2578.2014年6月4日(水) 最近日本の気象がおかしい。

 気候が不安定で全国的にもこれまでの常識を覆すような現象が起きている。昨日と今日の2日間日本列島は高気圧に覆われたことと、フェーン現象が起きたことにより全国的に暑かったが、不思議なのは北の大地、北海道が全国で最も暑かったことである。例えば、昨日は全国927観測地点のうち18地点で猛暑日を示す35℃以上だったが、そのうち17地点が北海道だった。音更町で37.8℃を記録したが、これは90年前の帯広市で観測された道内最高気温と並んだ。

 ところが、今日は九州・四国方面が穏やかではなかった。朝から大雨が降っていた。宮崎県延岡市では今日までに例年の6月分に匹敵する雨量を記録した。明日にかけて四国から・近畿東海地方に激しい雨が降るようだ。

 自然現象ばかりでなく、人間社会も国内外でおかしくなった。今日は天安門事件発生以来四半世紀が経過した。警戒厳重な中国国内では大きなテロ事件はなかった。反政府デモを徹底的に力で抑えつけようとの姿勢には変わりがない。しかし、共産党政権1党独裁体制、官僚の腐敗、言論弾圧に対して中国政府がいくら抑え込もうとしても野火の如く深く浸透した民主化グループとの抗争は所詮いたちごっこのようなもので、いつかは必ず独裁的非民主的政権が転覆することははっきりしている。どうしてこんな分かり切ったことが、中国共産党幹部には分からないのだろうか。

 さて、今朝の朝日に面白い調査結果が紹介されていた。「子ども・若者白書」で日本の若者と外国の若者の意識の違いがはっきり表れている。日本の若者は自信も希望もないと比喩的に取り上げられている。

 例えば、「自分自身に満足しているか?」との質問には、日本人はアンケートした外国人の中で最下位で僅か45%しかいない。他国はすべて70%を超えた。「将来に明るい希望を持っているか?」との問いには、日本人は61%で最低である。この他「自分に長所はあるか?」や、「40歳になった時幸せになっているか?」でも日本の若者は最下位である。日本の若者は自信喪失なのである。ところが、「自国のために役立つことをしたいか?」では、予想もできないことに日本の若者がトップだったとある。滅私奉公とは言わないが、国のために努める気概があることは、まだまだ捨てたものではないと捉えることもできるのではないだろうか。

2014年6月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2577.2014年6月3日(火) モーレツな教育ママ

 今月の日経紙「私の履歴書」は、地味な方だがアサヒビ-ル相談役で、元NHK会長も務めた福地茂雄氏が書いている。中々ユニークな筆遣いで、得意だった国語の自己満足ぶりがユーモラスに描かれている。5年生の時短歌で「一枝(ひとえだ)の林の中を過ぎゆけばほのかに匂う梅の花かも」と書いたらインテリだった母親から「過ぎゆけばを、歩みゆけばというように字あまりしなさい」と言われたという。小学生時代に在校生を代表して卒業生を送る送辞を述べた時には、その言葉がインテリだった母親の添削指導もあったというが、傑出してとても小学生の書いたものとは思えない。

 「厳しい冬の寒さに耐えて、清く気高く咲き匂いし梅の花もいつしか散って、緋桃、白桃、競い咲く弥生の候となりました」。これが5年生の文章かと感心するのだが、教育ママだった母親は福地氏が大学生になっても変わらなかったという。モーレツ教育ママだったことが伺える。

 その福地氏が目を付けたポスターに面白いのがあった。

 子どもの頃現在の北九州で見たポスターに「ルーズベルトのベルトが切れて、チャーチル、散る、散る、首が散る 玉井金五郎」と書かれていたという。最近脚光を浴びたクリミヤ半島のヤルタで行われた第1次世界大戦の終結条件を話合った、ルーズベルト、チャーチル、スターリンの大物三者会談を痛烈に皮肉ったものだ。玉井金五郎とは作家火野葦平の父親で「花と竜」の主人公だった人物だそうだが、子どもの頃の記憶はいつまで経っても忘れないものだと思うと感に堪えない。福地氏の履歴書からこれからどんな興味深いエピソードを紹介していただけるのか、楽しみにしたい。

