2584.2014年6月10日(火) 旅行収支の黒字について思う。

 昨日内閣府が今年1~3月期の国内総生産(GDP)の改定数値を発表した。それによると年率換算で当初の速報値5.9%から6.7%へ上方修正された。単に数値の変更であるので、この修正自体個々にどこかへしわ寄せされるというものではないので心配することはないが、それでも自らの実績を誇示したい安倍首相は、GDPの上方修正はアベノミクスの成果であると早速自慢げに話している。これにより法人税減税など一部にだけ恩恵があるようなことにならないよう願いたいものである。

 その好景気についてどこの新聞もトップ記事扱いだった典型的な例は、旅行収支が訪日外国人の増加により44年ぶりに黒字になったことである。その数も夢だった1千万人を凌駕して今では2千万人を目指す時代となった。1970年大阪万博開催により一時的に外国人旅行者が増えたが、その年を除くと旅行収支が黒字になるなんて夢のまた夢で想像することすらできなかった。それが恒常的に旅行収支黒字の兆しが見えてきたのだ。これまで旅行収支の赤字は、海外からの批判を浴びる貿易収支の大幅黒字を目立たせないための隠れ蓑に使われ、貿易収支が良くなれば日本人は海外旅行で外貨を浪費せよと言わんばかりの国策だった。国は貿易収支の多寡により、海外旅行者の外貨使用額を調整して全体の国際収支を作成していた。その典型は海外への持ち出し外貨を貿易状態によって調整し、旅行会社や旅行者が苦労させられていた歴史がある。

 それが歳月を経て外国人旅行者が増えるに従い、旅行業だけで食っていける時代になったということだ。

 最近になって観光振興やら、21世紀は観光の時代などともてはやしているが、国が真剣にこれまで観光振興に取り組んできたわけではなかった。旅行は国が公的に行うものではなく、民間がすべてを国の支援を受けずに民間ベースで行ってきたものである。すべて民間が行っている旅行を黙って見て違法な点があれば法律で縛って注意していただけに過ぎない。建設的な行政指導や教育的な善導すらなされなかった。従って観光業への国家予算は最低だったし、時代の流れもあり今ごろになって、観光関連産業の雇用創出効果が大きいとか、外貨を稼ぐとか煽てても何を今更という気がしてならない。今ではGDPに占める観光業界の規模は半導体や、家電を超え3.5%との試算もある。

 しかし、観光業は400万人近い雇用を生むとの期待がある一方で、観光業界には構造的に労働者の低賃金というアキレス筋がある。厚労省の統計でも電子・電気や輸送用機械は年収が540万円を超えるが、観光業は精々340万円前後である。見掛けはともかく、皆薄給で働いているのだ。労働もきつい。職場環境も外から想像するほど良くない。国も観光業界のこの実態を知らんぷりして素通りするわけにはいくまい。脚光を浴びるようになった今こそ、観光業界の実態にメスを入れ、健全な業界として育て多くの有能な若者が誇りを持って働ける職場を作り上げなければいけない。

 その他にも国に対して注文がある。口先だけで「おもてなし」や「日本文化」を言うだけでなく、それを正しく理解し、育成していくプロパガンダを行ってきちんと予算を付けて、日本文化を正確に伝えるようなリーフレットを作成するなりして、外国人が日本に来て正しい日本の文化を学び、日本を正しく知ってもらう政策を実行できるようにしてもらいたい。はっきり言って、国は外国人観光客を呼び込んだり、日本の旅行業の発展のためにこれまでほとんど何もやって来なかったと言っても過言ではない。

2014年6月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2583.2014年6月9日(月) 拙著上梓へ向け本格的にスタート

 初校の校正ゲラを持って現代書館へ出かけ、編集担当の福田慶太さんと打ち合わせをした。一番の問題は合せて52枚提供した写真・地図を思い切って相当枚数までカットすることになりそうなことだ。同席した現代書館菊地社長は、あまり写真を多くすると何でも多く見せたがる自費出版と受け取られると警戒しておられた。良い写真がかなりあるのでちょっと残念であるが、その判断はプロに任せることにした。四分の一枚数程度にまで減らされるかも知れない。

