天皇・皇后両陛下が出席されて東日本大震災の犠牲者のための追悼式が国立劇場で行われた。3年経ったいまも行方の分からない人が約2600名もいる。家族を亡くされた人にとっては、あっという間の月日だったようだ。被災地から生で情報を伝えてくれているのを観ると、まだまだ放射能の除染が滞っていることが分かる。このため避難地区に住んでいる人々は、将来自宅へ帰るべきかどうか悩んでいる。震災直後はいずれ自宅へ帰りたいと願っていた人も徐々に少なくなり、町村の復興という意味でも問題となっている。
この問題について谷公一復興副大臣がNHKの質問に対して、難しい問題であり、いろいろ知恵を出していただいて、汗を掻いて頑張っていきたいと応えた。これでは質問にはまったく応えていないし、真面目に仕事をしている人の言葉とはとても思えない。父親の元農水大臣から地盤を引き継いだ二世議員の無能、不勉強、無責任をそのまま地で行っているお粗末ぶりである。こんな政治家をどうやって国民は信用できると言うのだろうか。
その他にも実際に放射能を含んだゴミの処分が大きな問題となっている。暫定的な中間処理施設の建設問題で地元ともめ、その後の最終処理施設はその場所もまだ決まっていない。
さて、1月に理化学研究所の小保方晴子さんが作製した万能細胞と言われたSTAP細胞の真偽が問題になって来た。過日その報告内容に疑問が呈せられ、発表した資料も他で使用されたものだとして、共同研究者の若山照彦山梨大学教授が論文の取り下げを他の研究者にも求めると述べた。発表直後はあれほどすごい画期的な発明として期待され、共同研究者のアメリカ人バカンティ・ハーバード大教授も太鼓判を押していた研究成果だったが、一転して価値のないものになろうとしている。どうしてこういう粗雑な研究発表となったのだろうか。
なんでも当初発表されたイギリスの科学誌‘NATURE’に掲載された写真が、それ以前に小保方さんの博士論文で使用されたものと酷似している。しかも、前者ではSTAP細胞はいろいろな細胞から作製可能としているが、後者では骨髄細胞からしかできないとされている。これは明らかにおかしい。
難しい万能細胞の話なので、詳しく説明できないが、先日偽りの作曲家・佐村河内守氏の偽作曲問題で散々うんざりさせられたが、その二番煎じになるのではないだろうか。1月30日の本ブログにも小保方さんの功績を喜んで書いたところだが、こうなったら小保方さん自らが、誰もが分かるようにきちんと説明すべきであろう。こんな茶番じみた話は好い加減にして欲しいものである。
昨日は東京大空襲の69周年となったと昨日の本ブログに書いたが、あの小野田寛郎さんがルバング島のジャングルから出てきたのも40<年前の昨日だった。そして、その2日後小野田さんは特別機で羽田へ帰ってきた。ちょうど私は羽田から飛行第12戦隊の慰霊団とともに、ビルマ、ボルネオ、スマトラへ出かけるところだった。小野田さんとわれわれ慰霊団を対照させて「往くひと・還るひと」と新聞紙上に紹介された。偶々この時のニュースについていま書きかけているノン・フィクションに取り上げている。あの時もスマトラで元日本兵に会ったことがある。その小野田さんも今年1月鬼籍に入った。時は確実に過ぎ去り行くものだ。