 さて、また訃報である。高校ラグビー部の村田さんが亡くなられたことを知らされた。最近数年お会いすることもなく、体調が悪いと聞いていた。私の2年前のキャプテンだった。京都の中学から湘南高へ入学したばかりであまり友人がいなかったが、いろいろ気を遣っていただいた。私がラグビー部OB会長に就任した時には、積極的に周囲のOBに私を会長に推してくれたと元会長から伺った。昨年夏には1年上のキャプテンだった渡辺さんが亡くなられた。いずれもお世話になり、よく存じ上げていた人なので余計に寂しい。

 お会いするといつも「おう、元気か?」と言った村田さんの顔が忘れられない。心よりご冥福をお祈りしたい。    合掌

2014年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2576.2014年6月2日(月) 両陛下来年パラオへ慰霊訪問を予定

 NHK「ニュースウォッチ9」の中で、天皇・皇后両陛下が来年戦後70年を記念してパラオ共和国を訪問されると短く伝えていた。両陛下にとって中部太平洋海域では2005年にサイパン島へ慰霊訪問されたのに次ぐ巡拝となる。偶々8月に上梓予定のノン・フィクション「南の島の日系人大酋長の波瀾万丈」の中で両陛下のミクロネシア巡拝について触れた。その中でこんなエピソードを紹介している。両陛下がパラオ、ミクロネシア、マーシャルを訪問されると読売新聞に報道までされながら、結局すべて実現されず、その後にサイパン訪問が実現した。ススム・アイザワ大酋長は当時のミクロネシア大統領とともに天皇にお会いした時に、天皇が慰霊のためにぜひ中部太平洋を訪れたいとの篤いお気持ちを抱いておられることを感じ取ったようだ。

 残念ながら天皇のミクロネシア連邦訪問はいまだ実現せず、パラオに先を越されてしまった。ご訪問はいつのことになるか分からない。ミクロネシアの受け入れ態勢をハードとソフトの両面で考えるとそれも致し方ないと思う。人口がパラオの2倍もあるというのに、現状はパラオにすべての面で遅れている。大酋長が亡くなる2年前の2004年に、チューク州だけでも現在のミクロネシア連邦から離脱して独立国家とならなければチューク州は発展しないと遺言のようなメッセージを残した。大酋長の予言は案外当たっていたのかも知れない。昨年ミクロネシアを取材して、確かに現状では両陛下はもちろん、各国の王族の訪問を受け入れるには少々無理があるように思えた。

 天皇に慰霊のお気持ちがあり、天皇の健康が許されるうちに、何とかミクロネシアとマーシャルをも訪れてもらえるよう願っている。それが、中国大陸、フィリピンに次いで今次大戦で戦死者が多かった中部太平洋海域の英霊に対する償いにもなると思うからである。

 さて、明後日6月4日は中国天安門事件が勃発してから四半世紀になる。すでに中国官憲は政府批判やデモを警戒して厳しい警備体制を取っている。昨日香港で事件の犠牲者を追悼する民主派団体によるデモがあった。東京でもシンポジウムがあり、当時の学生リーダーのひとりで中国から逃れ台湾に在住する、懐かしいウアルカイシ氏が「今も中国に自由はない。民主化を求める活動を止めてはいけない」と訴えた。

 最近の中国の非民主的強権ぶりはエスカレートするばかりで、公安当局は言論統制や政治的な集会などへの取り締まりを強めるため、刑法の「故意に騒動を引き起こした罪」の解釈を拡大し、ネット空間を公共の空間として取り締まる方針に切り替えた。これにより、ネット通信で政府批判をすればすぐ検束される。明後日の都市周辺ではどんな形で共産党一党独裁政権への抗議が示されるのか、他人事ではいられない。

2014年6月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2575.2014年6月1日(日) 学校給食について朝日の雑駁な論説

 今日から陰暦の水無月に入った。普通は梅雨で雨の多い時期の筈だが、今年は本当に水無月となった。西日本では京都市内36.0℃、岐阜県郡上八幡で35.1℃、全国で一暑かったのは群馬県館林の36.3℃で、都内でも練馬区内の34.8℃、千代田区内でも33.1℃を記録し、いよいよ本格的な炎暑の夏の到来である。

 誘われたがこんな暑い中を神宮まで母校の応援に行く気にもならなかったが、昨日に続いて行われた早慶戦で、慶應が早稲田をストレートで降し、6季ぶりの優勝を飾った。メデタシ、メデタシ。

