2496.2014年3月14日(金) 「STAP細胞」は幻の研究だったのか。

 今日理化学研究所が、いま話題になっている万能細胞と言われたSTAP細胞の論文発表に関する中間報告で、ノーベル賞受賞者の野依良治理事長以下幹部らが重大な過誤があり、不適切な点があったことを認め、謝罪した。それぞれ説明に当たった理事らは、小保方さんグループの行為は科学者のやり方として考えられないとか、遺伝子解析結果の画像が切り貼り加工されていたとか、まるで1月末に喜色満面で中心人物らが記者会見した時とは打って変わって厳しい表情で今回の騒ぎが不本意であることをうかがわせた。理化学研究所では、論文を撤回することにして小保方さんと他の共著者らに同意を求めている。

 ことここに至って理化学研究所は、子飼いの小保方さんらは若く、力不足で論文としても成り立たないとの厳しい意見まで述べた。理事長は自分の時代では起こり得ないことであると総責任者としての責任を感じているのか分からない発言までした。小保方さんが書いた論文に過誤があったのは、時代のせいだとか、カルチャーが変わったのだとまで若い研究者を酷評している。例えこういう杜撰な結果になったとは言え、そこには部下をかばうとか、若い人の感性を生かそうなどという考えはまったくないようだ。理化学研究所内にこそ倫理観が欠けていたのではないだろうか。

 どうしてこういうお粗末なことになったのか。常識的に考えられないことが日本の科学の最高水準にある理化学研究所で起きた。世間の常識とは異なる理化学研究所の倫理観や、体質にこそ問題があったのではないだろうか。いまにして内部の倫理観云々を口走る理事がいるようでは、いくら気持ちを引き締めると言ったところで、所詮その場しのぎになりかねない。「万能細胞」というダイヤモンドがせっかく若い女性の研究で世紀の発見として世界的に披露されたのに、その女性と周囲の研究者仲間のやった杜撰さにより自滅したわけである。実に惜しいことである。それより何ともがっかりである。

 それにしても小保方さんの姿が公にまったく見られないのは、彼女の存在が自分にとって都合の悪い人が隠しているのではないかと勘ぐらざるを得ない。早いところ当人がはっきり説明した方が良いのではないか。

2014年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com