 朗報のひとつは、出版が当初予定していたお盆の頃より早められるかも知れないという話だ。

 その拙著に推薦文を書いていただいた近藤誠一前文化庁長官について、今日から日経夕刊の「人間発見」が今週一杯インタビューによる連載を始めた。長官退任後外務省参与の職にあるが、その任命理由は「外交の勘所を知っている」からだそうで、日本は来年秋の国連安全保障理事会の非常任理事国選挙で当選を目指している。近藤前長官は国際的に広い人脈を頼りにされているのだ。近藤前長官はユネスコ大使時代に石見銀山、文化庁長官に就任してからは平泉と富士山の文化遺産登録に国際的人脈を生かし、併せて独特の勘所を掴んでユネスコ世界遺産委員会に対して論理的に説明し登録を成功させた。その実績と外交力を高く評価されている人である。

 昨年富士山に関して文化遺産として三保松原を含む一帯が登録されたのは、北斎や広重に富士の浮世絵を描かせたのは富士山の文化的インスピレーションの成せる技であると、近藤氏の世界遺産委員会への説得が功を奏したからである。

 拙著に近藤氏から文化的な?お墨付きをいただいたということは、氏の推薦文がベストセラーへインスピレーションを与えてくれるのではないかとつい妄想が先走る。今日の文面もユニークで面白いが、今週一杯楽しめそうだ。

2014年6月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2582.2014年6月8日(日) 桂宮さまご薨去

 今日午前桂宮様が急性心不全で薨去なされた。普段からご健康が優れず、現在も車いすの生活でリハビリを続けておられた。桂宮様は珍しく独身のまま宮家を創設されたので、後継者がいないため桂宮家はなくなる。最近テレビでもほとんどお見かけすることはなかったが、以前お見かけした時の姿は右半身不随、しかも右目を失明されて病弱なイメージがあった。学習院大学を卒業されてからオーストラリアに留学され、その後嘱託でNHKに10年ほど勤められたほどでかつてはご健康だったようだ。

 しかし、これで三笠宮ご夫妻は子息3人の宮様全員に先立たれたことになる。ご夫妻もご臨終に立ち会われたというからどんなお気持ちだっただろうか。お気の毒というほかない。今年98歳の三笠宮殿下と 91歳の妃殿下にとっては、大きな衝撃であろう。つい先日3男故高円宮の二女のご婚約が決まったばかりで、宮家にお祝いムードが溢れていたが、これで今秋予定されている婚儀に影響がなければと思う。

 さて、最近テレビで旅番組を観ることが多い。やはり旅自体が好きなことと、長年旅行業に携わっていたこと、一度訪れた都市がどう紹介されるか興味があることなどで楽しく観ている。観られない場合は録画しておき、後日観ることにしている。

 今晩観たベトナムの番組では市内を歩く女性の服装にかつてのアオザイ姿がほとんど見られず、風情がなくなって寂しい。ベトナム戦争中の1967年初めてベトナムを訪れた当時は、アオザイを着ない若い女性は見かけなかったほどだ。町の中にはベトナムらしさがあまり見られず、東南アジアのどこの都市だか分からない有様である。街から個性が失われているということだろうか。

 その点では、3月にダビングして先日観た「極上のクルーズ紀行」シリーズでは「清き心の宿る国」としてビルマのクルージングを紹介していたが、まだまだビルマからは本来の姿、ビルマの良さが失われていないことに乗船客も心を打たれていた。私が毎年ビルマを訪れた当時は、1988年軍政以前で、とてもこんな贅沢なクルージングなんてなかったが、豪華船もライン・クルーズから払い下げられたもののようだ。

 ニュージーランドから来たハネムーナーは「肩の力が抜けた本当に人が魅力的な国」「とても安心でき、誰もだまそうと思ってない。タイとか中国では少なからず感じることでしたが・・。ここでは皆無。本当にみんな心から親切だと思う」と言っていた。ロシア人夫婦は「文化と伝統、人も素晴らしい」と話していたが、私の最も好きな国、ビルマの良さはまだ失われていないようだし、ビルマ人の良き国民性はそのまま残されていて素朴で親切なままだと思うと嬉しくなる。近作のノン・フィクションにもビルマについて触れている。懐かしいビルマにまた行ってみたいと思っている。