 夕方になって近くの駒澤公園へウォーキングに出かけたら、中央広場ではドイツのビール祭を演出して多くの屋台が立ち並び大勢の人だかりだった。暑い中でビールを煽っている人がたくさんいるのには、ほとほと感心した。いずれにしろこれから暑い盛りとなるので、辟易させられる日が増えてくるだろう。

 それにしてもこう暑くなってくるとよほど健康に気をつけていないと参る。先日本ブログでも批判的に取り上げたが、新潟県三条市が学校給食で試験的に牛乳を停止すると馬鹿げたパフォーマンスを行っている。単に和食に牛乳は合わないというだけの理由で試験的に行っているようだが、それなら成長期の子どもに他の何からカルシウムを摂取させようとするのか。具体的な代案がない。米の産地だから、米と合わないから牛乳を排除するというなら最早学校給食とは言えまい。給食の理念から考えてもおかしくはないだろうか。

 今朝の朝日「社説」が学校給食と牛乳の関係について「給食と牛乳―望ましい食事とは何か」と取り上げている。興味を持って読んでみると天下の朝日が結論なしの無駄な文を書いている。三条市の今回の取り組み、最近の学校給食の献立例、和食が無形文化遺産に登録されたこと、などを羅列しているだけで何も学校給食のあるべき姿について真っ当な提案をしていない。そのうえで、肝心なのは牛乳の是非論ではないと言っている。そうだろうか。費用も限られた学校給食では、牛乳に代わるカルシウム補給食はそう簡単には見つからない。いくら米どころとは言え、牛乳をなくした分、米の量やおかずの内容を工夫して、米どころらしい献立で必要な栄養を満たす試みを評価しているようだが、そんなにうまくいくだろうか。しかも、何といっても子どもの大切な食事をこれという代替食品が見つからないのに止めてしまうのは、あまりにも短絡的に過ぎると思う。

2014年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2574.2014年5月31日(土) 極東で四面楚歌に追い込まれる中国

 安倍首相が昨日シンガポールで開催されているアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で基調講演を行い、南シナ海で実効支配を強める中国が既成事実を積み重ね、現状の変化を固定化しようとする動きを非難し、中国の海洋進出を牽制した。同時に、尖閣諸島について領土問題は存在しないと言明し、東シナ海、南シナ海で国際法が順守されるよう述べ、一方で中国と領有権問題を抱えるフィリピンとベトナムの立場を支持した。

 ところが、講演後の質疑で中国軍人が、「先の戦争では何百万人もの中国、韓国、アジアの人々が日本軍に殺された。その魂にどんな姿勢を示すのか」と質問した。安倍首相が日本は対戦への痛切な反省のうえに立って平和をつくってきたと応えたが、中国政府関係者は怒りをあらわにしていたという。この会議で中国も批判されることはある程度予想していたらしく、安倍首相に反論できる弁が立つ閣僚級を送り込んできた。

 中国も殊のほか、アジア諸国からの批判が強いことを認識したのか、多少はひるんだ様子を見せたが、強気な主張は最後まで引っ込める気はなく、「海洋権益を守る決意と意思は固くこの問題で駆け引きする余地は全くない」と性懲りもなく強気一辺倒である。

 これまで公的に中国を批判しなかったアメリカがここへ来て中国を批判し始めた。

 今日開かれたアジア安全保障会議でアメリカのヘーゲル国防長官が講演で、挑発を続け主権拡大の姿勢を強める中国を名指しして強制や威嚇は断固許さないと強く批判した。国防長官がこれだけ強い調子で中国を非難したのは久しぶりである。これもアジアに対するアメリカの関与に対する疑念が関係国の間で広がっていることが背景にあると見られている。

 これで中国の出方にはかなりブレーキがかかるかも知れないが、いずれにしても極東で中国を頼っている国は、カンボジア、ラオス、ビルマぐらいしかなくなっている。そこへ日米両国がはっきり中国の海洋進出を批判したことにより、中国が強気の外交及び防衛力を少しでも手控えるようになるだろうか。

2014年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2573.2014年5月30日(金) 信じて良いのか、北朝鮮の拉致被害者調査

 昨日大きなニュースが2つあった。

 そのひとつは、ストックホルムで開かれた日朝交渉で日本人拉致被害者を再調査することで北朝鮮と合意したと安倍首相が記者会見で発表したことである。拉致被害者と併せて拉致された疑いのある特定失踪者の調査も開始するという。過去4回に亘って約束を反故にした北朝鮮の戦術転換には、北の苦しい事情が隠されているのだと思う。唯一通じ合っていた中国とは、親中派の金正恩第一書記の叔父・張成沢氏を処刑したことによって、蜜月関係ではなくなった。今や四面楚歌の北が、日本にその交流の機会を広げることを狙い、拉致をテーマに歩み寄って来たものと思う。

