2489.2014年3月7日(金) クリミア自治共和国、ウクライナから分離独立

 昨日クリミア自治共和国議会がウクライナからの分離独立、否、一気にロシアへの併合を議決した。ロシアへの帰属を決めたのである。この後住民投票によってこの決議の信任が決められるわけである。その住民投票も当初5月下旬が予定されていたが、3月30日に繰り上げされた。それがまた16日に前倒しされた。なぜ国の存亡に関わることをそんなに急ぐ必要があるのだろうか。約6割がロシア系住民という民族構成もあって議会の決議は信任されることは間違いあるまい。結局クリミアはウクライナから離脱することになる。そしてロシアの1共和国となる道を選ぶ。この件でロシア政府はクリミアへ圧力をかけ続けてきた。クリミア内にロシア軍兵士1万6千人が駐屯させ、彼らがクリミア外からクリミアへいかなる勢力の入国をも排除している実態からすると、クリミア自治共和国内にはロシアの圧力が覆いかぶさっていることは否定できない。

 アメリカはロシアに対する外交、経済的制裁を課すことを公表したが、それに対してロシアは脅迫であると非難している。当然アメリカとEU諸国の間で同じようにロシアへの制裁が決まるかと思いきや、各国それぞれにお家の事情がありそこに温度差もあり、イギリスとドイツでは対応が大分異なる。ドイツはエネルギー源の1/3をロシアに依存している内情がある。

 問題は、ロシアのクリミアへの一方的な侵略行為が果たして道義上国際社会で許されるであろうか。ロシアの言うように、自分たちの勝手で侵略しておいてクリミア内のロシア系住民の安全を守るという詭弁はとてもそのまま受け入れるわけにはいかない。誰がそんな理屈を承服できるだろうか。自国民の保護を理由に他国に軍隊を派遣し内政に干渉することをそのまま放置したら、これからも力のある国が小国を奪い取ることを真似される恐れがある。ロシアがロシア系ウクライナ人を甘い言葉でそそのかし、ロシアへすり寄らせるやり方は、完全にウクライナの自治権を犯すものであり、こういう事態が野放しになっては国家の存在自体が危ういものとなる。今度の騒ぎは、明らかに背後でロシアが糸を引いていることは明らかである。ロシアの行為は糾弾されて然るべきである。

2014年3月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com