2014年6月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2581.2014年6月7日(土) 近々上梓のノン・フィクション販促活動

 今日もかなりの雨が降った。日本の都市でも今日1日だけで6月の平年降雨量を上回ったところがかなりあるようだ。ここ世田谷でも時には激しく間断なく降っていた。これでは明日まで開催している駒澤公園のビール・フェスも台無しだろう。

 さて、先日拙著ノン・フィクションの発行日が出版社との話し合いで8月のお盆頃と決まった。販売を伸ばすために出版社は販促活動をやってくれるが、私自身もある程度販促を行うつもりである。そこへ有り難いことに、高校ラグビー部の1年後輩で藤沢小田急百貨店社長を歴任した滝澤さんのお世話で、彼と関係深い江ノ電を利用させてもらうことになった。「江ノ電沿線新聞」紙上にPRとして、拙著の主人公のひとり、スポーツ・キャスター佐々木信也さんと大酋長の親戚の相澤光春さん、それに私の3人が座談会を行い、それを掲載してもらって拙著の広告らしき記事にするという嬉しい計画である。今日佐々木さんとアポを取り、来月3日昼食後に座談会を行うことになった。その記事は9月第1号に掲載されることになった。母校湘南高校の甲子園優勝を含む歴史や湘南地区について大分頁を割いているので、新聞を読んでもらえば、販促効果があるのではないかと期待している。

 初校ゲラのチェックは終わり、明後日現代書館編集担当の福田さんと写真の扱いなどを含めて細かい打ち合わせをすることになっている。昨日菊地社長は電話で、同社編集はしっかりしているので担当者と充分打ち合わせをして欲しいと自信たっぷりに話していた。

 21日に高校の全同窓会組織‘湘友会’総会が開催され、会長も交代するようなのでこの機会に出席しようと滝澤さんと話合った。総会後の懇親会の席上PRできるチャンスがあれば、その場で販促をやりたいと虫の好いことを考えている。

 いずれにしても新しい本を世に出して多くの方々に読んでもらえるということは大きな喜びである。まだ、世に出るまでに時間があるが、今から楽しみである。

2014年6月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2580.2014年6月6日(金) 連合軍ノルマンディー上陸から70年

 今日は第2次世界大戦の勝負どころとなった連合軍のノルマンディー上陸作戦から70年目に当たる。偶々パリで開かれたG7のためフランス入りしていたオバマ米も、エリザベス女王や19カ国の首脳とともに同地を訪問し連合軍戦没者墓地でスピーチを行った。

 今から13年前の6月11日に私自身の昔からの年配の顧客とともに、毎年実施していたデラックス・ツアー「タウンクラブ」の企画及び添乗員として、その墓地と連合軍兵士が上陸したオマハ・ビーチを訪れた。広大な墓地内に整然と並んだ墓石に降り注ぐ太陽がまぶしかったことや、ユダヤ人戦没者の墓石に星のマークが付いていたことが強く印象に残っている。テーマ・ソングで有名になったフランス映画「男と女」の舞台となったホテル・ドーヴィルに泊まり、ジャンヌ・ダルク所縁のルーアンや、美しい港町オン・フルールを散歩したこと、世界遺産モン・サン・ミッシェルやステンド・グラスで有名なシャルトル大聖堂を訪れたことなどが懐かしい思い出となっている。

 現実的な話としてG7は昨日開かれたが、ロシアのプーチン大統領は近くまで来ていながら参加させてもらえず、それでいて英仏独首脳と個別に会談している。クリミヤ問題も絡んでオバマ・プーチン会談は行われる予定はないが、急遽昼食会で両者が10分程度の立ち話を行ったという外電が伝えられた。しかし、クリミヤ問題とウクライナのポロシェンコ新大統領承認問題も影響して、米ロの仲直りは当分難しそうだ。

 さて、今日北海道を除く日本全国で梅雨入りとなった。朝から雲行きが怪しかったが、午後遅くなってから激しい雨が降り注いで来た。明日の東京地方には大雨、洪水警報が出ている。昨年10月豪雨により土砂崩れを起こした地盤の弱い伊豆大島では再び土砂崩壊の危険性が出てきた。この雨の中ではあるが、妻が奈良の長男の許へ出かけた。明日孫の運動会があるので、その応援に行ったところだが、先ほど電話で関東の大雨に引き比べ雨の心配はないと言っていた。明日の運動会が中止になることはなさそうで、ほっとしている。