 両国の交渉の前途には問題が山積している。拉致被害者の調査と言いながら、北は真剣に取り組んでくれるだろうか。ジェスチャーだけで実質的な結果を示さず、結果的に制裁措置の一部解除だけを主張することになるのではないだろうか。

 他にも日本の北制裁解除について日米韓が北の弾道ミサイル発射や核開発などに対して、警戒、制裁を決めていることから米韓両国は日本の対応を憂慮している。

 もうひとつは、日本維新の会が共同代表の石原慎太郎氏と橋下徹氏が袂を分かつことになったことである。もともと相手を慮る人柄ではない両人が、同じ目的地に向かうとは言いながらルートが異なる船に揃って乗ること自体に無理があったと思う。石原氏は自主憲法の制定を目指すうえで、橋下氏が考えている「結いの党」との合流は意味がないと考えたが、橋下氏との意見調整はつかず僅か1年半で分党することになった。石原氏はシンパを率いてわが道を往く。一方、橋下氏は同志とともに野党再編を目指し、大阪市長兼任のまま、また新たな戦いを挑むことになった。

 政治的影響力のあるふたりが、政界で力を削ぐような形で矮小化していくことが残念である。

 今日の駒澤大の講座でも2人の講師が、ともにこの2つの問題に触れられた。当分の間昨日明らかになった2つのトピックスが、大きな話題になることだろう。

2014年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2572.2014年5月29日(木) 東京オリンピック会場の建設について

 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を目指して、競技会場・施設の新築や改造が企画されている。今最も注目されているのは、開会式、閉会式が行われる主要陸上競技場の国立競技場を建て替える計画である。

 昨日も日本スポーツセンターの将来構想有識者会議が開かれ新競技場の基本設計案が承認された。一昨年総工費1300億円で国際コンペ案が決定された。その後昨年9月にオリンピック開催が決定されるや総工費が大幅にアップされ3000億円と明らかにされ、その2カ月後に財務省と文科省の間で総工費1699億円を上限に合意した。どうしてこう簡単に金額が変更され、決定されるのかその経緯もよく分からない。

 競技場建て替えが問題となったのは、主に環境との調和だったが、それ以外にも施設の全体計画を見ると選手村を中心とする多くの施設はお台場、晴海地区に新設される。陸上競技のメイン会場となる国立競技場には、付属施設としてサブトラックが求められるという。こんな点を考えると敢えて現在の国立跡地にサブトラック造成のスペースがない新国立を作る必要があるのかと思える。どうせ新設するなら多くの施設の近くの晴海に作り、国立競技場は従来通りサッカーやラグビー球技として陸上競技とともに使用する方が無駄が省けたのではないだろうか。

 1964年東京オリンピックで国立競技場の他に駒澤競技場を第2会場として造成した。陸上競技場、サッカー場、2つの補助グランド、野球場、2つの屋内球技場が補完施設として機能した。老朽化したとしてその内1つの屋内施設は改修されるが、他の施設は多少手を加えれば充分使用できると思う。にも拘わらず駒澤は使用しないという。これも大きな無駄である。駒澤の正式名称は「駒澤オリンピック公園」という。

 関係者は本当にポスト・オリンピックや、無駄な投資を避けることを考えた末に議論を行っているのか首を傾げざるを得ない。

 メンバーはそれぞれオリンピック推進派の集まりだ。メンバーのひとり、小倉純二・日本サッカー協会名誉会長は、「日本でもう一度ワールドカップを開催するためには、FIFAが基準とする8万人の競技場が欲しい」とか、横川浩・日本陸上競技連盟会長のように「五輪後もトラックは残して欲しいし、常設のサブトラックも要望したい」とその欲望は留まるところを知らない。

 更に、費用の算出も杜撰なようで、東日本大震災後高騰した建設工事費や消費税の計算も好い加減だったことが分かる。

 皆自分の手柄にしたいために、勝手な要求をしているようで、これで国家行事が計画できるのか不思議な気持ちすらする。自分たちの懐から出資するのではないとすると、金が有効な投資かどうかを考えることもなくジャブジャブ使おうとしているように見えて仕方がないが、競技会場について考えるより前にもう少しオリンピックを国民が歓迎し後々まで良いオリンピックだったと思ってもらえるような制度設計を考えてもらいたいものである。

