んでいただけるのではないかと期待している。翻訳書出版のきっかけも、日本語の分かる複数のアメリカ人が拙著をぜひ多くのアメリカ人にも読んでもらいたいという強い推薦の気持ちから、出版社へ持ち掛けて書籍、及び電子書籍出版の段取りとなった。

 さて、今日はかなり寒かった。都内の午後3時の気温が11.5℃である。大阪は14℃、福岡は19℃で、札幌の11℃と同じである。12月上旬の寒さで今年一番の寒さだそうである。雨も朝から小雨が降り続いていた。いつも通りのウォーキングを一瞬ためらったが、やはり豪雨ならともかくこの程度で中止するのも情けないので、傘をさして歩いた。少し濡れたが、案外雨の中を歩くのも悪くない。思いもよらずノルマの1日5千歩以上を上回る6千歩を歩いていた。

2025年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com