2014年6月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2579.2014年6月5日(木) 分かりにくいセルビア問題

 今日セルビア大使館で訪日中の友人山崎洋さんが、セルビアの世界遺産「ヴィソキ・デチャニ修道院」について日本語版に翻訳したガイドブックの出版記念会が開かれ、ゼミの友人3人とともに参加した。セルビア大使館はかつてのユーゴスラビア大使館で山崎さんの母上が勤めていたところでもある。ネナド・グリシッチ駐日大使、日本聖公会セラフィム辻永大主教も出席され、こじんまりとしたセミナーではあったが、温かみのある出版記念会だった。

 このガイドブックは修道院を紹介するものではあるが、売り上げは最近セルビア全土を襲った大洪水の被災地への義捐金に当てられるという。写真がきれいに納められた立派な書で、そんじょそこらのガイドブックとは段違いだ。近年この世界遺産を訪れる日本人観光客が増えているそうだが、それでもコソヴォ地域にあるというだけで必ずしも治安は良くないらしい。

 先日山崎さんからもらった彼が20年前「情況」誌へ寄稿した論文のコピーを読んでいると、改めてセルビアが国際的に孤立しつつある現状を知らされる。どういういきさつでそうなったのか私にはよく分からないが、国際的に反セルビア感情が取り巻いている。改めて彼の論文によって事実を知らされた。意外だったのは、かの犬養道子女史が反セルビア的な発言をしたことであり、山崎氏に確認したところ犬養女史はセルビアに入国せず、クロアチアを訪れそこで反セルビア思想を植えつけられたのではないかと言っていた。セルビアについては、日本ではまだ充分情報がない。

 セルビア問題についてはまだまだ知らないことが多いことを痛感させられた。

2014年6月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2578.2014年6月4日(水) 最近日本の気象がおかしい。

 気候が不安定で全国的にもこれまでの常識を覆すような現象が起きている。昨日と今日の2日間日本列島は高気圧に覆われたことと、フェーン現象が起きたことにより全国的に暑かったが、不思議なのは北の大地、北海道が全国で最も暑かったことである。例えば、昨日は全国927観測地点のうち18地点で猛暑日を示す35℃以上だったが、そのうち17地点が北海道だった。音更町で37.8℃を記録したが、これは90年前の帯広市で観測された道内最高気温と並んだ。

 ところが、今日は九州・四国方面が穏やかではなかった。朝から大雨が降っていた。宮崎県延岡市では今日までに例年の6月分に匹敵する雨量を記録した。明日にかけて四国から・近畿東海地方に激しい雨が降るようだ。

 自然現象ばかりでなく、人間社会も国内外でおかしくなった。今日は天安門事件発生以来四半世紀が経過した。警戒厳重な中国国内では大きなテロ事件はなかった。反政府デモを徹底的に力で抑えつけようとの姿勢には変わりがない。しかし、共産党政権1党独裁体制、官僚の腐敗、言論弾圧に対して中国政府がいくら抑え込もうとしても野火の如く深く浸透した民主化グループとの抗争は所詮いたちごっこのようなもので、いつかは必ず独裁的非民主的政権が転覆することははっきりしている。どうしてこんな分かり切ったことが、中国共産党幹部には分からないのだろうか。

 さて、今朝の朝日に面白い調査結果が紹介されていた。「子ども・若者白書」で日本の若者と外国の若者の意識の違いがはっきり表れている。日本の若者は自信も希望もないと比喩的に取り上げられている。

 例えば、「自分自身に満足しているか?」との質問には、日本人はアンケートした外国人の中で最下位で僅か45%しかいない。他国はすべて70%を超えた。「将来に明るい希望を持っているか?」との問いには、日本人は61%で最低である。この他「自分に長所はあるか?」や、「40歳になった時幸せになっているか?」でも日本の若者は最下位である。日本の若者は自信喪失なのである。ところが、「自国のために役立つことをしたいか?」では、予想もできないことに日本の若者がトップだったとある。滅私奉公とは言わないが、国のために努める気概があることは、まだまだ捨てたものではないと捉えることもできるのではないだろうか。