 午後長年付き合いのある証券会社より、わが家に来て株式投資の相談に乗ってもらっていたセールスマンが一昨日急逝されたと電話で知らせてくれた。20年以上も前に先代のセールスマンが健康を害して件の方が来られるようになったが、爾来何かと相談に乗っていただいていた。65歳ということだからまだまだお若いが、何とも寂しい限りである。お世話になった御礼とお悔やみを申し上げたい。      合掌

2014年5月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2571.2014年5月28日(水) 気に食わない人物は追い出そうとする政権の危険度

 駒澤大学のマス・コミ公開講座でNHK出身の須磨章講師が「ドキュメンタリーはこうして生まれる」という講座を持ったので、興味を持ち受講することにした。前2回は都合がつかず、今日初めて出席したが、須磨講師はNHKで「新日本紀行」など歴史に残る番組のディレクターを務められたということで、今日はそのシリーズのひとつ「蔵ずまいの町」をビデオで観せてくれた。これは今ではラーメンで有名になった喜多方の、昔ながらの蔵とともに生きる地元の人々の生活と蔵の保存について描いたドキュメントである。「新日本紀行」は、20年間に亘って毎週月曜日午後7時半から30分間放映されたモノクロ紀行番組で、当時としては富田勲のテーマ音楽も耳触り良く、印象に残る良い番組だった。

 画像を観ながら作成当時の思い出を話された。それ以外にも須磨講師はNHKで世界遺産番組を手掛けておられ、NHKの世界番組制作の中心となっておられるようだ。ペンクラブにもNHK出身の知り合いが何人かいるので、共通の話題もあり、いずれお話しすることになると思う。

 いずれにしても来週以降須磨講師の話を聴くのが楽しみになってきた。

 さて、政府が現在の原子力規制委員2人を再任しないことを決めた。そのひとりは、島崎邦彦・委員長代理であるが、政府や財界の意向に合わないとして再任を求めないようである。島崎氏はこれまで原発再稼働について厳しい考えを示していたため、はっきり言って政財界から嫌われていたのだ。島崎氏は東大地震研究所教授、日本地震学会会長、地震予知連絡会会長などを歴任し、日本では地震学のエキスパートであり、大飯原発稼働についても専門的な見地から、地震の危険性を指摘しており、関西電力にとっては獅子身中の虫のようなものだった。言葉は悪いが、端的に言えば島崎氏は原発賛成派から総スカンを食っていたのだ。これにより、原発の安全性を議論する規制委員が皆原発賛成派になってしまったということである。

 この政府の動きは自らの考えに反する者は極力排除する行動と言える。これと似た動きは憲法改正問題においても見られる。反対の多い憲法改正については、正面突破を避けて姑息な憲法解釈の変更のような手段によって自分たちの考えを強引に押し通そうとする。安倍政権の極右的動きには危険の匂いがしてならない。

2014年5月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2570.2014年5月27日(火) 中国の傍若無人ぶりに物申す。

 かつて知り合いだった若者から先日来ぜひ会って話を聞いて欲しいということで、今日漸くお互いの都合が合い、自由が丘駅前喫茶店で久しぶりにあった。

 5年ほど前に取材で一緒に仕事をした若者、と言っても40歳だが、いまでは仕事も変わり現在外資系生命保険会社に勤めている。前に会った時は、父親と音響会社を経営し、中国にも合弁企業を作っていたが、やはり中国人とビジネスを続けるのは難しいらしく、会社自体が倒産の危機に陥り、その一歩手前で会社を清算したと話してくれた。私はすでに生保に加入しているので、今更新たな契約を結ぶつもりがないことは前もって伝えたので、そんな期待はしていなかったらしい。

 新しく参考になる話も伺った。日本では高校までしか通学せず、父親の仕事の関係で中国の大学に入り2年間学んだという。奥さんも中国人で、それだけに中国について詳しく、中国人についてもその気質、性格などを冷静に分析している。彼の言によれば、現在中国は民間と政府との間に大きな考えのずれがあると言っていたし、人口構成も日本以上に少子高齢化が進んで現状のままではいずれ中国社会では国民の食べるものがなくなるだろうと見ていた。

