6732.2025年10月18日(土) 今年の文化勲章受章者に王貞治氏ら8人

 昨日第81代総理大臣だった村山富市氏が老衰により亡くなられた。享年101歳だった。首相を辞められても、良きにつけ悪しきにつけ話題になる元首相だった。何と言っても首相としての成立基盤が弱かった。今から30年前の1994年から96年初頭にかけて、自民党、社会党、新党さきがけの保守、革新寄り合い所帯の苦肉の策で担がれて「好まざる首相の座」に就いた。自民党政権の宮澤喜一首相の後に、細川護熙、羽田孜、村山富市、橋本龍太郎と4人続いて保守・革新連立政権を成立させた。しかし、所詮自民党の橋本以外は、いずれも短命に終わった。

 村山首相の評価は功罪相半ばして、社会党出身であるにも拘らず、平和憲法を守る従来の社会党の「平和・護憲」路線を大きく転換し、剰え「自衛隊合憲、日米安保条約の堅持」を打ち出し、我々学生時代に六十年安保闘争に参加した者にとっては、あまりの変貌ぶりに開いた口が塞がらなかった。評価出来るとすれば、戦後50年の終戦記念日に発表した、俗に「村山談話」と言われた「首相談話」だろう。それは過去に国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって多くの国々、特にアジア諸国国民に多大な損害と苦痛を与えたとして、痛切に反省し、初めて首相として心より侵略した国に対してお詫びの気持ちを表明したことである。この「村山談話」が、その後10年毎に公表される「首相談話」に少なからず影響を与えている。心よりご長命を全うされた元首相のご冥福をお祈りしたい。

 ところで、村山元首相の死亡とは関係ないが、こんな悲しい死亡事故があった。一昨日の本ブログに最近のクマの出没により、岩手県北上市瀬美温泉の従業員が露天風呂清掃中に、クマに襲撃されたらしくその場に血痕が残り、行方が分からなくなったことについて取り上げた。昨日その従業員が近くの山中で遺体となって発見されたという痛ましい悲劇である。クマに襲撃されたとして、幸いにも猟銃会の人によってクマは駆除された。今日もクマ出没のニュースが伝えられている。

 さて、私の誕生日でもある「文化の日」が近づいてくると毎年文化勲章受章者が発表されるが、昨日公表された今年の受賞者は、「世界のホームラン王」王貞治さん以下8人である。2人のノーベル賞受賞者の内、どういうわけか1人しか文化勲章を授与されないのが釈然としないが、いずれにせよめでたいことである。昨年は、高校の同級生で環境学者の中西準子さんが授賞して、文化勲章を身近に感じたものである。王さんとは、お兄さんの王鉄城医師ご夫妻と我々夫婦と一緒にヨーロッパを旅行したりしながら長らくお付き合いをしていたが、残念なことに15年前に他界された。葬儀の場でつかの間ではあったが、王さんと初めて会話を交わした。王さんは受賞を、すでに受賞者となった故長嶋茂雄氏も喜んでくれると思うと素直に喜んでおられた。

 あと半月でその「文化の日」が来れば、私も87歳を迎えることになる。来年は米寿を迎える。しかし、毎号執筆している新雑誌「イコール」(アクティブ・シニア革命版)仲間の間では、我々の年齢層は「熟年期」に相当する。近々出版される拙著「八十冒険爺の言いたい放題」英語翻訳版も抱えて、まだまだやらなければならないことがいっぱいある。高齢者だからとのんびりばかりしてはいられない。

2025年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com