2014年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2577.2014年6月3日(火) モーレツな教育ママ

 今月の日経紙「私の履歴書」は、地味な方だがアサヒビ-ル相談役で、元NHK会長も務めた福地茂雄氏が書いている。中々ユニークな筆遣いで、得意だった国語の自己満足ぶりがユーモラスに描かれている。5年生の時短歌で「一枝(ひとえだ)の林の中を過ぎゆけばほのかに匂う梅の花かも」と書いたらインテリだった母親から「過ぎゆけばを、歩みゆけばというように字あまりしなさい」と言われたという。小学生時代に在校生を代表して卒業生を送る送辞を述べた時には、その言葉がインテリだった母親の添削指導もあったというが、傑出してとても小学生の書いたものとは思えない。

 「厳しい冬の寒さに耐えて、清く気高く咲き匂いし梅の花もいつしか散って、緋桃、白桃、競い咲く弥生の候となりました」。これが5年生の文章かと感心するのだが、教育ママだった母親は福地氏が大学生になっても変わらなかったという。モーレツ教育ママだったことが伺える。

 その福地氏が目を付けたポスターに面白いのがあった。

 子どもの頃現在の北九州で見たポスターに「ルーズベルトのベルトが切れて、チャーチル、散る、散る、首が散る 玉井金五郎」と書かれていたという。最近脚光を浴びたクリミヤ半島のヤルタで行われた第1次世界大戦の終結条件を話合った、ルーズベルト、チャーチル、スターリンの大物三者会談を痛烈に皮肉ったものだ。玉井金五郎とは作家火野葦平の父親で「花と竜」の主人公だった人物だそうだが、子どもの頃の記憶はいつまで経っても忘れないものだと思うと感に堪えない。福地氏の履歴書からこれからどんな興味深いエピソードを紹介していただけるのか、楽しみにしたい。

 さて、また訃報である。高校ラグビー部の村田さんが亡くなられたことを知らされた。最近数年お会いすることもなく、体調が悪いと聞いていた。私の2年前のキャプテンだった。京都の中学から湘南高へ入学したばかりであまり友人がいなかったが、いろいろ気を遣っていただいた。私がラグビー部OB会長に就任した時には、積極的に周囲のOBに私を会長に推してくれたと元会長から伺った。昨年夏には1年上のキャプテンだった渡辺さんが亡くなられた。いずれもお世話になり、よく存じ上げていた人なので余計に寂しい。

 お会いするといつも「おう、元気か?」と言った村田さんの顔が忘れられない。心よりご冥福をお祈りしたい。    合掌

2014年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2576.2014年6月2日(月) 両陛下来年パラオへ慰霊訪問を予定

 NHK「ニュースウォッチ9」の中で、天皇・皇后両陛下が来年戦後70年を記念してパラオ共和国を訪問されると短く伝えていた。両陛下にとって中部太平洋海域では2005年にサイパン島へ慰霊訪問されたのに次ぐ巡拝となる。偶々8月に上梓予定のノン・フィクション「南の島の日系人大酋長の波瀾万丈」の中で両陛下のミクロネシア巡拝について触れた。その中でこんなエピソードを紹介している。両陛下がパラオ、ミクロネシア、マーシャルを訪問されると読売新聞に報道までされながら、結局すべて実現されず、その後にサイパン訪問が実現した。ススム・アイザワ大酋長は当時のミクロネシア大統領とともに天皇にお会いした時に、天皇が慰霊のためにぜひ中部太平洋を訪れたいとの篤いお気持ちを抱いておられることを感じ取ったようだ。

 残念ながら天皇のミクロネシア連邦訪問はいまだ実現せず、パラオに先を越されてしまった。ご訪問はいつのことになるか分からない。ミクロネシアの受け入れ態勢をハードとソフトの両面で考えるとそれも致し方ないと思う。人口がパラオの2倍もあるというのに、現状はパラオにすべての面で遅れている。大酋長が亡くなる2年前の2004年に、チューク州だけでも現在のミクロネシア連邦から離脱して独立国家とならなければチューク州は発展しないと遺言のようなメッセージを残した。大酋長の予言は案外当たっていたのかも知れない。昨年ミクロネシアを取材して、確かに現状では両陛下はもちろん、各国の王族の訪問を受け入れるには少々無理があるように思えた。