 その中国だが、昨日は西沙諸島周辺で中国船がベトナム魚船に体当たりを食わせてベトナム船を一隻沈没させた。言い分はベトナム船が中国船に体当たりしてきたということである。

 一方日本の自衛隊機にも中国軍機が異常接近をして、中には僅か30mの至近距離まで近づき、一触即発の危険な状況に至ったようだ。日本政府は中国に強く抗議したが、中国は日本機が中国機に接近した危険な状態を作ったとまったく事実と異なる抗議をしている。それはベトナムに対するのと同じ理屈である。つまり、中国に言わせれば、紛争はすべて他国が仕掛けたものであるとか、中国が権益を侵されたと主張することにより、自らの正当性と間違った権利を主張している。他国へ侵犯し、その責は自国にはないという論理の繰り返しである。こうなっては、昨今の中国が犯した荒行をすべて国連で暴露してその非を世界に広く知らしめてはどうか。

 こういう常識とはおよそかけ離れた言動をする国家が存在することは、とても信じられない。傍若無人なパフオーマンスにお灸をすえる意味でも、やや乱暴な考えだが、一時的に中国を国際社会から孤立化させる手段として、少しずつ中国との外交、貿易を減らすことを世界的に考えてみてはどうだろうか。

 さて、朝刊の訃報欄で「東洋のマタ・ハリ」と言われた川島芳子の妹が亡くなったことを知った。昔加藤隼戦闘隊の方々からよく川島芳子の話は聞いた。日本人の養女となった姉川島芳子と違い、その妹は清朝王族の最後の皇女と言われていたようだ。愛新覚羅・満州国皇帝を思い出させる愛新覚羅顕琦氏がその妹である。戦後は右派分子と看做されて逮捕されるなど、随分苦労されたようだ。

 私自身はこれらの人々に格別な思いはないが、戦友会の多くの方々から折に触れ話を聞いていただけに、その人が亡くなったことを知り、大東亜戦争今や遠くなりとの思いを感じる。

2014年5月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2569.2014年5月26日(月) 元気な山岳部の仲間

 小田急山岳部の一員として仲間としばしば登山をやっていたのは結婚前のことだ。その後鉄道会社から旅行会社に出向したせいもあり、残念ながら彼らと登山する機会がなくなってしまった。

 最近では懇親会のような会合に出席するだけだが、昔テントを背負って南北アルプスを縦走したり、厳しい寒さの中を幕営したことが懐かしく思い出されてくる。今日は定年になったOB会員を歓迎する会合が海老名の会社施設の中で開かれた。よく一緒に登り教えていただいた先輩たちが健康問題上出席できなかったのは少々寂しかった。今ではほとんどが仕事から離れ、時折パートを頼まれ手伝っている人もいるようだが、元気そうなので安心した。

 昨日行われたウクライナ大統領選で、ポロジェンコ元外相が大差で対抗馬のチモシェンコ元大統領を破り当選した。親欧米派のポロジェンコ氏が大統領に選ばれたことにより、東部の親ロシア派は元々選挙を行わず、選挙結果に態度を硬化させ、その結果の受け入れを拒否している。アメリカ政府は選挙を実施したウクライナ政府を称賛し、ロシア政府も受け入れる意向を示した。

 さて、先月18日に観た映画「ワレサ 連帯の男」の主役、ポーランドの連帯ワレサ議長を傷め続けたウォイチェフ・ヤルゼルスキ元大統領が昨日亡くなった。90歳だった。2006年に民主化弾圧の責任を問われて検察当局に訴追されたまま、晩年は不遇だった。いずれにせよ共産主義国家時代のポーランドを象徴する体制派と反体制派のご両所として世界中の耳目を集めた。時代は確実に過ぎ去っていく。

 今夕の朝日に興味深い記事を発見した。古代ギリシャの叙事詩「イリアス」の舞台に出てくる都市をトルコのヒサルルックの丘で発見したとされるハインリッヒ・シュリーマンのトロイア史実発見説が怪しいとする主張である。中近東文化センター付属アナトリア考古学研究所長の考古学者・大村幸弘氏が疑問を投じたのだ。私自身15年前にトロイア遺跡を訪れ、現地でガイドの説明を聞き地形を確認して納得していたので、今更そんなことを言われてもちょっとすっきりしない。記事は大きなものではないが、これからどんな史実論争が行われるだろうか。拡大するのだろうか。興味と不安感がある。

2014年5月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com