 天皇に慰霊のお気持ちがあり、天皇の健康が許されるうちに、何とかミクロネシアとマーシャルをも訪れてもらえるよう願っている。それが、中国大陸、フィリピンに次いで今次大戦で戦死者が多かった中部太平洋海域の英霊に対する償いにもなると思うからである。

 さて、明後日6月4日は中国天安門事件が勃発してから四半世紀になる。すでに中国官憲は政府批判やデモを警戒して厳しい警備体制を取っている。昨日香港で事件の犠牲者を追悼する民主派団体によるデモがあった。東京でもシンポジウムがあり、当時の学生リーダーのひとりで中国から逃れ台湾に在住する、懐かしいウアルカイシ氏が「今も中国に自由はない。民主化を求める活動を止めてはいけない」と訴えた。

 最近の中国の非民主的強権ぶりはエスカレートするばかりで、公安当局は言論統制や政治的な集会などへの取り締まりを強めるため、刑法の「故意に騒動を引き起こした罪」の解釈を拡大し、ネット空間を公共の空間として取り締まる方針に切り替えた。これにより、ネット通信で政府批判をすればすぐ検束される。明後日の都市周辺ではどんな形で共産党一党独裁政権への抗議が示されるのか、他人事ではいられない。

2014年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2575.2014年6月1日(日) 学校給食について朝日の雑駁な論説

 今日から陰暦の水無月に入った。普通は梅雨で雨の多い時期の筈だが、今年は本当に水無月となった。西日本では京都市内36.0℃、岐阜県郡上八幡で35.1℃、全国で一暑かったのは群馬県館林の36.3℃で、都内でも練馬区内の34.8℃、千代田区内でも33.1℃を記録し、いよいよ本格的な炎暑の夏の到来である。

 誘われたがこんな暑い中を神宮まで母校の応援に行く気にもならなかったが、昨日に続いて行われた早慶戦で、慶應が早稲田をストレートで降し、6季ぶりの優勝を飾った。メデタシ、メデタシ。

 夕方になって近くの駒澤公園へウォーキングに出かけたら、中央広場ではドイツのビール祭を演出して多くの屋台が立ち並び大勢の人だかりだった。暑い中でビールを煽っている人がたくさんいるのには、ほとほと感心した。いずれにしろこれから暑い盛りとなるので、辟易させられる日が増えてくるだろう。

 それにしてもこう暑くなってくるとよほど健康に気をつけていないと参る。先日本ブログでも批判的に取り上げたが、新潟県三条市が学校給食で試験的に牛乳を停止すると馬鹿げたパフォーマンスを行っている。単に和食に牛乳は合わないというだけの理由で試験的に行っているようだが、それなら成長期の子どもに他の何からカルシウムを摂取させようとするのか。具体的な代案がない。米の産地だから、米と合わないから牛乳を排除するというなら最早学校給食とは言えまい。給食の理念から考えてもおかしくはないだろうか。

 今朝の朝日「社説」が学校給食と牛乳の関係について「給食と牛乳―望ましい食事とは何か」と取り上げている。興味を持って読んでみると天下の朝日が結論なしの無駄な文を書いている。三条市の今回の取り組み、最近の学校給食の献立例、和食が無形文化遺産に登録されたこと、などを羅列しているだけで何も学校給食のあるべき姿について真っ当な提案をしていない。そのうえで、肝心なのは牛乳の是非論ではないと言っている。そうだろうか。費用も限られた学校給食では、牛乳に代わるカルシウム補給食はそう簡単には見つからない。いくら米どころとは言え、牛乳をなくした分、米の量やおかずの内容を工夫して、米どころらしい献立で必要な栄養を満たす試みを評価しているようだが、そんなにうまくいくだろうか。しかも、何といっても子どもの大切な食事をこれという代替食品が見つからないのに止めてしまうのは、あまりにも短絡的に過ぎると思う。

2014年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com